遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 果物ではいけないか

 栄養のバランスをとるためにはナッパ。ナッパでなければダメだと、いつもいわれているが、どうも、ナッパはうまくない。好かぬ。
 くだものなら、おいしいし、食べよくもある。
 肉類や卵ばかり食ってはいけない。もっとくだものや野菜を、とよくいうではないか。
 果物でナッパの代りは出来ないものか。なぜくだものではいけないのか。
 とうぜん、こういう疑問がおこります。

 だいたい、ナッパが必要な理由は、穀類や豆や、芋や、肉や、卵などに(また砂糖や酒などにも)不足している、そして、そのために全体として栄養のバランスがみだれ、不完全食になっている、ビタミンやミネラル(とくにカルシウム)を補うためです(良質ナッパにはそれらが多いので)。
 ですから、もし、果物にも、良質ナッパと同じように、ビタミンやミネラル(とくにカルシウム)が十分多くあれば、果物を食べても、それで、完全な食になり、健康のためにもよい筈です。
 しかし、この表に示したように、どの果物にもビタミンやカルシウムが十分でありません(もっともカルシウムの節約能はあるようですが)。
 いちばんよいといわれるミカンでさえも、決してビタミンやミネラルはナッパほど多くないし、そろってもいません。

 まして、リンゴやナシやモモ、ブドウなどといったものは、まことに心細いものばかりです。
 そこで、私どもがふつう食べている果物だけでは、とても、穀、豆、芋、肉、卵、砂糖、酒などに不足するビタミンやミネラルを補うことは、ちょっと困難です。たとえミカンを、からだが黄色くなるくらい食っても、栄養のバランスはとれにくいし、季節による制約もあります。カン詰や冷凍ミカンもないではありませんが、それらでは、加工による栄養上の損失もあり、添加される薬剤のことも考えねばなりません。
 なお、(これは、加工品ばかりではない、生ものでも同じですが)農薬汚染による危険も否定はできません。

 外表についているだけの農薬であれば、それは、皮をむけば避けられましょうが、中まで滲みこでいる農薬はどうすることも出来ません。
 しかも、そういうものが絶対使われていないと、はたして保証できるでしょうか。
 ともかく、今では、おそらく、農薬のつかってない果物はない、といって少しもいい過ぎではないようです。
 また、加工に際して、どんな危険な薬剤や色素が使われていないがものでもありません。
 そういう心配さえなければ、果物は、食後や間食に嗜好品として食べるには、少しも難はありません(菓子にくらべれば遥かによろしい)が、それでも、良質ナッパに代るだけの栄養分はもちろん、もってはいません。
 したがって、果物を食っていればナッパは要らぬ、というわけには断じてまいりません。
<(1966・8 遠藤)健康と青汁第120号より>




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