遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 木の芽立ち

 木の芽立ちということがよくいわれる。3月〜4月、木の芽の出はじめる頃から、新緑の5月ごろにかけて、妙にからだの調子がよくなかったり、病気が出たり、悪くなったりする。(胃・十二指腸潰瘍・ゼンソクなど)以前、結核の多かった頃には、肋膜が出たり、喀血したり、かかったら最後助からぬと恐れられた脳膜炎などがよく出たのも、この時節だった。
 暗い、寒い、ながい冬が終って、明るい希望の春がよみがえり、野も山もみな緑。
 ほんとうに生きているよろこびが胸一杯に感じられる時だのに、なぜ、こういうことがおこるのだろうか。おそらく、それは、冬から春へのうつりかわりの時におこる気象の変化によるものだろう。
 真冬には、大陸の強い高気圧が張り出し、寒くはあるが、気象条件は比較的安定し、晴天がつづく。春さきになると、この大陸の高気圧の勢力が衰え、次々にやって来る低気圧によってかきみだされ、春雨、なたね梅雨、はしり梅雨などといったぐあいで、気象はひどく不安定になる。
 この気象の動揺は、ただちに神経(自律神経)にはたらき、影響をあたえるわけだが、神経の過敏なものには、その反応が強くあらわれ、ために、そのはたらきに甚しい変調をおこし、全身の不調を覚えたり、ついには発病したり、症状が悪化したりする。したがって、そうした気象の影響によって、身体上に異常がおこるためには、健康状態ことに神経系が不安定で過敏、興奮しやすいという条件が必要なわけ。
 そうした神経の過敏性、興奮性はどうしておきるのだろうか。それには、生れつきということもあろうが、日常生活の不自然不合理ことに食養のあやまりといったこともあずかって、その度を強めることにもなるようだ。
 たとえば、冬の間はとかく高熱量食(穀・肉・糖・アルコールなどの濃厚食)となる上に、いわゆる冬枯れの季節で、野菜とくにナッパ類に欠乏し、ビタミンやミネラルことにカルシウムが不足がちになる。
 ところで、神経の興奮性はミネラルことにカルシウムの不足でたかめられるので、こうしたカルシウムの不足状態が、1月あるいは12月頃から3月まで、3〜4ヶ月もつづき、春さきの、いよいよ草木の芽立ちはじめる頃には、神経の興奮性は最高にたかまり、甚しく不安定になって来ている、と考えられる。
 ちょうどそこへ、上述のような気象の動揺がくりかえされると、ついには、健康状態に破たんを来すにいたるのだ。なお、春さきほどではないが、ちょうど同じようなことが、秋風のたちそめる頃、いわゆる秋口にも、みられる。
 これも、真夏のあいだ安定していた南方の高気圧の勢力が衰え、気象が不安定になる時に一致するわけだが、真夏の炎暑のために、食欲が落ち淡白食となる(極端には白米飯に漬物といった)一方、野菜ことにナッパ類の不足(夏枯れ)でビタミン・ミネラル、ことにカルシウムの乏しい不完全栄養に陥る結果と、みてよいだろう。
 もっとも、この解釈は、いささか、例によって青物にかたよりすぎた私一流の屁理窟になっているかも知れない。けれども、真冬の間から、あるいは真夏の間から、うんとナッパを食べ、青汁をのんでいれば、それまで故障のおこりやすかった人でも、いつも快適で、木の芽立ちもなければ、秋口もなくなる、という事実が、これを十分に証明しているのではないかと思う。

<1969・4 健康と青汁 第152号より>




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