遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 心筋梗塞の食べ方

 心筋梗塞(こうそく)というのは、狭心症をおこす病気の一つで、心臓をやしなっている冠状動脉という血管が硬化して、ついにふさがってしまうものです。欧米諸国には非常に多いが、わが国では、今までは世界一少いといわれていました。しかし最近はかなりふえて来たようで、新聞の訃報などでも、よくみかけるようになりました。
 この梗塞のもとになる、冠状動脉の硬化の原因については、今さかんに研究されていますが、どうやら食餌中の脂肪の食べすぎが一番問題になっているようです。からだで始末する能力以上に多く脂肪をとることが原因になるというので、アメリカなどでも、この病気のものや、そのおそれのあるものは、1日20−30グラム以上の脂肪を食べてはならぬといわれ、そのようにすると病気もよくなるといわれています。
 なお最近の発表によれば脂肪の中でも、陸棲動物の脂肪(バタや牛豚脂など)や、加工して固形にした植物油(マーガリン)は悪く海棲動物の脂肪や、生の植物油では、そうした害はないという学者もあります。これらのことがらは、この病気が、欧米人のように脂肪、ことに陸棲動物の脂肪やマーガリンを沢山(1日100グラムもそれ以上も)食べているところに多く、従来の日本人や沖縄人のように、脂肪のとり方が少い上に、主に植物油や海棲動物(魚介類)の脂肪を食べているところに、少い事また最近のわが国で、欧米流の贅沢な生活にかぶれている人々、ことに上流の富祐階級者に多いこと、などの事実をよく説明してくれるように思われます。

 ところで、一方ではまた、こうした大量の脂肪の害もビタミン類ことにB群ビタミンを充分にとることで防ぐことが出来るということもわかっています。ここでもバランスが必要なわけで、この病気の原因でも、ただ脂肪のとりすぎだけか、まだ他の原因があるのかはともかくとして、要するに、熱量ことに脂肪や蛋白質に偏った過食と、それに釣り合うべきビタミンやミネラル類の不足、つまり、ひろく不釣合な不完全食(偏食)の飽食が原因のように考えられます。
 そこで、この病気の食べ方としては、何はともあれ、ただしく釣合のとれた、ことにビタミン、ミネラルに富む食餌の少食が適当でありましょう。この意味で私は緑葉食、青汁をすすめたいと思います。また事実、なるべく菜食にし、青汁を励行してよくなった方も少くありません。

 ついでに1、2の注意を書きそえます。

     適度の運動の大切なこと−
     ロンドンのバス(名高い2階つきのバスです)の乗務員での調査によると、運転手よりも、車掌にはずっとこの病気が少い。それは車掌が運転手よりよく運動するからだ、といわれています。もっとも、運転手に多いのは、運動が不足するためだけではなく、神経をつかうことが多いからだ、ともいわれています。

     心の持ち方−
     これは、心の持ち方の大切なことを教えるものといってよいでしょう。実際精神的の興奮でもよく発作がおこるものです。要するに、この病気の人は、つねに心神の安静をはかり、適度の運動と、菜食に傾いた完全食の適量をとることが大切で、昔からいわれている健康長寿法、頭寒、足熱、腹八分と全く一致するわけです。

 なお発作時には、心身の安静をまもり、すべて医師の指示にしたがって静養すること。その他タバコ、酒に対する注意は、どの病気でも同じ。糖分もすぎぬよう。狭心症をおこす病気は他にもいろいろありますが、大体これに準じた療生法をすればよろしい。

<1957・1 健康と青汁 第11号より>




ご意見・ご要望はこちらへクリック
階層リンク 田辺食品 利用者の声 上の階層へ  
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法
Copyright 2005 08 田辺食品株式会社
s