遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
マトモに産みたい

 「いま5才になる児は大きすぎて帝王切開。次の3才の児は安全のためにと、同様帝王切開でうんだ。そして、術後、予防的に抗生剤をつかわれ、その乳をのませたためか、皮膚がよわく、よくアトピー性皮膚炎になる(青汁でだいぶよくなってきてはいるが)。さいわい、また妊娠したので、こんどこそはマトモに産み、丈夫にそだてたい。」

 との相談。
 やや細だちだが中肉、血色はよい。
 もともと運動好きで山登りなどもよくしていたという、まだ若いママさん。
 骨盤はまずふつうなみで、とくに狭くはない、といわれている。
 初めの児のときは、教えられた通りの食事をし3700グラムだった。次の児は、妊娠の初めごろ青汁を教えられ、なるべくそのよう心懸けたせいか3200だった、とのこと。
 二度の切開で、子宮も腹壁もよわくなっているに相違ないから、マトモに産むためには、

 1、胎児はらくに産道を通れるよう、大き過ぎないことがのぞましいし、
 2、子宮壁も腹壁ものびすぎて弱くならないよう守るべきだろう。

大きすぎないよう
 こどもが大きすぎないためには、何といっても減食すべきであろう。しかし、むやみに減食して栄養が不足しては、もちろんよくない。
 さて、いま一般にいわれている妊婦食は、いわゆる高蛋白高熱量食。しかも、肉食がさかんになっている。蛋白質が多いと、こどもはどうしても大きくなるし、カロリーことに糖質(主食や菓子・ジュース類、味つけの砂糖など)が多いとふとってくる。
 いや、ハレてくるという方があたっているかも知れない。しかも、腹帯をゆるくすることがすすめられているので、子宮も腹壁ものび放題。こどもはいよいよ大きくなり、4キロにも、それ以上にもなり、それがまた、発育がよいとよろこばれている、というわけだが、それだけお産に苦しみ、帝王切開ということにもなっている。

 そのうえ、野菜ことに良質ナッパが嫌われ、不足しており、さらに保存・加工食品・インスタントもの(どんな有害有毒物があるか知れない)などが好まれているため、血のにごりを招き、その結果、いろいろ妊娠障害が出、何かと故障がおこりやすくなっている。
 そこで専門家の中には、この妊婦食にかなり批判的で、少なくとも、あまり食べすぎないよう。そして、子宮の重さ以上に体重はふやすべきでない、といっている人もあるほどだ。
 だから、減食それ自体には少しも問題はないが、それと同時に、必ず栄養のバランスのよくとれた、すなわち、熱量・蛋白質にたいし、それらが完全に代謝されるために必要なミネラル・ビタミンの十分釣り合った食事でなければならない。
 また、つとめて安全な自然食品をえらび、危険な生産用薬剤や、有害な添加物に汚染されていたり、そのおそれのあるものはさけるよう気をつけることが大切だ。
 そうすれば、たとえ、少々減食しても栄養不足に陥るおそれはなく、こどもの発育が妨げられることもない。ばかりか、母体の体調はいつもよく、妊娠は順調に経過し、お産もかるい。
 産後の肥立ちも、母乳の出もよく、赤坊は元気でグングン成長する。
 それは、昔から、小さく産んで大きくそだてる、といわれている通りだ。
 そこで私は、一般の妊婦食としても緑葉食青汁・イモ・マメ・ナッパ・青汁食をすすめているが、とくにあなたの場合、これほどピッタリのものはなかろう、と思う。

 主食には白米飯、白パンはさけ、イモ類を主とし、蛋白食には、肉・魚の切身よりは大豆、小魚を主とし、それに、十分の良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物をそえ、調理は簡単に、調味はうすく、菓子・ジュースをひかえるなど嗜好品にも十分注意し、少なくとも毎日2〜3合(もとのナッパ500〜750グラム)以上の青汁をのむ。
 こうして食の自然化(完全化・安全化)をはかると、こどもの体重は精々3キロ、あるいはそれ以下だが骨組はつよく、肉のしまった、まるで犬か猿の仔のようにシワだらけのこどもが生れる。それだけ産みやすいわけだ。
 なおこの食事では、イモ・マメ・ナッパを建前とするが、それ以外には絶対なにも食べてはならぬというものではない。ねらいは栄養のバランスをよくとり、ミネラル・ビタミンに余裕をもたすほどにしようというのであり、そうさえしておけば、分量(バランスをみださない範囲内の)と、安全性に気をつければ、いろいろ適宜食べることができるから、けっして、そう窮屈でも、むつかしいものでもない。

子宮・腹壁を守る
 一方、子宮や腹壁がのびすぎて弱くなるのを防ぐために大切なのは、まず腹帯。いま一般に行われているようなゆるい締め方でなく、昔の妊婦がしたように、しっかり締めつける。
 そして、少しづつ筋肉を強めるためには、できるだけからだを動かすこと。
 また、上体を屈伸する運動、腹壁を走らす運動もよいだろうし、腹部を軽く叩いたり、撫でさすることも無駄ではあるまい。一口にいって、むかしの妊婦が粗食し、かたく腹帯をしめ、つとめてからだを動かし、いたって軽いお産をした、これが本当の自然の姿なのだが、それを見ならい、それにもどせばよい、ということだ。
 また、そうしていれば、たとえ帝切後の子宮でも、そうむやみに破れるなどといったことはおこるものではあるまい、と私は思う。しかし、もちろん不測の事故がないとはいえないから、それにそなえて、イザというとき、すぐに処置の出来る設備のととのった病院で分娩するよう手配しておくことは無駄であるまいし、精神のささえにもなるから、なお安心というものであろう。

(1981・3:遠藤仁郎)<健康と青汁302号より>




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