健康と青汁タイトル小
胆石:掲載紙面選択



1. 胆石胃下垂

    笠岡市 K.T. 

     今年に入り生野菜を主として副食にし、最近は青汁を愚妻も私もやっております。
     結果データーと迄も報告いたし兼ねますが、非常に体の具合が良好で、長年の神経痛も、毎月1、2回おきておりましたのに、10ヶ月余りは1回も起らず、便通も毎朝1回は必ずあるので重労働の作業にも5年くらいは若返りした気持で、毎日作業しておりますが、疲労もなく、最近では主食を従来の半分にして生野菜を多くいただいております。
     また愚妻も、先生に永い間御診察をしていただいておりました通り、胆石ならびに腸ネンザ、胃下垂と三重奏も、生野菜ならびに青汁のお蔭で、これまた今年に入り、一度も痛むことなく、むしろよくふとりまして悦こんでおります。
     生野菜も当地方は殊に人糞肥料の使用が多いので、毎月はじめにマクニンSを服用して蛔虫を予防しております。

    (29、11、1、通信より)


2. 胃痙攣

    山口市 G.N. 

     私の町に73才になる老婆があります。胃痙攣が持病で、長年毎月2、3回使を走らせて医師を招き注射をしてもらっていました。それが、ある奥様の紹介で4、5回私の宅に来ましたので、治療して上げましたが、私は、根治するには青汁を飲みなさいと教えました。それから2年半になりますが1回も起りません。青汁は主にヨモギ汁を飲んでおるとのことです。(33・2・14通信)

    付記 胃痙攣というのは多くは胆石症ですが、確に青汁はよいようです。(遠藤)


3. 胃痙攣

    三重県 S.W. 

     若い頃から胃痙攣の持病があり、2年前肝臓もわずらいまして、三月ほど入院いたしました。
     その後青汁を愛用しましてから、すっかり胃の方もよくなり、十一貫位だった身がメキメキふとりだし、只今50キロあります。
     スカートは10センチも広くしてまだきつい位です。
     孫の守りから菜園作りと張り切って働いております。


4. 胃痙攣

    三重県 S.W. 

     若い頃から胃痙攣の持病があり、2年前肝臓もわずらいまして、三月ほど入院いたしました。
     その後青汁を愛用しましてから、すっかり胃の方もよくなり、十一貫位だった身がメキメキふとりだし、只今50キロあります。
     スカートは10センチも広くしてまだきつい位です。
     孫の守りから菜園作りと張り切って働いております。


5. 癪(しゃく)に嬉しい男の力

     歌舞伎やテレビドラマなどでも、旅の途中で持病の癪がおきて難儀するところが、よく出てくる。
     癪は胃癪気、あるいは胃痙攣ともいわれるが、本当の胃の痙攣のことはめったになく、多くは胆石の発作だ(虫のこともあるが)−出かかった石が途中にひっかかり、これをおし出そうとして、胆のうや胆管が強く痙攣するための痛、つまり石のお産の陣痛といったもの。ずいぶん痛いもので、ひどいのになると、正気を失ったり、2〜3本も麻薬をうたねばならぬ、といったものもある。
     この発作のとき、ちょうど胆のう(みぞおちの右よりのところ)の真裏にあたるあたりがこったり、痛がひびいてゆくものだが、そこを拇指か握りこぶし、あるいはヒジで、つよく、コリをおしつぶし、もみほぐすように、うんとおさえる(ドンドン叩いてもよい)と、グッとらくになる。
     軽い痛では、それっきりおさまってしまうこともある。
     癪にうれしい男の力。
     このコリは、内臓の異常で刺戟された神経の興奮が筋肉につたえられるためで、「こいつめがわざをいたすと針医いい」(川柳)というやつ。
     そして、このツボのコリをほぐし、興奮をやわらげると、逆に、内臓の興奮もしづまって来るのだ、と説明されている。
     たたく、もむ、灸でも、熱い湿布でも、あるいは、ホケをかけてもよい。
     むかし、ある殿様のこの発作を、宿直の金衆が、かわるがわるホケ(嘘気)をかけてやわらげた、という話がある。
     また、この部になにか(何もなければ注射器を消毒した水でもよい)を注射してもよい。


6. 胆石

     胆石を長期にわたってレントゲンで追跡してみると、中には、確かに自然にとけるのがある。
     もちろん石の種類や古さにもよるが。だいたいに、コレステリン石のほうがとけやすく、脂肪の摂り方を極端にへらすと、かなり大きい石でもとける。
     また、熱量が多いとコレステリン石は大きくなるが、低熱量食では、胆石はあまり出来ない。

    (Wolpers D.M.W.1968.52号)


7. 胆石の手術

     66才の男性。もう20年ちかくも、胆石、胆のう炎、十二指腸潰瘍をわずらっており、今でも時折はげしい発作がおこる。手術をすすめられているが、先年、前立腺の手術後化膿して、1年半も入院したことがあるので、決心がつきかねている。食欲がない。便秘がちで4〜5日目には、ドッと下痢する。肉類がすきで、野菜はきらい。一口たべても、すぐ吐気が出るほどだ。甘いものも大好き。

     私のかんがえでは、どれもこれも、野菜の不足からだ。胆石、胆のう炎も潰瘍もそのためだし、便秘はもとより、下痢もそのためといえよう。こういう下痢は宿便性下痢といって、ながい便秘のためにおこるもの。野菜をうんと食べて通じがよくなれば、なくなってしまう。
     まえの手術後化膿したのも、やはりナッパの不足でバイキンに対する抵抗力がよわっていたからだ。こんどは、どうでも手術はさけられまいが、しっかり野菜を食べ、青汁をのんでいれば、化膿などするものではないし、傷の治りもずっとよくなる。
     ながい患いから立直るには、まず、あやまった習慣をあらためなければならない。一大決心はいろうが、今からでも決しておそくはない。きらいだ、いやだといつまでもグズグズして、苦しみつづけているよりは、思いきって食べものをかえてみてはどうか。

    (54・1)


8. 薬と胆石

     血液コレステロールを下げるのに有効なクロフィブレート剤は、胆汁のコレステロールを増すので胆石を誘発する。また、内服避妊用のピル(主剤は卵巣ホルモンのエストロジェン)をながくつかうと、同様、胆石を発生するおそれがある。

    (Lancet,U:177,1977.)


9. 胆石が消えた

     和仁 政子 

     故障をおこし、胆石と診断されましたのは43年の秋でした。
     45年春から、集合住宅の花壇をケール畑にし、ベランダの鉢植とで青汁をつくりはじめました。
     胆石はその後も度々発作をおこし、気候の変り目、テンプラやケーキなど少しいただいても食欲がなくなったり、つよいメマイを起しました。
     毎春レントゲンをとっていただきましたが、石の影は大人の親指大のが1ヶか2ヶある、と先生はおっしゃっていました。外科の先生は、手術よりほかに方法はない、とすすめられますし、内科では、できるだけ故障をおこさないくらしをするように、とのことで、手術の決心もつかず8〜9年をすごしました。
     ケールの畑は超ミニで、それでも、計算してみますと、年平均100kgの収穫で、年平均256日飲用できましたし、平素、緑葉食にも心がけていました。
     遠藤先生は、青汁で体質が改善される、とおっしゃっていますが、神経痛が少しづつよくなるとか、皮膚のつやが増してきましたが、胆石が消えるとは期待していませんでした。
     53年ごろから、油ものが少しづついただけるようになり(新しい油をつかい、続けて食べないなど気をつけました)、また、その頃からレントゲンにもはっきりうつらなくなり、先生は消えたとも、撮影のせいともおっしゃらず、不思議がっていらっしゃいました。
     故障がへり、だんだん油にも自信ができました頃、遠藤先生にお会いでき、このことを申しましたところ、消えたと思うから、もうレントゲンをとらないように、とおっしゃっていただきました。
     いっそう自信ができ、テンプラも続けていただいても大丈夫になりました。


10. 痩せれば石もやせる

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「37才の主人。いぜん腎臓を患ったことがある。こんどは胆のうが悪くなり胆石ができた。身長170、体重85です。」

     「ふとりすぎだなあ。ふとっていては胆石はよくならない。痩せなきゃあダメだ。ふとるような条件では――ご馳走をうんと食べ、からだはなまける――石もふとる。痩せるようにしていれば――粗食少食にして運動する――石もやせる。時には消えてなくなることもある。」

     「やせよとは、これまでも度々いわれており、食事をへらしてもみたが、それではしんどくて仕事ができぬ、といって相変らず食っています。」

     「食事がまちがっているからだ。正しい食事では少々へらしても決してそんなことはおこらない。おそらく、肉食家で、味はこってり。それに酒、あるいは菓子、ジュースといったところであり、インスタントものや出来あい食品が多いんだろう。」

     「そのとおりです。野菜はきらいで。」

     「それじゃあこなれのよいものばかりで腹もちが悪く、すぐ腹がへってしまう。それで減食しようたってどだい無理。それに、そういう食事ではカロリー、蛋白質ばかり多くて(だからふとる)、ミネラル・ビタミン不足という不完全食になっている。
     そのうえ有害有毒食品の害も加わって血がにごってしまう。腎臓を患ったり胆のうを患うのも不思議はない。それをつづけていれば、働きざかりの人に多い成人病、高血圧や動脈硬化、癌といった厄介なものがいつ出てくるかも知れない。
     もっと腹ごたえがあり、腹もちもよく、腹いっぱい食べても実際にはカロリーが少ない(つまり減食になっている)ような食事にしてみたらどうか。」

     「どうすればよろしいか。」

     「なるべく消化のよくない、というか、消化に時間のかかるものにする。主食には、白米飯、白パンでなく、玄米飯か黒パン。アズキなどの雑豆。イモ類はさらによい。こういうものにするか、少なくとも混ぜて食べること。蛋白食には、肉・魚の切り身、卵、チーズなどより、大豆ものにする。
     それに青ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物をうんとそえ、青汁は少なくとも一日3〜4合のむ(イモ・マメ・ナッパ・青汁食)。いうならば、野菜類が主食で、それに飯や肉類をそえる、といったものだ。
     調理はなるべく簡単に、味つけはうすく。それを、ゆっくり、よくかんで食べる。その際、まず青汁をのみ、野菜・果物を食べ、かなり腹のふくれたところで主食や蛋白食にする。
     なお、食品はすべて、なるべく安全良質のものにする。このナッパ、青汁中心の食事では、カロリー、蛋白質はかなり少なくなる。しかし、空腹を感じないばかりか、気分はまことに爽快、体力・気力ともに充実、活動意欲旺盛、能率が上るから、いやな思いもせずに痩せることができる。
     それは、この食事が腹ごたえ腹もちがよいだけでなく、栄養のバランスの完全にとれた食事になっているからで、食べたものが無駄なく利用され(代謝が完全)、血がきれいになり、からだ中のすべてのはたらきがよくなるからだ。
     胆石のためにもよい。胆石ができるのは、胆汁の中の石の材料コレステロールが多いことと、それを溶かす成分(レシチンその他)とのバランスのくずれのためで、ご主人のように肉食・糖・酒、加工・保存食品にかたむいた食事ではこのバランスがとれにくい(から石ができる)か、ナッパ・青汁中心の食事ではバランスが正しくなり、石のできる条件がなくなるか少なくなるわけで、からだが痩せると石もやせることになる。
     なお、この食事は腎臓のためにもよいし、成人病その他の病気の予防にも役立つ。これらの点をよく理解し熱心にとり組んでほしい」。
(59・9)


11. 胆石と腎石がある

    山梨県 H.H. 

     38才の主婦。
     胆石の痛があり、検査をうけたら、指頭大の胆石が一つと、ほかに同じほどの石が腎臓にもあるとわかり、手術をすすめられている。どちらを先にしたらいいだろうか、との相談。
     それくらいの石なら、どちらからでもよかろうが、やるとすれば、よくあばれる方から、ということになろう。

     「どっちの発作が多いんですか?」

     「胆石の方はちょいちょい痛みます。腎臓の方は検査でわかったので、別に痛みませんが、尿にバイキンが出ているそうです。」

     「石があると感染しやすいからでしょう。胆石の痛みはきついんですか?」

     「それほどでもありません。石をとかす薬をもらってのんではいるんですが。とけるんでしょうか?」

     「とけるといわれています。薬も結構でしょうが、私はやはり日常生活ことに食のあやまりをなおすことの方が、もっと大切ではないかとかんがえています。
     石ができるのは、胆汁なり尿なりの性質がかわって、その中にとけている成分がとけにくくなって析出し石になるわけですから、胆汁なり尿の性質の異常をなおすこと。つまり、胆汁や尿をつくる肝臓や腎臓のはたらきを正しくすること。そして、それには、肝臓腎臓をめぐっている血の性質を正常にする――血をきれいにすることです。

     胆石でいうと、いちばん問題になるのはコレステロール(コ)。
     胆汁のコは、正常には完全にとけていますが、コの量が異常に多くなるか、胆汁のコをとかす能力が低くなると、とかしきれなくなって、析出し、石ができるのです。だから、石を防ぎ、またとかすには、コを少なくすることと、胆汁の性質をよくしてコをとかす能力を高めればよいことになります。
     コを少なくするには、高血圧や動脈硬化にいわれているとおり、食べすぎないこと。カロリーをへらし(脂こいものや糖分、城米飯をへらし)運動してふとらないこと。(ふとるような条件では石もふとる)胆汁の性質をよくするには、肝臓のはたらきを正しくすべきですから、栄養を完全化(バランスをとる)し、安全化することです。
     ところであなたの食習慣は?」

     「脂濃いものが多く、甘いものが好き。インスタントものなど出来あい食品も。」

     「それをなおすこと。出来るだけ安全食品にし、すぎているカロリー源をへらし、不足している野菜、ことに良質ナッパをうんと食べることです。青汁は?」

     「2本くらいはのんでいます。」

     「それでは、とても。平均的の邦食でも正味2合(市販の青汁4〜5本、もとのナッパ400〜500g)は必要ですし、脂濃いものや甘いものが多ければもっと多く、少なくとも4合以上。そのようにしてかなり大きかった胆石が消えた人もあります。
     腎石も同様です。このばあい尿酸その他、尿が酸性だと溶けにくいものが多いようですから、少なくとも尿をアルカリ性にするため、酸性食品をへらし、アルカリ性の野菜類を多くすること。
     また、栄養を完全化し安全化して、尿の性質の正常化をはかること。
     したがって、ただアルカリ性であればよいのではなく、それとともに栄養のバランスをとることが大切ですから、やはり良質ナッパをうんと摂り、青汁をのむことがもっとも合理的であり、事実そのようにして、石がとけることは胆石のばあいよりも、多いように思われます。
     現在さしせまって手術するほどのことでなければ、ともかくこの方針でやって様子をみ、半年なり1年たったところで検査し、小さくなっているようなら、もっとつづけるべきだし、少しも変りがないか、大きくなっていたり、発作がやまないようなら、そこで思い切っても、けっしておそすぎることはないでしょう。
    (58・11)


12. 砂糖は胆石のリスクを増大

     オーストラリアのアデレードで行なわれた研究によると、アルコールが増すにつれて胆石疾患のリスクが低下するという。しかし、この効果が最高なのは比較的少ない摂取量(一日30g以下まで)で、それ以上になるとリスクの低下はわずかになる。
     一方、砂糖は胆石形成のリスク増大を伴う。飲み物や菓子での糖摂取量が砂糖で茶さじ10杯、コカコーラでコップ2杯分一日に増えると、リスクは2倍になる。

     研究では、新たに胆石疾患と診断された入院患者を他の入院患者、および一般住民から選んだ同等な人たちの対照群と比較した。被験者は、年齢別(50歳以上とそれ以下)に分け、食事に関して105項目にわたる調査用紙を渡し、数か月以前から通常摂取していた食事を思い出させ記入させた。

     50歳以下の女子と前年齢層の男子で、アルコールを除きすべての栄養素の摂取量は患者のほうが対照よりも多かった。50歳以上の女子では、そうした差はみられなかった。男女とも砂糖の摂取量は、胆石を生じるリスクと正の相関を示した。
     これは、空腹時血漿インスリン濃度が胆石形成と正の関係にあることが認められているので、砂糖の摂取量増大でインスリン分泌が刺激されたことによるものだろう。
     アルコールは胆石形成から保護するが、その理由の一つとして、男子よりもアルコールの消費量が少ない女子に胆石の頻度が高いことが挙げられよう。

    Brit.Med.J.288:1113,1984
    Medical Tribune 1984.6.14.


13. 胆石と冷たい青汁

     青汁ファンの方から、
     「兄が胆石もちなんですが、青汁はどうか先生に聞いてくれ、といっています・・・・・・」
     との電話。

    「いいですよ。熱心にやって溶けてしまった人もあるほどです。
     しかし、少々の分量でも、ちょっとの間飲んだだけでもダメ。
     十分の量、少なくとも1日3〜4合以上を、ながく熱心につづけなければなりません。
     ただし、寒い季節や、夏分でも冷蔵庫で冷やした青汁を、いきなり大量にのむのはひかえて下さい。」

     「冷たい方が飲みよいと思いますが、なぜですか?」

    「そうなんですが、胆石のばあい、ちょっと困ることがあるんです。」

     「どういう?」

    「冷たいものが一気に胃にはいると(青汁以外のものでもですが)、反射的に胆のうが収縮し、それが強いと、胆石の発作ににた痛みをおこすおそれがあるからです。」

    (61・1)


14. 石はいくらでも出来る

     医学博士 遠藤 仁郎 

    「主人は40才の会社員です。
    胆のうに大きな石が出来ていたので、手術し、胆のうごととってもらいました。
    これで安心と思っていましたが、5年たってまた痛みだしました。
    再発といわれて、手術。こんどは、胆管(胆汁の通る菅)の、十二指腸に近い太いところ(総胆管)に、ドロドロの砂がいっぱいつまっていました。
    胆石はどこにでも出来るんですか?」

      「胆石は、胆汁にとけている石の成分(主にコレステロール)が多かったり、これをとかす力がよわっている時出来るものですから、そういう条件がそろっていれば、胆汁の通る路のどこ(胆のう、胆管の)にでも出来ます。
      そして、石のようにかたまったものもあれば(胆石)、ザラザラした砂のことも(胆砂)、泥のようなこともあります(胆泥)。」

    「胆のうには特に多いんですか?」

      「そうです。胆のうが、肝臓から絶えず出ている胆汁を溜めて、濃縮し、必要に応じて、つまり食べものを消化する時に、出すという役目をもっているところだからでしょう。
      これを手術してとると、胆管のふといところ(総胆管)がひろがって、胆のうの代りをするようになり、こんどは、そこに石が出来るというわけです。
      いや、それどころか、ずっと上流の、肝臓の中に出来ることもあります(肝内胆石)。
      ですから、いくら胆のうをとったり、胆管をきれいにしても(とるわけに行きませんから、つまっている石や砂を掃除する)、石の出来やすい状態がつづいているかぎり、また、いつ、どこに出来るかも知れません。」

    「どうしてそうなるんですか、体質ですか?」

      「そう、石の出来やすい体質です。」

    「遺伝ですか?」

      「遺伝もありましょうが、それよりも、日常生活のあやまりのためのことの方が多いようです。
      石の出来やすいのは胆汁の性質がかわって来るからであり、それは血のにごりのため、血のにごりは日常生活ことに食べもののあやまりから来ているからです。
      ご主人の食事はどんなです?」

    「大食家。
    とくに脂濃い肉をよく食べ、酒も甘いものも両刀つかい。
    味は濃厚。
    野菜は好みません。
    外食することが多く、インスタントものなど出来あいものになりがちです。」

      「ふとっていられますか?」

    「はい。」

      「便通は?」

    「結し気味。」

      「運動は?」

    「あまりしません。」

      「とすると、カロリー・蛋白質ばかり多くて、それらの体内代謝に必要なミネラルやビタミン類の不足した完全食を、いつも腹いっぱい食べているわけで、運動不足も手伝って、食べすぎになっており、代謝はうまくゆかず、血はすっかりにごってしまいます。
      そのうえ、便秘や、加工・保存食品からは添加物の害も加わり、さらに血のにごりをつのらせ、肝臓のはたらきをいためます。
      また、バイキンにたいする抵抗力をよわめ、胆のう炎や胆管炎がおきやすくなります。
      これらの結果、胆汁の性質がかわり、コレステロールの多い、しかも、それを溶かす力のよわい、石になりやすい胆汁を分泌するようになります。
      つまり石の出来やすいからだになるわけです。」

    「どうすればよろしい?」

    「まず食べものを合理化すること(完全化・安全化)。
    バランスのよくとれた完全食にし、カロリー・蛋白質にたいし、むしろミネラルやビタミンが多すぎるくらいにし、有害有毒なものはできるだけさけ、血をきれいにし、肝臓のはたらきをよくし、抵抗力をたかめることです。
    具体的には、カロリーの多いもの、ことに脂濃い肉類・白米飯・酒・糖分をひかえること。
    主食にはイモ類にするか、多くし、蛋白源には大豆ものを多くすること(大豆にはコレステロールを溶かすレシチンが多いことも有利)。
    そして、野菜ことにナッパ類をうんと食べ、青汁にしても飲む(少なくとも1日1キロ、青汁にして4合以上)こと。
    便通をよくすること。
    つとめてからだを動かし、標準体重以下くらいまでやせること。」
    (61・6)


15. 胆石はとけますか?

     医学博士 遠藤 仁郎 

     この7日、陛下がおなくなりになった日の夕方、新年の挨拶とともに「胆石は青汁でとけますか?」との電話。
     「とけますよ。やり方しだいでは。」
     「どれくらい飲めばいいんですか?」
     「多いほどよろしい。少なくとも1日1.0キロ以上のケール、青汁にしてコップ4〜5杯以上、を熱心につづける。そのようにして拇指大のがなくなった方もありますよ。」
     「いや、実は私なんです。近年、どうも体調がおかしいので診察をうけましたら、肝炎といわれ、レントゲン検査で、大小さまざまの胆石があることがわかりました。で、毎日5〜6合も飲んでいました。そしたら年末の検査で、肝臓はスッカリよくなっており、胆石も小さいのは無くなり、大きいのだけが少し残っているだけ、になっていました。“手術せないかん”といわれていたんですが、青汁でとけるなんて、ちょっと信じられないんですが、どうしてですか、おしえてくださいませんか」
     とのこと。

     「胆石の出来かたから申しましょう。胆石にもいろいろありますが、多いのはコレステロール石。胆汁にとけているコレステロールがかたまって出来るもの。このコレステロールはもともと水には溶けにくいものなのですが、正常の肝臓から出る胆汁には、過飽和といわれるほど多量にとけています。
     それは、レシチンなどコレステロールをとかす成分が十分にあるからです。
     この石になろうとする成分と、それを防ごうとする成分とのバランスがうまくとれていれば石は出来ません。
     このバランスが狂ってくると石が出来やすくなるわけです。
     それには肝臓の病気(肝炎)と、胆道の炎症(胆道炎・胆嚢炎など)がありますが、あなたのばあいは肝炎のためでしょう(胆道にも何かあったかも知れませんが)。
     これら肝炎や胆道炎の原因は、それらをめぐっている血のにごり。
     血のにごりの原因は、ひろく日常生活のあやまり、中でも食べもののまちがい(バランスのみだれや有害化)。
     そこで、青汁をのんでそれをなおすと血がきれいになり、肝臓のはたらきとともに胆汁の性質がよくなり、出来ていた石も小さいのから少しづつ溶け、消えていった、というしだいです。
     だから、少々の石は残っていても、あわててアレコレせず、熱心に青汁中心の正しい食事を続けることです。

    (平成元・1)


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