遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
ムクミ

 ムクミ(腫れ、水腫、浮腫)には、局所性のものと、全身性のものとがある。
 ここでは全身性のものについてかんがえてみよう。

心臓性のもの
 心臓の力がよわり、血のめぐりが悪くなると、からだの下になる所がむくみ、はれる。
 軽い間は、足の甲や下腿にあらわれ、指でおさえると凹みができる。
 朝方はないか軽く、夕方になるとはっきり出るのが普通。顔はあまりはれない。
 ひどくなると、全身がはれるが、やはり下になる部分につよい。

腎臓性のもの
 腎臓の病気のばあいは、反対に、まず顔。
 ことに眼のまわりがはれぼったくなる。
 腎炎では比較的かるいがネフローゼではひどく、顔は眼があかないほど腫れ、全身が張りつめた革袋のように腫れ上ることも珍らしくない。

栄養失調によるもの。
 栄養不足、ことに蛋白質の不足でも、ネフローゼと同じように全身がひどくはれる。
 戦時中や戦後の食糧不足のとき多かった。
 いまでも、重病人や老人などで、食欲がなく、衰弱のはなはだしいものにみられる。
 血の蛋白質が少なくなって、水分が皮下組織の中に洩れ出すため、といわれている。

貧血によるもの
 貧血のばあいも同じ。

内分性のもの
 甲状腺のはたらきのおとろえるばあい(粘液水腫)。
 顔や手足その他が腫れぼったくなる。
 ただしこのばあいの腫れは指でおさえてもへこまないのが特長。

月経前浮腫
 更年期症状の一つとして、生理前に腫れ、生理があらわれるとひく、というのがある。やはり内分泌性。

ビタミン欠乏性
 脚気のはれ(はれ脚気)。ビタミンB1の不足で、糖質の分解が不完全となり、ピルビン酸という中間産物ができ、血管や心臓をいためるため。いぜんはずいぶん多かった。衝心で死ぬことも少なくなかった。
 栄養知識の亢上で殆んどなくなっていたが、さいきんになって、食生活のみだれのため、軽いものはかなりあるようだ。

偏食性
 餅をよく食べる正月前後や、平素でも糖質(白米飯や糖分)を食べすぎたあと、とくに朝方、顔や手足がはれぼったく感じる程度のムクミ(おさえて凹むほどではないが)は、たいていの人が経験しているだろう。
 これは、糖質からできるブドウ糖が組織にとり入れられるとき、水分がいっしょにとりこまれるからだ(ビタミンB1不足もあずかっているだろう)。

食塩のとりすぎ
 塩の好きな草食獣に食塩をあたえると、いくらでもなめては水をのみ、ついには全身がはれ死ぬそうだが、われわれでも、食塩と水をとりすぎると、やはり、はれる。暑い夏の畑仕事で、食塩を入れた水ばかりのんでみたことがあるが、夕方、顔がひどくむくんで驚いたことがある。

原因不明のもの
 原因の全然ない特発性浮腫といったものもある。
<1982・10 健康と青汁 第317号より>




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