遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
肥大性心筋症

 若い社員がポックリ病で急死したので、おどろいた会社では、全社員に精密検査をうけさせた。そして、24才のS君はこの検診で、肥大性心筋症と診断された。この病気は心筋が病的に肥大するものでポックリ病の原因の1つに数えられており、治療法もないというので、本人はもとより会社でもひどく心配して相談にみえた。遺伝的のものが多いそうだが親、兄弟、その他身内のものに心臓の悪いものは1人もいない。自覚症もいままで全然なく、運動――自転車ではしる程度のことだが――しても息切れしたり動悸するようなこともない。しかし、そういわれてから気をつけてみると、時々心臓がむらうちすることもあるようだ、という。

心臓肥大
 心臓が肥大するのは、スポーツマンや重労働者、あるいは高血圧など、心臓の負担が増し、活動がさかんなばあいにみられるもので、この負担過重に対応して心筋繊維が太く丈夫になり、そのため心壁が厚くなり活動力・抵抗力がたかまった状態だ。

病的肥大
 しかし、病的の肥大では心筋繊維がふとくなり、心壁は分厚くなるが、心筋の性質がかわっており(変性)、活動力・抵抗力には劣り、弱くなっている。ために、はたらきが異常となり不整脉が出たり、ポックリ病の原因にもなろう、というわけだ。

原因はなにか
 なぜそういう変性がおこるのか、原因はわかっていない。しかし、遺伝的のことが多いといわれていることから想像されるように、生れつきにそういう変化をおこす下地、素因があるのだろう。そして、それが病的の変化に進展するのは、おそらく、心臓をやしなう血の変化(にごり)にあるだろう。

血のにごり
 血のにごりにいちばん関係のふかいのは、何といっても食事だが、S君は農家の生れで、高校、大学いらいずっと寮ぐらし。いまも会社の寮にいる。そこで食事をし、酒をのみ、菓子を食い、タバコも吸う。つまり、独身サラリーマンのごくふつうの生活をおくっているわけで、その食事は、いわゆるエンプティ・カロリー食。したがって、血は酸性にかたむき、代謝不全でできる有害産物もあろうし、有害有毒食品の影響もさけられないだろう。その他、現代文明社会のあまりにも不自然・不合理な日常生活によって招かれるものもあろう。こうした血のにごりのために、もともと素因のある抵抗力のよわい心筋がおかされたものとかんがえるべきであろう。

対策
 だから、ともかく血をきれいにして、心筋の栄養を正しくすることが何より大切だ。そうしておけば、少なくとも病変の進行はゆるめられ、あるいは停止し、ながい間には少しづつでも回復して来る可能性があるだろう。あやまった日常生活、運動や睡眠の不足、心身過労、タバコ・酒・菓子など嗜好品についての注意なども大切なことはいうまでもないが、まず、食のあやまりをなおすことだ(食の自然化・完全化)。それには、出来るだけ安全な食べものを食べ、良質ナッパをうんとそえること、つまり緑葉食、イモ・マメ・ナッパ食に徹底すべきだが、寮生活の現状ではせいぜい青汁をのむしかないだろうから、せめてそれだけでもしっかり(毎日4〜6合、元のナッパ1〜1.5キロ以上)のむことだ。そうして、血のアルカリ度を正常に近づけ、代謝を完全にして有害産物をできるだけ少なくするよう努めることだ、と私は思う。

 なおナッパは、いくらでも多ければ多いほどよいという経験上の事実があるから、乾燥ナッパも大いに利用すべきだ。農家生れだということだから、無農薬ナッパをつくってもらい、これを乾燥しておく。いま、ちょうど大根の収穫期だから、もし農薬がかかっていなければ、捨ててしまう葉を全部乾燥しておいてもらうとよい。製法はごく簡単、沸騰している湯に30秒浸した後陰干。よく乾燥したらスリバチかミキサーで粉末にし貯蔵しておく。この粉の大匙山もり3杯は大よそ生の青汁の1合にあたる。これを併用すれば1日1〜1.5キロのナッパもらくに摂ることができる。これを根気よく、熱心につづけることだ。体質をかえることだから急速な効果はのぞめない。これまでにも、ある難病で、3年目になってはじめて効果が出た、といったこともあった。ともかく、一生の病気だから、ねばりぬくことが肝腎だ。

結婚をすすめる
 それにしても、正しい食事の実行は家庭でなければむつかしい。その意味で、なるべく早く結婚し家庭をもつことをすすめたい。もっとも、この際、とくに気をつけなければならないことは、こうした食事にたいする正しい理解をもった女性をえらぶこと、これが必須条件だ。

ナッパの自給
 なお、いま一つの条件は安全食品、ことに安全良質ナッパの自給をはかることだが、これもやる気さえあれば、日曜百姓ででも結構やれる。いずれにしても、自分のからだは、人まかせでなく、自分の労力によってまもらなければならぬ、ということを銘記しておいてほしい。(56・12)

<(1983・4 遠藤) 健康と青汁 第320号より>




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