遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 乾浴

 これから寒くなるとカゼがはやって来る。その予防法にもいろいろいわれているが、結局は、からだの抵抗力をつけておくことが第一だ。その一つに皮膚の摩擦がある。皮膚をまさつする機械的の刺戟だけでも、確かに抵抗力がたかめられるが、冷水摩擦だと、寒冷刺戟が加わるので、一層効果的だ。

 私はもともと腺病質で、よくカゼをひいていた。色々と健康法をこころみたが、やはり、冷水摩擦が一番よかったようだ。大学にいた頃だった。大抵のことが三日坊主に終るのに、これだけは、丸2年つづけた。それこそ年がら年中、熱心にやった。底冷えのつよい京都でのこと、真冬など相当きつかった。けれども、その間じゅうと、それからかなりの間は、全然カゼをひかなかった。よいのは確かだが、どうも憶劫で、チョットなまけくせがついたら、もう、それっきりになってしまった。
 この点、むしろ乾布摩擦の方が無理がない。ともかく、機会あるごとに、こすればよい。以前は、どこの小学校でもやっていた。寒中に素っぱだかになって、皮膚が赤くなるまでこするのは、冷水摩擦ほどの効果はないにしても、まことに気持のよいものだ。風呂にはいっても、なるべくタオルでこする。いつも石鹸をつかうより、こすって垢をとる方がよいともいわれているし、摩擦の効もあるわけだ。また、ただ素手でこするのもよい。
     巣元方の諸病源候論に、
    「手掌を摩して熱せしめ、以て面を摩すること二七。
     正に肝気を去り、面をして光あらしむ。
     また手を摩して熱せしめ、体に従って上下せしむ。
     名づけて乾浴という。
     人をして風寒は勝(た)えしめ、
     時気(カゼの類)、発熱、頭痛、百病皆癒ゆ」

とある。
 もっとも簡単で、どこでも、いつでもやれるから、せめてこれ位はやりたいものだ。なお、ことしは、新型A3ビールスによるインフルエンザの流行が心配されているが、ワクチンがうまく間に合うかどうかわからぬしこれという特効薬もないので、とくに、こうした一般健康法が大切なわけだ。
<1968・10 健康と青汁 第146号より>




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