遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
魚の骨

 内臓も骨も全体たべられる小魚は、蛋白食品のうちでは、乳汁についでよいものだ。
 それぞれの食品の栄養価をあらわす目安として、私は、その食品が完全な食(バランスのよくとれた完全食)になるために必要な良質ナッパ(たとえば大根葉)の分量をあげてみているが、乳汁は10分の1量のナッパで釣り合い、小魚は5分の1で釣り合う。
 これに反し、切身の肉や魚では2〜3倍のナッパが必要だ。
 だから、魚をたべるならなるべく小魚にし、内臓も骨も全部食べるよう心がくべきだし、そのように調理すべきだ。
 小雑魚、イカナゴ、ワカサギ、ハヤ、モロコ、小フナ、アユなどはもとより、イワシやサンマくらいまでは、全体食べたいものだ。
 小骨はすりつぶしてもよいし、やや大きいものは揚げものにする。
 そうすれば、らくに食べられることは、中国料理の鯉のとおりだ。
 もっと簡単には、とり除いた骨だけをよく焼いて食べてもよい。
 私どももウナギでは、よくそれをやった。
 腹をひらいて、まず内臓をとり出し、そのまま呑みこむこともやったし、吸物には必ず入れた。
 はずした骨はテッキで焼いて、つけ焼きにしてボリボリ食べた。
 もう20年以上のまえに聞いた話だが、当時85になるお婆さん。
 眼鏡もかけずに針仕事ができ、歩きぶりなど、若い者もかなわぬくらい。
 このお婆さん、お魚が大好物。但し、決して一度に沢山はたべない。
 また、残った骨は捨てず「何よりの薬」といって残しておき、あとで、よく焼いて粉にして食べる、ということだった。
 蛋白食は確かに大切だが、蛋白源として肉(切身)ばかり多く食べることは、決してよいことではない。
 それは、蛋白質の代謝に必要なビタミンに乏しいことと、代謝で出来る酸性分を中和するに必要なアルカリ、ことにカルシウムが乏しいことのためだ。
 そこで、全体(内臓も骨も)を食べることは、その欠陥を除くことが出来るわけだが、骨だけでも、カルシウムの不足は補うことができるから、このお婆さんが達者であったのも、うなづけるわけで(内臓も食べられる小魚なら、もっとよいだろう)、大いにまなばねばならぬことというべきだろう。

<(1970・5 遠藤)健康と青汁第165号より>




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