遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 精力をもたすには
 ちかごろのインテリ男性は、30才にしてはやくも衰えはじめ、40〜50ともなれば、救いを薬にもとめているものが少なくない、といわれる。

強精剤
 てっとり早いのは性ホルモン剤。
 スタイナハの若返り法に睾丸が移殖されたことは、あまりにも有名だが、今ではいろいろ有力な薬剤ができている。
 ただし、こいつ、ともするととんでもないイタズラをする。
 そのみちの専門家によると、美しい後妻をめとり、ホルモン剤で景気をつけている老人には前立腺癌が少なくないというのだ。
 ホルモンは、体内の機能調節に重大な影響をもつもの。
 それも、パロチン(耳下腺ホルモン)といったものであれば、あるいは、まだ無難かも知れないが、こと性ホルモンとなると、うっかりすると命とりにもなりかねないから、青春のよみがえりといい気にばかりなってはいられない。
 直接いきおいをつけるものにはヨヒンピン。
 脊髄の性中枢を刺戟して局部に充血をおこすもの。
 これとて、副作用が全然ないわけではない。
 漢方由来の民間薬、家伝の秘薬といったたぐいにも、あらたかな霊験のうたわれているものもいろいろあるようだが、どうも、まやかしものが多く、ただ多額の金をふんだくられているだけのような気がしてならぬ。

強精食
     
     猪を食うと精がつくという。
     猪にかぎらず、エキス分の多いうまい肉は神経を興奮する。
     同じ牛肉でも、肉牛よりも、屠殺するまで労作につかわれていた役牛の肉の方がよくきく。

     蛇、ことにマムシ。
     蛇性の淫とやら、蛇は元来精力の強いものらしいし、もたげた鎌首はたくましさのシンボルでもある。
     骨をきざんで飲んだり、黒焼にもする。
     蛇酒、マムシ酒もよく、肉を食ってもよいそうだ。

     ウナギ
     夫婦してうなぎを食へばをかしがり(川柳)
     モツを生で食べると、とくによいという。

     貝類
     頓医抄に、蛤汁は起陽の薬とあり、婚礼その他縁起ものに欠かせぬものになっているのは、そのいわれかららしい。
     そのほか、すべて肉食では、たしかに元気が出る。
     また、体格は大きく立派になるし、早く成熟もする。
     そこで、力士やレスラーはさぞかし、と思われるが、存外はやく衰えるとか。

     肉食
     つまり蛋白質をよくたべると、一時的には馬力が出る。
    けれども、その体内代謝に必要欠くべからざるビタミンやミネラルの不足で、種々の有害産物ができ(いわゆる血の濁り)、疲労しやすい。そこで、元気にまかせての乱用と相俟って、体力・精力の衰えをまねくもののようだ。

     ホルモン料理
     なにかの本で、睾丸料理を食ってひどく精力がつき、手当りしだい人間も動物もなぎたおしてしまった、という王様の話を読んだことがある。
     太閣が朝鮮征伐で虎狩をやらしたのは、荒淫の末の腎虚の救いを虎の肉や精にもとめたためだったそうだが、どうやら、期待はずれだったとみえ、間もなく中止されている。
     鹿やオットセイの精も、古くからいわれている。
     今のホルモン料理は内臓料理で、栄養価の点で、ただの肉食よりは確かにすぐれているから、おそらく強精効果も大きいだろう。

     納豆
     納豆もよいそうだ。

     アルコール
     人により、量により、元気がつくのも、却ってくじけてしまうのもある。

     人参・牛蒡
     人参や牛蒡も精力がつくという。
     人参好きは色好み、と俗にいうのは、何か特別の成分があるのかも知れないが、栄養価の点からでもうなづける、というものか。ただし牛蒡には大した栄養価があるようでもないから、たくましい姿からの連想か、それともなにかホルモン様の成分でもあるのだろうか。あるいは、根のふかいものだけに、地中ふかく沈下している痕跡成分にとむ故の効ででもあろうか。

     旬(しゅん)のもの
     タケノコ、ワラビ、キノコ、アスパラ、ナタネやケールのトウなど、旬のものも精がつよいといわれるが、なにか特効成分があるのだろう。

     香辛料
     5種の辛、熟せるを食すれば淫を発し、生を啖(くら)へば恚(いかり)を発す(首愕厳経)。
     香味つよいもの、刺戟物などすべて淫慾をかきたてる。
     フキノトウ、防風、セロリ、パセリ、ネギ、ニラなど。ニンニクはその尤なるもの。

     食塩
     食塩も同じ。欧州には結婚式で花婿花嫁に塩をふりかけるところがある。
     アフリカ土人は戦闘や狩猟に出るときは禁欲し塩を絶つそうだ。
     塩からいもの好きは腎張り
     塩をよくつかう料理人は恋愛中
     などなど。
     しかし、確効があるにしても、いずれも、要するに当坐かぎり。
     一時的の興奮にまかせて衰えかけた精力を濫費すれば、却って枯渇をはやめることにもなろう。

合理的強精法
 だから、正しい強精法というものは、結局、食を中心とする日常生活の合理化によって、真にねばりづよい健康体となること。
 その結果としての精力回復、そして蓄積をはかることだ。
 こうした意味で、緑葉食・青汁――良質ナッパをうんと食い、しかも、なるべく多くを生で食べ、青汁ものむ。
 そしてミネラル・ビタミンに十分余裕のある完全食にすること(危険な農薬や産業廃棄物、洗剤、あるいは添加物に汚染してない安全食であることはいうまでもない)――と、なるべく正しい、自然に則した生活。
 また、事実、そうした自然生活をおくっているところには、健康かつ精力的な長寿者が多い(コーカサス地方の老人は100才すぎてもなお可能、といわれている)。

 青汁がよろこばれる理由の一つも、どうやら、このあたりにあるらしい。
 ただし、慎しむべきは過淫。
 いかに絶倫であっても、すごせばかならず衰えをはやめる。
 少なくとも、「御して泄らさず」の房中術(千金方)は心得ておくべきだ。
 したがって、合理的な強精法とは、つまりは正しい健康法。
 簡素な自然生活をおくり、安全で良質、よくバランスのとれた完全食(自然食)の適量をとり、精力の乱費をさけ、体力・精力との調和をうまくとってゆくところにあるといえそうだ。
(49・2)
<健康と青汁第229号より>




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