呼吸器 |
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呼吸器の表面は、テニスコートの広さほどもあるそうだが、そこには、たえず外界から、寒熱、乾燥、粉塵、煤煙、有害ガス、アレルゲン(アレルギーを原因するもの)、感染源(細菌・ビールス)などの刺戟物や有害物が侵入している。 これらにたいする備えとしては、寒熱や乾燥は、鼻・ノドから気道を通過するあいだに、温められ、冷やされ、あるいは湿ってきて、緩和される。刺戟のつよいものには、反射的に呼吸をとめたり、気管支を収縮して防ぎ、また、マスクによって防がれる。 なお、呼吸器の表面をおおう粘膜には、ある程度、有害物を中和したり、解毒する能力もあるらしい。 微粒粉塵や微生物の比較的大きいものは、鼻から鼻のおく(鼻咽腔)やノドに、やや小さいものは上気道に付着し、ごく小さいものは肺の深部まではいってゆく。 そして、鼻や鼻咽腔では、反射的におきるクシャミや粘液分泌により、また、鼻をかんだり、鼻のウガイで、とり去られ、気管・気管支では、分泌される粘液とともに、粘膜細胞の繊毛運動で上方にはこばれ、セキやセキバライで排出される。 そして、細菌やビールスにたいしては、それらを貪食する白血球・リンパ球、局所の細胞から分泌されたり、血液からくる、いろいろな防衛免疫物質(免疫グロブリン、補体、リゾチーム、インタフェロン、ラクトフェロンなど)があって、まもられている。 これらの防衛能は、呼吸器の細胞が健全であり、その血行が質・量ともに完全、つまり、健康な血が十分めぐっており、細胞の機能が正常にたもたれていて、はじめて十分に発揮される。
タバコの煙や有害ガスはつとめてさけ、なるべく、きれいな空気を吸う。 寒熱・乾燥・粉塵・アレルゲン・病原体などの侵入にはマスク。鼻・鼻咽腔・ノドについているものはウガイ(口・鼻)でとり除く。 2、鍛錬による強化 適度の刺戟を加え、局所の血行をよくし、細胞・組織の機能をたかめ、抵抗力・防衛能の強化をはかる。
寒さにならすため、つねに冷い外気を吸うこと。窓や、せめて欄間だけでも、年中開放する。 毎朝、洗面時、冷水で鼻のウガイ(鼻飲法)。 むかしの人は、鍛錬法としてスルメを焼いて煙を吸え、といっている。タバコも少しはこの意味で、よいかも知れない。 ノド 冷水のウガイ。扁桃マッサージ(指または羽毛で)。 肺 深呼吸をする、大声を出す。大いに笑うなど肺の運動。血行をよくし、肺の組織がつよめられる。 全身運動。また、呼吸・血行・代謝がさかんになり、肺の強化に役だつ。 皮膚の鍛錬 寒さにあたるとセキやクシャミが出、カゼをひく。皮膚が感じやすいからだ。 鍛錬する 夏はすっ裸になり、行儀はよくないが、パンツ一つでまっ黒に焼き、涼風のたちだすころから、つとめてうす着し、摩擦(乾布・冷水)の励行。蒲団もうすくし、寒さにきたえる。 家はあばらや。すきま風大いに結構。さいきんの冷暖房完備の気密な住居は、病人や老人・赤坊には必要かも知れないが健康者ことにこどもや若いものにとっては有害無益。つとめてさける。 現在の一般食は、精製殻(白米飯・白パン)・肉(獣鳥魚介)・卵・乳製品・糖・脂にかたよった美贅食になっており、栄養的には甚しく不完全(熱量・蛋白質はむしろ多すぎ、これに釣り合うべきミネラル・ビタミンは不足という欠陥栄養)。 ために、代謝不全、血のにごりを招き、全身ならびに呼吸器の抵抗力・防衛能に不利にはたらいているとかんがえられる。氾濫している有害有毒食品の影響も無視できまい。 これらの害を除き、呼吸器をつよくするためには食の自然化。良質安全なナッパを主体とする野菜・山菜・海藻を十分にそえた、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁といった完全・安全食。 せめて、青汁をしっかり、一日少なくとも二〜三合(もとのナッパ五〇〇〜七五〇)以上。これだけでもカゼをひかなくなる事実は、いかに正しい食が大切であるかを雄弁にものがたっている、といってよかろう。 <(1976・12 遠藤)健康と青汁第257号より>
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