遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 ノイローゼ
<1962・7 健康と青汁 第 71号より>
<1975・5 健康と青汁 第225号より>

 ノイローゼにもいろいろありますが、ひとつ、一番多い心臓ノイローゼを例にとってみましょう。

     動悸がする。胸もとが苦しい。今にも息がとまりそうだ。狭心症じゃないだろうか。いや、心臓まひが来るんじゃなかろうか・・・・・・と大騒ぎして、夜半に医者に電話をかける。そして、私どものようなヘッポコ医者でもが「まいります」と返事をすれば、それだけでも、少し安心し車がとまる音がすれば、殆んどよくなり、部屋にはいれば、もう、笑面も出る。ムダ話しているうちに、すっかりおさまってしまう。
     ドック入りして、詳しい検査をしてみても、これというほどの変化もない。それでも、やはり、どうも気になる。ともすると、苦しい発作がおこる。医者はよくウソをつくから、うまくゴマかしているのだろう。家内はホントウのことを知っているかも知れぬ。いや、これも口止めされているだろうから・・・・・・などと、むやみに人をうたぐる。
     家庭医学書だの、養生書だの、新聞だの、ラジオだのからの、ナマじっかの知識が、いよいよ心配の種をまきちらす。そして、あの医者、この医者と迷いあるく。それでも満足できぬと、神仏を祈り、おミクジをひき、八卦をみてもらう。はては、あやしげな新興宗教にこったり、インチキ治療師にひっかかったり、といったぐあい。

 あとになってみれば、いかにも馬鹿気きった、とり越し苦労とわかることであり、ハタ目には滑稽千万ともみえるほどのものなのですが、当人にしてみれば、まことに深刻。まじめにそう思い、そう信じて、苦しみぬき、迷いぬいているのです。

原因について

 学者に説明をもとめれば、例によってむつかしい学説が、いくつもならべ立てられます。しかし、結局は、神経が弱いためでしょう。からだの弱いものが、肉体の負担に耐えにくく疲れやすいように、神経の弱いものは、神経が不安定で感じやすく、僅かのことにも大層な反応をひきおこすのです。それは、ちょうど、疲れ切って、いのちからがら逃げのびた落武者が、ススキの穂におののき、鳥の羽音にたまげる、それと全く同じこと。自信を失い、不安と恐怖にかり立てられた疑心は、次々に暗鬼を生み、妄想に妄想がからみ合ってつくり上げられたマボロシのために、苦しめられ悩まされて、ついに、居ても立ってもいられぬ気持に追いこまれているのです。

 ですから、まず、本態をよく理解して自信をとり戻すこと。信頼できる医家について納得のゆくまでよく診てもらい、真相をよくきわめて安心すること。また、経験をかさねて、それでも大丈夫ではないか、という強い確信をもつこと。そして、もう一つには体力をやしなうこと。ノイローゼの基礎になる条件は神経が弱く、ものごとに感じやすいことです。かといって、必ずしも生れつきの虚弱質のものとばかりは限りません。それは、現在の日常が、あまりにも無理な活動と、あまりにも強烈な刺戟と興奮の連続によって心身を酷使し疲労の累積を余義なくされていることにもよるでしょう。しかしまた、まちがいだらけの食養――食構成が根本的にあやまっている上に、雑多な薬品や色素。あるいは人工甘味といった有害物の添加されたインスタント食品がはやり、恐ろしい猛毒農薬のしみこんだ野菜果物を食べさせられ、強烈な酒、コーヒー、はては医薬品の濫用といった調子で、さんざん神経をいじめぬき、いためぬいている結果でもあるからでしょう。

 このむつかしい世の中には、よほどシンの強いシブとい神経でなければ、とてもやりきれぬものでありません。「健全なる精神は健全なる身体に宿る」です。何はともあれ、先ずしっかりした「からだ」をつくることです。精神修養だとか、精神療法だとかも悪くはないでしょう。しかし、これだけにこだわると、却って、それがまたあたらしい悩みの種ともなりかねませんから、そういうむつかしいことは一切ぬきにして、ひたむきに、ただ「からだ」をつくる――正しい食養と体力に応じた鍛錬、適度の休養。そうすることによって、気分の転換にもなり、体力が増して来るにつれて、また、正しい栄養による神経の安定も手伝って、病感はしだいにうすらいで行き、自然と自信がついて来ます。
 今では、いわゆる精神安定剤が大変重宝がられ、推賞されているようですが、そしてこの薬は、初め、副作用がないといわれていたものです(そのため、むしろ濫用の傾向でした)が、今では、いろいろの障害をおこすことも明かになって来ているのですから、薬ばかりにたよらず、ともかく、緑葉食青汁を中心とした、正しい自然的な日常生活に徹底することが、より大切なのではないか、と私は考えます。

<1962・7 健康と青汁 第71号より>


 学説はいろいろむつかしくいわれているようだが、要は抵抗力のよわい神経が根本の原因だ。
 しかも、それは、もともとよわく生れついたためではあろう。
 けれども、それが発病するようになるには、その後の日常生活の間にうけるいろいろの影響(身体的や精神的ストレス)によって、いためつけられ、いっそう抵抗力がよわめられる結果であろう。
 とすれば、ノイローゼも、一般抵抗力の低下の1症候とも考えられるわけであり、日常生活の不自然・不合理化が少なからず関係しているように感じられる。
 そこで、環境ならびに身体的諸条件を自然化し合理化して、体力・抵抗力の強化をはかれば、神経も精神もいきおい強化されて来るものではあるまいか。
 こういう、きわめて素朴な考え方から、私どもは、ノイローゼにも、専門治療(今では殆んど薬剤療法が主のようだが)とともに、適度の運動・鍛練・休養。
 そして正しい食、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食。あるいは青汁だけでもうんと飲むことをすすめているが、しばしば著効がみられる。
 この効果とくにこの食養の効果は、それによって、この種治療薬(向精神剤)に少なくない副作用が除かれるか弱められ、服薬をながく続けやすくするためかも知れないが、どうも、それだけではなさそうだ。

<1975・5 健康と青汁 第225号より>



ご意見・ご要望はこちらへクリック
階層リンク 田辺食品 利用者の声 上の階層へ  
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法
Copyright 2005 08 田辺食品株式会社