妊婦の肥満 |
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うまいものがいっぱい。誰れもかれもふとって来ている現在、人一倍多く食べなければ、といわれている妊婦がふとったとて、少しも不思議はない。 しかし、ふとるということ自体、女性にとって、決してよいことではない。 ふとった女性には月経の異常が多いし、妊娠もしにくい(妊娠するためには、まずやせよ、といわれている)。 そして、妊婦には、いろいろの障害が出やすいし、胎児への影響もおろそかにできない。 そこで、いまでは、妊婦は、むしろやせている方がよいと、専門の学会でも減食がすすめられている。少なくとも、胎児(子宮)の分以上にはふとらないことだ。 なぜよくないのか ふとるのがなぜよくないか。それは、ふとる条件、すなわち、食べすぎと運動不足のどれもが「血のにごり」の原因になるからだ。 食べすぎ 妊婦食として、一般に、高蛋白食がいわれている。これは、もと、U対戦の欧州で妊娠障害を防ぐためにすすめられたもので、バランスがよくとれ、しかも蛋白にとんだ食として、牛乳を主体としていた。ところが、わが国では、ただ蛋白の多い食ということになり、現在行われているように、肉(獣鳥魚介)・卵が多くとられることになった。しかも、穀食はあまりへらないうえ(もともと、動物食がいわれるのは、これまで食べすぎている穀食をへらすのがねらいだったのだが)、糖分(菓子・味つけの砂糖)のとり方がすごくふえて来た。 そして、元来多くなかった野菜類は、いっそうへってしまった。 ために、もっとも完全でなければならない妊婦の栄養が、はなはだ不完全な欠陥栄養(蛋白質や熱量は十分〜十二分にもあるが、それらに釣りあわねばならぬミネラルやビタミンはひどく不足)になり、ただ体重がふえるだけでなく、血のにごりをまねき、からだの不調もさけられなくなっている。 あまつさえ、公害いっぱいの今日では、氾濫する有害有毒食品の影響もまぬかれない。 運動の不足 また、一般に、運動が十分でないうえに、流産をおそれ、安静をまもる傾向が大きいためいよいよ運動不足に陥り、ふとり、また、血のにごりをさらにつのらせる。 したがって、ふとるということは、妊婦にとっても、胎児にとっても、好ましくないわけだ。 完全食と運動 そこで、妊婦にすすめたいことは、食べすぎないことと、つとめて、からだを動かすこと。食品はなるべく安全良質なものをもとめ、主食・蛋白食品にたいし十〜十二分の良質ナッパをそえ、蛋白食品が多ければ主食品をへらすなど、適宜加減し、つねにナッパとの調和を保つようつとめ、できるだけ栄養を完全にすること。緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食、あるいは、せめて青汁だけでも十分、一日2〜3合(もとのナッパ500〜750グラム)以上のむ。 こうすれば、少量で栄養は十分足り、ふとる心配はないし、体調はいつも上々、ツワリその他の妊娠障碍もなく、運動も十分でき、胎児の発育もよい。産はかるく、後の経過も順調、母乳の出はよく、生児はすくすくと元気にそだつ。 (52・9)
<健康と青汁第267号より>
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