遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク



 
1. 療病講座 痔の悪い方へ

 一口に「痔」といってもイボ痔、キレ痔、肛門周囲膿瘍、痔瘻などいろいろありますが、一番多いもので、普通に「痔」といわれているのは「イボ痔」でしょう。
 肛門のほとりにイボのような血管(静脈)のふくれが出来、破れると血が出る。ポタポタ落ちるのもあればシャアと迸り出るのもあります。
 バイ菌がはいって熱をもったり膿んだりして、大変に痛むこともあれば、脱肛といって排便の時や平生にも直腸が肛門からぬけ出しておさめるのに難義するようなことにもなります。痔は人間特有のもので、しかも文明人のもの。どの人種にもありますが、日本人には殊に多いといわれます。
 動物にないのは体が横になっているからです。人間は立つようになったため、内臓の内で一番下にある肛門に、内臓の血が下り、その部の血管がふくれて出来るのです。
 文明人に多いのは便秘するものが多いからです。便が出にくいから気張る。きばるから余計に血管がふくれる。そして日本人に多いのは便所の構造がちがうからだといいます。西洋人の便所は腰かけ式ですが、私どもはしゃがんでやる。それだけ肛門が下り、脚の血までがここにかかって来ることになる。ですから痔を防ぎ、また治すためには、どうしてもまず通じをよくせねばなりません。
 白米飯、ことに餅、肉食、菓子、酒、刺戟物がすぎると痔が出来、悪くなる。これらは消化がよすぎて渣が少いこと、ビタミンが不足して腸管の運動が鈍ること、ミネラルも乏しい(これでも腸管の働きが悪くなる)ために便秘するからであり、酒や刺戟物では充血が強くなるからです。
 通じをつけるのに野菜食ことに生菜食、青汁のよいことはよく知られています。これは野菜ことに緑菜類には繊維が多くて腸を刺戟すること、ビタミンやミネラルが多いこと、その他の作用もあるためと思われます。また穀、肉、糖に偏った食べ方ではバイ菌に対する抵抗力が弱められるが、ビタミンやミネラルに富む菜食ではこの抵抗力が強くなり、熱をもったり膿んだりすることもなくなります。
 痔の悪い方は、穀、肉、糖、アルコール、刺戟物に傾いた食習慣をやめ、つとめて菜食、ことに生緑菜食にし、青汁をやるべきです。そうすればイボ痔だけでなく、出血や化膿もなくなり、脱肛も防げます。
 キレ痔は硬い大きい便が出るために、肛門の辺が切れて痛むので、便が軟くなればよいのですから、これも菜食にして、通じがつけばなくなります。
 肛門周囲膿瘍というのは、肛門の周辺に膿のたまる病気で、大変痛み、ひどく悩まされるものです。すべて膿をもつ病気と同じく、穀、肉、糖、酒など濃厚食に傾く人に出来やすいのですから、緑葉食青汁にして治りをよくしますし、予防も出来ます。
 痔瘻は肛門周辺の膿瘍がやぶれて出来るのですが、多くは結核性のものです。治りにくいものですが、これでも緑葉食青汁でかなりよくなり、また治るのもあります。ともかく、どんな痔でも、何はともあれまず正しい食養生、完全食、緑葉食、青汁が肝腎です。

<(1957・2 遠藤)健康と青汁012号より>

 
2.  はしり痔・痔瘻

 便所の中がまっ赤になるほど、血のほとばしり出る痔。気持は、もちろん、よくないし、ながい間には、貧血にもなる。これを防ぐに大切なことの一つは、便を軟かくすること。と。も一つは、気ばり方に工夫すること。

便を軟かくする
 便がかたいと、どうしてもひどく気ばる。気ばれば気ばるほど、痔は悪くなり、出血しやすくなる。そこで、あまり気ばらずに出る程度の軟便になるよう加減すること。それも、薬でではなく、食べもので。
 薬はクセになるうえ、薬によっては、かえって痔を悪くすることもある。なるべくカス(繊維)の多いものを食べる。繊維がないか、少ないものでは、便の量が少なく、停滞しがちになり、停滞すればするだけ、水分がへって、小さく、かたく、兎や山羊の糞のようになり、出にくなるからだ。
 そこで、白米飯や白パンはさけ、玄米や玄麦もの、もっとよいのはイモ・マメ(アズキ、ウズラマメなど)にするか、少なくとも、これらの混食。動物食品、肉・卵・乳製品などまた消化がよすぎ、便量が少なく、かたくなりがちだから、蛋白食品には大豆を利用する。
 そして、良質ナッパを主体とする野菜・山菜・海藻・果物をなるべく多くそえる。調理は簡単に(精製するだけ繊維が少なくなる)、出来るだけ自然のまま、なるべく多くを生食する。調味はうすく、味つけの砂糖や菓子がすぎると、腸管の運動がにぶり、便秘しやすくなる。

気ばり方
 気ばり方の工夫として、私は、腹をへこまして力むことをすすめたい。気ばるのは、腹圧をかためて大腸を圧迫し、これをくりかえすことで、大腸の運動をおこし、内容(便)をおくり出そうとするためだ。しかし、ふつうの腹をふくらまして力む気ばり方では、肛門に血がウッ積するので、いきおい出血しやすくなる。腹をへこまして力む気ばり方では、腹圧をたかめることも、それをくりかえすことで大腸の運動を促がすことも、ふつうの場合と同じだが、肛門への影響が殆んどない。
 私は、いぜん、ひどい便秘で、時には、小一時間も便所の中にいたこともあり、このはしり痔に悩まされたこともあった。が、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食にすることと、この気ばり方とで、すっかり治ってしまった。要領はこうだ。便所はしゃがみ――これには、腰をかける洋式便所より、和式の方がぐあいがよい――ゆっくり、腹の皮を、後の壁におしつけるように力んでへこまし(時には、はやく、走らすようにやることもある)、これをつづけていると、便は、しだいに下って来て、特に気ばらないでも、らくに出る。また、これと、腰を左右に振る運動とを、交互にやってみているが、へこますだけよりも効果的のようだ。(53・4)

<(1979・12 遠藤)健康と青汁280号より>

 
3. 痔瘻

 痔瘻で手術をすすめられている。先生の本に、青汁でよくなったとあったので、詳しいことが知りたい、との電話があった。

 痔瘻の多くは結核性。膿瘍ができ、それがつぶれて瘻となり、傷口からいつまでも膿が出て、治りにくいもの。しかし、今は、よい薬があるので、昔ほどではない筈なのだが、手術がすすめられるのは、よほど治りにくいからだろう。
 痔瘻が治りにくいのは、原因のバイキン(結核菌)のたちが特に悪い、ということもあるかも知れないが、ふつうは、からだの方に原因がある。つまり、からだに弱味があり、バイキンが住みつきやすくなっているからだ。そこで、これをなおして、抵抗力を強くしないかぎり、薬もききにくいわけだし、たとえ、手術しても、はかばかしくゆかないかも知れない。

 ところで、そういう抵抗力の弱りは何によって来ているのだろうか。それには、生れつきということもあるだろうが、多くは、現在文明社会の、あまりにも不自然・不合理化した日常生活、なかでも、食のあやまりにあるようにかんがえられる。だから、せめて、そのまちがいだけでも改めるべきであろう。すなわち、なるべく安全な食品をえらび、有害な農・蓄・水産薬や添加物などで汚染されたものは、できるだけ避けよう。

 また、高度の加工(精製・調理・調味)をさけ、自然のままか、なるべく、自然にちかいかたちで食べよう。そして、栄養のバランスをよくするため、十分の良質ナッパを、なるべく多くナマで食べよう。その方便として青汁をのもう。なお、嗜好品にも十分気をつけよう。そうすれば、血がきれいになり、からだ中のすべての機能がさかんになるから、バイキンに対する抵抗力は強化され、傷の治りもよくなる。したがって、痔瘻のような治り難いものにも、馬鹿にならぬ効果がみられる、というのだ。

 かように、ナッパ、青汁は、栄養を合理化(安全化完全化)するのがネライだから、分量が、それに足るだけ十分多くなければばらない。そして、健康食としても、1日400〜500グラム(青汁にして2合)は必要だし、難治病のばあいは、少なくとも1キロ(青汁4合)以上は必要だ。だから、ただ漫然と、ナッパを食べれば、青汁をのめば、それでよいのではなく、良質のものを十分多く(多いほどよい)、しかもそれを根気よくつづけること。また、主食、蛋白食、調味料、嗜好品など食べもののすべてについても、つねに、安全性と、全体として栄養のバランスについて、まちがいのないよう気をつけなければならない。(54・3)

<(1979・12 遠藤)健康と青汁280号より>




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