遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
老人食

 年がよって誰しもねがうことは、出来ることなら長生きしたい、それも、健康で長生きしたい、ということ。
 そのために、毎日の食べものが大切であることは紛れもないところだが、さて、それでは、一体、どういう食べ方にすればよいのか。

減食
 スペインのE.A.Vallejos博士は、75才以上の健康老人120名を2組に分け、A群には、2300カロリーの食(蛋白質50、脂肪40グラム)を毎日、B群には、それと、1日おきに、牛乳一立と果物50グラムだけ、をあたえて、30年間観察した。
 その結果、A群には、心血管疾患(狭心症や心筋梗塞)、悪性腫瘍(癌など)、心不全、気管支炎や、死因となった心筋梗塞、心不全などが、B群より2倍も多くみられたという。
 また一般に、ふとった者には早死するものが多く、やせた者には長生きするものが多い、といわれているように、どうも、健康長寿ということにとって、食べすぎが不利であり、少食が有利であることは疑いないようだ。
 さりとて、極端に減食して、やせ衰えてしまっては、体力・抵抗力をよわめ、かえって、いのちを縮めることにもなりかねないから、ともかく痩せればよい、食が細くさえあればよい、というものでもない。
 要は、バランスのよくとれた完全食の適量、すなわち、体力を維持し、活動に必要な最小限の栄養をとるべきだ、ということになろう。

負担のかるい食
 なお、老人はすべての機能(咀嚼、消化、吸収、代謝、排泄とも)がおとろえているので、なるべく少量で足り、消化・吸収しやすい、利用効率のよい、負担のかるい食でありたいし、すべての食品は安全でなければならぬ。
 この意味で緑葉食・青汁、ことに、主食には白米飯や白パンよりは芋・豆・雑穀・玄米の少量。
 蛋白食には、大豆ものや小魚・卵・乳の適量。
 そして、良質ナッパを主とした野菜・果物・山菜・海草を十分にとり、青汁も飲む、といった食(イモ・マメ・ナッパ・青汁食)が適当だといえる。
 それは、栄養のバランスがとれやすく、しかもミネラル・ビタミンには十分余裕があり、したがって、代謝は完全に行われ、いわゆる「血の濁り」(非科学的ないい方ではあるが、おそらく、こうしたところに老化の原因があるにちがいない)がさけられるだろうこと。
 また、不完全栄養のばあいに比べ、ずっと少量の食で足ること(少食)。
 なお、さいきんとくに甚しくなり、またなりつつある食品公害的の影響をさけることも出来るだろう、と考えられるからだ。

食べ方
 そして、食べる順序としては、まず青汁を飲み、次におさい。
 最後に蛋白食や主食を食べる。
 青汁を2〜3合ものめば、ミネラル・ビタミンの必要量は、十分とれているから、おさいには野菜・果物・山菜・海草など、安全性にさえ気をつければ、あまり栄養価にこだわることなく、広汎に、かつ、自由にもとめることが出来るので、こういう食にありがちな、単純さや味気なさをかこつこともない。
 また、青汁とおさいで、かなり腹がふくれるから、蛋白食や主食ばかりを食べすぎる心配もないし、実際には、かなり減食になっていながら、十分満腹感を得ることも出来る。
 なお、野菜や果物の繊維は、満腹感をあたえ、便通をよくすることのほか、腸内細菌のビタミン合成をたすけることや、血液コレステロールを下げる(つまり動脉硬化を防ぐ)作用もいわれている。
 また十字科の野菜には、さらに、腸内での発癌物質分解能(細菌性)をたかめる(つまり発癌性を減ずる)作用もあるらしい。

適宜にコントロール
 いつもこうやるに越したことはないが、なにぶん、うまいものがいっぱいの世の中。
 つい手を出したくなるのは人情というものであり、時には、止むを得ず悪食せねばならぬこともある。
 そこで、時々。せめて週に一度か、十日に一度くらい(Vallejos博士のように隔日ならなおよいだろうが)、あるいは、悪食したあとだけでも、思い切って減食する。
 それも、断食とまではゆかなくとも、せめて、野菜・果物だけか、青汁だけにする(野菜果物日、青汁絶食日)。
 もちろん、カロリーいくら、蛋白質・脂肪いくら、という厳重な制限食をとり、いろいろくわしい検査をしながらやるのがよいにはきまっていようが、毎日の食べものを、一々測るなどということは仲々困難だし、かといって、毎日きまった同じものばかりでは、とてもやりきれるものではない。
 要は、標準体重(身長センチから100〜110をひいたキロ。たとえば身長170なら70〜60キロ。ふとっているばあいは、そこまで痩せて)が維持でき、いつも機嫌よく、活動することが出来ればよいのだから、この原則によって適宜コントロールすればよいわけだ。

調理・調味
 なお、食べものはなるべく全体を用い、調理は簡単に。調味はうすく。自然のままか、自然にちかい状態で食べ、よくかむこと(唾液に延命効果がいわれている)。
 歯が悪ければ、まず歯科へ。
 かみにくいものは、スリバチ、オロシ器、ミキサーなどですりつぶしたり、粉砕し、しかも、よく唾液とまぜて食べること。

調味料
 食塩がすぎると高血圧、胃癌を原因するし、砂糖がすぎれば肥満し、動脉硬化をうながす。
 バター、マーガリン、牛豚脂、ヤシ油が動脉硬化(ことに心臓血管の)を原因することはよく知られているとおりだし、大腸癌との関係もいわれている。
 この点、植物油の方がよいわけだが、精製に使用される薬剤の混入のおそれがないではないから、むしろ、原料食品、大豆、ゴマ、南京豆、クルミ、南瓜子、ヒマワリ子などを、つとめて利用すべきだ。

嗜好品
    果物  もっとも健康的。
     ビタミン・ミネラル・繊維のほか、血液コレステロールを下げる効果のあるペクチンがある。
     リンゴや、ミカンの内皮にことに多いという。
     農薬の心配さえなければ皮ごと食べたいもの。

    菓子
     すぎると、ふとり、血液脂肪を増し、動脉硬化をすすめる。
     添加物の害も考えられる。
     なるべく避ける。
     どうしても欲しければ、純正品の少量。
     あるいは時々にする。
     団子、餅、おかきの類また同じ。


     日本茶ことに抹茶は健康長寿食とされている。
     ビタミン・ミネラルの良給源。
     ことに弗素にとむので、老人の骨多孔症を防ぐに役立つといわれている。
     虫歯にもよいだろう。

    紅茶
     ミネラルはともかく、ビタミンは少ない(製造中の発酵で破壊されている)。
     味つけの砂糖にも注意。

    コーヒー
     発癌性がいわれ(カフェインのためらしいが、焦げもあずかっていよう)、動脉硬化をすすめるともいう。
     うすいもの。
     精々1日1〜2杯程度にすべきだろう。
     なるべく砂糖ぬき。

    コーラ
     カフェインが配合されているし、その他にも疑問の多いのみもの、あまり飲まぬ方がよいようだ。


     諸機能をすすめ、食欲をまし、ねむりをよくする。
     就寝前の1杯はどんな睡眠薬にもまさる。

よい酒は老人の乳
 アルコール分の少ない(濃いものはうすめて)純良酒の少量、日本酒で5勺までは、まさに百薬の長ともいえよう。
 しかし、すぎれば肝・腎をいため、高血圧・動脉硬化を原因し、発癌とも無関係ではない。

タバコ
 百害あって一利なし。気管支炎・高血圧・動脉硬化の原因となり、発癌性も、発癌促進性もある。
 直接、肺・咽頭・口腔癌を原因し、胃腸その他の発癌をたすける。
 紙巻もっとも危険。
 葉巻・パイプはややよいらしい。
 ニコチンの少ないタバコ、フイルタつきタバコ。
 先の方だけを吸う、煙を吸いこまぬ、長キセルを使う、など吸い方の工夫もされているようだが、吸わぬにこしたことはない。

そのほか
 いつも機嫌をよくし、心労をさけること。
 精神的刺戟がつづくと脳の血管硬化・高血圧がきやすい。
 といって、何もせずにいれば、かえって、早く呆けてしまう。
 心身ともにはりをもたせ、能力に応じて仕事をつづけ、せいぜい運動もする。
 というのが、どうやら、健康長寿のコツというもののようだ。
  いつもニコニコ セッセと動き イモ・マメ・ナッパで息災長寿 

(1972・10)

<健康と青汁第194号より>




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