遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 ね方・枕
 
 ね方  
 

 臥床の中で行儀よく仰向いてねるのがよいか、横向きがよいか。私ども、子供の時から、仰向いてねるようしつけられた。中学校の寄宿舎でもそうだったし、軍隊でもそうだった。しかし、どうも横向きの方がねむりよい。

 ヒポクラテスは、
     「右あるいは左を下にし、手頚部あるいは腿部を少し屈め、全体に楽に休息する」。

 貝原益軒の養生訓には、
     「いまだね入らざる間は、両足を伸べて臥すべし。ねいらんとする前に、両足をかがめ、脇を下にして、そばだちふすべし。是を獅子眠といふ」。千金方にいう「眠は獅子眠をなせ」というのだ。

 また、道元禅師の清規には、
     「臥すには必ず右脇にしてねむれ、左脇にして睡ることを得ざれ。」

 とあるが、葉隠には、奥方のことを北の方ということを説明して、
     「北の方と申すは、西枕にして、男は南の方に北向に臥し、女は北の方に南向に臥し候事、本式躾法の伝なり」

 とあって、これでは、男は左下、女は右下が本式だとある。右下がよいか左下がよいかは、その人の習慣によればよいわけだが、私のばあいは葉隠れの逆で、右下の方がねよいが、家内は左下にねている。
 
 
<1970・1 健康と青汁 第161号より>
 
 
 
 枕  
 

高さ

 昔から、「寿命三寸楽四寸」といって、健康上は三寸。ねむりよいのは四寸くらいだという。
 また、「枕を高うしてねる」、というように、一般に頭を高くしてねよいとされているが、低い方がよいと、「無枕」をすすめるものもある。要は、習慣に応じ、好みに応じて適当にすればよい。

硬さ

 五雲子腹診方に、
     「堅枕高枕を好む人、元気強と心得べし。柔枕低枕を好む人、元気弱と心得べし」

 とあって、高さと同じく、体質によっても好みがちがうようだ。
 ふつうは、ソバ殻、モミ殻、綿が入れてあるが、豆、砂、礫のこともある。
 硬いものでは、木枕、陶枕、石枕。
 木枕では、桑の木は菩薩の護持するもの。天魔、鬼魅が侵さぬ。また卒中風を防ぐというので、古くは桑の木の枕が好まれたということだ。

薬草枕

 欧州では催眠作用のある枕として、ラバンデル、カミツレ、ハッカ、マヨランなどを枕に入れた(Kraeuterkissen薬草枕)。
 わが国でも、陰干した菊花を入れた菊枕。その他の薬草枕があったそうだが、これは、いかにも気持がよいことだろう。

なお嬉遊笑覧には、

     「古は、草枕、薦枕、篠枕、杉枕、菅枕、柘の小枕などいふ。草木の葉を束ねて枕としたるにや」

 とあるが、これも薬草枕の類といってよかろう。

 
 
<1970・1 健康と青汁 第161号より>
 



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