遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 性のいとなみ
 男女のいとなみあるいは自然。
 「男女室に居るは人の大倫なり。」
(孟子)
 そして、その正しいおこないは養生のもと、ともいわれる。
 「養生の道、男女の事を合法ならしむるに如かず。
 之を合法ならしむれば、即ち、肌膚悦沢、身軽く、目明かに、気力強盛にして、よく衆敵を服す。
 また曰く、神を養い、衆薬を服食すれば、長生を得べきも、然れども、交接の道を知らざれば、薬を服するも益なきなり。」
(彭祖)

 「交接の道、男女衰を致し、女百病を除く。
 心意嬉楽、気力強然・・・・・・その道は空気、定気、安心、和志にあり。」
(素女)

 「性交を行へば活溌となりかつ軽快となる。
 また女と性交との関係は、女が性交をなす時は健康に適し、もし性交をなさぬ時は健康上かへってよくない。」
(ヒポクラテス)


さかりの時
 年中いつでもやりまくるのは人間だけ。
 動物には、それぞれさかりの時がある。
「内田邦彦氏の南総俚俗に、世の始に、諸動物神前に集り、性交に就て聞く。
 神、誰は年に一期、彼は年に二期と定ると、皆畏みて去た。
 次に馬神前に進む。
 神、汝は年に唯一期と言ひも敢へず、馬怒りて神の面を蹴る。
 次に人、神前に出ると、神、馬に蹴られてうるさく思ひ、汝等思ふ儘に行へ。
 と言て奥に隠れた。
 爾来人間のみは、時を選ばず無定数に行ふ、と有る。」
(南方熊楠全集)

回数
 年令により、体力、体質、また季節によりまちまち。
 きまったものは、もとよりない。
 過ぎればよくないにきまっているし、思うにまかせぬのも味気ない。
 まあ、先人の訓えを参考に、それぞれためしてみて、頃あいというところを会得するのが無難であろうし、そうするほかあるまい。
「色欲房事の儀は、一月何程と申す養生家の戒の法度書物之あり候間、御所望ならば、書は進ずべく候。
 一人立ては此方より申かたく候間、生れつき腎分の強弱を考え候ふて、その元にて掛引成らる可候。
 これも過分にて病となり腎虚に成り候ては、此方の持場にて候間。
 その節、仰せらるべく候。平生の儀は、その元にてとくと自分を考へ、過ぎぬ様にならるべく候。」
(鹿門随筆)

年令
 年に応ずる精力。若いとき、十代、二十代、三十代までは強いが、その後は、代をかさねるにしたがい衰える。
 そこで、若い後妻は、往々にいのちとりになる。
 「人強弱あり、年老荘あり。
 各その気力に随い、強快を欲せず、強快即ち所損あり。
故に、
    男十五、盛者1日両施、痩者1日一施すべし。
    年20、盛者日両施、羸者1日一施。
    年30、盛者1日一施、劣者2日一施、虚者4日一施。
     50、盛者5日一施、虚者10日一施。
     60、盛者10日一施、虚者20日一施。
     70、盛者30日一施、虚者写さず。

また云う、
    年20、2日一施。
     30、3日一施、
     40、4日一施。
     50、5日一施。
    年60を過れば、また施写するなかれ。」
(玉房秘訣)

「素女法人、
年20、4日一洩。
 30、8日一洩。
 40、16日一洩。
 50、21日一洩。
 60、閉精し復た泄すなかれ。
 若し体力なお壮なる者一月一洩。」
(千金方)
で、これはやや慎重のようだ。
 若くて元気のよい、しかも不自由をしている時は相当いけるものらしい。
 某君、学生時代、ねんごろにしていた彼女と、延長実に18回戦におよんだが、さすがもう出るものはなくなり、あたりが黄色っぽく見えだしたという。
 また、91〜2まで、3〜4日ごとにいとなんでいたが、婆さんに若いつばめが出来たと聞いて毎日にし、しかも94才まで生きた爺さんがあったそうだ。(これも伝聞)

季節
 むかしから春三夏六秋一無冬といわれる。
    春は3日に1回、
    夏は6日に1回、
    秋は1日 1回、
    冬は  無制限、
という意味だそうな。

これは、東西とも同じとみえ、ヒポクラテスも、
「冬は頻回性交をなして差支ない。
 ことに、若い人よりも老人において左様である。
 春性交を慎しむ。
 夏性交はできるだけ減ずべし」
といっている。
 まこと、色は人生の大慾。
「よろづにいみじくとも、好色まざらん男は、いと寂々しく、玉の扈の底なき心地ぞすべき。」
(徒然草)

 だが、すぎるのはもとより不可。
    「色は身を削る鉋」
    「色慾は命を削る斧」
    「素女曰く、凡そ人の衰微する所以の者は、みな陰陽交接の道に傷ればなり。」
    (医心方)

    「その度を過ごせば、一定の乾燥状態となり、顔色蒼白、呆然たるにいたる」
    (ヒポクラテス)
 かといって、余りきびしく禁ずるのも、また不可。
「慎しむべし。ただし、全然抑遏することも不可。」
(ローランド)

「人は、凡そ陰陽の道を絶つべからず。久しければ天気を閉塞して病を致さん。」
(抱朴子)

「強いて禁欲すれば病気になります。」
(沙翁 恋の骨折損)

 からだの弱いものは、ことに過してはならぬ。
「元気になるためには女房に出ていってもらわねばならぬ。」
(英俚)

病後
 病気は治りがけが大切。
 つい、久しぶりだとやってしまって、後悔することがよくある。
 以前、結核などとくにそうだった。
 ながい病気で催おして来るのは、確かに元気づいた証拠には相違ないが、まだ安定しきらぬうちには、ちょっとした出来心が、生命とりにならぬものでもない。
 今時はやりの高血圧や心臓の悪いものなど、ことに物騒だ。
 うっかりちょっかいを出してはならぬ。
「病み上りある夜女房に叱られる
 側に毒があるとは医者も云ひかね
 看病が美しいので匕(さじ)をなげ
 女房をとりやげておいて療治する
 うちかへす病気女房きえたがり
 毒断(たち)の中の一つはむつかしき」
(川柳)

房中術
 そこで、昔からいわれているのが房中術、玄素の術、房中閉固術、房中補益術、陰補陽術。
 要は、御して洩らさぬのだ。
 そうすれば、弱いものも害をうけぬし、強いものはいよいよ強くなり、精力をながもちさすことができる、という。
「年40に至れば、須(すべから)く房中の術を識るべし。
 その道極めて近くして而も人之を知る莫し。
 その法、一夜に十女を御し泄さざるのみ。
 この房中の術畢矣。
 之は薬餌を兼ね四時絶ゆ勿(なく)んば、気力百倍し、智慧日に新し。
 此方の術の然らしむるなり。」
(千金方)

「その術を善くするものは、能く走馬を却けて、以て脳を補ひ、・・・・・・、人をして老ゆるも美色ありて、その禀くる所の天年を終へしむ。」
(抱朴子)

(50・5)
<健康と青汁第254号より>




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