健康と青汁タイトル小
前立腺:掲載紙面選択



1. 前立腺癌

     医学博士 遠藤 仁郎 

     欧米人に多く、しかも活動型のものが多い。
     日本人には割と少なく、また、多くは静止型で進行傾向が少なく、他の癌にくらべ比較的たちがよく、手術成績もよいという。
     その理由はあきらかでないが、生活環境、ことに食生活のちがい、なかでも、脂肪のとり方の差にあるのではないか。そして、しだいに欧米風の生活になりつつあるので、やがて、わが国にも多くなり、たちも悪く、活動性〜進行性になることだろう、といわれている。
     こうした点からも、前立腺肥大におけると同様、このばあいにも緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁といった食に徹底してみるべきだと思う。


2. 体の底に力がわくよう

    青森県 I.K. 

     前立腺肥大で、2ヶ月以上も薬をのんでいます。先日、街で「青汁と健康」という本をもとめ、大変感動いたしました。さっそく、畠のものでつくってのんでいます。まだ1週間くらいですが、もともと胃がよわくて、食事はあまりすすまず、しかもこの病気の故もあって、非常にやせています。が、何となしに、これが効いているような気がしてなりません。体のずっと底の方に、僅かながら力が湧きでているような感じです。幸いなことに農家でもあり、畠も広いので、沢山のむつもりです。ケールの種子をお願いします。(前立腺にはぜひしっかりのんで下さい。確かによいようです)


3. 前立腺肥大全治

    浜田市 M.O. 

     「健康と青汁」により、いままでご指導いただいておりました。お蔭さまにて、永年苦しんでいた前立腺肥大症が全治いたしました。


4. 慢性前立腺炎

    岡山県 H.I. 

     先生のご著書により、私の健康が回復しましたことに大きな喜びを感じています。
     青汁と玄米食が、私の健康と生活を大きく変えてゆきました。昭和45年以来、白色ブドウ球菌による慢性前立腺炎のため、ながく苦しんで、仕事も手につかないような有様でした。
     そして、あらゆる薬剤の注射や内服をこころみましたが、好転しないばかりか、副作用のため、大変苦しい日々をおくっていました。一昨年、玄米食にきりかえ、6ヶ月後に、ケールの青汁を毎日5合づつのみ、抗生剤など薬品は完全に中止してしまいました。
     自覚症は、今では全くなくなりまして、大変いそがしい毎日を過しています。まだ、病気中からの不眠が残っていて、睡眠剤は今のところ中止する勇気がありませんが、これも、何とかして、ちかいうちに止めようと思っています。


5. 前立腺肥大

     医学博士 遠藤 仁郎 

     前立腺は、膀胱の出口のところで尿道をとりかこんでいる腺臓器。
     こどもの時はごく小さいが、男性ホルモンの活動とともにクルミ大となり、20代から50代までは、殆んどかわらない。肥大してくると、2〜3倍にもなり、尿道を圧迫するので、まず、排尿がさまたげられる。

    排尿障害
     出はじめがおくれる。ふつうには10秒以内に出はじめるのだが、ながくかかり、しかも、尿線はほそく、勢いがよわく、中途でとぎれる。あるいは、チョロチョロとしか出ず、足許にポタポタおちる、といったことになる。

    排尿回数がふえる
     一回の排尿量が少なくなり、十分出切らないため、排尿の回数が多くなる。ことに夜間。
     この前立腺肥大に悩む人も、ちかごろ多くなった。元来、50才以後の病気なので、寿命がのびるとふえる病気といわれている。しかし、長寿者そのものには、存外、少ないものだそうだ。ホルモンとの関係がかんがえられ、精力旺盛な人に多いといわれたが、そうでもないらしい。
     また、初期には女性ホルモン療法や、去勢術がおこなわれているが、これも、あまり効果は期待できないし、ホルモンも、すぎると心筋梗塞がふえるともいう。
     そして、進んだ時期には手術療法しかない。
     原因がわからぬため、適確な予防法もない、という厄介な病気。
     だが、これにも、緑葉食・青汁がよいようで、相当すすんだものでも、これでよくなった人が少なくない。
     それは、この病気が欧米人には非常に多いこと。
     わが国でも、さいきん、生活様式の欧米化とともにふえてきたこと。
     都会に多く農村に少ないこと。
     菜食し質素にくらしているものに少なく、美食(肉食・濃厚味食・香辛料・酒・タバコの乱用など)し、裕福にくらしているものに多いことなど、
     どうも原因は、あまりにも不自然・不合理な近代文化生活による悪血(血のにごり)にあるのではないかとかんがえられることからもうなづかれよう。
     ほかに、これというよい方法はないようだから、ともかく、イモ・マメ・ナッパ・青汁食に徹底すること。
     あるいは、せめて、青汁だけでも熱心にやること(少なくとも1日3合、もとの材料ナッパ750グラム以上のむ)、そして、時には、青汁絶食、野菜果物日も入れてみる。
     なお、ヒマワリ子や南瓜子に予防効果があるそうだから、動物脂肪をさけて、こうした植物脂肪をとるのもよいかも知れない。

    (52・2)


6. 前立腺癌

     医学博士 遠藤 仁郎 

     女性に乳癌の多い国の男性に多い。
     欧米に多く、また、しだいにふえつつある。
     なかでもアメリカに多く、黒人にも多いし、日系人にも非常にふえている。
     わが国は、世界一少ないところといわれていたが、さいきん多くなっている。
     原因はもちろん不明だが、幼時から高蛋白・高脂肪食をとっているもの、性機能のさかんなものに多いところからみると、西欧風のあやまった、不自然、不合理な生活様式。
     ことに肉食、脂肪、乳製品、糖にかたよった贅美食、有害有毒食品、タバコ、酒、薬品ことに強精剤などの乱用。
     環境汚染(カドミウムを扱う職業に多い)運動不足、精神的ストレス過剰。また性の無軌道化などによるホルモン系の失調(性ホルモン、発育ホルモンなど)、体抵抗力(免疫能)の低下、発癌因子のとりこみなどに関係がありそうだ。
     したがって、これが予防には、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食など、菜食を主とした安全・完全食、および性の節制を中心とした日常生活の合理化・自然化が大切であろう。

    (52・1)


7. 慢性前立腺炎

     医学博士 遠藤 仁郎 

     慢性前立腺炎は、バイ菌が慢性に前立腺に巣喰っている状態。
     はげしい急性症状がおさまったあと、いつまでも排尿がさまたげられたり、痛んだり、腰痛や頭痛があったり、睡眠が妨げられるなど、不快な症状がながくつづき、ついにはノイローゼのようになってしまうこともある。
     診断には、肛門から指を入れて、前立腺が腫れて大きくなっていること、圧えて痛むこと、そして圧えて出る分泌物から菌を証明することだが、この菌の証明が仲々むつかしい。
     さて、治療法となると、こういう局所の感染症で主役を演ずるのは、現代医学の寵児、抗生物質だが、これは、目標の菌の素性がはっきりしないかぎり、あてずっぽの、暗夜の鉄砲になるわけで、確効はのぞめない。
     また、折角、とらえてみてもそれが薬に反応しない菌(耐性菌)であっても、どうにもうつ手がない、といったぐあいで、すっかりお手あげになってしまう。
     こういう厄介な病気のばあい、私はバイ菌ばかり追かけずに、自分のからだの方をなおす――つまり、現代文明社会の、あまりにも間違いだらけの日常生活のためによわめられている体力、抵抗力、防衛能をたてなおし、バイ菌の住みつけないからだにすればよいではないかと、青汁を中心とする日常生活の合理化・自然化をすすめているが、岡山県の磯山さんは青汁を熱心にやって、さんざん悩まされた慢性前立腺炎から解放されたよろこびを、本紙241(51・9月)号にこうのせられている。

     「先生のご著書により、私の健康が回復しましたことに大きな喜びを感じています。
     青汁と玄米食が、私の健康と生活を大きく変えてゆきました。
     昭和45年以来、白色ブドウ球菌による慢性前立腺炎のため、ながく苦しんで仕事も手につかないような有様でした。そして、あらゆる薬剤の注射や内服をこころみましたが、好転しないばかりか副作用のため大変苦しい日々をおくっていました。
     一昨年、玄米食にきりかえ、6ヶ月後にケールの青汁を毎日5合づつのみ、抗生剤など薬品は完全に中止してしまいました。
     自覚症は、今では全くなくなり、大変いそがしい毎日を過しています。云々」  


8. 慢性尿道炎

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「数年来、前立腺炎からきた尿道炎になやまされています。いろいろ手当はしてみたのですがスッキリせず、痛んだり、時には排尿が妨げられもします。それに、場所が場所だけに、すっかりノイローゼ気味になり、よわっています。青汁はどうでしょうか」との電話。
     「よいと思います。しかし、少々ではダメですし、ながく、根気よくつづけなければなりません。また、平素の食事にも注意が肝要ですが、どういう食事をしていますか」
     「外食が主です。」
     「とすると、どうしても野菜が不足します。そして肉や魚といったものばかりになるでしょう。そこで、カロリーや蛋白質は多すぎるくらい多いが、それらが、体内でうまく始末(代謝)されるためになくてはならないミネラル(アルカリことにカルシウムなど)やビタミンがひどく不足しています。ために血がにごり(酸性にかたむいたり、有害な代謝産物によって)、抵抗力がよわめられ、バイキンにやられやすく、また、一旦巣喰うと、仲々退治できにくいからだ(体質)になってしまいます。いままでの治療が無効だったことが、それをしめしています。で、尿道の手当だけでなく、それとともにからだ全体の抵抗力・自衛力といった自然の力をつよめなければなりません。それには、あやまった食習をなおして血をきれいにし、からだ中のはたらきをよくすることが、何より大切です。そのだいいちは、不足しているミネラル・ビタミンを十分〜十二分に補給して、栄養のバランスをよくすることですが、そのもっとも手っとり早いのが青汁です。」
     「どれくらい飲めばいいんですか?」
     「平均的の食事で、だいたい2合、もとのナッパ400〜500グラムですが、あなたの食事ではもっと多く、少なくとも4合(もとのナッパ1キロ)以上でしょう。」
     「顆粒があるそうですが、それでは?」
     「一袋(8グラム入り)がほぼ青汁の5勺相当のようです」から、少なくとも8〜10袋でしょう。それでも、何分ながい間にできあがった素地(罹病素因)をなおそうというのですから、どうしても時間がかかります。なお、青汁の効果をたかめるためには、その他の食べものも、なるべくミネラルやビタミンの多いもの、たとえば、主食にはイモ類を、肉や魚の切り身よりは大豆ものを多くし、それにナッパを主とする野菜をうんとそえたいのですが、あなたのばあい、それは無理でしょうから、それだけ青汁の量をふやすべきでしょう。」
     「そういう食事は神経にもいいんでしょうか?自律神経失調症だともいわれているんですが」
     「神経が不安定になっていたり、精神的に動揺しやすいようなばあいにも、たしかに効くようです。ともかく、熱心に、根気よくつづけてみてほしいと思います。」
    (60・2)


9. 手古摺っていた前立腺炎が顆粒で

    堺市 Y.U. 

     丁度5年程前になりますが、若い身空で、ナント、前立腺炎という病気にかかりました。前立腺の病気というと、たいてい60才以上の人の病気であって、30やそこらでかかるというのも本当にめずらしいのです。とにかく、そのめずらしい前立腺炎に私はとりつかれたのです。症状は、残尿感や尿道違和感(尿道がムズ痒い)や、膀胱の奥の冷感(これは言葉ではいえない)や、時々にぶい痛みが膀胱の奥に走り、下着に膿が付着する、といった、とても口に言い表わせない嫌な感じのものであった。

     さっそく、専門医を訪ね治療に取りかかりました。まず、病原菌の同定をしようとしましたが、菌が検出されません。尿中に白血球が多量に出ているのに、菌が見当らないのです。そこで、菌の検索と同時に、いろんな抗菌剤や消炎剤をためしてみました。結果は、どうもおもわしくありません。2ヶ月たち、3ヶ月経過するにいたり、私のあせりはつのってまいります。私自身、獣医師であり、この病気に対する知識も一応持っており、いろんな文献や治療資料をとりよせ、勉強をかさねました。4ヶ月を過ぎても、顕微鏡をのぞくと、依然として、尿中に白血球(好中球)の集塊が見られます。そして、やはり菌は見つけられないのです。専門の泌尿器科の先生と相談の上で、いろんな抗菌剤をためし、直腸からのマッサージまでしましたが、一向によくなりません。そうこうしているうちに、半年たちました。

     これから先、どのように治療してゆこうかと思い悩んでいた時です。田舎の祖父(86才で畑仕事も毎日出来る現役です)から、青汁をすすめられました。こまりはてた私としては、何でも、良いといわれたらやってやろうと思っていたので、ダメで元々と、飲み始めました。
     毎日8袋づつ飲みました。飲みはじめて気付いたことは、毎朝大量の便が一気に出るということでした。正に、快便なのです。排便の後、爽快な気分になるのです。2週間もすると、膀胱の奥の冷感も少し軽くなり、他の症状はあい変わらずありますが、便通の爽快さに、しばし梅雨空の晴れ間のような気分を味わいました。

     そうこうしているうちに、新しい文献が入り、ウレアプラズマによる前立腺炎の治歇データーを元に、治療薬を見つけました。半年以上頑固に居座りつづけた症状が、薬を3日飲むと、うそのように消えたのです。私は、してやったりと有頂天になりました。そして、青汁のこともすっかり忘れてしまいました。
     そうして、3週間程経ったある朝、またあの嫌な感じがよみがえっているではありませんか。これは大変と、さっそくあの時効果のあった薬(抗菌剤)を飲みました。すると、やっぱり3日すると症状がなくなり、1週間飲むと治ってしまいます。ところが、そのまま放っておくと、また数週間すると、症状が出て来るのです。これは一体どういうことなのかと、ほとほと困り果てました。

     そこで、また青汁を思い出しました。そして、やはり、一日東京の顆粒8袋飲みました。もちろん薬も飲み、経過を見ました。今度は再発しません。薬を止めても再発しないのです。やはり、顆粒の青汁が身体全体に何か強い免疫力を与えたのに違いありません。私はそう信じました。そして、それ以来です。一日3袋、身体の調子の悪い時は、8袋以上(最高10袋)飲み続けています。10何年来の頑固な便秘と、痔(外痔核、裂痔、初期の痔ろう)も、うそのように良くなり、毎朝爽快な大量の便通を得て、身体のしんに力がみなぎるのを感じている36才の毎日です。他にもいろんな健康に良いことを実行していますが、青汁はこれからも一生、家族そろって飲み続けていくことだろうと思います。

    (60・7)


10. 前立腺肥大ととり組む

     医学博士 遠藤 仁郎 

     前立腺は膀胱の出口のところにある胡桃大の腺で、その真中を尿道が通っている。
     これが肥大すると尿道が圧迫され、排尿がうまくゆかなくなる。排尿の開始までの時間や、排尿に要する時間がのびる。尿意を感じて排尿が始まるまでの時間は、ふつう10秒以内だが、それが長くなる。尿線が細く、勢いがよわく、出終るまでの時間も長くなる。また、終了のケジメがつかず、いつまでもポタポタがつづくようになる。それでも、初めのうちは完全に排尿され、膀胱はからっぽになるが、やがて、しだいに残りだし(残尿)、排尿回数(ことに夜間の)が多くなる(頻尿)。
     また、尿道が過敏になり、抵抗がたかまり、出しぶりはじめる(排尿困難・シブリ)。時には全く出なくなることもある(尿閉)。このシブリは、食べすぎ、飲みすぎ、運動の不足(長時間の座臥)、寒さ、多尿、便秘、精神的、性的興奮などによって、前立腺が充血し、腫れてくるためにおこり、夜間のことが多い。昼間に少ないのは、運動や排便などで、充血が少なくなるからだ、そうだ。
     私はもともと排尿開始に時間がかかるたち(体質らしい)だったが、67〜8才ごろからポタポタが始まり、夜間排尿の回数がふえた(いぜんから、昼間より夜間の方が多い傾向ではあったが)。どうやら、この頃から肥大気味になっていたのだろう。74〜5才頃、ギリギリまで辛抱していると、イザ出そうとして、仲々出ず、難渋するようになり、76〜7才頃には、姿勢を変えたり、寒さにあたると、急につよい尿意があらわれ、制止がきかず、グズグズしていると洩らしてしまう、といったことがあった。
     しかし、さいわい、この二つは2〜3年でおさまり、ポタポタと夜間排尿の回数が多いだけになっていた。ところが、82才の春、4月ごろだったが、つづいて2回、完全尿閉ほどではなかったが、かなりひどい排尿困難発作がおこった。第一回は、夕食にうまいバイキング料理を鱈腹食べ、ビールもいささか過したあと、それまで普通に出ていたのが、夜半ちかい11時ごろからシブリ始め、チビリチビリと、ほんの僅かづつしか出ず、膀胱はツッパリ(収縮)通し(シバリ)、ようやくおさまったと思っていると、30分もたたないうちにまた始まる、という状態が明け方5時ごろまでつづき、散々苦しめられた。
     しかし、6時すぎになると、まるで嘘のように、また普通に楽に出だした。2回目は、それから間もなく、やはりうまい夕食を満喫したあとにおこり、経過は全く同じだった。これらは、みな前立腺の症状そのものなのだが、いつもは、昼間はもとより、夜間でも楽に出ていたので(たまには多少のシブリやシバリ傾向はあったが)、別にそう大して気にもとめないでいた。
     85才になった一昨年の2月、ドック入りし、ほかの科はすべてフリーパスだったが、泌尿科でひっかかり、前立腺の肥大を指摘され、手術をすすめられた。手術は今ではごく簡単だそうだから、やろうと思えばいつでもやれる。が、親からもらったからだはなるべく傷つけたくない。それに、今さしせまった状況ではないし、こういうことこそ自分の領分。自分なりになんとかならないものか。一応とり組んでみるのも無駄ではあるまいと、手術は見送ることにした。

     さて、問題は夜間の頻尿とシブリとだ。頻尿の方は、たとえたびたび目はさめても、すぐまたねつかれるから、少しも苦にはならない。厄介なのは、そう度々ではないし、程度もまちまちだが、きまって11時ごろから始まるシブリ(排尿難)とシバリ(膀胱の収縮)。そこで、その原因とされているもののうち、食べもの、夜間の尿量、便通、寒さとの関係について観察してみることにした。そして、一年半ちかい間の、いわゆる試行錯誤をくりかえした結果わかったことは、

    1. 食べものとシブリの関係は、いわれている通り、また、最初の発作がそうであったように、食べすぎ飲みすぎ ことに肉類の食べすぎは、たしかによくない。また、スープや吸い物、うまいダシで煮た野菜類でも。おそらく、エキス分の刺戟で充血がおきるためだろう。もちろん量によりけりで、少しだけ(高級料理のように)だと少しもさわりはない。反対に無刺戟性のものでも量がすぎれば、やはりいけない。なお、こたえるのは夕食だけで、朝・昼食には何を食っても、少々量をすごしても、ちっともなんともない。
    2. 夜間尿 尿量が多いからシブルのか、シブルから尿が多くなるのか、ともかく、夜間の尿量の多いとき、いつもではないが、シブリがちだ。
    3. 寒さ これも、尿量の関係ででもあろうか、シブリは寒い時に多いようで、ただ足さきが冷えるだけでもおこることがあるほどだが、暑い夏分には殆んどない。
    4. 便秘 思いあたる原因のないばあい、どうも便秘が関係していることが多いようだ(下腹部のウッ血のため前立腺も充血するのだろう)。シブリとともに、しきりにガスが出たり、強い便意があらわれ、驚くほど大量の排便をみることがある。しかし、それでシブリが和らぐとばかりはいえない。

     ところで、前立腺の肥大も一つの老化現象であり、そのもとは血のにごり。そのためのホルモン系その他の異常が下地になり、そこへ充血をおこすもろもろの刺戟がはたらいて、しだいに肥大してくるのであろう。だから、いつも血はきれいにしておくべきであり、そのためには日常生活、ことに食生活の合理化=安全化完全化、したがってナッパ・青汁中心の食事が望ましいわけだ。私の平素の食事は、だいたい、それに近いものだ(本紙362号、61年10月参照)。
     しかし、それを、ふつうのように、夕食に主に食べるのには問題がある。そこで、次第に、刺戟性のつよいうまいものや、利尿作用の強いナッパ・青汁、あるいはクダモノなどは、何を食っても、また少々過ごしても影響のない朝・昼食に食べ、夕食には、無刺戟性で、むしろ縮尿作用のある米飯の少量をミソや漬物で食べる。あるいはパン・イモの少量(100〜150グラム、時には何も食べない)にするようになった。
     また、便通をととのえるためには、繊維を十分とり、つとめて運動もして、毎日快通するよう、また必要に応じては、就寝前、も一度排便するよう心がける。寒さにたいしては、これまで夜具は寒くない程度にうすくし、コタツもつかっていなかったが、夜具を厚くしコタツも入れ、からだを冷さないよう気をつけることにした。
     このように、いうならば常識的の一般養生法をまもり、不心得な反則さえおかさなければおおむね安泰であり、これをつづけてゆけば、すくなくとも病勢の進行は避けられるだろうし、ながい間には、あるいは少しづつでもよくなってゆくのではないか。そんな期待ももてそうな気もしている。
     しかし、そこは人間。お恥しいことながら、ともすると脱線。いわゆる試行錯誤を重ねていることも白状しておかねばなるまい。たとえば、無難な筈の夕飯もお寿司、おこわ、もちなど、つい食べすぎる。また、朝昼だと、直接には影響しないが、2〜3日つづけていると、便秘傾向となりシブリだす。菓子類もまた同じ。少量はむしろためによいくらいだが、好物なのでつい過ごす。また朝昼のは直接には無難だがつづけると、やはり便秘してやられる。うまい肉類。家ではともかく、困るのは宴席。昼食はまことに嬉しいがたいていは夕〜夜宴だから、少しづつならと警戒しながらも、つい過して手痛い目にある、といったぐあいだ。
    (62・4)


11. ふとり作戦のしくじり

     医学博士 遠藤 仁郎 

    60年の3月以来、前立腺肥大の対策として、夕食を軽くすることをやりはじめたが、そのためカロリー不足に陥り、61年10月不注意でおこしたニワカツンポに試みた青汁絶食でダウンしたことは本紙379(63年3月)号に書いた通りだが、
     1年たった62年10月には、反対の失策をやらかした。

     燃料切れ事件後しばらく米飯を食べ、体重はすぐにもとにもどったが、これをつづけていると、どうしても便秘傾向になり、そのため排尿に影響するので、まもなく、従来通りのイモ・マメ・ナッパ・青汁食にもどし(本紙371、61年7月号)、つとめて朝食を多く摂るよう心がけてはいたが、しだいに痩せ、夏まえには、食欲がとくに落ちたという感じもなかったのに、44〜5キロまで下ってしまった。

     それでいて、気分はいたって良好。
     山の上り下りにも、畑作業にも少しも差支えもないのだが、いかにも見すぼらしい。
     やがて寒くもなる。このところ尿の方も快調がつづいているので、もう大丈夫だろう。
     ここいらで、少しふとってやろうと、10月の初めから、禁を破って夕食をふやし、うまいものもやりだした。それが大あてはずれ。4〜5日がほどは何ごともなかったが、6日めには、夜半から例の出しぶりが始まり、7日めはさらにそれが強くなった。

     それでも朝方にはおさまっていたのだが、8日めには朝になっても出にくく、膀胱部(下腹)をさすっても叩いてもダメ。午ごろには臍ちかくまでたまってきた。もうしばらく様子を、と思わぬでもなかったが、このまま夜になって騒いだのでは、それこそ大恥さらし、恥の上塗りだと観念。病院に出かけて、導尿してもらった。
     細い管を入れるだけだがいかにも有難い。さんざん悩まされていたのが、1分もたたないうちにすっかり解消。全く爽快そのもの。泌尿科の若いドクターは、ことも無げに「つまったら、またいらっしゃい」といってくれたが、こんなことを繰返すようでは青汁の名折れだと、その日は絶食。

     翌日は青汁(乾燥)とイモの少量だけとし、排尿は完全にもと通りらくに出るようになった。
     ついで、いぜんの食事にもどしたが、ふとり作戦は変更。古人が健康食として推奨している“小餐相接続すべし”の訓えに準じ、これまでの3度の食のほかに、午後3〜4時ごろまでの間に、適宜に“間食”をとることにした。以来、ひどく反則をおかさないかぎり、排尿は好調であり、体重も漸次回復。63年正月には50、その後だいたいその前後を上下している。

    (63・5)


12. 唇のシビレと前立腺肥大

     青汁ドライ粉末のおかげで、脳コーソク、唇のシビレ、便秘も調子よくなり、特に先月から度々、長電話を以て前立腺肥大についてのアドバイスを田辺先生からくわしくおききして以来、手術しようか、どうしようかと、心配しつづけて居りましたのも今のところ心配なく過ごせるまでになりました。




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