遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 胃癌の予防

 胃癌はアメリカやヨーロッパの先進富裕国では、ここ40年来、しだいに減ってきている。
 わが国は、現在、世界一の胃癌国で、脳卒中に次ぐ死因になっていることは周知のとおり。それでも、近年、少しづつ減少の傾向があらわれているそうだ。

胃癌のはじまり
 胃癌は、胃の粘膜の正常な細胞が悪性(癌)化することにはじまる。この癌化のメカニズムについては、まだ十分明かにされていないが、素朴に考えて、胃の中にあるか血の中をめぐっている発癌物質のために、防衛能(抵抗力・免疫能)のよわっている胃粘膜細胞が変化をうけ、ながい間に癌化するのであろう。
 とすれば、これを防ぐには、なるべく発癌性のあるもののとりこみを減らすことと、なるべく胃の防衛能(抵抗力・免疫能)をつよめればよい筈だ。

発癌物質
 発癌物質は、いまや、いたるところにあるわけだが、胃癌のばあい、もっとも関係のふかいのは、食べものであろう。そこで、もともと発癌性のあるもの、生産や貯蔵・加工(精製・調理)にあたって発癌性を生じたり、付着あるいは添加されているもの、また体内(胃その他)で生ずるおそれのあるものなどはもちろん、すべて、有害有毒物に汚染されていたり、そのおそれのあるものは、つとめてさけることだ。
 それは、これら汚染物も、それ自体には直接発癌性はなくても、食品の中で、あるいは体内で、それら同士の反応によって、発癌性を生じたり、強めたりすることが、ないとはいえないこと。
 また、それらによって重要な臓器や組織をおかして、悪血(血の濁り)を原因し、全身の、そして胃の防衛能に不利に影響し、間接に発癌を助長することになるかも知れないからだ。

胃の防衛能
 胃の防衛能(抵抗力・免疫能)のおとろえは、生れつきの、すなわち、遺伝的や、胎生期にうけるもの、あるいは、乳幼児期における傷害によるものもあろう(素質)。
 荒がみの大食、酒・食塩・香辛料・タバコなどの刺戟物や薬品の乱用によって胃をいためていることもあろう。
 また、栄養の欠陥(不完全食・有害有毒食品)、運動不足、イライラ(精神的ストレス)などのため、悪血(血の濁り)を増すことによるばあいもあろう。
 そこで、よくかみ、腹八分に食べ、刺戟物の乱用をさけること、とともに、栄養を正しくし(安全化・完全化)、適度の運動、心の安定をはかるなど、日常生活を合理化し自然化して、悪血をのぞき、すべての臓器・組織のはたらきをよくし、全身ならびに胃の抵抗力の強化につとめることが大切とかんがえられる。

食の合理化
    安全化
     食品はすべて安全な自然食品をえらび、危険な農畜水産用薬、産業廃棄物、添加物などで汚染されたもの、したがって貯蔵食品、加工食品、既成・インスタント食品など、発癌性の疑われるもの、また、すべて有害有毒なものは、つとめてさけること。
     なお、食品の貯蔵はなるべく低温に保つこと。

    低温冷蔵
     食品中の硫酸塩――硝酸塩にとんだ土壌にそだった農作物、あるいは、貯蔵用に添加された硝酸塩など――は、常温では還元されて亜硝酸塩になり、アミン類と化合して、発癌性のナイ(ニ)トロサミンを生ずる。しかし、2〜4度の低温に保存すると、この還元作用がおこらず、ナイ(ニ)トロサミンができない(発癌性を生じない)。アメリカやヨーロッパの先進国で、近年胃癌がめだって減ったのは、そうした性能のよい冷蔵庫の普及したことや、冷凍ものがふえ、塩蔵ものがへったためだ、といわれている。

    完全化
     すべての栄養素がそろい、バランスのよくとれた完全食にすること。(欠陥栄養では防衛能がよわめられ、発癌しやすくなる)

      熱量
       すぎないよう(少食)。
       ことに糖質(澱粉食・砂糖類)過剰をさける。糖質/脂肪比の大きいほど胃癌にかかる率が高い。

      蛋白質
       十分に。
       不足は防衛能をよわめる。但し、かたよった蛋白過剰はよくない(悪血をまねく)。

      ミネラル
       十分に。
       カルシウム不足は発癌をたすける。痕跡ミネラルまた同様。

      ビタミン
       十分に。
         発癌物質の作用をおさえる。不足しているところには胃癌が多い。スエーデンではAの補給で胃癌がへった。アイスランドの胃癌にもA・Cの不足がいわれている。
        B2  防衛能をたかめる。アゾ色素癌をおさえる。
         免疫能を強める。また、硝酸塩の還元、ひいてナイ(ニ)トロサミンの生成を妨げ、発癌作用を抑制する。

      主食
       白米の食べすぎはわが国胃癌多発の有力原因。
      • 栄養的に劣ること(完全にするために3倍量の良質ナッパが必要)。
      • 食塩のとりすぎになりがちなこと(これも胃癌多発の原因とされている)。
      • 精白につかわれる滑石に石綿繊維(発癌性)があること。
      • 水田土壌には亜硝酸が発生しやすいこと、硝酸塩肥料や除草剤2・4Dによって硝酸塩が多くなり、ナイニトロサミン発生のおそれが大きいこと。
       など、不利な条件が多い。なるべく控える。せめて栄養的にすぐれている玄米にする。(同量のナッパで完全)。

      パン・メン類
       栄養的にはよいが(小麦粉は2倍量のナッパで完全)、安全性に問題がなくもない。
       むしろ、栄養的にも安全性にもすぐれている雑穀・豆。さらによいのは芋類。但し、いずれにしても、過ぎるのはよくない。すべてひかえめ(少食)。

      蛋白食
       肉食のさかんな(糖質/脂肪比の小さい)ところには、胃癌が少ない。
       肉食が少ないと、どうしても穀・芋食が多くなり、欠陥栄養をまねきやすいためであろう。動物食品の若干を加えることはたしかに有利。わが国さいきんの胃癌減少傾向は、そのためかも知れない。
       けれども、これとて偏った過食は問題。肉類は獣鳥魚介のいずれにしても、良質蛋白源ではあるが、ミネラル・ビタミンともに乏しい。すぎれば不完全食(欠陥栄養)、血の濁りを増す。そのうえ、安全性の点でも疑問が少なくない。ことに加工・貯蔵品(塩蔵品、燻製品、亜硝酸・硝酸塩添加食品など)。

      卵・乳・小魚類
       栄養的にははるかにすぐれ、ミネラル・ビタミンも多い。(牛乳をよく飲むところには胃癌が少ないという)但し安全性については、肉類同様。要注意。

      大豆
       栄養的にも安全性からも有利。
       ただし、加工品ことに豆腐は、安全性に若干不安がある(材料大豆粉・凝固剤)。

      野菜・山菜・海藻
       野菜・キノコ・海藻には抗癌性がいわれている。
       これらはいずれも主食・蛋白食品に不足がちなミネラル・ビタミン類の補給源。なかでも良質ナッパ類は癌防衛に大切なビタミンA・B・Cや、カルシウムその他のミネラル(痕跡分も)の豊庫であり、肉類にまさるとも劣らぬ蛋白質もある。繊維にとむこと、フラボン体にとむことも、有利な点であろう。
       また、その他にも、おそらく、まだ科学されていない有効成分もあるにちがいあるまい(未知因子)。癌が殆んどないというアイヌや、アフリカのバンツー族が菜食を主にした原始生活者であること。乳卵菜食で、肉類は殆んど食べず、禁酒・禁煙、コーヒーも茶もあまりのまないという、アメリカのモルモン教やセブンスデイ・アドベンチスト派の信徒の癌死が、一般米人の1/2〜1/3にすぎないということなど、菜食者には胃癌はたしかに少ないようだ。

    緑葉食・青汁
     こう見てくると、わが国に胃癌の多いのは、白米の食べすぎ、食塩のとりすぎ、あるいは危険な食品の氾濫、ということによるのかも知れない。
     しかし、おそらく、それだけではなく、主食・蛋白食にたいし添えられなければならない野菜類、ことに良質ナッパ類の乏しいため、食全体としてのバランスに欠け、甚しい不完全栄養(欠陥栄養)になっているため、抵抗力・免疫能をよわめ癌防衛能に欠陥を生じている結果ではないだろうか。
     したがって、癌防衛食としては、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻を十分にそえた安全かつ完全な食。ことに緑葉食・青汁。イモ・マメ・ナッパ・青汁といった自然食の少食が、もっとも合理的といえないだろうか。

調理
 なるべく簡単に。
 自然のままか、自然にちかいかたちで食べること。発癌性を生ずるおそれのある調理法(肉類の焙焼、フライ油頻回使用など)をさけ、洗剤(発癌を助長する)の使用にも注意すること。

調味
 なるべくうすく。

    砂糖
     栄養のバランスをみだす。人工甘味ズルチン・チクロは発癌性の故に禁止された。サッカリンも若干疑がもたれている。今後出て来るものにも十分の注意が肝要であろう。

    食塩
     わが国胃癌多発の原因の一つ。濃厚な食塩だけでも胃を傷害する。食塩に含まれている硝酸塩からの発癌性ナイ(ニ)トロサミン生成のためともいわれている。漬物、味噌、醤油、佃煮、その他塩蔵食品は、なるべくひかえめに。

    香辛料
     直接胃を刺戟するほか、発癌性ナイ(ニ)トロサミンをつくるものもある。なるべくへらす。

嗜好品

    菓子
     酒もタバコものまず、食べものにも気をつけていたのに胃癌になった、といったことがある。たいてい菓子がすぎている(味つけの砂糖も)。欠陥栄養のため防衛能をよわめるため。また、添加物の影響もあろう。

    コーヒー
     胃癌には、直接問題はなさそうだが、膀胱癌との関係がいわれている。せいぜいひかえめ。また砂糖ぬきがよかろう。むしろ、安全な番茶、草茶、笹茶。


     アルコールに発癌性はないらしい(蒸溜でできるフーゼル油は発癌性)。しかし、細胞毒であるアルコールが、直接胃をいためること(胃炎、胃潰瘍など)。酒のみは、とかく偏食しがちで、栄養バランスをみだしやすいこと。また、栄養素、ことにミネラルやビタミンなどの吸収利用がよくないこと、など欠陥栄養をまねき、防衛能に不利の影響をあたえ、発癌を助長する可能性がある(少なくとも大酒のみには胃癌が多い)。禁酒しないまでも、せいぜい節酒。

    喫煙
     タバコの煙には発癌性も発癌促進性もある。また、直接あるいは神経系を介して、胃炎や胃潰瘍を原因するなど、局所の防衛能にも不利にはたらく。厳に禁煙。

運動
 運動は腫瘍の発生を減じ、発育をおさえる。
 適度の運動により、すべての機能をさかんにし、代謝をよくし、悪血を去り、抵抗力・免疫能をたかめるためであろう。

 要するに、昔からいわれている健康法、粗食・少食、淡味食。すなわち、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食といった安全完全食を中心とする。合理的・自然的日常をおくることが胃癌を防ぐにもよいように思われる。なお、「こうしたら癌も防げるのでないか」を参照されたい。
(51・2)

<健康と青汁242号より>




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