遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
血管神経症

 22才の女子事務員。寒いと手指が白っぽくなり、ひどく冷える。しかし、紫色になったり、シビレたり、痛むなどということはない、とのこと。その日は、3月下旬の暖かい日だったので、手や指に変ったことはなく、脉も血圧も正常。尿にも異常はない。氷水に浸ける試験もやってみたが、特別の反応はなかった。これは、血管に来ている神経の興奮性がたかまって感じやすくなっており、寒さにあって、血管が強く収縮・痙攣するためにおこるものだ(血管神経症)。
 軽いうちは、このように、白くなり、つめたくなるだけだが、症状が進むと、紫色になったり、シビレたり痛んだりしだす。さらに進行すると、すっかり血行がとまってしまい、ついには乾いてミイラのようになる(脱疽)こともある。いまのところはただ、それがかんがえられるという程度だから、少しも心配はいらない。しかし、同じ状態がつづいていれば、しだいに亢じてゆくかも知れないし、そうなると、なかなか治りにくくもなるから、いまのうちに予防的の手立てを講じておくのが賢明というものであろう。

原因はなにか
 さて、原因はなにか。あるいは、そういう体質に生れついているのかも知れないが、多くは、むしろ、現在の日常生活、あまりにも不自然化されている文明生活、なかでも、食のみだれによっておこる血のにごりや、精神的ストレスにあるようだ。

たべもの
 魚をよく食べ、菓子が好き、味つけはふつうだが、野菜ことにナッパ類が少ない、とのことだから、酸性食品が多く、カルシウムが不足がちになっていることが最大の原因らしい。(カルシウムが不足すると神経の興奮性がたかまる。)また、こういう食事では栄養のバランスがみだれており(熱量・蛋白質が多く、それに釣り合わねばならぬミネラル・ビタミン類が不足している)、血がにごってくることも手伝っているだろう。できあいの食べもの、インスタントものなどが多ければなおさらだ。だから、カルシウムが十分にあること。全体としてバランスがよくとれていること。そして、なるべく安全な食品をえらぶことが肝要だ。

カルシウムをとるには
 カルシウムにとんだものを食べること。そして、同時に、カルシウムをへらす酸性食品をひかえ、カルシウムを節約するアルカリ性食品を多くすることだ。
 ところで、主食品のうち、穀類はカルシウムが少なく、酸性度がつよい。豆類はカルシウムが多く、酸性度はやや低い。イモ類はアルカリ性で、カルシウムもやや多い。蛋白食品では、肉(獣鳥魚介)・卵類は酸性度がつよく、カルシウムは少ない。
 もっとも、骨・内臓とも食べられる小魚類はカルシウムにとんでいる。乳はカルシウムにとみアルカリ性。大豆はカルシウムにとみ酸性度はやや低い。野菜・くだものは、いずれもアルカリ性だが、カルシウムの多いものは良質ナッパだけ。すなわち、カルシウムにとって有利なのは、主食では、豆、ことにイモ類。蛋白食では大豆、乳、小魚。そして、野菜・くだもの、とくに良質ナッパを多く、ということになる。
 つまり、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食がよいわけで、せめて青汁だけでも十分に(少なくとも1日2合、もとのナッパ400〜500グラム)のむことだ。なお、調理の際のカルシウムのロスを防ぐため、なるべく簡単にし、自然のままか、自然にちかいかたちで食べること。また、味つけをうすくすること。味つけの砂糖や菓子、ジュース類がすぎるとカルシウムのロスが多くなる。

安全食品にすること
 農・蓄・水産用薬や産業廃棄物、あるいは食品添加物の中にも、神経の興奮性に影響するものがないとはいえないから、それらに汚染された食品・加工食品、できあいのインスタントものなど、つとめてさけること。
 なお、適度の運動、たんれん、ことに手足の運動、マサツなどで血のめぐりをよくすること。精神的ストレスはつとめてさけること。など、など、日常生活の自然化、合理化をはかってゆけば(つまり、正しい養生法)、病状の進行はおそらく防げるだろう。(55・3)

<(1981・3 遠藤)健康と青汁第295号より>




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