遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
青汁だけでは無理




1.栄養不足でないか

 大阪の女性からの電話。
 「4〜5年まえまで健康だった。主人をなくしてから、3人の子供をそだてるのに随分苦労をした。5年まえ高血圧。1年まえから眼底出血、硝子体出血をくりかえし、ついに片方の眼は視力を失った。残る眼も気づかわれている。半年まえから、断食、減食療法の先生について、出血はとまったが、視力はかわらない。もと体重は50キロあったが、今は36キロ。脱力感がつよく、しんどい。元気がなくなってしまい、臥てばかりいる。先生は、胃腸のはたらきがよわく、吸収が悪いからだ、といわれている。食事は玄米菜食。玄米粉の粥にニンジン、ゴボウ、海藻など。野菜生汁ものんでいる。食はあまりすすまない。便通、結しがちなので薬で加減してもらっている。青汁をやりたいと思うが」とのこと。

 先生についてやっていられるんだから間違いはないと思うが、からだがしんどい、元気がないというのが気になる。食事の療法にはいろいろの方式があるが、どのばあいでも、しだいに体調がよくなるものでなければならない。また、減食するばあい、初め1週間か10日くらいはしんどいかも知れないが、しだいに元気が出、からだは痩るが、気分はまことに爽快になる筈。だのに、もう長い間しんどい、気力がないというのは、どうもおかしい。ところで私のいう青汁中心の食事の原則は、
  1. 良質ナッパをしっかり、少なくとも1日1キロ以上食べることと、
  2. 食べものは出来るだけ安全なものにすること。
  3. 調理は簡単に、味つけはうすく。
 ナッパの大部分は青汁にしてのみ、残りは適宜調理するか、ミキサー粥にして飲む。主食には白米よりは玄米、小麦粉、ソバ、もっとよいのはイモ。蛋白食には、肉や魚の切り身よりは小魚、卵。大豆ならなおよろしい それに良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻類をそえる(イモ・マメ・ナッパ・青汁食)、というのだ。
 しかしいまさしあたっては、いうならば栄養不足のため、いわゆる栄養失調の状態になっているのではないかと感じられるので、とりあえず、青汁はのめるだけのみ、主食・蛋白食は何でもいい。ともかく食って、まず体力・気力の回復をはかるべきだ。そして、食がすすみ、便通もよく、元気が出、体力がつき、気分がよくなれば、しだいに、徹底した青汁食にとり組んでゆく。
 もし、それでも調子がよくない、よけいしんどいとか、元気がなくなるようなら、どこか、やり方に間違いがあるのだから、時々様子を知らせてほしい。そして、まちがいがなく、これで元気になれるという自信をもって、熱心につづけることだ。眼の方は、何分厄介な病気で急によくなるとはかんがえられないが、それでも、がんばっているうちに、いくらかづつでもよくなって行くかも知れないし、少なくとも進行だけぐらいはとまるのではなかろうか。(59・9)
< 1985・10 健康と青汁 350号より>


2.ナッパ・青汁だけでは無理

 胃腸アトニーで腹はいつもダブつき、便秘、脱肛になやまされている。ひどく神経質で、悪いといわれるものは食べないよう注意し、自家栽培の安全なナッパを食べ、生の青汁やピロサンを飲んでいるが、一向によくならない。体重は56キロから35キロにへり、すっかり元気がなくなってしまった。新聞には、いつも、青汁でいろいろな難病が治ったと出ている。これほどまでに精進しているのに、なぜ自分だけよくならないんだろう,といいつづけている方がある。
 どうやらナッパを食べ青汁さえのんでいれば、栄養は十分とれ、健康になり、病気は治る、とかんがえていられるようだ。なるほど新聞には毎号、米はよくない、肉もよくない。出来あい食品はみな物騒だ。こういうものばかりとっていれば、血がにごり、体調はくずれ、病気しやすくなり、病気の治りも悪くなる。それにひきかえ、安全良質のナッパ・青汁にはそうした心配がない。よごれた血をきれいにし健康になり、病気の治りをよくするにはこうしたナッパを食べ、青汁をのむしかない、と書いてある。

 それは、ナッパに、米や肉に不足しているミネラル(アルカリことにカルシウム)やビタミンが多いこと。そして、栄養のバランスが完全になること。また、そうしていれば、有害食品の影響もいくらかは除かれるだろう、とかんがえられるからだ。それに、ナッパには、草食獣が葉だけで生きているように、ミネラル・ビタミンだけでなく、あらゆる必要な栄養分がすべて完全にそろっている。だから、理論上からは、ナッパ・青汁だけでもよい筈だ。ナッパはそのように完全食品にはそういない。

 しかし、カロリーや蛋白質は少ない。したがって、それだけで生きてゆくためには莫大な量が必要だし、それを利用するだけの消化力がなければならない。
青汁一合
熱   量   48.3   カロリー
蛋 白 質    5.3   グラム
脂   肪    0.54  
糖   質    5.7   
カルシウム  522     ミリグラム
ビタミンA 2700     ミリグラム国際単位
B1    0.112 ミリグラム
B2    0.558 
  189.0   
 たとえばケール青汁のカロリーは1合で約50(48.3)、蛋白質は約5g(5.3)。もっとも、ナッパのようにミネラル・ビタミンにとんだ食べもののばあい、カロリーや蛋白質はかなり少なくてすむ(利用がよいため)。それでもわれわれが生きてゆくためには、ふつう、カロリー2000、蛋白質65といわれている。それが節約されてカロリー1500、蛋白質50gですむとしても、カロリーは3升(もとのナッパ7〜8キロ)、蛋白質は1升(もとのナッパ2.5キロ)必要ということになり、とても食べることはもちろん、青汁でのむことも、まず不可能。たとえできたとしても、はたして完全に消化、吸収しうるだろうか。らくに食べられるのは、せいぜい2〜3キロどまり、青汁で1升という程度だろうが、これでは、しばらくはともかく、とてもながくはもたず、栄養不足に陥るのは当然すぎるほど当然だ。まして、ナッパ400〜500g(青汁2合)そこいらでは、おっつかない。
 それに、この400〜500gのナッパを一応の理想量にしているのは、現在の平均食のバランスをとるため。カロリー、蛋白質は十分にとってのこと。つまり、からっぽ食品の多い習慣食に不足しているミネラル・ビタミンを、ナッパ・青汁で埋めるには少なくともそれだけ必要で、そうしてはじめて栄養は完全になるんだ、というまでのことで、それだけのナッパを食べ、青汁をのんでいれば、それでいいというのではない。この点、くれぐれも誤解のないようねがいたい。(59・10)

<1986・2 健康と青汁 第350号より>



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