遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
神経痛

 神経痛にはいろいろの型があります。
 カゼをひいて後頭部や腕などに、針を刺すように痛が出る。あれなどが典型的のものです。たいがいは一時的のものですが、中には、ながい間さしひきして、はかばかしく治らず、慢性の持病のようになってしまうのもあります。原因もいろいろあるので、ともかく医者に相談し、まず原因をつきとめ、それに応ずる手当をすべきです。しかし、どんな痛にでも通じていえることは、食べ物がずいぶん影響する、ということです。歯痛や、頭痛や、レウマチ痛や、傷の痛も、みなそうですが、砂糖、菓子、酒、穀類(飯、パン、ウドンなど)、肉類(獣鳥魚介)、卵などでは、きまって痛みが強くなり、おさまっているものも、また痛み出す。そして、野菜(ことに良質ナッパ)や果物や乳などでは、痛みが軽くなるか、無くなるものです。昔から、猪を食うとか、鶏を食うと、3年の疵も痛むなどといいますが、美味しさにだまされて、つい食いすぎるからで、何も、猪や鶏にかぎったことではありません。それは、こうした糖、アルコール、穀、肉、卵が、ともに酸性食で、アルカリことにカルシウムに乏しいことで、説明されています(おそらく、それだけではないでしょうが)。

 いったい体液の中のカルシウム・イオンが減ると、神経の興奮性がたかまって、すべての刺戟に強く反応し、痛もつよく感じるようになります。ところで、砂糖や菓子、酒類、澱粉の多い穀類などは、もともとカルシウムが少いうえに、ビタミンBの不足のため酸性の代謝中間産物が出来、カルシウムを奪います。肉や卵類も、もともとカルシウムに乏しいだけでなく、燐や硫黄にとんでいるため、燐酸や硫酸が出来るため、その中和のために、カルシウムがとられます。そこで、そのいずれにしても、カルシウムの不足をおこし、神経が感じやすくなる、というわけです。

 さて、食べ物の中のカルシウムが、うまく利用されるためには、カルシウムが十分に含まれていること(しかも、それが、吸収されやすい型でなければならぬことは、いうまでもないが)、と同時に、アルカリにもとんでいることが望ましいわけで、そういうものは、動物性のものでは、乳、植物性のものでは野菜と果物、中でも、質のよい緑葉類てす。
 で、痛のある病気には、すべて、乳や野菜果物がよいというので、乳菜食や、生菜食がすすめられているのですが、ことに、緑葉食や青汁がよろしい。事実、どこの痛でも、たいていのものは、糖分、アルコール、穀、肉、卵類をやめるか減らすだけでも、いく分軽くなるし、乳菜食ことに緑葉食にし、青汁をしっかり飲むと、ずっとよくなり、ついには無くなってしまうものです。こうした食は、カゼなどでは、カゼそのものにもよいし、原因のわからぬものでも、ともかく、痛を和らげるためだけにも効果があるので、精々やってみるべきです。

 そして、治った後も、つとめて緑葉食・青汁を中心とした完全食にしておくことです。
 神経痛は、たびたび再発する傾向のあるものだけに、このようにして体質を変え、少々のことにはビクともせぬからだにしておくことが大切です。私は以前、カゼをひくと後頭部に神経痛のあらわれるのが常でしたが、緑葉食・青汁をはじめてから、カゼもひかなくなったし、たとえひいても神経痛は出なくなっていました。

 ところが、昨年の夏の初め、日本脳炎の予防注射をうけて2日目から、いつもカゼの時に出ていた右後頭部に、原因不明の神経痛が出て来ました。大してきつくはないが、なかなか頑固で、一向におさまらぬ。どうもおかしい、おかしい、といっているうち、1週間目くらいに、その部に水疱があらわれた。帯状ヘルペス(躯幹に出ると半側に帯状に出るので、こういう名がついています)だったわけです。この病気は、ビールスが神経の根をおかすもので、水疱の治ったあとまでも、かなりながく(時には半年も1年以上も)痛がのこるものです。

 そこで、まず青汁絶食をやってみました。
 痛み出して約1週間、帯状ヘルペスとわかった翌日の朝から、ほかの食事は一切とらず、ただ青汁だけを6合のみました。すると、効果はまさにてきめん。さしもに頑固だった痛が、その日の午ごろからピタリとなくなりました。翌2日目も同様。3 日目から、青汁は4合にし、イモ(ジャガイモ、サツマイモ)、大豆(枝豆、豆乳)、南瓜、牛乳、果物(バナナ、水瓜)にし、しだいに増して行きましたが、僅かに痛むだけで、大して苦痛はありません。しかし、白米飯、パン、肉類、卵などを加えると、その分量に応じて、いくらかづつ強くなります。
 もっともこたえたのは菓子で、もう余程おちついてからでしたが、夕方カステラ(約100グラム)を食べ、2 〜3時間後から夜通し、かなりの痛みに悩まされました。なお、このヘルペスの痛みは、ふつう、かなりはげしいもの(麻薬でなければ我慢できぬものさえあるほど)なのだが、私の場合さほど強くなかったこと(時々アスピリンをのむ程度)。水疱の治りが予想よりずっと早かったこと(主治医は1 ヶ月はかかるだろうといっていたのが、約2週間で殆んど治った)。ともに、おそらく青汁のせいだったのではないかと思われます。また、神経痛は、約5週間でなくなり、中心になった部のシビレ(知覚鈍麻)と、その周辺の知覚過敏帯を残すだけとなりました。
 ともあれ、平素、いつも、うまいことをいっていながら、注射のせいとはいえ、こうした病気にとりつかれたこと、つまり、私の日常が、口ほどでなかった=不徹底きわまるものであったことについては、大いに反省させられましたか、痛みにたいする食事の影響について実験する機会を得たことは無駄でなかったと思っています。

<(1969・2 遠藤)健康と青汁第150号より>




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