遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
レ−ノー氏病

 レ−ノー氏病というのは血管を支配している神経(血管運動神経といいます)の興奮性がたかまって、血管が痙れんするためにおこる病気です。
 はじめは、これからのような寒い季節とか、冷い水にさわるとき、手足の指先の色が変り、蒼白くなったり、紫色になったり、あるいは冷えたりしびれたりしているうちに、しだいにはげしく痛み出し、ついには死んでミイラのようになってしまう(脱疽)もので、いろいろの薬や手術か試みられてはいますが、どうもまだこれという確実な治療法のない、そして結局は指や手足を切断せねばならぬことにもなるという、まことに厄介かつ悲惨な病気です。
 しかも、どうしてそれほどひどい血管の痙れんがおこるのか、その原因については全然わかっていません。多分、ほかの原因不明の病気と同じく、体質が大きく関係しているのでしょう。そして食物や嗜好品にも少からず関係があるように思われます。
 タバコで血管が痙れんすることはよく知られていることです。また穀・肉・糖にかたむいた、ミネラルやビタミン類の乏しい食物でも、神経の興奮性がたかまって、血管が痙れんしやすくなり、血行がうまくゆかなくなります。冷え性や寒がりやにはこうした偏食家が多いものです。
 このような条件が、素質のある人に強くはたらくとついにはこういう恐ろしい病気にもなるのではないでしょうか。南方熊楠先生によると、「ハーバード・スペンセルの社会学に、英国にて貧人が脱疽を病むと生意気なと笑ふ」ということが出ているそうですが、これは、この間の消息をよくものがたっている、うたがった言葉のような気がします。
 明治の時代、一代の名優とうたわれた田之助がこれを患い、次々と手足を切りついにダルマのようになったといいます。そして師匠を足蹴にした罰と噂されたそうですが、おそらく贅沢三昧の生活が禍したのでしょう。
 いずれにしても、これらの事柄から考えられることは、食の改善によって、軽快あるいは治癒することもあるのではなかろうか、ということですし、事実また青汁で治った例があります。ほかにもあるでしょうが、私の知っているだけでも3人はこれでよくなっています。その第1は本紙7号に体験記をのせられている総社市の中田氏、第2は同12号の井原市の横溝氏、第3は横溝氏が指導された方。
 中田氏は2度目の脱疽で困っていられたのですが、タバコや酒は止め、動物性のものも一切断ち、主食をへらして生野菜を多量にとり、野草の青汁を三度づつ飲んで、ついに全治されました。
 横溝氏は、毎夜はげしい痛のために悩みぬき、まさに手術の一歩手前というところでしたが、青汁を3合のんでさしもの痛もやわらぎ、初めて安眠出来だし、おいおいに恢復されました。しかし食餌が普通の病院食であったためか、かなりの日数がかかったそうです。
 この横溝氏が指導されたかた(名前を聞洩らしましたが)は、これも相当ひどい症状であったそですが、絶食して青汁だけを、しかも1日4―6合飲み、4―5日でもうあらかたおさまったといいます。
 どんな場合にも、このように効くかどうかは断言できますまいが、ともかく有害因子はつとめてこれを避け、同時に、食の完全化、日常生活の合理化をつとめて止まなければ、完全治癒再発防止も決して望みなきにあらずであろうと思います。
 またたとえ治りきらぬまでも、決して無駄ではありませんから、この病気で悩んでいられる方、その傾向のある方は、何はともあれまず完全食。しかも、加工食品や貯蔵食品はつとめてさけ、安全な純正食品ばかりにすること。
 穀肉糖の偏食を直し、質のよい緑のナッパ類をうんと摂って、ミネラルやビタミン類に充分余猶のある食べ方にし、さらに青汁をしっかり飲むこと。そして酒やタバコなど有害なものはつとめて除くこと。ともかくこれを熱心にやってみることだと私は考えます。

<(1959・12 遠藤)健康と青汁第40号より>




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