鼻アレルギー(花粉症) |
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1. 鼻アレルギー |
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しきりにクシャミが出、水バナがすごく出る(で、いつも塵紙をうんと用意しておかねばならぬ)。 また、鼻がつまったり、鼻やのどや眼がイラがゆかったり、頭痛がして気分が悪くなる、といった発作をくりかえすアレルギー性の病気。 アレルゲン(発作誘発因子)になるものは、室内塵(繊維類、タタミ埃、鳥獣毛や垢、カビ、ダニ)、花粉(ブタクサ、スギ、マツなど)、食品や薬品、洗剤、化粧品、医薬品、農薬、煙や臭気、細菌感染、気温の変化などなどと、ずい分いろいろのものがある。 治療法としては、これらのアレルゲンを検出し、それで脱感作をすればよいのだが、これとて、必ずしも成功するとは限らない。というのは、アレルゲンは一つだけでなく、二つ三つ、いや、もっと多いこともあれば、一応脱感作できても、また、あとで、新しいアレルゲンがあらわれて来ないでもないので、ただ、これだけで治りきるとはいえないからだ。その他には、これという適確な方法もないので、いささか持て余し気味の病気の一つだが、青汁を中心とした食の改善によって、割と簡単に治ることもある。 アレルギー性の病気には、ジンマシンや喘息なども同じたが、一方に発作を原因するアレルゲンがあると同時に、他方、それにたいして強く反応するという、からだの方の条件、つまり素地がある。 鼻アレルギーの場合、鼻の粘膜なり、その血管や分泌腺を支配している神経なりが、異常に感じやすくなっている。こうした過敏状態がなぜおこるか、いろいろむつかしい学説がある。けれども、私どもは昔し流儀に、要は「血の濁り」と考えたい。 この「血の濁り」によって、もともと抵抗力の弱い組織や神経(この場合は鼻の)の反応性に変化を生じ、異常に感じやすくなっている。そして、「血の濁り」をとり除くことが出来れば、それがなおる筈だというわけだ。 さて、この「血の濁り」の原因にも、またいろいろのものがあろうが、もっとも大きいものは、何といっても毎日の食べもののまちがい――不完全食、あるいは不自然食――によって、代謝に、広い意味での異常がおこるためだろう。とすれば、食の完全化、自然化をはかればよい筈だ。なお、栄養素のうちで、過敏状態ともっとも関係のふかいものはカルシウムだといわれている(もちろんそれだけではなく、他にもまだ多くの因子があるに相違ないが)。 カルシウムが十分だと、鼻の粘膜や神経の反応は安定しているが、不足すると、ひどく不安定となり、甚しく強く反応するようになる。そこで、食べもの全体として、よくバランスがとれていなければならぬことはいうまでもないが、とくにカルシウムにとって有利なよう配慮することが肝要になる。 カルシウムにとって不利な条件は、カルシウムが乏しいか、利用を妨げる成分の多いこと。たとえば、酸性度が強いとカルシウムの損失(排出)が大きいし、フイチンが多いと吸収が妨げられる(フイチンはカルシウムと不溶性の化合物をつくるので)、など。 有利な条件は、カルシウムにとみ、アルカリ性で、フイチンが少いこと。不利な食品の主なものは、砂糖、菓子、白米、切身の肉類など。砂糖はカルシウムがない上に、酸性度はつよい。菓子また同様。 白米もカルシウムに乏しく酸性食品であり、フイチンが多い。切身の肉類もカルシウムが少いうえに、酸性度がつよい。有利な食品の主なものは、牛乳、全体食べられる小魚類、大豆、芋類。ことに良質ナッパ類。牛乳はカルシウムにとみアルカリ性。骨ごと食べられる小魚類はカルシウムにとみ、酸性度も切身の肉類にくらべればずっと少い。大豆またカルシウムにとみ、酸性度低く、フイチンも穀類に比べ少い。芋類、カルシウムは余り多くはないがアルカリ性。 良質ナッパはもっともカルシウムにとみ、アルカリ性もつよい。すると、主食には、白米飯はやめるか、なるべく少くし、芋にするか、せめて併用すること。蛋白食には、大豆ものか小魚類。そして、良質ナッパを十分にそえ、青汁もしっかり飲む(少くとも3合、4〜5合でも。多いほどよい)。つまり、イモ・マメ・ナッパといった食にする。 もちろん、すべての食品は安全な――危険な農薬その他の汚染や添加物のない――ものでなければならぬ。また、調理はなるべく簡単に。出来れば、自然のままか自然にちかいかたちで食べ、味はなるべくうすく。間食には、菓子はやめ(糖分の多い上にいろいろの添加の害がある)、果物には農薬に十分注意する。といった食べ方になるわけで、事実、このようにしていると、しだいに発作がへり、軽くなり、ついには完全に治ってしまう。 (1971・8 遠藤)<健康と青汁第180号より>
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2. 花粉症 |
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花粉を吸いこんでおきるアレルギー反応。 鼻や眼がいらがゆく、鼻つまり、クシャミ、水ばなや涙が出(鼻炎、結膜炎)、気管支炎、喘息様発作をおこし、ジンマシンが出ることもある。 草では、ブタクサ、カモガヤ、メヒシバ、カナムグラ、ヨモギ、ガマ。木では、スギ、マツ、カシ、ケヤキ、エノキ、ムクなど。以前は、欧米のことにアメリカなどのもので、わが国には殆んどなかった。それが、しだいにふえて来て、今では、そう珍らしくもなくなった。それも、ただ、診断がつくようになったというだけでなく、確かに、罹るものが多くなったためのようだ。 結局、欧米流の生活、ことに、食べ方にかぶれて、折角めぐまれていた良い体質をこわしてしまい、前には全然影響もされなかった、花粉にまで強く反応するようなからだにしてしまったのだ。 まったくもって、つまらぬ真似をしたものだ。 (1973・4 遠藤)<健康と青汁第200号より>
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