遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
腸のよわいもの

 特別病気というわけでもないのに、ちょっとね冷えするとか、何か変わったものを食べると、すぐにおなかをこわす、便がやわらかくなったり、腹下げする、という癖のある、あるいは年中殆んど便のかたまったことがない、というような人もよくあるものです。
 こういうことには、よくかくれた原因があるものですから、信頼できる医師について、よく相談することが大切ですが、そうしたたちのものもあるので、それについて少しかいてみましょう。
 それは、体質的の腸弱とでもいうべきものですが、別に、生まれついた性質とばかりはいえません。多くは誤った養生、というよりは用心のしすぎから腸の抵抗力を弱めているだけのものです。
 たとえば下痢をひどく恐れる親にそだてられると、子供の時から、おなかにはいつも厚い腰巻をさせ、食物は軟い消化のよいものばかりにされる。胃腸は少しも鍛練されていないから、所謂温室そだちで、何か僅かの刺戟にでもすぐにやられてしまいます。
 一方また、軟い消化のよい食物というと、どうしても、軟い白米飯に軟い肉類や卵になり、野菜ことに青菜っ葉類は繊維が多いからときらわれる。しかも軟くよくたきくたしたものになってしまう。そして間食は生の果物はいけない、煮たものなら少しはよかろ、菓子は大丈夫、といった塩梅。
 この、いかにも無難で栄養豊富らしくみえる食べ方では、なるほど熱量は充分であり、蛋白質も多い。けれども、それらが体内でうまく利用され、処理されるために必要なビタミンやミネラル類は甚しく不足しています。そのため、かえって抵抗力をよわめ、神経の興奮性をたかめる結果を招き、調子の狂いやすい腸が出来上ることにもなります。
 そして、腸をいためると、用心はますますきびしくなり、一層、無刺戟性の食べものになる、というわけで、結局悪循環がなりたち、しだいしだいに病状をつのらせて行きます。そこで、これからのがれるためには、一面、消極的に腹を冷さぬことや腸を刺戟するような物は控えることとともに、他面、積極的に、栄養素のよくそろった完全食をとり、からだ全体の調子をととのえることにつとむべきです。
 すなわち緑葉食で、青菜っ葉を多く、しかもなるべく生で、よくかんで食い(かすはかみ出す)、青汁をやること。そして「生」の脂肪、ことに良質のバタなどを同時に食べるのです。繊維の多い、消化のわるい生菜っ葉や油をとれば、よけと下痢をしそうなものですが、青汁にし「生」の油にすると却って「とまる」のは全く不思議なほどです。
 一年も二年も下痢ばかりしていたものでさえも、こういう風にして、数日で止まったという嘘のような実例もあります。ふつう、下痢の時、油ものはいけないといわれていますが、それは、テンプラとかいためもののように、高い熱をあてた油のことで、これは熱のため変質して、腸を刺戟するようになっているからです。ところが「生」の油は反対に、青汁と一緒に食べて奇妙に下痢をとめる作用があります。
 ともかく、腸がよわくて下痢しやすいたちのものは完全食をとることです。緑葉食をよくかんで食べ、「生」の良質脂肪とともに青汁を飲んでごらんなさい。大抵のばあい効果があります。そしてさらに積極的に、何でも食べて馴らして行く(あたりやすいものは極く少量からしだいにふやして)。そうすればやがて何を食ってもビクともしなくなるし、腹巻もいらなくなります。

<(1958・9 遠藤) 健康と青汁第25号より>




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