遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
食事の回数

 ふつう、私どもは、一日に3回食べています。回数を多くすると、つい食べすぎになるからよくない。回数をへらせば、しぜん減食になる、というので、一日一食にしたり、二食にし、間食や夜食はつとめてさけるべきだ、というふうに考えられています。しかし、この関係は、どうも、そう簡単なものではないようです。
 もちろん、5回も6回も食べ、そのたびに腹一杯たべていれば、食餌の絶対量がうんと多くなるので、当然ふとります。そして、血液のコレステロールや中性脂肪がふえて、血管をいため、脳や心臓の血管事故が多くなったり、糖尿病その他のいわゆる成人病が多くなるわけで、食事回数をへらせば、それが防がれようというのです。

 ところが、チェコのファブリー博士の説によると、食事の回数が少ないばあいは、たびたび食べるばあいに比べ(もっとも少量づつなんですが)、若いものはふとりやすく、老人は血液コレステロールが増し、糖尿傾向になりやすい。そして、千名以上もの60代の男子について調べてみたところ、食事回数の少いもの(3回以下)では、回数の多いもの(5回以上)よりは、心筋梗塞(心臓を養っている血管の硬化で血管がつまってしまう病気。欧米では死因の第一に数えられており、わが国でも最近ふえて来た)にかかる率が高いことがわかった。というのです。
 また、こんなこともあります。それは、毎日に分けて食べると、かならず餓死するというような乏しい食餌のばあいでも、それを、1週分なり10日分なりをまとめて、時々食べるようにすると、餓死しないばかりか、多少、体重がふえさえもする。というのです。

 これらのことがらは、ともに、食事の回数が少ないと食糧の利用の効率がよくなり、回数が多いと食糧の浪費になる、ということをしめすものです。そこで、食事の乏しい時や、ふとりたい時は、食事の回数を少なくするのがよいし、食糧が豊富で、とかく食べすぎになり、糖尿病や動脉硬化や高血圧などをおこすおそれのあるときは、食事の回数をへらして加減するよりは、むしろ、反対に回数を増して、毎回の分量は少なくするのがよい。というわけで、少くとも中年以後のものには、こうした食べ方が適当のようです。
 ところで、このことが、古人の養生法として、
 
     「食は少にして数なるを欲し、頓に多きを欲せず」(千金方)
     
 と訓えているところと、全く相一致しているのはまことに興味ふかいことというべきでしょう。

<(1969・3 遠藤)健康と青汁第151号より>




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