遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
アセモ

 名まえの示すように汗にまけて出るものですから、汗かきの者に多いが、皮膚の抵抗力にも関係します。大体ふとっているものに出やすいのですが、それは肥えていることは分厚い脂肪の外套を着ていることなので、体温の発散が悪いため、汗をかいてこれを調節しているからです。
 さて、肥えるとか痩せるとかいうことは、生まれついた性質(体質)によることはいうまでもないのですが多くの場合食べすぎからです(運動の不足もありますが)。からだに脂肪がつくのは脂肪食が多いためと普通かんがえられますが、それよりも、むしろ糖質(澱粉や糖類)の過剰の方が、もっと大きい原因で、穀物や芋や砂糖や菓子類がすぎるとよくふとります。

 それに、こうした食物に偏って、野菜や果物が不足すると、カロリーばかり多くて、ミネラルやビタミンが乏しいので、からだ全体の抵抗力がよわるのと同じく、皮膚の抵抗力もよわりいろいろの刺戟にまけたりバイ菌におかされたりしやすくなります。
 そこで、汗の刺戟(そういう濃厚食での汗は、そうでない場合よりも濃厚で刺戟が強いともいわれます)でもすぐにやられ、アセモになり、進んで膿んだり腫れたりします。ですから、アセモは、偏食がちで菓子ずきの子供やブクブク肥りのものに多いし、母親の食べ方が濃厚食に傾いていたり、砂糖のつかい方の荒い人工栄養の赤ん坊などに、ことに多いようです。

 また着物や部屋の模様にもよります。今ではもうそういう馬鹿なことをするものもないでしょうが、以前には、よく風邪をひかすまい、お腹をこわさすまいとして、真夏の最中にも、厚着をさせて包みこんだり、部屋をしめ切ってしまったりなどしたものです。 これでは、まるで「むろ」の中で冬装束をしているようなものです。汗は出る乾きは悪いで、よわい皮膚はすぐにまいってしまいます。

 ですから、アセモの予防にも治療にも、まずあまりブクブク肥らぬことです。それには、栄養素のよくそろった完全食を少しとるようにし、青汁を励行。穀類の偏食や糖分の濫用をさけ、間食には菓子はやめて果物にします。母乳栄養の赤坊なら、母親の食べ方を出来るだけ完全にして(緑葉食、青汁)、出る乳の性質をよくするようつとめる。
 といってもお腹はよくすくし、所謂滋養をとらねばという気持がつよくて、つい濃厚食の過食になりがちですから、せめて青汁だけでもしっかり飲み、赤坊にも飲ます癖をつけることです。また人工栄養ならば、充分に青汁を配合した乳にし砂糖は入れぬか、ほんの少しだけに止める。

 そして一方、衣服はなるべく薄く、出来れば素裸にする。部屋は風通しをよくし、夜間も窓は解放して、夜具もうすく、出来れば腹巻きだけにしてやる(なれればこれもいりません)。乱暴みたいですが、食物が完全ですから、それでも決して風邪をひいたり、お腹をこわしたりなどするものではありません。汗のかき方が少いから相当暑さのきびしい夏でもアセモを出すことは無く、たとえ出ても大したことはありません。
 頸すじや腋下、股のタダレなども同じで、結局肥りすぎがもともとの原因ですから、食物に注意するだけでもかなり防げもするし、よくもなります。

 ついでにアセモやタダレにつける薬について。
 昔から天瓜粉や亜鉛華などが使われていますが、やはりそういうものが一番無難です。なるべく混り物のない純粋なものをもとめ、袋に入れて、軽くたたく。要は肌を乾かすのが目的ですから、特別な薬でなくてよろしい。いやに勿体をつけた、むつかしい薬のはいった奴は却ってカブれたりするものです。ことにペニシリンなど新薬の配合されたものになると、知らぬうちにそれに感作されて過敏体質になり、あとで思いもよらぬ大事故(はげしくショック死といったような)のもとになったりすることもあります。
 アセモくらいのことでそうした目に会ってはたまったものではありません。
 それはともかくとしても平生の注意をおこたっていて、薬ばかりにたよろうとする、所謂文化的なやり方は、あまり賢明だとは申し上げられぬ、と私は思います。

<1959・7 健康と青汁第35号より>




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