遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 流感の予防

 昨年の冬にもまた今年の夏にも流感が大変はやりました。どうやら世界的の流行らしいというので、この冬が心配されているようです。大正の初、世界中をあらしたスペイン風、あの頃私は高校生でしたが、それは全くひどいことでした。どうぞああしたことにはなりたいくないものです。
 さてその予防法ですが、実は今の所ワクチン接種位しかありません。
 病原はビールスですが、色々の型があって、流行毎にいつも同じとは限りません。ワクチン注射は、そのワクチンビールスが、その時流行している流感のビールスと同じであれば効きますが、ちがっておれば一向役に立ちません。丁度カギとカギ穴のようなものです。うまく合えばあきますが、一寸ちがっていても、文字通りさっぱりあきまへん。

 この夏のがそうでした。ビールスを捕まえてみたら冬のとちがっていたので、冬のでつくったワクチンでは駄目です。新しいビールスでつくるには三〜四ヶ月はかかる。冬までには間に合おうが、今すぐにはどうにもならぬ。カギ穴は見つかったが、合カギをつくるのにひまがかかるという訳で全く手を拱いていた次第でした。
 追々いろいろのビールスが見つかって、やがてはすぐに間に合うようになりましょうが、今の所余り頼りになりません。どうしても一般的の予防法を講ずる他ありません。それには罹る機会をなくすることと、一方進んで抵抗力を強くしてビクともせぬからだにしておくことです。
 罹っている人に近よらぬ罹る危険のある所ではマスクをかける(反対に自分がひいたら人に会うのを遠慮する。人の中ではマスクをはめる。咳やクサメは人の迷惑にならぬよう注意する)。 うがいを励行して病原体を洗い流す。昔の人はコヨリて鼻をくすぐってクサメをせよ、といっています。これも面白い予防法です。
 体力抵抗力をつよめるには、一つには心身の疲労をさけ、充分の休養、睡眠をとって体力抵抗力の消耗を防ぐこと。そして今一つには、平素からの鍛練と正しい食養とによって積極的に体力抵抗力の強化をはかること。 そのよい例は、乏しい粗食でボロをまとっている乞食はめったに風に罹らぬがご馳走を満腹してぬくぬくと厚衣している旦那衆はよく風をひく、という事実でしょう。

 皮膚の鍛練 今から始めると丁度よい。暑い間は裸。行儀は悪いがパンツ一つで真黒にやく。そして涼風が立ち、寒くなってもなるべく薄着する。そして皮膚の摩擦をやる。冷水でなくても、手や乾布でこするだけでもよろしい。タワシや荒縄でやればなお結構。

 鼻の鍛練 窓や欄間は年中解放しましょう。夏からならせば寒中でも少しも寒くはありません。冷たい水を鼻に吸いこむこと(鼻飲法)も毎朝やってみる。乗物の窓もなるべく開け風にあたることです。これ程よい鍛練法はありません。そして戸外の清浄な空気の所では、寒くなってもマスクはかけず、冷たい空気を吸いましょう。(用心家のマスクの使い方ーー乗物や百貨店など人混の、ビールスのうようよしている所でははずして、外にでるとかける。あれはアベコベです。)

 のどの鍛練 冷たい水のウガイをし、扁桃腺が腫れていれば軽いマッサージをする。こうして皮膚、鼻、のどをならしておくと、それだけでも余程抵抗力ができます。

 正しい食養 主食をへらし(ことに白米飯を少なくして芋、豆を食べ)肉や魚や卵は適宜に、緑の菜っ葉を充分に、しかもなるべく多くを生でたべ、青汁にしても飲む。間食には菓子をひかえて果物にする。

 こうしておけば、そうやたらにやられるものではないし、たとえやられても軽くすむ。前々号「流感と青汁」の条にもありましたように、青汁を飲むだけでも余程罹りにくくなります。夏の流感でも同じ経験を持っています(二面記事参照)。飲む量が多いほど、飲んだ時間が長いものほど抵抗力は強い。今からでも遅くありません。早速にも始めて冬の流行に備えていただきたいものです。
 そして、もしそれでも「おかしい」と思ったら、飯をよして青汁だけを飲んでおいてごらんなさい。軽いものはそれだけでも治ってしまうこともあり、薬を服むにしても、アスピリンかうどん屋の風薬くらいでも、結構ことは足りるものです。

<S32・9 健康と青汁15号より>




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