健康と青汁タイトル小
ノイローゼ・精神科:掲載紙面選択




1. ノイローゼよくなる

    大阪市 T,K, 

     今年1月頃より、急に食欲がなくなり、少し動きますと、日射病にでもなったように頭が重痛く、何ともいいようなく気分が悪くなってまいりますので、診療をうけました。
     肝臓か悪いといわれ、今まで好物だったお酒をよして(止すというより、気分が悪くのめなかった)、薬と休養とで、少しづつですがよくなってまいりました。
     4月になって、2―3の病院で検査の結果「肝臓その他異常なし」と、うれしい結果が出ましたが、その頃にはノイローゼがたいぶ進行しおり、事実、気分の悪い日が大部分でした。
     6月に入って、食養生が一番よいことを聞き、「青汁の効用」をみ、のみ始めました。
     ちょうど1ヶ月経った今日、残症の頭の方も殆んどなくなり、爪の色にもだいぶ艶が出てまいりました。
     7月になってから自分の食療法に自信のついたせいもあろうか、色々の症状もなくなりまして、日に一度、または二度と通った医院にも、何と1ヶ月で3回通っただけでした。
     色々の薬も今までよりずっと減らしました。1ヶ月後の今日、健康にも自信が出てまいり、グリンジュースを食後のデザートとして愛飲致しております。



2. 青汁一年 私の体はこんなにかわりました

    岩手県 T.O. 

     連続して飲用するようになりましてから彼是5ヶ月位。飛石的に飲用するようなりましてから一ヶ年位になります(冱寒地ですので、冬季間材料に困ります)。その間健康のことに関心をもつ人には、知ると知らざるとに拘らず、青汁の飲用をおすすめしております。
     社会奉仕の心算で。しかし人間は得手勝手にできておりまして、欲に左右され勝ちで、また意志薄弱で永続きがせず、疑い深く仲々青汁の実行者になり得ないのを、人ごとながら歯がゆく存じます。
     私が青汁飲用するようになりましてから、気分的にまた実際身体上に表現されたことを左に列記し感謝の意を表する次第です。

    1. 私の右腕に南瓜の種子大の老人斑がありますが、連続飲用すればそれがうすくなり、痂皮のように取れようとするが、飲用を中止すればもとの通り色が濃くなる。
    2. 困苦した便秘がずい分緩和されて来た。
    3. 労働しても、飲用しなかった以前に比較して疲労感が少い。
    4. 結代や不整脈がありましたが、飲用するようになりましてから、ずっと少くなった(勿論ノイローゼ的かも知れぬ)。
    5. 三年ばかり前に(医師診断の結果)高血圧、心臓疾患?で入院、一年位病院生活。その間一進一退の上、治癒するでもなく退院。自宅で青汁(時々通院はしました)。その結果(血圧測定は今のところしません)、前にも申しあげました通り結代、不整脈などずっと少くなった………精神的に不安が烈しかったのが楽になった。
    6. 入院中運動不足のため胃腸疾患様になり、痛みのため胃潰瘍・十二指腸潰瘍の感じあり、三四日中痛みがあっては、その気がなくなっては又発する………それが青汁を連用するようになってからなくなった。また十年ばかり前に虫垂炎の診断をうけたが、手術せずに今日にいたる。その為か時々その箇所が膨満感と圧痛がありましたので不安でしたが、それがずっとなくなった。



3. 青汁教室 お互いノイローゼにならないのは

     友成 左近 

     この頃、ノイローゼになっている人が多いそうですね。軽いのも含めると、10人に1人とか。お互い青汁仲間には、ノイローゼになっているような方は、一人もいないようですが。胃腸薬とか鎮静剤を持ち歩いているような方は、多分あるまいと思われますが。

    別に異常はないのに病気だと訴える
     ひと口にノイローゼといっても、いろいろありますが、俗に病気ノイローゼというのは、こんな場合です。
     どう診察してみても、別に、たいした異常はないのに、胃腸の具合が悪いとか、心臓がドキドキするとか、肩がこるとか、頭が重いとか、いろいろな症状を強く訴えるのです。いわば自分で病気だと思いこんで、病人になっているのです。で、ノイローゼになった人は、病人として、どんなに治療しても、容易に治りません。病人扱いをすると、かえって、ますます重病人となることがあります。
     なかには、外科手術で胃をとってしまっていても、まだ胃の具合が悪いと訴える人さえあります。
     精神治療をするか、なにかのキッカケで、本人の気の持ちようが変わらなければ、治りません。

    だれにもある体の変調をなにかのキッカケで病気と思いこむ
     では、なぜ病気ノイローゼになるのか、というと、こういうわけです。
     だれでも、時に、胃腸の具合が悪いことがあります。だれでも、走ったり、びっくりしたりすれば、心臓がドキドキするものです。疲れたり、寝不足をしたりすれば、だれでも肩がこったり、頭が重くなります。ノイローゼになる人は、多くの場合、生来、心配性、神経質な方ですが、こうした、だれにでもある体の変調を、なにかのキッカケで、病気ではないかと思い、それを気にしている間に、とうとう病気だと、ひとり思いこんでしまうのです。

    この頃の社会は人々に体の変調を起こし易い病気だと思いこませる
     ところで、この頃の社会は、交通関係といい、商売といい、勤めといい、娯楽といい、交際といい、食物といい、その他いろいろな面で、だれでも度々、体に変調を引き起こし易いようになっています。
     それに、クスリの広告は、毎日、あなたは体具合が悪いでしょうと、呼びかけています。だれでも、病気ではなかろうかと、心配するようになっています。心配性の人には、なおさらです。
     また、病気になれば、勤めを休み易いし、人々が同情してくれる場合があります。
     で、つい、たいしたことではなく、ほっておいてもよいような変調でも、病気にしてしまうわけです。

    自律神経が高ぶって異常を引き起こす
     ノイローゼになる人は、多くの場合、神経が鋭敏な方ですが、ノイローゼになると、ますます自律神経が高ぶってきます。
     こうなると、こんどは、胃とか心臓とか血管とか、神経の作用を強くうけているところに、どうしても、少しは異常が起こってきます。
     ここまでくると、ノイローゼも本格的で、診断も治療も厄介です。

    薬剤治療だけでは容易に治らない
     ところが、これまでの医学は、とかく人間を、全く身体的、生理的、物質的に扱う傾向が強いのです。
     それも、予防より治療に重点がおかれています。クスリで治療する、というわけです。
     で、ノイローゼの治療も、とかく精神神経鎮静剤です。一時はおさえますが、もともと気の持ちようから病気になっているのですから、気の持ちようが変わらない限り、容易に治らないわけです。
     気の持ちようまで変えてしまうクスリは、まだないので、ノイローゼの治療は厄介千万です。

    完全栄養をはかってノイローゼを防ぐ
     ところで、ノイローゼの予防ですが、これも、これまでの医学では、精神神経が高ぶらないように、と考えるわけです。
     が、これは、クスリだけでは、ほんの一時的なことで、体の栄養を完全にする以外に方法がないのです。
     これも、クスリだけでは、どうしようもないのです。
     生活全般にわたって、いろいろ大切なことがありますが、完全栄養食をとるようにつとめることが、最も大切です。
     クスリというものは、応急的な補助手段にすぎないのです。
     完全栄養食をはかるには、お互いがしている通り、毎日、青汁を1合いな2合以上のみ、その上、青野菜を沢山、それも、つとめて生のまま食べる以外に、妙手はないのです。
     お互いがノイローゼにならないのは、こうした生理的な理由があるわけです。

    青汁は健康生活に信念をもたせる
     が、さらに、青野菜食・青汁には、ノイローゼにならない心理的な理由があります。この方が、より重要であるかも知れません。
     いったい、ちょっとした体の変調を、病気ではないかと思いこむのは、健康生活に、心のよりどころがないからです。
     こうしておれば、病気にはかからない、かかっても、そう心配する必要はない、という健康法を心得ていないからです。
     心得ていても、それに信念をもっていないからです。ところが、青野菜食・青汁を毎日しっかりとっていると、ちょっとやそっとでは病気にかからない、少々変調を感じても、そう気にする必要はない、たとえ病気になっても、早く治る、という信念が生じてきます。

    この信念は体験に基づく科学的にも確かなもの
     この信念と健康法は、決して「イワシのアタマ」みたいなものではなく、お互いの体験に基づいたものです。
     そして、科学的にも、確かなものです。といって、これも複雑多岐な健康法の一面です。
     決して、過信して他の面の健康法を怠ってはなりません。

    青汁はおいしくないので信念を強くする
     ところが、青汁は、そうおいしいものではありません。栄養と健康に大切であると、よく心得ていても、これで健康になるのだ、という信念が生じてこないと、ながつづきがしないようです。
     が、いったん飲みつづけるようになると、そうおいしいものでないだけに、かえって信念が強くなってくるようです。


    付記 倉敷では、毎月第3金曜日午后7時から2時間、倉敷中央病院構内の古久賀会舘で、公開の青汁教室を開いています。この記事は、ここで遠藤先生その他の出席者が発言したことの一端です。



4. 精神科にかかっていたが

    兵庫県 K.H. 

     38年頃から不安感と不眠になやまされ、その秋神経科に3ヶ月入院し、電気ショック療法をうけました。ついで43年の秋口、47年、48年、49年と、たびたび精神科へ、2〜3ヶ月入院いたしました。49年の時は大変悪かったようで独房に入れられました。その後通院で薬をいただいておりましたが、一向によくならず、やはり不安で外出もいや。炊事と洗濯くらいで、フラフラしたり、寝間にころんでいました。56年、すすめらて、3ヶ月くらい青汁をのみましたが、なんとなくやめてしまいました。57年の初め、これではいかんと思い、薬はのまず青汁をのみだしましたが、12月には3日間の青汁断食をし、その後毎日3合をつづけています。それから、しだいに調子がよくなり、今では不安感もすっかりとれ、よく眠れ、意欲も出、旅行にも行き、楽しい日々をおくり、青汁の効果につくづく感じ入っております。(59・7)



5. 便ノイローゼ

     医学博士 遠藤 仁郎 

    56才(女)公務員のかたから、

    「もはや手おくれの感も強く、残念に思われて悲しい胸中を、それでも万一のことを願って意を決して筆をとりました。何とかお助け下さいと一心にすがりつきたい一念からです。」

     という大層な書き出しの手紙が来た。
    「6年程前フト痔のようなものが肛門から突出して来たことに気づいて以来、今日まで、内臓の異常に悩み抜いております。
     病院巡りは勿論、一寸でもよいと聞いたことは何でも手当り次第に試みましたが、大同小異、コレといった成果もみられず、唯いたずらに月日を過ごしてまいりました。
     色々精密検査を受けました(短期人間ドックは、殆んど毎年)結果を申しますと、
      1. 胃下垂(内臓下垂)
      2. 結腸過長症
      3. 内痔核
      4. 高コレステロール
      5. 糖尿病(血糖値、境界線)
      6. 視力減退
      7. 感音性難聴
      8. 膵臓もやや弱い
      9. 心電図も少し?
     ザットこれだけの所見があるといわれ、常に病院通いと沢山の薬をのむのに忙しいありさま。
     周期的に波があり、良かったり悪かったりの繰り返しで今日に至っております。
     入院でもと思って、いつも自分の方から申し出ますが、その度に拒否され、まあ、どうにか欠勤せず、勤務を続けさせていただいております。
     けれども、日常の症状は無いことがなく、あれこれと苦痛の多い毎日で、自然心身共に陰の生活になり、ついには精根つきて投げ出してしまい、解決策のないままさまよいつづけているばかりです。

      主な自覚症状
      1. 現在痔が出て痛み、いつも肛門が開き放しのようで、立っていると、内臓の重みで肛門をチクチク突いているといった感じです。今のところ出血はありませんが以前にはあったこともあります。直腸ガンは痔が出ると聞いておりますので、無意識的な恐怖心からでしょうか全身がガタガタふるえてとまらず興奮しています。
      2. 常に便秘したり下痢したり、腹痛も割とあります。
      3. 下腹部がたえず不快で、はったようなキツイような、何とも表現し難い不愉快さです。
         また左脇腹がよく鳴ります。音はその時々でちがい、グーと大きい音(びっくりする程大きい時もよくある)、ビジュビジュとストローで水を吹くような音などです。
      4. 全身が抜けるようにダルクて、食欲がなく、昨日はとびこむ位おいしくても、その翌日は全くすすまないといったムラがあります。つかえているような感じです。そして体重の減少が絶えず気になります。体重は一食ぬいても下がります。上がるのは中々でも、下がるのはいつも簡単です。この春から初夏頃までは調子がよく、42.5kg位までなりましたが、今は41kg強位です(身長は156.5cm)。ガリガリの体で一度でよいから太って死にたいと念じています。
      5. 口中もあちこちとよくただれて痛くなり、白い斑点ができたり、舌が白くて気になり、間なしに鏡で眺めてみたり、上顎の内側が痛くなったり、舌の先端が真っ赤になってヒリヒリしたり、という具合です。
      6. 小水が出にくく、量が極端に少ない。排尿時の痛みはありませんが、唯でさえはったような下腹がパンパンに固くなっているみたいです。こういう状態が約3年。今もあまり変りなく、ただいつも腹の調子が悪いのです。

     そして今朝床の上で体をおこした時クスッというガスとともに粘液で下着がよごれ、次でトイレで、大便より先に粘液のかたまりみたいのが出ました。出た便はコロコロしたのが5〜6ヶ。その後の下腹の張りようと気持ちの悪さはいいようがありません。
     なお、大便はいつも最後に手で拾って、色々観察することにしていますが、コロコロとしたのが最初に出、次に出るのは、先の方に大きなヒビ割れが入っており、後の方はやわらかい。
     時には、出口はコロコロしていても、その後は軟便気味、また、とても軟らくてキメが荒く、下痢の一歩手前という感じのこともあれば、円柱でなく、表面を指先でおさえたように凹んでいることもあります。
     粘液は、今までにも出ていました。便の表面にかたまってくっついており、量の多少は時によってちがい、色も濃かったりうすかったりで、傾向としては出口に多いという感じです。便がやわらかいと全体的にやや細目で粘液は目だちません。」


     そして、こういうスケッチがそえてあった。


     「よくわかりました。まず、あなたがいちばん気にされているところから申しましょう。原因は胃腸が弱いこと(胃腸下垂、結腸過長症)、そのための便秘。それに癌恐怖がからみあったノイローゼ(神経症)といったものでしょう。
     ともかく、心配のないものと思われます。いくら入院を希望しても許可してもらえないのもそのためでしょうし、3年もの間変らないことも、大したことでない証拠といえます。
     それに、今までの検査の結果も、胃腸の弱いこと以外には、何ひとつ問題にするほどのものはありません。
     自覚症にしても、便秘も下痢も、痛みも、下腹がはり鳴るのも、不快感も、口の荒れも、小水の出にくいのも、みなそのため。
     もっとも気にされている粘液も同様。あなたの観察通り、出口に近いところの便についていることが多いのは、そこにかたい便がつまっており、その刺戟で出るので、たまれば粘液便にもなります。
     全身がだるい、食欲がないのも便秘のため、あるいは便秘をおこすような食べもの、つまり偏食のためでもありましょうが、主には気分的(精神的、つまりノイローゼ)のもの。
     ムラのひどいのが何よりの証拠です。しかし、神経だ、ノイローゼだといっているうちに、重大な病気を診おとすこともないではありませんから、気になれば、納得のゆくまで検査をうけるのも結構でしょう。」


     と返事しておいた。


     そこで、主治医の先生がレントゲン検査をされ、腸に少し不審な点があるのでと、専門の病院で内視鏡(ファイバースコープ)検査ということになり、一騒動がおきたが、その結果もやはり“白”。
     そして、主治医から、レントゲンも内視鏡も、ともに異常がなかったんだから、これからは自信をもって、どんどん食べるようにすればよい。
     今日はフランス料理、明日は中華、その次は京料理、会席といったぐあいに・・・・・・。


     「そして残された余生を如何に有意義に過ごすか。死んだ後にも何かの形で自分の価値というものを残す。こんなことにも目を向けて、1日1日を感謝の心と目標を持って、前向きに進むことですネといわれました。
     今度こそはこれを契機に心底より入れ替えて生活を一新しなければもう間に合わないと誓っております。
     でも口で言うは易し行いは難しで、三歩歩いて二歩さがる式で相当な決意でのぞまなくてはならないと覚悟致しております。」


     まではよかった。がすぐその次に、


     「しかし検査の結果が異常なくても問題点は全て解決したわけではありません。先ず第一に多種多様の自覚症状は果たしてなぜなんでしょう。全てが神経作用ばかりではないのでは?と思えてならないのです。
     たしかにすごく強いノイローゼ傾向は否定できません。
     でもと必ず思い返してしまうのです。
     神経だけでこんなにも沢山不快症状が起きるだろうか?
     その他全身の力が抜けるように、胸に何かかたまりがつまったようになって、脈は早くなり、貧血をおこしそうになることが時々おこります。
     どこか内臓よりの出血のための貧血だろうかとふるえがでます。
     爪の色、舌の色、足の裏など、どこかに異常の発端を見逃がしてはと常にビクビク無意識の中にしてしまうのです。」

     と、またぞろ迷いとうたぐりが頭をもたげて来る。

     「このような状態で今まで繰返して参りましたので仲々一朝一夕には生まれかわったようになりにくいと思います。
     しかし最終的には心の問題であると悟りました。割り切っていく練習も努力いたします。」

     とようやく腹がきまったかのようだ。

     神経だから、頭でつくるものだから、どんなことでも、およそ考えられることは何でもおこる。
     その虚像におびえ、悩まされているんだから、気にしないことだ、忘れてしまうことだと、いくらいっても、このシガラミからぬけ出せないのがノイローゼの特長、どうにもなりません。
     そのもとは、胃腸が弱いように、神経が弱いたちだからです。
     といって、神経だけを強くするいい分別もない。
     そこで、ともかくからだを強くすることに専念する“昔から、健全な精神は健全なる身体に宿る”といわれる通り、からだが強くなれば神経も強くなります。
     それには、かねてからの願望である“ふとること”。それだけを目標にする。またふとるだけでも、かなり神経はにぶって来るものです。主治医の先生が“何でも食べて”といわれるのもそのことです。
     青汁をせいぜい飲んで、何でも、よくかんで食べ元気になることに全力をそそぐ。
     バランスのことも、安全性のことも気にすることはない。

     青汁さえ十分なら(コップ1杯、もとのケール250gくらいでは無理でも、3〜4杯あるいはそれ以上なら)、バランスはもとより、少々の毒は消されてしまいます。
     神さま仏さまともいうべきナッパ・青汁のこの霊妙な力を信じようではありませんか。
     そして、ひまがあれば、運動がてら野菜でもつくりましょう。
     スケッチがお上手のようだから、美しい自然、四季折々の花などいかがです。
     ともに恰好の気分転換法です。こうしているうちに、体調もととのい、食欲も出、ふとっても来るでしょうし、やがて腹のことも便のことも忘れてしまうでしょう。
    (62・9)



6. ノイローゼと自然食

     医学博士 遠藤 仁郎 

     数年来ノイローゼに悩んでいる37才の大工さん。
     ノイローゼ(神経症)というと何のことやらわからない。
     昔流なら神経衰弱。からだが弱くていろいろな病気が出るように、神経が弱いと、刺戟(ストレス)にたいして強く反応し、いろいろな症状が出るもの。
     神経が弱いのは、からだのばあいと同じく、生れつきもあるが、食べもののまちがいからくる血のにごりによるものも少なくない。
     この若い大工さん、タバコは吸わず、酒も少々というところだが、大の肉食家で甘党。
     年令からかんがえて、戦後の食糧難時代。せめて子供だけでもおいしいものを食べさせようとしていた頃、生れそだった。
     ひ弱で神経質だったので、いよいよ滋養になるものをと肉や魚や卵などおいしく炊いて食べさせてもらった。
     その習慣が今までつづいていたのだろう。そして、からだの弱いのも神経がきついのも、この食べ方のまちがい、不自然食のためだ、もっと自然の正しい食になおさなければ、とおしえられ、すすめられて、一年あまり玄米・菜食をつづけている。
     しかし、どうも思わしくない。
     たまたま、さいきん、青汁の本をよんで、矢も楯もたまらず、わざわざ九州から相談にやってきた、というしだいだった。

     「不健康のもとは、いかにも、不自然食による血のにごりのためだ。だから、自然食にあらためればよくなる筈。
     だのに、はかばかしくないというのは何故だろうか。
     かんがえてみよう。

      玄米・菜食
       まず、玄米。
       白米にくらべればたしかに自然だ。
       しかし、今の米は昔の米と同じではない。
       作り方、ことに肥料がちがう。
       昔は、堆肥・厩肥を主体とした完全肥料の自然農法だったが、今は不自然な化学肥料ばかり、そのうえ農薬にも汚染されている。
       したがって、質が劣っているだけか、安全性にも問題がある、という不自然食品になっている。

      次に菜食
       昔の菜食はナッパが主だったし、その質もよかった。
       が、今はいろいろな野菜・果物食であり、また、米と同じく、質的に劣っているだけでなく、農薬の危険もさけられない。
       つまり、今の玄米・菜食は、白米飯・肉・魚・卵にかたむいた不自然食にくらべれば、たしかにすぐれているだろうが、本当の意味の自然食とはいいがたいものになっている。
       したがって、血のにごりをとりのぞいて、きれいな血にする力が十分でない。
       こうしたところに、その効果のあがらない理由があるのではなかろうか。
       「先生のいわれるイモ・マメ・ナッパ・青汁食など青汁中心の食は?」
       「結局、自然食なんです。本当の自然食はナッパ食だ、というんです。
       というのは、原始時代の人間の主食は葉っぱだったにそういない。それが、大脳の発達とともにかわってきた。
       まず、何でも食べ、うまいもの、食べよいものを食べるようになった。
       火をつかいだし、調理術が進んでくると、いよいようまいものでなければ食べなくなり、ますます自然食から遠ざかってきた。
       一方、食べもの自体、もとは自然のものだけだったが、穀・菜の栽培、動物の飼育が始まり、加工・貯蔵の技術もひらけた。
       そして、増産のためには危険な薬や放射線などがつかわれだして、今日の不自然きわまる状態になってしまった。
       この食の不自然化とともに病人が多くなり、厄介な難病奇病さえあらわれるにいたった。
       そのもとは不自然食ゆえの血のにごりだ。だから、これをなおし血をきれいにすることが、健康をとりもどし、病気の治りをよくする根本だ。

       そこで、食べものを正しくし、できるだけ自然に近づけなければならない。さて、不自然になった食べもののまちがいには、

        (1)バランスのみだれ(カロリー、蛋白質にかたより、ミネラル・ビタミンが不足している)と、
        (2)有害有毒化

       の二つがある。

        (1)、バランスをなおす(完全食)には、食べすぎているカロリー(ことに白米飯・糖分)、蛋白(ことに脂こい肉類)をへらして、不足しているミネラル・ビタミンを補うことだが、それには良質ナッパを十分に摂ればよい。
        (2)、有害有毒食品をへらす(安全食)には、食べものはすべて、できるだけ安全な自然食品にすることだが、現状、本当に安全なものは、自給する以外まず不可能にちかく、いかに細心の注意を払っても完全に安全な食は、とても、とれない。
         しかし、ありがたいことに、良質ナッパには、ある程度、これらの毒を消す力があるようだから、これさえ十分に摂れば、バランスだけでなく、安全度もよくする(もちろん程度問題だが)ことができ、血のにごりがへり、あるいはとり除かれることも期待される。
         したがってその量しだいでは、よほど自然食に近づけることができるわけだ。

       そして、からだ中のはたらきはよくなれば、抵抗力・治癒力がもりあがって、健康になり、病気せず、治癒効果もたかまる筈だし、長い間の多くの経験がそれを実証してくれている。」

      「で、どれくらい飲めばいいんですか?」

      「ふつうでナッパ4〜500g、青汁にしてコップ2杯程度。病気があればそれ以上。治りにくいものでは1〜1.5キロ青汁5〜6杯以上。あんたのばあい、7〜800gから1キロ、青汁で3〜4杯というところだろう。
       このように、私のいう食養生は良質ナッパをうんと摂って、人間本来の自然食に近づこう、もどそうというもの。
       もちろん、そのナッパは、絶対安全、無化肥、無農薬の自然農法によるものでなければならない。
       あんたも、せめていちばん肝腎の緑野菜ことにケールだけでも自給し、イモ・マメ・ナッパ食の原則にしたがって、しっかり食べ、飲む。
       そうすれば健康状態はかならずよくなり、それとともに神経もおちつき、やがて、ノイローゼ傾向もおさまってくるだろう。
       ともかく熱心にやってみることだ。
      (63・9)





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