遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
老人の貧血

 老人には貧血しているものが少なくない。年をとると、からだ中の、すべての組織や臓器のはたらきが衰え、血のでき方も、自然、へって来るから、少々貧血しているのは、ふつうのこと。つまり、生理的の老化現象ともいえないでもない。
何か原因はないか
 しかし、なにぶんにも、ながい間つかったからだ。どこに故障が出ても、少しも不思議はない。しかも、そのうちには、はっきりわかっているのもあれば、まるで気づかずにいる、かくれたものもある。だから、まず、信頼できるところで、精密検査をうけるのが無難というものだ。そして、格別、原因らしいものも見つからない、というのであれば、ともかく、一応、食べものについて考えてみる。

食のまちがい
 貧血と関係のあることは

  1. 不完全食、ことに、鉄分や蛋白質の不足、
  2. 消化能力、咀みかたや、胃腸の消化・吸収能の衰え、
  3. 有害有毒食品、など。

不完全食
 血の材料である鉄分や蛋白質が不足しているばあいはもとより、食全体としてのバランスがとれていない不完全食でも、貧血をおこす。不完全食だと、栄養分の利用効率がわるいため、その不足をまねきかねないからだ。消化能力 まして、咀み方が不十分であったり、消化・吸収能が衰えていればなおさらだ。有害有毒食品 いまでは、殆んどの食品が生産(農畜水産)用薬剤、産業廃棄物、加工・貯蔵用の諸混入・添加物、あるいは洗剤などによって汚染されているが、それらの中にも貧血を原因するものが少なくない。

どうすればよいか
 そこで、老人の貧血食については、まず安全食であること。すべての栄養素のそろった完全食であり、ことに鉄分や蛋白質にとんでいること。そして、調理・調味にも十分気をつけることが大切。すなわち、すべての食品は、できるだけ安全なもの(新鮮・自然食品)をえらび、危険な薬剤や、産業廃棄物、添加物などに汚染されていたり、そのおそれのあるもの(加工・貯蔵、ことに既成食品など)は、つとめて、さけること。主食には、その危険の多い米麦よりは、汚染の少ないか、ない雑穀・豆、ことに芋類。蛋白食品には、同様危険の多い肉・卵・乳類よりは、安全水域の魚介類、安全度のたかい大豆もの、ナッツ類。野菜・果物類には農薬汚染のないもの。安全な山野・水域の野・山菜、海藻。調味料や嗜好品にも、同様。

完全食
 すべての栄養素のよくそろった、ことに鉄分や蛋白質にとんだ食でなければならないわけだが、主食品にしても、蛋白食品にしても、それだけで完全なものは殆んどない。で、それらに不足しているビタミンやミネラル類にとんでいる良質ナッパ類(鉄分にとみ、すぐれた蛋白質もある)は、どうしても十分に添えられなければならない。

調理
 加工による栄養そのロスをさけるため、調理はなるべく簡単にすべきであるが、歯の悪いものや、胃腸の消化・吸収能の衰えたものが多いので、必要に応じ、粥状にしたり、粉砕、すりつぶすなど、食べよくする工夫が肝要。なお、洗剤はつかわないこと。それを、なお、よく咀んで唾を十分混ぜて食べる。

緑葉食・青汁
 つまり、このばあいも、ほかのばあいと同様、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食が適当ということになる。動物蛋白質 ただし、問題になるのは、大豆やナッパの蛋白質は(動物蛋白に劣らずすぐれたものではあるが)、消化の点では、たしかに劣っている。ために、ことに消化能の衰えている老人では、蛋白不足をおこすおそれがないではない。したがって、適宜、良質安全な動物食品の利用をはかるべきだ。また、鉄分にとむ動物食品は肝臓、小魚(全体食できる)、卵黄などだが、肝臓には、各種汚染物質が濃縮貯蔵されているかも知れないので、安全性に十分の注意を要する。小魚類また同じ。

調味
 なるべくうすく。自然のままか、自然に近い状態で食べるのが原則だが、食欲に応じ適宜加減する。なお、胃のはたらきが衰えているもの、手術で胃をとってしまったものなど、胃液の分泌が悪いと、消化・吸収(ことに鉄分や蛋白質)がよくないので、胃液の酸に代る酸味、梅酢、酢のもの、あるいはクエン酸・塩酸水など、酢の補給につとめること。(50・11)
<1976・9 健康と青汁 第241号より>




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