遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 肝硬変

アルコールと肝硬変

 アルコールの消費の多いところには肝硬変が多い。そして、肝硬変になる条件は、1日160グラム以上の純アルコールを10年以上もつづけることだ、という。アルコールは肝臓で処理されるが、その処理能力は、体重1キロ当り、1時間について純アルコール約0・1(0・06〜0・2)グラム。体重60キロのもので1時間約6グラム、1日がかりでざっと150グラムまでは何とか始末できる。しかし、それ以上、ことに160グラム以上を毎日飲んでいると、肝臓をいため、それが何年もつづいていると、ついには肝硬変になる。そして、それ以下、ことに1日80グラム以下にとどめておけば、まず大丈夫、というわけだ。

 さて、特級酒のアルコール分は約16%だから、限界160グラムは1日1立(5・5合)。
 とすると、特級酒を毎日5〜6合以上も長くつづけるのは危険だが、4〜3合以下ならば、理論上からはまず無難、ということになる。しかし、もちろん個人差があるから一概にはいえない。とくに、肝臓のよわいものにはひどくこたえる。なるべく過ごさないのがよいにきまっている。また、肝硬変は、ブドウ酒をよく飲む国に多く(フランス・ポルトガル・イタリーなど)、ビールやウイスキーの国には少ないというし、わが国でも、東北には少なく、九州や四国には多いなど、酒の種類や地方による差もあるようだ。

 だから、ただアルコールの分量だけの問題ではなく、不純成分や添加物も無関係でもあるまいし(関係なしともいわれているが)、環境の条件などもあずかっているのだろう。なお、飲み方、ことに、同時にとる酒の肴にも関係があり、蛋白質やビタミンにとむ食では肝臓のアルコール処理能はたかめられるが、蛋白質が少なく脂肪が多いと悪くなる。そして何も食べずに、ただ酒ばかりを飲むのが、もっとも悪いといわれている。

 なお、わが国の肝硬変には、アルコール性のものも、もちろん少なくないが、むしろ肝炎性のもののほうが多い。肝炎にアルコールが重なれば、いっそうよくないわけで、肝炎に禁酒がやかましくいわれているのは、そのためだ。

(1974・12:遠藤仁郎)<健康と青汁220号より>




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