遠藤語録文字 乾燥青汁ピロサンマーク
 甘味・甘味料
 
 甘味  
 

砂糖
 ふつうの砂糖=精糖は、殆んど純粋の糖分だけだから、砂糖がすぎるだけでも、総体的には栄養のバランスがみだれる。しかも、味つけ用の砂糖は、いわば、見えざる主食、見えざる飯ということになるわけだ。また、最近では、砂糖は脂肪とともに、あるいはそれ以上に、動脉硬化の原因となるとされていること。そのうえ、どうやらこの節では、人工甘味のはいった砂糖まで出まわっている始末。そうだと、なおさら砂糖はなるべく使わぬように心がくべきだ、ということになる。
 成分の点だけからいえば、戦時中にあったサトウキビから煮つめてつくった粗糖のほうが、ずっとましだ。これでは、ビタミンBもカルシウムもかなりある。なおよいのは、この粗糖から、砂糖の結晶をとり去った、いわばカスの糖蜜。黒褐色の、どろっとしたもので、いかにも見かけはよくない。甘味もうすい。しかし、ビタミンやミネラルが多いから、はるかにすぐれた甘味料といえる。
白双黒砂糖糖蜜蜂蜜
熱量387.0353.0277.0307.0カロリー
蛋白質0.01.52.50.2グラム
脂肪0.00.0-0.0グラム
カルシウム1.0293.0250.035.0ミリグラム
1.033.070.014.0ミリグラム
ビタミンA0.00.00.00.0国際単位
   B10.00.020.120.01ミリグラム
   B20.00.040.180.01ミリグラム
   C0.00.00.03.0ミリグラム
 わが国では、家畜の飼料やアルコールの原料になり、食用に利用されることはないようだが、アメリカではゴールデン・シラップとして、調味用につかわれているそうだ。

蜂蜜
 蜜蜂が花から花にもとめた花蜜や花粉を原料としてつくり上げた、天与の霊味ともいいたいもの。ブドウ糖・加糖・蔗糖などが主で、ビタミン、抗生物質、抗腫瘍物質、その他いろいろのものがあるらしい。その効果は、ちかごろやかましくいわれている(もっとも、いわれている程の効果があるかどうかはあやしいが)王乳=ローヤルゼリーが、女王蜂の食べものであることを考えても、わかろうというもの(ふつうの搾り方では王乳も、もちろんいく分混っている)。但し、それは純粋の蜂蜜についてのことで、模造品ばやりの昨今、水飴入りの粗悪品がかなり出まわっているようだから、よほど出所のはっきりしたものでなければ、安心は出来ない。なお、いかにすぐれた甘味料蜂蜜とはいえ、食べすぎては、やはりよくない。許される範囲での話であることは、蜂蜜とて例外ではない。

人工甘味
 古くから知られているのはサッカリンとズルチン、新しいものにチクロ。いずれも栄養価はゼロ。

 サッカリン  少量ならば長期にわたっても、まず無難という。但し、過敏なものでは、嘔吐、下痢、発疹をみることがある。
 ズルチン  世界大戦当時からさかんに使われだしたもの。味が砂糖によく似ていること、熱を加えても味が変らぬこと(サッカリンは苦くなる)、値がやすいこと、などから広く使用された。しかし、動物の実験で、ながい間には肝癌が出来ることがわかっている危険な代物だ。さいわい、昨年から、全面的に禁止されたのは、おそまきながらではあるが、当然の措置だ。違反者のないよう願いたいものだ。
 チクロ  サイクラミン酸塩(サイクラミン・ソーダ、サイクラミン・カルシウム)、シュガロン、サンシュガー、シュガミン、サドミン、サトダイなど。つい先ごろまで、特別の害はないということで、ひろく食べもの、飲みもの、医薬品など、あらゆるものにさかんに使われていた。ところが、まず胎児に影響し、奇型児が生れるおそれがあるとの警告が出され、ついで最近、肝臓をおかしたり高血圧をおこす、いや、やはり発癌性がある、とわかって、ついに禁止され、大騒ぎになったことは周知のとおりだ。

 いずれまた、無害だという新しい甘味料が開発されることだろうが、一度あったことは二度ある。ともかく、健康をまもるためには、あるいは害があるかも知れぬといったものには、つとめて慎重でなければならぬ、とつくづく思う。


甘味の比較
砂糖を100として
蜂   蜜 81
麦 芽 糖 60
葡 萄 糖 50〜60
乳   糖 16〜28
チ ク ロ 3000〜8000
ズルチン 7000〜35000
サッカリン 20000〜70000
 
 
<1970・1 健康と青汁 第161号より>
 
 
 
 甘味料  
 

ふるくは蜂蜜、柿霜(柿の粉)、あまづら(甘葛)、飴、味醂など。砂糖がはじめてわが国に将来されたのは奈良時代、孝謙帝の天平勝宝年間、薬品として僧鑑真によってもたらされた。足利の末、諸外国との交通がひらけてから、しだいに知られて来たが、一般の調味に用いられ出したのは台湾領有後。

 
 
<1970・1 健康と青汁 第161号より>
 



ご意見・ご要望はこちらへクリック
階層リンク 田辺食品 利用者の声 上の階層へ  
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法
Copyright 2005 08 田辺食品株式会社