遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 細だちのもの

 骨組の太い人とはちょうど正反対。
 やせぎすで、見栄えせぬ景気のわるい、心身ともに馬力に乏しい体質。
 生れつきひ弱い。顔色もさえぬ。風はよくひき、腹はこわしやすい。寝小便をたれる。扁桃腺がはれたり淋巴腺がはたり、といった調子。
 頭はよいが、どうもからだが、と親たちの心配の絶えぬ子供。
 少し大きくなると、胃下垂だ、胃アトニーだ、神経衰弱だ、といい出します。
 昔なら、とくに結核になりはせぬかと、ひどくおそれさされた(必ずしもそうでもないのですが)、いわゆる腺病質、虚弱体質。
 そこへもって来て、からだの細いように、神経も細く、感じは針のようにするどいので、いよいよもって始末がいけません。
 疳しゃくもちの上に、心配性で、とり越し苦労の絶え間のない、いわゆるノイローゼ型。
 体格検査ではいつも、かれこれケチがつけられるので、よけと神経はとがる。
 そして、自分でも、ほんとうに「弱い」と思いこむといったことになってしまいます。

 だが、しかしです。けっして、そうそう悪いことばかりではありません。
 いかにも、みかけは貧弱ですし、力比べすると、骨組の太いものには、とてもかないません。
 けれども耐久力は強い。
 はやい話が、一緒に遠足や登山をやってみるとよろしい。まずくたばるのは、大抵太い方で、細いものは結構がんばりぬいて平気でいます。
 よわそうに見えてもシンはシワイ証拠です。
 また、平生ちょいちょい病気はするが、かえって、大したことにはなりません。
 カゼをよくひく割に肺炎になることはメッタにありません。結核にしても、なりそうにみえて、存外ならぬものですし、なっても軽いといわれたものです。
 また高血圧や動脈硬化、糖尿病や癌なども少なく、ずいぶん長いきもします。なぜでしょうか。

 一つには、体質的に代謝がよいからでしょう。
 やせているのも代謝がよすぎるからです。ちょうどよく燃えるストーブのようなもので、入れる燃料は、どんどん、しかも完全にもえてしまいます。
 あの痩せでご飯は4ぜん5ぜん食い(川柳)というやつで、いくら食っても肥りもせねば、血はいつもきれい、からだのはたらきもよい、という都合のよい体質です。
 その上、幼い時から、弱い弱いと、親や先生からもいわれ、自分でも、そう思いこんでいるので、無理をしません。
 そして、何かと丈夫になろう、元気になろうとして、いろいろの健康法や養生法を研究したり、工夫したり、実行するからでもありましょう。
 そこで、細いから、弱そうだからとて、少しも悲観することも、卑下するにもあたりません。決してダメなからだではありませんし、やり方したいで健康にもなれ、頑健な人にも負けるものではないばかりか、かえって、すぐれたところもあるのだという信念をもつことです。
 そして、食べ方に気をつける。
 こうした体質は、幼い時からの不完全食(穀、肉、糖にかたよった)に原因することが少なくありません(生まれつきも、無論ありますが)。
 出来上がったからだは、もうどうにもならぬとしても、少しでもよくするためには、なるべくバランスのよくとれたミネラル、ビタミンの多い完全食にします。
 そして、活動と休養との間にも、うまくバランスをとってゆきます。
 しかし、あまり消極的に用心ばかりせず、鍛練を加えます。
 筋肉、皮膚、呼吸器、胃腸にも、少しづつ刺戟の分量や程度を増して、ならし時には、かなりの無理もしてみなどして、しだいに自信をつけることです。

<(1961・3 遠藤) 健康と青汁第55号より>




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