遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 骨組の太い人

 骨組の太い、頑丈づくりの人は、生れつき健康で、身体的にも、精神的にも精力絶倫。いわゆるスーパーマンで超人的のはたらきが出来、家の柱国の宝といった大切な人が多いのです。
 しかし、そういう人には脳溢血や心臓病などでポックリ死んだり、高血圧だの動脈硬化、糖尿病、その他いろいろの慢性病がつきやすく、また早く年をとる傾向も大きいものです。
 いったい健康とか、寿命とかいうものは、たしかに一つには親からうけた遺伝的の性質によります。ですから、生れつき頑健な、この型の人々は、本来いつまでも健康で、人なみ以上長生きもする筈なのに、事実はかえって早死したり早く老いぼれたりするのはなぜでしょうか。
 それは、いま一つの条件である、からだの扱い方、つまり日常生活のあり方にあります。私どものからだも一つの機械です。つくりがお粗末であればいたみやすいのは当り前ですが、精製されたものでも、扱い方が乱暴であれば、やはり早くガタガタになります。
 まして複雑きわまる構造と機能とをもった精巧なオートメーション機械です。生れつきがいかによいからだとても、無闇につかえば早くいたむのも、これまた当然なことです。

 太づくりの人は、いたって丈夫で、殆んど病気など知らぬというほどなので、健康に対する自信がありすぎ、元気にまかせて無理に無理をかさねます。所謂不眠不休の活動もいとわぬ。そうして偉大な業績を残す人も少くないわけです。
 けれども、無理はやはり無理。そうそういつまでもそれがつづく筈はありません。しかも、元気にまかせて大酒はのむ、煙草はすう、女色に耽って精力を濫費する。おまけに、うっかりすると悪い病気にもかかる。という不摂生をあえてします。
 こうしてからだを使いぬきいじめぬく一方、食べ方も出鱈目。元気にまかせて肉食、脂肪食に傾いた濃厚味食を飽食し、酒は斗酒なお辞せずと痛飲し、あらゆる刺戟興奮性の飲食物や甘味のつよい菓子を、味覚のおもむくままに食いまくり飲みまくる。
 そして野菜といえば、全然見むきもせぬか、たとえ少々食べても、ろくにかみもせず殆んどすべてを素通りさせてしまう。こうした熱量、蛋白質ばかり多くて、ビタミンやミネラルには甚しく不足した不完全栄養では(栄養素の利用が悪いから)、いきおい大食せねばならず、いよいよからだの負担は大きくなります。

 ところで、もともとこうした体質の人の体内代謝は普通とはいくらか鈍く、とかく異常をおこしやすい傾きがあります。そのことは骨組の太いたちのものは肥えやすい、という事実からもわかりましょう。ふとるということはいかにも景気よくは見えますが実は、体内代謝が充分活発でない証拠で、そのため、少し食べすぎても熱量があまって脂肪になるのです。
 ですからそれはちっとも喜ぶべきことでないばかりか、脂肪がまわって弱くなっている心臓は、重いからだのために、いつも過労しており、余力が少くなっているので、僅の原因でもすぐにやられます。また、新陳代謝の変化の結果として、高血圧や動脈硬化、糖尿病、あるいは胆石や腎石が出来、肝臓病や腎臓炎といったものにもなります。

 今でこそ余り問題にならなくなりましたが、以前には肺炎でも、肥りだちの人がよく死にました。疔や廱もこういう人に多いもの。悪性の結核も決して少くありませんでした。いずれも代謝異常のまねいた抵抗力の弱ったためにほかなりません。癌の多いのも同じで、おそらく抵抗力の弱いためにビールスがはびこって来るのでしょう。
 昔の川柳に、「栄耀の腹を医者はこわがり」とありますが、まことにもっとも千万というものです。ともかくこうした、人にすぐれたからだの持ち主はすることなすことすべてケタ外れです。それだけに大切な人でもあり、またからだの扱い方しだいでは、百才、百二十才、あるいはそれ以上にも天寿を全うする人でしょう。

 折角めぐまれたこの健康を、われとわが口でさいなみつづけ、削りつづけて、ついには思いもかけぬ急病におかされ、今更のように後悔の臍をかむことともなるのは、まことに惜しみても余りあることです。
 自信も程度によりけりです。過ぎたるは、この場合もやはり、なお及ばざるが如し。まことに危い。なるべく早く、まだ故障の現われぬうちから、油断せず、日常生活の合理化につとめたいものです。
 適度の休養。適度の運動。そして正しい食べ方。食べ方の目安は肥らぬよう、理想体重を保つよう加減すること。主食(米飯、パン、ウドンなど)をへらし、芋豆類を併用、脂肪の強い肉類をさけ、酒、菓子に注意し、タバコやコーヒー類はなるべくやめる。
 そして、緑葉類を主とした野菜類をなるべく多く、しかも出来るだけ生で食べ味はうすくする。つまり昔からいう粗食の少食にし、せめて青汁だけでもうんと飲み、一週一度くらいは野菜果物だけ、または青汁だけを飲んですます(日曜断食)などという風にやってみるのが、もっとも安全な道というものです。
<1959・8 遠藤 健康と青汁 第37号より>




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