遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
歯を強くするには

 からだを丈夫にするには、歯が強くなければならない。しかし、現在、歯のわるい人、ことにウ(虫)歯や、歯槽膿漏がとても多い。

ウ(虫)歯
 さいきん動物の実験で、虫歯の原因は一種のバイ菌もよること。この菌は、砂糖からの粘着性のデキストリをつくり、蛋白質などとともにプラグとなって菌をつつみ、そこにできる酸で歯をとかすこと。
そして、砂糖がないか、歯が丈夫であれば、ウ蝕はおこらないこと、がわかった。
 とすると、虫歯の予防には、酸の材料になる糖分をなくするか、この菌を殺すこと。そして、も一つは、歯を丈夫にしておけばよい、ということになる。

歯の清潔
 で、糖ことに精製糖(粗製糖での実験ではウ蝕されにくい)や、菓子とくに粘着性の菓子を食べないか、それらはもとより、飯粒やパンのかけらなどを(澱粉からも糖ができる)、ウガイしたりブラシをかけてとり除き、いつも歯をきれいにしておくことが大切で、殺菌力のあるウガイ薬や歯みがきも使われている。
 にもかかわらず100%の子供がやられていること。
 そして、皮肉にも、毎朝、いや毎朝毎晩ていねいに歯をみがいている衛生家庭にも多く、ろくろくブラシも使わないものや、テンで歯をみがくことも知らない未開人には殆どないという事実からも、こうした口の掃除や消毒だけでは、ぜんぜん無駄ではないにしても。そう大きな期待はかけられないように感じられる。

丈夫な歯
 結局、根本的には歯の質の問題ということになるが、歯のよし悪しは生れつき、すなわち乳歯は妊娠中の母親の食べ物により、永久歯はその後の子供の栄養のよし悪しに左右される。

正しい栄養
 そこで、健康な歯のためには、妊娠中から、ずっと正しい栄養。
 それも、ただ普通にいわれている栄養素だけでなく、痕跡ミネラル(フッ素・モリブデン・硼素・亜鉛・ストロンチウム・リチウムなど)その他をふくめて、すべての成分のそろった完全食であることがのぞましい。
 ところが、現実には、親も子もおしなべて、精製殻(白米飯・白パン)、肉(獣鳥魚介の切身)、卵、糖(精製糖)、にかたより、野菜ことに良質ナッパに乏しく、しかも、調理にひどく手がこんでおり、味は濃厚という贅美食。
 ために、熱量、蛋白質は十分どころか、むしろ十二分だが、これに釣り合うべきビタミン・ミネラルは不足する、という甚し不完全(欠陥)栄養になっている。
 そのうえ、繊維が乏しいので咀嚼することも少ない。
 そして、間食には甘味のつよい菓子ばかり。
 これでは、歯がよわいのも、まことに当然ではないか。

ウ蝕と栄養
 もっとも、ウ蝕と栄養の関係については、
 糖質がウ蝕をすすめること(砂糖がもっとも甚しく澱粉は最低)。
 蛋白質は、歯の構成上にもウ蝕を防ぐにも大切で、低蛋白高糖質(蛋白質が少なく糖質の多い)食で、ウ蝕菌の繁殖がさかんであり、反対の高蛋白低糖質では少ないこと。
 脂肪は、菌の表面にひろがり、酸の侵入を妨げること。
 ミネラル・ビタミンでは、A・C・Dやカルシウムが健康な歯の発生に必要だが、ウ蝕には、Dとカルシウムの不足の影響がハッキリしているだけで、A・C・その他については、まだ十分に分かっていない。
 また、歯のおかれる環境、すなわち唾液の性質についても、高蛋白質食で尿素が増し、酸を中和することでウ蝕を防げること以外には、殆んどわかっていない。

文化食と原始食
 ともあれ、虫歯が文化生活者に多く、原始生活者に少ないことは紛れもない事実で、おそらく、これは、文化生活者の食が美食にかたむき、加工食品や糖分が多く、結果的に不完全食(欠陥栄養)になっていること。また、繊維に乏しく、咀 が不十分であること。
 これにたいし、原始生活者は、一般食であり、自然食品が多く、糖分は少なく、全体的に、比較的完全食になっていること。また、繊維にとんで、咀嚼が十分であること。などにあると思われる。

虫歯を防ぐ
 そこで虫歯を防ぐには、まず完全食。
 つとめて精製食・加工食をさけ、なるべく自然食をとり、野菜ことに良質(ビタミンにとみ、吸収しやすいカルシウムにもとむ)ナッパを主とする野菜・山菜・海藻などを十分そえること。
 調理は簡単。なるべく多くを生食し、味つけはうすく。そして、できるだけよくかむこと。
 つまり緑葉食の原則にしたがった完全食。
 せめて、青汁だけでもうんと、少なくとも一日2〜3合(もとのナッパ500〜750グラム)以上を飲む。
 そして、間食はなるべく果物(できれば皮ごと)、コンブ、いり豆・ほし芋・スルメといった、かみでのする自然食品にし、菓子ことに粘着性のものや、甘味のつよいものはさけ、オカキ、餅なども控え目に。また、甘味のつよいジュース類や、ことに乳酸菌の飲料は避けること。

 妊娠中や授乳中の母親がこうすれば、母親自身の歯をいためることはないし、子供の歯は丈夫になる。
 子供たちにもこうした食をあたえていれば、歯はいよいよ丈夫になる。
 また、ふつう、完成した歯には、もはや、栄養の影響はないといわれているが、青汁をはじめただけでも、たしかにウ蝕はへる。(唾液が健康になるからであろうか)。

歯の鍛錬
 繊維にとんだかたいものをよく咀むと、歯は自然にきれいに掃除されるし、歯の鍛錬にもなる。
 すなわち、歯肉の血行がよくなり、表皮が強くなる。
 歯槽骨は、吸収と新生との、バランスが正しく保たれ、丈夫になる(やわらかいものばかりで咀嚼が不足すると、歯の清掃ができず、プラグが生じやすいうえ、歯槽骨もやせてくる)。この意味では、ブラシにはかたいものがよいし、むかしの僧房で歯みがきを兼ねてやった歯木かみ、あるいは歯を叩く(歯をかみ合わせたり、歯肉部を叩く)などもよいわけだ。

歯槽膿漏
 歯肉と歯の間が化膿するもの。
 これまた、精製殻、肉・卵・糖にかたむき、野菜・果物の少ない美食家に多い。
 虫歯におけると同様、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物を十分そろえた完全食を、よくかんで食べることで、あるいは、青汁だけでもうんと飲むことで、たいていは、治すことも防ぐこともできる。(51・9)
 <(1977・6)健康と青汁 第250号より>




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