遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
陰性の体質

 陰性の体質のものには青汁や生野菜はよくない、とよくいわれる。
 陰性の体質とは、一口にいってひ弱いからだ――からだつきは細長く、貧血気味で、顔色はさえず、血圧は低い。元気がなく、疲れやすい。胃や腸は下垂しアトニー性。食はすすまず、食後ながくもたれ、通じは結しがち、といったからだ。昔から、そういうからだには、肉や魚や卵など元気のつく陽性の食べものをとるべきで、野菜など陰性のものはよくない、といわれている。
 そこで、野菜の中でももっとも陰性のナッパ、したがって、そのしぼり汁(青汁)など、とんでもないというわけだ。

 が、私は、少しも差支ない。胃や、反対に、そういうものこそナッパ・青汁は必要だ、とかんがえているし、実際、ナッパを食べ、青汁をのみだすと、はじめて元気が出、疲れなくなり血圧も上ってくる。食はすすみ、便は快通するようになる。
 なぜだろうか。陽性のうまいものがよいというのは、陰性質のものは食欲が悪く、味のよいものでなければ食べられない。食べなければいっそう弱るだろうから、うまいものを少しでも多く食べさせ、元気をつけよう、という配慮から出たことだろう。
 しかし、それでも一向に元気にはなれない。それは、そうした食べものがカロリーや蛋白質は十分、いや多すぎるくらいだが、それらが力になり身になるために必要なミネラル・ビタミンが不足した欠陥食、いわゆるエンプティ(からっぽ)カロリー食であり、それをつづけていれば、血のにごりはいよいよひどくなり、からだ中のあらゆるはたらきが悪化してゆく一方だからだ。

 ところが、まずいけれどもミネラル・ビタミンにとんだナッパ・青汁が加えられると、栄養のバランスがうまくとれ、血のにごりがへり、体調はしだいによくなって来る。
 つまり、肉や魚や卵にしても、それが、からだのためになるには、どうしてもミネラル・ビタミンにとんだナッパがなければ、役にたたないばかりか、かえって害にさえなりかねないからだ。

 また、なぜ陰性の体質になったかをかんがえてみても、よくわかる。
 一つの例をあげよう。先般、そういう若いものをつれて相談にみえた方があったが、両親は二人とも立派な体格なのに、その若ものはやせっぽちで蒼白い顔をした貧弱なからだをしている。
 聞いていみるとこうだった。両親はもと貧農。粗末なものを食べ、せっせと働いていた。それが戦後裕福になるにつれて食べものは贅沢なり、この子の妊娠当時の生活はいぜんとは格段のちがい。
 しかも便利な出来あい食品の消費がふえた。そしてツワりがひどく、乳の出がよくなかったので人工栄養でそだった。離乳食は薬局でもとめてきた。
 その後の食事は肉や魚や卵、ハムだソーセージだといったご馳走づくめ、菓子もジュースもふんだんにあたえた。それに冷房・暖房は完備し、家業を手伝うこともなく勉強に専念、というまことに恵まれた育て方だったそうだ。

 これでは、この子が弱く生れ、ひ弱くそだってしまったのも、不思議ではないではないか。
 この若ものが丈夫になるために必要なことは、まちがっていたこれまでの食べものをなおすことだが、それにはナッパを食べ、青汁をうんとのむことと、一方つとめてからだを動かし、また暑さ寒さにきたえるほかに、もっとよい方法があるだろうか。

 それはともかく、陰性の体質だから陽性の食べものでなければならないのではない。
 要は栄養のバランスをよくすることであり、それにはナッパ・青汁を十分にそえることが何より大切だ、ということを忘れてはならない。まして、これを禁ずるなどもっての外だ。

(1982・4:遠藤仁郎)<健康と青汁317号より>




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