遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
日曜断食

  断食(だんじき)で病気が治り、病ぬけがするといいます。
 確かによいものらしい(私には経験がないので「らしい」としかいえませんが)。なぜでしょうか。いろいろむつかしい説明がされているようですが、簡単にいえば、平素、不完全な食餌(美食)を食べすぎて、体を酷使しており、肥りすぎたり、大量にできる代謝産物や、充分に始末されず排泄しきれぬ老廃物が体内にたまり、そのため体力、抵抗力を弱めて、色々の故障の原因となり、またその治りを悪くしています。
 そこで、食餌を断ち、水だけ飲んで、つかれた体を休め、たまった邪魔物を掃除しよう、そして元気をとり戻そう、というのが断食のねらいであり、その功徳だと見てよいと思います。

 絶食して、消化器や代謝器や排泄器を休ますことがよいことは、説明するまでもありますまい。いきている体は、食物なしには生きられぬから、絶食すれば自分の体を食ってゆきます。つまり完全な肉食になるわけです。その間、体温になりエネルギーになるのは主に脂肪ですが、これが燃え分解するためには糖質が要ります。しかし体には糖質の貯えは少く、すぐになくなるのであとは蛋白質(筋肉)を分解してこれを補給します。ために、絶食すると脂肪が減るとともに肉もやせます。
 一方この際に生ずる体液の変化(酸性化)が刺戟になって諸機能がたかまり、代謝も排泄(皮膚、腸、腎、肺などからの)も盛になります。で、水分を充分に補うてそれをすすめれば、体は洗い清められることになります(浄血作用)。こうして疲労は恢復し、体重はへり、血液はきれいになるので、健康状態はずっとよくなり、病気に対する抵抗力は増し、治りもはやめられるわけです。

 しかし、そういう良効を得るためには、10日なり2週間なりの断食が必要で、正しい指導はもとより、かなりの覚悟と努力なしにはとてもやり通せません。また、体質や体力にも充分気をつけねばなりません。古方でいう所謂「実証」の人(ずんぐりよく肥った、骨組のふとい、血色や元気のよい)は本当の適応症で、こうした人には安心して強行できますが、反対に、ひょろ長い、やせ、顔色の余りよくない人では、却って悪くすることがあります。
 随分以前のことですが、胃が悪くて断食し、あとで結核が出て、そのため亡くなった人を、私は知っています。またも一つ、あとの注意が大切です。
 かように断食は、適応によっては確かによいものですが、後のやり方を間違うと全く意味のないものになってしまいます。もともと断食などということは、食べ過ぎ、しかも偏った美食を飽食しているから、必要にもなるわけです。ですから、1回だけいかにも厳重な断食をやるよりは、平素の食べ方を正しくする方が、遥かに効果的です。常に緑葉食を中心にした完全食を少食しておれば、それだけでも大抵の場合目的を達することが出来ますし、それでも足らねば一週一回、たとえば日曜日だけ断食することです。勤めを休んで活動力を恢復するように、胃腸にも一週一度は休養を与える。そしてその日は、朝から晩まで一日中、何にも食べず、水だけ飲む。あるいは生の野菜果物だけを、なるべく無塩で少し食べるか、そのしぼり汁だけ飲んでおく。

 こうして日曜断食を続ければ、健康状態はずっとよくなるし、病気の治りもよくなります。私は高血圧や動脈硬化、糖尿病、胃腸病、肝臓、腎臓、心臓病、喘息、その他の治りにくい病気に、これをすすめていますが、仲々よいようです。むつかしい注意や、大した覚悟も努力も要らず、どんな人でも、家庭で、安心して楽に実行出来、ながく続けられるから、本式の、道場などでやる厳格な断食よりは、むしろよいのではないかと私は考えています。

<(1958・6 遠藤)健康と青汁 第22号より>




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