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妊娠・出産
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1. ふつうの分娩ができた
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東京都 H.H.
初産の時、姙娠中毒症がひどく、7ヶ月目より絶対安静を保ち、子癇の心配が強かったので、帝王切開して出産いたしましたが、分娩後も、蛋白尿、高血圧で1年ちかくも療養いたしました。
そのため、今後の姙娠、出産はさけるようにいわれましたが、4年目に今度の姙娠でしたので、医師と相談の上、高血圧、蛋白が出たらあきらめるように、といわれて、続けてみました。
ちょうどその頃、青汁のことを松浦夫人から伺い、さっそくためしてみました。はじめは飲みにくいと思いましたが、飲みなれるとさほど苦にならず、とうとう10ヶ月まで血圧も高くならず、蛋白も出ないで、ふつうの分娩をすることが出来、医師も首をかしげる程でした。
(37・2・20)
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2. 乳の出
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医学博士 遠藤 仁郎
ちかごろ人工栄養がはやり、慨わしいことにも、まじめに自分の乳を飲ます母親がしだいに減って来ている(戦前70〜80%が母乳だったが、さいきんは逆転して母乳は僅か20〜30%にすぎぬ)という。それは、乳の出の悪いものが多くなったことにもよろうし、女性の職場進出のためでもあろう。しかしまた、あやまった指導、あるいは宣伝におどらされて、人工栄養にたよる気持が大きくなっていることにもよろう。
ところで、乳の出のよくない人が多いこと、また、母乳が質的に劣っているといわれていることは、ともに、現代人の不健康のあらわれといってもよかろう。妊婦食に、高蛋白食、高熱量食がすすめられるのは兎も角として、それに釣り合わねばならぬミネラル・ビタミンはひどく不足し、甚しい不完全食になっているため、つわりその他の妊娠中毒症に悩まされるものが多いうえに、妊婦はすべて病人扱い。すべて控え目、大事、大切にされ、運動も不足する。こうして、妊娠・分娩を辛うじて過し、疲労困憊の極にたっした母体には、乳を出すだけの余力も無いだろうし、そうした母体から出る乳が健康的であろう筈もあるまい。
むかしの産婦はあふれ出る乳に悩んだものだが、今は乳の乏しいのがふつう。そこへ、生児は乳を吸う力がよわいので、乳腺への刺戟に乏しく、泌乳反応も十分でない。かれこれしているうちに次第に出なくなるので、止むなく人工栄養に切りかえる。
また、1〜2の栄養素のあり方だけから、母乳よりも牛乳の方がよいなどといった迷説がとなえられたり、いくらかの成分を補って、これさえ飲ませれば、からだの成長はもとより、頭脳の発達もよくなると、まるで神さまででもあるかのように、誇大に宣伝される。
もともと学者の説や宣伝によわい、しかも授乳にさほど熱意のない若い母親の中には、折角よく出ている乳を、わざわざやめてまで、人工栄養に切りかえる、という馬鹿げたことさえやってのけるものもないではない。そして、まちがいだったと気づく頃には、もう乳はすっかりひ上ってしまって、今さらどうにもならず、そのまま人工栄養をつづけるといったことになる。
それは、しかし、まだよい。もっと困ったことに、こうした「くせ」を産院や病院でつけてしまうのではないか、と思われるふしもある。というのは、母乳の分泌が、十分になるにはかなりの時がかかるし(2〜3日から始まり1〜2週間で、時には3週間もかかってようやく十分になる)、赤坊の吸引刺戟によって分泌はたかまって来るのだから、なるべく早くから赤坊にしゃぶらせ、飲み残りはしぼりとるようにし、少々出は悪くても、少くとも2〜3週間は思い切ってはならぬ(初めのうち少々不足しても大丈夫)、といわれているのに、産院や病院では、それを待たず、(早く十分の栄養を与えようという配慮からではあろうが)、すぐさま人工乳を足してしまう。
赤坊にしてみれば、瓶からの方がうんと飲みよいから、努力を要する乳房をいやがって、しだいに飲まなくなる。そして、勿体ないことに、もっと我慢していれば、よく出るようになるかも知れない乳を、思い止ってしまう、ということになっているように見かけられる。母乳が乳児の正しい自然の食であるように、(栄養分はもとよりだが、さいきん、母乳に感染にたいする抵抗物質が分泌されることがわかり、この点からも、母乳の重要性が強調されていることも注目されねばならぬ)、授乳こそ真の母性愛のあらわれであり、しかも子供の健康、子供の幸福だけでない、親子の情愛のきづなともいうべきもの。いや、授乳そのものこそ母性としての唯一無上の喜びでもある。
むかしの人は、母性当然のつとめとして、喜んで授乳したし、その期間も長かった。そして、人工栄養にたよらねばならぬことは、まことに恥しい、また悲しいこととされた。私どもは、いずれも2〜3年くらい(次の妊娠まで)は母の乳房にぶら下っていた。当時は、それがごくふつうのことで、3〜5年というのもザラであり、中には10年も乳をのんだものもあった(北米インジアンやエスキーでは12〜14〜15年も飲ましていた)。
それが、だんだん切りつめられて、1年になり、半年になり、今では、もっと早く離乳するようにもなった。しかも、授乳は母体の健康上にも有利で、現に、統計は、授乳者が、非授乳者にくらべ、乳癌にかかる率の少いことをおしえている。
遺憾なことにも、この頃は、しだいに欧米風をまね、授乳をいやがる傾向になり、それとともに、乳癌がふえて来ている。深くかえりみなければならぬことではあるまいか。
乳の出をよくするためにも、また、良質の乳を出すためにも、何よりもまず、日常生活の合理化、とくに母体の栄養を正しくすべきだ(乳の出の悪いのも、母乳が質的に劣るなどといわれるのも、要は、母体の食べ方がまちがっているからだ)。そして、いたずらに薬剤、ことにホルモン剤などの新薬にたより、あるいは乱用すべきではない。
しかし、授乳食にも、妊婦食と同様、高蛋白食がすすめられており、とかく肉・卵食に傾いた高蛋白・高熱量含になっている。たしかに、蛋白質も熱量も、不足すれば乳の出は悪くなる。
兎に蛋白質の多い豆科の植物をあたえると、平素は他のものと混食するが、授乳期には豆科のものばかり撰んで食べ、常の4倍もの蛋白質をとるという。
蛋白質は、ふつうには当キロ1グラム、50〜60グラムのところ、授乳婦には少くとも100グラム。
熱量は、2000カロリーのものが3000カロリーは必要とされている。
しかし、それとともに、それらに釣り合うだけ十分のミネラル・ビタミンも増されなければならぬ。すなわち、
カルシウム 1.0 のところを 2.0グラム。
鉄 12ミリ が 15。
ビタミンA 5000 が 8000。
B1 1.0ミリ が 1.5。
B2 1.5ミリ が 3.0。
C 70ミリ が 150。
といったぐあい。
したがって、主食には白米よりは粗搗米。出来れば玄米にすべきだが、目下では農薬(水銀・砒素)の危険が考慮されねばならぬ。むしろ小麦粉(無漂白もの、出来れば全穀もの)、ソバ、豆、芋類の併用。蛋白食には、骨・内臓ともに食べられる小魚類、内臓、卵、乳、大豆。そして、これらに釣り合うだけ十分の緑葉を添え、しかもなるべく多くを生食し、青汁にしても飲む(少くとも1日2〜3合)ようにしなければ、本当の完全食にはならない。
むかしは、野菜、海藻を十分に配した食がすすめられたし、ハコベ、タンポポ、チサなども利用された。また、事実、ただ青汁をのむだけでも乳の出はずっとよくなる。もちろん、すべての食品は安全かつ純正品でなければならず、危険な農薬や洗剤、鉱山や工場の廃液に汚染されたもの、あるいは何が添加されているかわからぬ貯蔵・加工・既成食品などは、つとめて避けなければならぬことはいうまでもない。それは、幼弱なものほど、こうした有害有毒物の影響をうけやすいからだ。なお、調理調味は簡単にし、なるべく自然のままか、自然に近いかたちで食べること。
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3. 妊婦の病気
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医学博士 遠藤 仁郎
お互い、だれでも、いつなら病気してよい、という時のあろう筈もないが、妊娠の時だけは、とくに健康でありたい。それは、病気そのもの、あるいはその診断や治療上の処などが、たとえ母体には全然問題にならぬほどのことであっても、胎児には重大な影響をおよぼすかも知れないからだ。
ひとつ、流感と「つわり」について考えてみよう。
流感が流行すると、流産したり、早産したり、死産することもあれば、奇形児が生れることもある。また、それほどのことはなくても、どこかの組織や臓器に、なにがしかの変化をあたえ、機能や抵抗力のよわい箇所となり、後の発病の原因となる、といったことがあるかも知れない。
こうした変化は、病原ビールス直接の影響によることもあろうが、むしろ、診断のための検査(レントゲンその他)や、治療に用いられる薬剤によるところが少くないようだ。この際のレントゲン検査は、ふつう胸部だけだから、下腹部にあたる線量はごく少いが、それでも、妊娠の初期だとなにがしかの影響がないともいえない。よくつかわれる下熱剤アスピリンその他のサリチル酸剤は、動物実験では奇形を原因するという。
もっとも、用量が少いからべつに問題はないといわれているが。また、抗ヒスタミン剤やキニーネ剤にも催奇形(奇形をつくる)性がある。肺炎の疑いでもあれば、抗生剤、サルファ剤、ステロイド(副腎皮質)剤などがつかわれるが、これらにも催奇形性のあるものがある。
なお、ステロイド剤には胎児の副腎機能を悪くし、未熟児や胎児を原因することもあるそうだ。
予防のためにはワクチン接種だが、これも妊娠中はうかつにはやれない。というのは、接種によって、胎児に免疫学的耐性といって、抗原にたいして反応する能力がなくなる。つまり、後でワクチンをやっても、それに対する免疫が出来ない、という状態になることがある。また、奇形を原因せぬとも限らぬので、胎生4ヶ月までは接種すべきでない、ともいわれている。
つわり |
妊婦のもっとも多く悩まされるのは「つわり」。
おそらく、殆んど100%がこれに苦しむ。
そして、いろいろの薬をのむ。
昔は伏龍肝(ふるいかまどの焼土)などだったので問題はなかったが、最近では、鎮吐剤、鎮痛・鎮静剤、精神安定剤など、有力な薬が使われるが、いずれにも催奇形性がある。その有名なのがサリドマイド。
この薬は母体には何の影響もない。胎児にも、妊娠後半には大した影響はないが、初めの2〜3ヶ月、ちょうど「つわり」の強い頃は、胎児の体の出来上る時期で、たまたまその頃のむと、時には、ただの1回だけでも「アザラシ児」になっているという。
他の「つわり」薬では、これほどの大事にはならぬにしても、大なり、小なりの影響はあると思わねばならぬだろう。
なお、精神安定剤は、動物実験によると、仔獣の知能水準が下るというから、あるいは、ひどくおっとりした子供が生れるかも知れない。
ともかく、この頃の薬はよくきく。それだけに、ともするとはげしい副作用もある。しかも、母体には無害でも、胎児には有害でありうるから、妊娠中の薬には余程慎重でなければならぬ。したがって、真にやむを得ぬ場合以外、無暗にのむべきではない。
かといって無暗に恐れてばかりいるべきでもないから、必ず信頼できる医師の指示にしたがうべきだ。いや、治療薬だけではない。診断用の薬品や処置にも危険なものがある。
「つわり」の初めは、多くのばあい、まだ本人も妊娠に気づかず、ただ、からだの不調をうったえて、多くは内科医を訪ねる。医者も、はっきりせぬままに、肺や胃や肝臓・腎臓・心臓・甲状腺と、新しい検査法を駆使して精密に検査する。血液を少々多くとられる位はまだよい。
レントゲンをジャンジャンかけたり、いろいろの薬品を注射するとなると、たとえ母体には何でもなくても、胎児にはひどくこたえるかも知れない。
そして、たとえ外に現われるほどの変化はなくても、どこかに変化を生じ、それが後のわずらいのもとにならぬとも限らぬ。
さいきん、世の中が落ついて来、生活にゆとりが出来たにかかわらず、妊娠障害や流・早・死産は決して少くないし、未熟児、身障児、精薄児もふえて来たという。それには、こうしたことがらも関係しているのではなかろうか(栄養のあやまり、危険な食品の氾らんその他も、もちろんあずかっているに相違ないが)。
このように、病気自体は、勿論、予防接種や治療薬、診断検査もうっかりは出来ぬから、ともかく、妊娠中だけは本当に健康でなければならぬ。
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むかしの人は科学的知識が無かっただけに、妊娠中は出来るだけ病気せぬよう、一般注意にこまかく気をくばった。そして、妊娠の守らねばならぬ禁制も多かった。いずれも、ながい経験から生れた貴重な訓えで、多くのものは今日もそのまま通用するばかりか、むしろ、今日の科学医学による新しい(したがって経験の短い)ものよりも正しく、またすぐれたものが少くない。
もっとも、こうした注意も、妊娠と気づいてからでは、もう遅すぎる。最も大切なのは妊娠初期の1〜2ヶ月だが、その頃は、まだそれと気づかぬことが多いので、妊娠の可能性のある時は、つねに健康状態に注意し、一般抵抗力をたかめ、病気をさけるべきだし、そういう条件のもとで、はじめて妊娠は計画すべきだ。
何としても、まず正しい自然的な日常生活。適度の運動。平和な家庭。そして、正しい食養――危険な農薬や添加物のおそれのない安全食品による緑葉食・青汁を中心とした完全食――に徹底することだ。
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4. 食養断想(11) 健全な子どもを生むには
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医学博士 遠藤 仁郎
なおつとめて海草・小魚・牛乳・卵・大豆をふやす
妊婦が自分の健康と胎児の健全な発育に必要な完全栄養をはかるには、まず第一に、その決定打として良質の青野菜を、日に自分の体重の1%以上と、できるだけ沢山、その大部分を青汁にして、効率よく食べることが肝要である。
が、その他の食物についても、なおつとめてあれこれと配慮すること、すなわち、
- 海草・小魚・牛乳・卵・大豆といったものをふやすこと、
- 米・麦わけても精白したものや筋肉部だけの魚・肉はひかえめにすること、
- 砂糖・塩はできるだけひかえて薄味にすること、
- 菓子や甘い飲み物は極力ひかえること、
といったことが大切である。
もうひとつ、良質の青野菜以外に、その他の野菜や果物も、つとめてふやすことが大切である。が、これで青野菜に代えるようなことをしてはならない。それはこういうわけだ。
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胎児は、ただ1個の細胞である成熟卵が受精して、僅か280日間で、一人前の諸器官を備えた体に発育し、約3kgになって出生するのだ。
従って妊婦としては、こうした発育に必要な栄養、わけても身体諸器官をつくりあげる蛋白質やカルシウムを、妊娠が経過するにつれてだんだん多く、それだけよけいに食べなければならない。
けれども、妊娠初期にはつわり症状が起こって食欲が出なくなる場合があり、妊娠が経過するにつれて平素ほどにも食べきれなくなる場合が多い。
そこで大切なことは、平素よりそうよけいに食べなくても、食べたものがムダなく利用されて、必要な栄養が十分とれるようにすることだ。
このため良質の青野菜を青汁にして日に2合以上飲むことが肝要なのであるが、なおつとめて、この青野菜からとるミネラルとビタミンで不足が生じないように、できるだけ余裕がでるように、他の食物も、できるだけミネラルやビタミンが多く、また蛋白質が良質であるものをふやし、そうでないものをひかえることが大切である。
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ミネラルやビタミンが多く、青野菜をそう沢山そえなくても、うまく栄養に調和がとれ、しかも良質の蛋白質が多いものは、まず第一が牛乳とマルごと食べる小魚、第二が卵と大豆と芋、第三が未精白の米麦と雑穀と雑豆である。
そして、その反対の第一が砂糖わけても白砂糖、第二が精白した米麦、第三が筋肉部だけの魚や肉である。
そこで、まず第一に大切なことは、調味上であり嗜好上であれ、砂糖や菓子や甘い飲み物を極力ひかえることだ。こうしたものは実状、栄養摂取上不要であり、有害でさえあるのだ。
と共に、塩は平素よりひかえめにすることだ。実状、必要以上にとりすぎている場合が多く、とくに妊娠中は、腎臓の負担が重くなっているので、必要以上にとりすぎると、この負担がさらに重くなって妊娠中毒を起こし、さらに胎児にむくみがあらわれて発育に障害をきたすことがあるからだ。
第二に、ごはんであれパンやウドンであれ、精白した米麦は未精白のものにするか、極力へらして芋や雑豆や雑穀で補なうと共に、つとめてひかえめにすることだ。食量の多い割りに栄養量が少なく、蛋白質もそう良質ではないからだ。
第三に、筋肉部だけの魚や肉をできるだけひかえめにして、大豆や卵や小魚にかえることだ。とくに大豆は、古くから日本人の重宝な蛋白原であり、ドイツでは「畑の豚肉」といわれている通り、栄養に調和がとれやすく、良質の蛋白質が多く、安価でもあるのだ。
第四に、家計が許す限り牛乳をふやすことだ。欧米で蛋白質の多いものを、という場合、それは肉や魚や卵ではなく牛乳のことなのだ。蛋白質が最も良質であると共に、各種のミネラルとビタミンも多いからだ。なお、良質の青野菜を青汁にして牛乳と比べると、各種のミネラルもビタミンもはるかに多く、蛋白質もまた多く、しかも劣らず良質なのであるが、ただ脂肪が少ないために熱量が劣っているだけだ。もっとも味わいは劣っているが。
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妊娠中は海草を、ということは古くからの言い伝えであるが、これは、海の青野菜であるだけでなく、さらに科学的にも根拠のある知恵である。すなわち、とくに胎児の健全な発育に、ごく微量ながら極めて重要なヨードその他のミネラルが、海底にはえる海草には多いが、陸上の野菜その他の食物には少ないのだ。
それは、地球ができてこのかた、こうしたミネラルがだんだんと陸上から流れ出て海にたまっているからだ。
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妊娠中の食物については数多くの言い伝えがあり、食べてはならぬといわれているものもいろいろある。だが、殆んどすべて科学的には根拠の少ないものであって、平素食べて栄養に本当に役立つものであれば、妊娠中に食べても別に差し支えはない。
たとえば柿は、各地で食べてはならぬと言い伝えられているようだが、渋味のぬけたものをよくかんで食べれば別に差し支えはなく、青野菜にははるかに及ばないが、黄色の野菜・果物として、ニンジン・カボチャ・トマト・ミカンなどについで栄養価が高く、嗜好品としても適切である。
だが、その他の中味の白い野菜・果物は、こうした黄色のものに比べると著しく劣り、青野菜とは比較できないほど劣っている。
けれども、毎日の食膳に変化をつけるために、また嗜好品として、さらにはこれでハラのたしにして、たべすぎてはならぬものをひかえるためには、それなりにけっこうである。
ミネラルやビタミンの補給にもいくぶんかは役立ち、便通にも好都合である。だが、これで青野菜の代わりにしてはならない。
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なお、念のため。こうした各種の食物についても、青野菜の場合と同様に、すべてよく吟味して農薬や産業排出物などで汚染していない無害無毒の安全なものを、とくに加工品については、危険な添加物のはいっていない純正なものをえらぶことが大切である。たとえ妊婦にはこれといった障害は起こらなくても、胎児には重大な障害を招くことがあるのだ。
(つづく)
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5. 妊娠中毒症
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医学博士 遠藤 仁郎
妊娠中毒症は妊婦の15〜20%にみられ、妊婦死亡の40%をしめている。また、未熟児の約30%、死産の約30%が、これに原因している。なお、約40%には、ながく後遺症が残っている。というのだから、これは大変な数字だ。
ところで、妊娠中毒症は「学説の疾患」といわれているほどで、原因がも一つはっきりしていない。
したがって、根本的の療法も確立されていない。しかし、贅美(精製穀、糖、肉)食をとっている文明国に多く、いわゆる粗食〜自然食をとっている原始〜未開国には無いか、ごく稀であり、文明国でも、戦時中や戦後など、食糧窮乏時には少ないこと。また、果物や野菜の少ない冬に多く、それらの豊富な夏に少ないことが知られており、栄養の改善によって、これらの障害は防ぐことができる、とされている。
そして、熱量をへらす(減食)。蛋白質は十分にし、飽和脂肪は制限する。瘠肉、植物蛋白が適当。ミネラルやビタミンは十分に、味はうすく(食塩、砂糖の制限)、水分過さぬよう。といわれている。
しかし、有害有毒食品のはんらんしている今日では、さらに、食品の安全性、したがって、なるべく人工の加わってない、自然食を取るよう十分気をつけなければなるまい。
こうした、すべての条件を完全にみたしているという点からでも、緑葉食・青汁を中心とした完全食は、妊娠中毒の予防(治療にも)に適しているわけである。
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6. 妊娠中毒症と食べもの
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医学博士 遠藤 仁郎
Hipsley氏によると(Br.m.J. 1953. .2.420)。
ニューギニア土人、アフリカ(トランスケイ)の土人、ジヤハ・セレベス・フィージーの土着人には、妊娠中毒症は殆んど無いか、ごく稀にしかない。
いずれも、主として菜食で、果物や野菜をよく食べている。
フイージーでも、美食しているインド人には多いし、インドでも同様の食をとっている南部(マドラス)にはごくふつうに見られる。
そして田舎より都市に多い。しかし、粗食している北部ことにパンジャブには少ない。南インドと同様美食しているセイロン(コロンボ)にも多い。
ホンコンでは、
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1940年〜41年には流行といいたいくらい多発したが、同時に脚気が出、脚気あるものの子癇は、脚気のないものより50倍も多かった。しかしB1は無効だった。
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オーストラリア(シドニー)では、
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1938〜45年の子癇は冬(果物・野菜の少ない)に多く、夏に少なかった。1942年は甚しい野菜不足で子癇・死産・新生児死亡がふえた。
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ドイツ
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第一次大戦中、子癇がへった。
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オランダ |
第二次大戦中、子癇がへったが、戦後再び戦前の水準にもどった。
戦時中パンは歩留り90〜95%の粉をつかい(戦前は70%)、カブラ、ジャガイモがずっと多くなった。欠乏の甚しいときは亜麻仁の粉やチューリップの根、砂糖大根もたべた。
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スコットランド |
1942年から歩留り89%の粉になり(戦前は72%)、43年から妊娠中毒による死産率がぐんと減った。 |
これらの効果についてHipsley氏は、繊維が多いのがよい、つまり、繊維が多いため、腸内でのビタミン合成に有利なからだ、と説明している。
しかし、繊維が多いということは、同時に、精製度の少ない、自然にちかい食べ方だということで、ビタミン、ミネラルにとんでいるとともに、比較的に熱量が乏しいため、栄養素間のバランスがとれやすく、完全食がえやすいからでもあろう。
また、さいきん注目されている痕跡ミネラルにとんでいることも無視されないだろう。
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7. 妊婦の減食
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2次大戦末期、ナチスの占領下にあったオランダで、食糧不足の極期には、妊娠後半の妊婦の食は、730カロリー、蛋白質33グラム、脂肪11グラム、カルシウム0.649グラム、と推定されているそうだが、その当時生れた満期児の体重は、平均で、正常時より約240グラム少なく、体重2250グラム以下の児の出生が、やや増した。
しかし、死産率は平時にくらべ変りがなかった、という。
つまり、妊娠後半の妊婦でも、栄養は(ふつう、かなり増すべきだ、と考えられているが)、長期にわたって、所要量の1/2〜1/3にしても、そう大した影響をあたえるものではなさそうだ、というわけだ。
(西村秀雄他、診断と治療47、7月号より)
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8. 不妊症
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医学博士 遠藤 仁郎
ちかごろ、特別病気がないのに不妊外来を訪れる夫婦がふえているという。
不妊症といえば、これまでは女性に原因があるとされていたが、最近では男性側に原因のあるもの(男子不妊症)が少なくないそうだ。(不妊夫婦の40〜70%に上っている)
いずれの場合にしても、その障害は、先天性や後天性など、いろいろのものがあるのだろうが、そのあたりどうもまだあまりハッキリしたことはわかっていないし、治療法も確立していないようだ。
私どもは、すべて、そういうわけのわからないものには、ともかく環境や日常生活の影響に注意すべきだと考えているが、食べものも少なからず関係があるらしい。
だいたい子供がないか少ないというのは、多くは裕福な家庭だ。
貧乏の子沢山、というように、貧しいものはよく子を生む。
国家でも民俗でも同じで、経済的にゆとりのある先進文明国では人口の減少が憂慮されているのに、乏しい生活を余儀なくされている未開の後進国では、いよいよふくれ上る人口に悩まされている。
そして、その人口の調節には、かれらに十分の食を、しかも文明国なみの食をあたえることだ。
そうすれば人口は確実に減る、といっている学者もある。
もちろん、戦時や飢饉などの、甚しい食糧不足では性機能は衰える。
しかし、貧困者の食不足といった程度では、性機能はかえって旺盛になる。
国家・民俗の興亡の歴史をみても、窮乏に堪え、粗食に甘んじ、興国の意気さかんな時には出産率も大きい。
けれども、繁栄をきわめ、怠惰となり、美食を飽食するようになるとともに、人口は減って来る。
これは、享楽生活にふける女性が、子を生むことをいとうようになる故でもあろうが、根本的には、体力・精力の衰え、つまり、国家・民俗のエネルギーの減衰にある。
すなわち、貧困者の生活が自然的であり、その栄養がずっと合理的であるのに反し、富裕者は身心の錬磨、鍛錬の不足と、精製穀・肉・卵・脂・糖・アルコールに偏った不完全な贅美食の飽食。
タバコ・酒あるいは薬品類の乱用という、不自然不合理な日常をおくっている結果、抵抗力のよわい性細胞がおかされるためであろう。
さらに、また、公害いっぱいの今日では、環境ならびに食品を汚染している、農薬、洗剤、産業廃棄物、各種の食品添加物などの及ぼすところも見のがされないであろう。
絶滅にひんし憂慮されているトキやコウノトリの卵の孵化が、地域の人々や専門家の、心をこめた、また科学の粋をあつめた懸命の努力にも拘らず、なぜ成功しないか。
これは、すでにアメリカのカーソン女史が指摘されているように、まさに農薬の影響にほかならぬ。
農薬によって多くの鳥が生命を奪われたが、さいわいに生き残った鳥たちも、生命だけはたすかっても、抵抗力の弱い性細胞はいちはやくおかされ、生殖能をうしない、繁殖不能に陥っているのだ。
これが、ただ鳥類だけのことで、人間にはおこり得ないとは、誰れが保証できるだろうか。
洗剤、産業廃棄物、食品添加物についても、同じことがいえるだろうし(PCBでも鶏卵の孵化率の著減、ミンクで産仔数の激減が知られている)、少なくとも、これらの複合した影響には、おそらく、無視しえないものがあるにちがいない。
このままでは、人類の滅亡も、そう遠くあるまいといわれているのももっとものことで、不妊症の多発は、その不吉な前兆といっても、少しもいいすぎではあるまい。
それはともあれ、性機能をさかんにするには、つまり、健康な精子・卵子をうるためには、何としてもまず、健康的な素朴な自然生活、とくに自然的な食生活にかえらねばならない。
食品はすべて良質安全なものとし、農薬や産業廃棄物、添加物などに汚染されたり、そのおそれのあるもの、あるいは高度に加工されたもの(精製品、既成品)はなるべくさけること。
良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻を十分に配し、バランスのよくとれた食とすること。
そして、調理はなるべく簡単に、味はうすく、つとめて自然のままか、自然にちかいかたちで食べることだ。
この意味で、私どもは、緑葉食・青汁を中心とした合理的自然生活をすすめているが、青汁や生ナッパ食だけでも、確かに性機能はさかんになる。
月経が順調になり、月経障害がなくなり、精力を増し、もり上って来る。栄養が完全になるためであろうし、緑葉中に多いビタミンEのせいかも知れない。
(ビタミンEには、動物実験で不妊を防ぐ作用があることが知られているが、さいきんの臨床実験からも、性機能を皷舞し、精子数を増し、運動が活発になることが確認されている)。
なお、生食ということ、つまり、生の力、科学のまだ解明しつくされない神秘の力にもよるのでもあろうか。
「行気の大要、多食し及び生菜肥鮮の物を食ふことを欲せざれ。人をして気強くして閉ぢ難からしむ」(抱朴子)と、
仙道で生食を禁じているのも、それと思われる。
事実また、このようにして、永年まちのぞんでいた子宝をめぐまれた幸な家庭も少なくない。
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9. 母乳のよさ
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医学博士 遠藤 仁郎
母乳栄養児のほうが、人工栄養児よりも、病気にたいする抵抗力がつよい。
呼吸器や消化器の感染に罹かる率は、母乳栄養児が最低、人工栄養児が最高、混合栄養児が中間だ、という。
また、母乳、ことに産後最初に出る「初乳」はとくに大切で、これをのまさないと丈夫にそだたぬ、といわれていた。
しかし、それが何のためであるか、科学的に説明のつかない間は、まるで迷信であるかのように考えられていた。また、衛生状態が悪くて感染症の多いところでは、いかにも、母乳の優秀性がはっきりあらわれるが、衛生状態がよくなって感染症がへって来ると、そのよさがめだたなくなる。そこで、とかく、母乳の価値がうたがわれたり、無視される傾向がつよかった。
ところが、最近の研究によって、母乳に、すべての病原体にたいする有力な免疫体(IgA)があること、ことに初乳に、それが極めて高濃度に含まれていることがわかった。もっとも、当初は、この免疫体は腸から吸収されないので、はたして母乳から乳児につたわるかどうか、疑問視されていた。しかし、今では、この免疫体で胃腸管がおおわれるだけで、すべての病原体にたいし強い抵抗(防衛能)を発揮することがはっきりして来た。
また、生後すぐに牛乳をのましておきる牛乳アレルギーおよびその他のアレルギーも、胃腸管がこの免疫体でおおわれていると、防ぐことができる。さらには、乳児に癌性の病気の少ないのも、母乳、ことに初乳のせいではあるまいか、ともいわれているほどだ。なお、母乳にはこのほかラクトフェリンという、鉄を含む抗菌(とくに大腸菌にたいし強くはたらく)作用物質もある。いずれにしても、これらの事実は、ながい間につみ重ねられた経験上のおしえは、たとえ現在の科学で説明しえないとしても、決して、一概に非科学的と否定し去るべきでないこと。すなわち、それは、ただ、現在の知識では説明できない。いや説明する能力がないだけのことだ。ということを如実にしめしている、といってよかろう。(49・8)
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10. 妊婦の肥満
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医学博士 遠藤 仁郎
うまいものがいっぱい。誰れもかれもふとって来ている現在、人一倍多く食べなければ、といわれている妊婦がふとったとて、少しも不思議はない。
しかし、ふとるということ自体、女性にとって、決してよいことではない。
ふとった女性には月経の異常が多いし、妊娠もしにくい(妊娠するためには、まずやせよ、といわれている)。
そして、妊婦には、いろいろの障害が出やすいし、胎児への影響もおろそかにできない。
そこで、いまでは、妊婦は、むしろやせている方がよいと、専門の学会でも減食がすすめられている。少なくとも、胎児(子宮)の分以上にはふとらないことだ。
なぜよくないのか
ふとるのがなぜよくないか。それは、ふとる条件、すなわち、食べすぎと運動不足のどれもが「血のにごり」の原因になるからだ。
食べすぎ
妊婦食として、一般に、高蛋白食がいわれている。これは、もと、?対戦の欧州で妊娠障害を防ぐためにすすめられたもので、バランスがよくとれ、しかも蛋白にとんだ食として、牛乳を主体としていた。ところが、わが国では、ただ蛋白の多い食ということになり、現在行われているように、肉(獣鳥魚介)・卵が多くとられることになった。しかも、穀食はあまりへらないうえ(もともと、動物食がいわれるのは、これまで食べすぎている穀食をへらすのがねらいだったのだが)、糖分(菓子・味つけの砂糖)のとり方がすごくふえて来た。
そして、元来多くなかった野菜類は、いっそうへってしまった。
ために、もっとも完全でなければならない妊婦の栄養が、はなはだ不完全な欠陥栄養(蛋白質や熱量は十分〜十二分にもあるが、それらに釣りあわねばならぬミネラルやビタミンはひどく不足)になり、ただ体重がふえるだけでなく、血のにごりをまねき、からだの不調もさけられなくなっている。
あまつさえ、公害いっぱいの今日では、氾濫する有害有毒食品の影響もまぬかれない。
運動の不足
また、一般に、運動が十分でないうえに、流産をおそれ、安静をまもる傾向が大きいためいよいよ運動不足に陥り、ふとり、また、血のにごりをさらにつのらせる。
したがって、ふとるということは、妊婦にとっても、胎児にとっても、好ましくないわけだ。
完全食と運動
そこで、妊婦にすすめたいことは、食べすぎないことと、つとめて、からだを動かすこと。食品はなるべく安全良質なものをもとめ、主食・蛋白食品にたいし十〜十二分の良質ナッパをそえ、蛋白食品が多ければ主食品をへらすなど、適宜加減し、つねにナッパとの調和を保つようつとめ、できるだけ栄養を完全にすること。緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食、あるいは、せめて青汁だけでも十分、一日2〜3合(もとのナッパ500〜750グラム)以上のむ。
こうすれば、少量で栄養は十分足り、ふとる心配はないし、体調はいつも上々、ツワリその他の妊娠障碍もなく、運動も十分でき、胎児の発育もよい。産はかるく、後の経過も順調、母乳の出はよく、生児はすくすくと元気にそだつ。
(52・9)
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11. 男の子を授かる
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12. マトモに生みたい
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医学博士 遠藤 仁郎
「いま5才になる児は大きすぎて帝王切開。次の3才の児は安全のためにと、同様帝王切開でうんだ。そして、術後、予防的に抗生剤をつかわれ、その乳をのませたためか、皮膚がよわく、よくアトピー性皮膚炎になる(青汁でだいぶよくなってきてはいるが)。さいわい、また妊娠したので、こんどこそはマトモに産み、丈夫にそだてたい。」
との相談。
やや細だちだが中肉、血色はよい。
もともと運動好きで山登りなどもよくしていたという、まだ若いママさん。
骨盤はまずふつうなみで、とくに狭くはない、といわれている。
初めの児のときは、教えられた通りの食事をし3700グラムだった。次の児は、妊娠の初めごろ青汁を教えられ、なるべくそのよう心懸けたせいか3200だった、とのこと。
二度の切開で、子宮も腹壁もよわくなっているに相違ないから、マトモに産むためには、
1、胎児はらくに産道を通れるよう、大き過ぎないことがのぞましいし、
2、子宮壁も腹壁ものびすぎて弱くならないよう守るべきだろう。
大きすぎないよう
こどもが大きすぎないためには、何といっても減食すべきであろう。しかし、むやみに減食して栄養が不足しては、もちろんよくない。
さて、いま一般にいわれている妊婦食は、いわゆる高蛋白高熱量食。しかも、肉食がさかんになっている。蛋白質が多いと、こどもはどうしても大きくなるし、カロリーことに糖質(主食や菓子・ジュース類、味つけの砂糖など)が多いとふとってくる。
いや、ハレてくるという方があたっているかも知れない。しかも、腹帯をゆるくすることがすすめられているので、子宮も腹壁ものび放題。こどもはいよいよ大きくなり、4キロにも、それ以上にもなり、それがまた、発育がよいとよろこばれている、というわけだが、それだけお産に苦しみ、帝王切開ということにもなっている。
そのうえ、野菜ことに良質ナッパが嫌われ、不足しており、さらに保存・加工食品・インスタントもの(どんな有害有毒物があるか知れない)などが好まれているため、血のにごりを招き、その結果、いろいろ妊娠障害が出、何かと故障がおこりやすくなっている。
そこで専門家の中には、この妊婦食にかなり批判的で、少なくとも、あまり食べすぎないよう。そして、子宮の重さ以上に体重はふやすべきでない、といっている人もあるほどだ。
だから、減食それ自体には少しも問題はないが、それと同時に、必ず栄養のバランスのよくとれた、すなわち、熱量・蛋白質にたいし、それらが完全に代謝されるために必要なミネラル・ビタミンの十分釣り合った食事でなければならない。
また、つとめて安全な自然食品をえらび、危険な生産用薬剤や、有害な添加物に汚染されていたり、そのおそれのあるものはさけるよう気をつけることが大切だ。
そうすれば、たとえ、少々減食しても栄養不足に陥るおそれはなく、こどもの発育が妨げられることもない。ばかりか、母体の体調はいつもよく、妊娠は順調に経過し、お産もかるい。
産後の肥立ちも、母乳の出もよく、赤坊は元気でグングン成長する。
それは、昔から、小さく産んで大きくそだてる、といわれている通りだ。
そこで私は、一般の妊婦食としても緑葉食青汁・イモ・マメ・ナッパ・青汁食をすすめているが、とくにあなたの場合、これほどピッタリのものはなかろう、と思う。
主食には白米飯、白パンはさけ、イモ類を主とし、蛋白食には、肉・魚の切身よりは大豆、小魚を主とし、それに、十分の良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物をそえ、調理は簡単に、調味はうすく、菓子・ジュースをひかえるなど嗜好品にも十分注意し、少なくとも毎日2〜3合(もとのナッパ500〜750グラム)以上の青汁をのむ。
こうして食の自然化(完全化・安全化)をはかると、こどもの体重は精々3キロ、あるいはそれ以下だが骨組はつよく、肉のしまった、まるで犬か猿の仔のようにシワだらけのこどもが生れる。それだけ産みやすいわけだ。
なおこの食事では、イモ・マメ・ナッパを建前とするが、それ以外には絶対なにも食べてはならぬというものではない。ねらいは栄養のバランスをよくとり、ミネラル・ビタミンに余裕をもたすほどにしようというのであり、そうさえしておけば、分量(バランスをみださない範囲内の)と、安全性に気をつければ、いろいろ適宜食べることができるから、けっして、そう窮屈でも、むつかしいものでもない。
子宮・腹壁を守る
一方、子宮や腹壁がのびすぎて弱くなるのを防ぐために大切なのは、まず腹帯。いま一般に行われているようなゆるい締め方でなく、昔の妊婦がしたように、しっかり締めつける。
そして、少しづつ筋肉を強めるためには、できるだけからだを動かすこと。
また、上体を屈伸する運動、腹壁を走らす運動もよいだろうし、腹部を軽く叩いたり、撫でさすることも無駄ではあるまい。一口にいって、むかしの妊婦が粗食し、かたく腹帯をしめ、つとめてからだを動かし、いたって軽いお産をした、これが本当の自然の姿なのだが、それを見ならい、それにもどせばよい、ということだ。
また、そうしていれば、たとえ帝切後の子宮でも、そうむやみに破れるなどといったことはおこるものではあるまい、と私は思う。しかし、もちろん不測の事故がないとはいえないから、それにそなえて、イザというとき、すぐに処置の出来る設備のととのった病院で分娩するよう手配しておくことは無駄であるまいし、精神のささえにもなるから、なお安心というものであろう。
(56・3)
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13. も一人ほしい
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医学博士 遠藤 仁郎
いま妊娠5ヶ月。流産しかかって入院。
いろいろ薬を注射した。出血はおさまっているが、こどもへの影響はどうだろうか。
先生は、止血剤だけでホルモン剤ではないから大丈夫といわれるが、近所のお婆さんたちは、そんな子はおろした方がよいといわれるのと、もともと神経質なので、とても心配でならない。
2回目の妊娠で、初めの時はツワリがひどく、あまり丈夫でない。
そこへこんどは流産というわけだが、こどもはぜひも一人ほしい……との電話。
薬のこと
昔とちがい、今では胎児への影響についてはよく知られているから、めったな薬はつかわないし、はっきり心配ないといわれているのだから、その先生の言葉を信用すべきだ、と私は思う。
むしろ問題は、これからの妊娠をうまくつづけることだろう。
それに大切なことは、なんといっても食べものだ。
食べもののまちがい
ツワリがひどかったのも流産しかかったのも、つまりは平素の食事のまちがいからだ。
あなたのところは海ちかくだから、どうしても魚が多くて野菜ものが少ないだろう。
それに、添加物などで有害有毒であるかも知れない加工・貯蔵ものことに出来あいもの、インスタント食品がよくつかわれていたのではないか。
味つけは濃厚だろうし、菓子やジュースも多かったのではないか。
そうだと、カロリー・蛋白質ばかりが多くて、それに釣り合わねばならないアルカリ・ミネラル・ビタミン類は不足、という不完全食になっている。
また有害有毒食品の影響も加わって、血がにごり、からだ中のはたらきが悪くなりツワリがおきやすい。
また自律神経が過敏になり、子宮は僅かな刺戟にもつよく反応し、流産しやすくもなる。
そのうえ、神経質だとよけいとそういうことがおきがちだ。
食の安全化完全化
まず、食品はなるべく自然の安全なものとし、出来あい食品、インスタントものや加工・保存ものはつとめてさけること。
そしてバランスのよくとれた完全食にするため、良質ナッパをうんと食べること。
イモ・マメ・ナッパ・青汁食
その一つの例としてイモ・マメ・ナッパ食をすすめたい。それは、主食には白米や白パンよりはイモ(ジャガイモ、サツマイモなど)。
蛋白食品には肉や魚の切り身より小魚・卵・乳、ことに大豆ものに。それに、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻を十分そえ、調理は簡単、調味はうすく。
そして、ナッパは少なくとも400〜500グラム以上。
しかも、なるべく多くを生で。といっても、それはなかなかむつかしいので、すりつぶして汁(青汁)にしてのむ(イモ・マメ・ナッパ・青汁食)。
あるいは、せめて青汁だけでも一日2合以上のもうというのだ。
安全良質ナッパ
ただし、市販の野菜ではダメ。農薬のかかっていないものはないし、不自然な栽培法で質的にも劣っているからだ。
お宅が農家なら、ぜひ安全良質のナッパをしっかりつくりなさい。
ケールは年中あるので便利だが、ほかにダイコン、カブ、ミズナ、コマツナ、COなど季節季節の緑色が濃くて、ホウレンソウ、フダンソウ以外のものならなんでもよろしい。
大切なことは農薬はもとより、化学肥料もつかわない昔流の自然的栽培法によること。
すなわち、土はなるべくふかくたがやし、堆肥を主とし石灰、油粕、鶏糞など有機質肥料を施す。
そうすると質のよい丈夫で味のよいナッパができる。それをうんと食べたりのんだりすることだ。
「そうしましょう。しかし実は横浜に住んでいます。里に帰っている間に流産しかかり、そのまま実家にいるんです。」
「横浜にはスタンドがあるからそれを利用する。そしても一つ。実家で大根葉の乾燥粉末をつくってもらいなさい。熱湯に30秒〜1分間浸した後陰干し、スリバチかミキサーで粉末にする。これだと大サジ山もり3杯が大凡生の青汁の1合分にあたるから、そのつもりで食べればよい。こうしていれば、これからの妊娠は順調に経過するだろうし、次の妊娠はツワリも流産のおそれもなく、丈夫なこどもをうむことができるから、もう一人という希望もきっとかなえられるだろう。
また神経質のところもいくらかよくなろう。
2才のこどもやご主人にもすすめれば、一家こぞっての健康もうけあいというものだ。
(56・10)
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14. 生れてくるこどものためにも
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医学博士 遠藤 仁郎
「娘は現在8ヶ月の妊婦ですが、一昨年第一子出産のとき、羊水が濁って赤坊は死にそうでした。出産後には白血球が足りないといわれたり、両手首のリウマチ、指のヒビ割れ、カゼひきから気管支喘息が出るなど、ほとほと困っております。よろしくご指導を・・・・・・」
とのことだが、ほかには低血圧(110ミリ)があるとだけで、くわしいことはわからない。
しかし、リウマチや喘息があり、血圧が低いというところから、おそらく、もともとヒ弱い、そしてアレルギー性の体質の持ち主であろう。
こういう体質は、生れつきでもあろうが、妊娠中や生後の育て方のあやまり(人工栄養)など、またその後の日常生活のあやまり。すなわち、食事は肉・魚・卵などご馳走ずくめ。しかも出来あい食品が多かっただろうし、お菓子やジュースなど甘いものが不自由なくあたえられたことであろう。
そして、運動や、暑さ寒さにたいする鍛錬は不足がちだったろう。
そのため血のにごりを生じ、抵抗力のよわい、ものごとに感じやすい(アレルギー性の)体質になってしまっているのであり、妊娠中羊水がにごったり、産後白血球の異常や指のヒビ割れ、あるいはリウマチ、喘息などが出たのも、ともに、その結果とみてよかろう。
そこで、いますぐやるべきことは、まず、食べもののまちがいをなおし(食の安全化・完全化)、血をきれいにするようつとめることだ。
食の安全化
食べものは、すべて、なるべく自然の安全な食品をえらび、インスタントもの、出来あい食品など、危険な農・畜・水産用薬剤や、各種の添加物に汚染されていたり、そのおそれのある加工・保存食品はさけるかひかえること。
食の完全化
食べすぎている白米・肉・魚・卵・糖類をへらし、野菜ことに良質ナッパを十分にとること。
イモ・マメ・ナッパ・青汁
この目的のために、私は、安心して食べられるものの殆んどない現在でも、比較的簡単に実行できるイ・マ・ナ・青汁食をすすめたい。
主食には白米飯・白パンよりはイモ類を、蛋白食には肉魚の切り身よりは大豆もの、を主とし、それに、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻をそえ、ナッパは少なくとも500〜750グラム(青汁にして2〜3合)以上。
調理は簡単。味つけはうすく。菓子、ジュース、コーラ類はやめ、コーヒーその他嗜好品にも十分気をつける。
そうすれば、血がきれいになり、からだ中のはたらきがさかんになるから、抵抗力(健康力・生命力)がたかまり、アレルギー傾向は軽くなり、リウマチや喘息はおさまり、指のヒビ割れもなくなるだろう。
また、生れてくるこどものためにも必ずや好影響が期待できるだろう。もちろん妊娠前から、おそくとも妊娠初期から、そうするのが望ましいが、今からでも決して無意味ではない。少なくとも、体力がつきお産はらくだろうし、産後の回復もはやく、母乳の出方もよいだろうから、初乳から十分あたえることができるだろう。
また、その後のこどもの食事も、この方針にしたがい、ナッパ・青汁中心の健康食につとめれば、たとえ弱く生れても(今までの様子から、あまり丈夫なこどもは望めそうもないから)、きっと健康にそだち、母親の悪い体質をうけつぐおそれも、ずっと少なくなるだろう。
(57・3)
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15. 妊婦の尿路感染
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医学博士 遠藤 仁郎
妊婦には尿路の感染が多い。しかも、たいていは腎炎を伴っている(腎盂腎炎)。
原因の多くは大腸菌。これにつかわれる抗生剤には腎毒性のあるものが少なくないし、胎児に難聴その他の悪影響を来すものもある。
だから、つとめて細菌の感染を予防せねばならぬわけだが、妊娠子宮の圧迫のため、尿が停滞し、感染しやすいうえに、不用意な導尿によって感染することも少なくない。
あるドイツの文献によると、妊婦の5〜10%に症状のない細菌尿がみられるが、導尿すると、それが27%にもふえる、といわれており、特に必要でないかぎり、安易に導尿する悪い風習はやめねばならぬ、と警告されている。
それもさることながら、私はむしろ平素から、緑葉食・青汁を中心とした完全食をとり、全身ならびに尿路の抵抗力を強化しておく方が、もっと大切だろうと考える。
(51・6)
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16. 妊娠中ですが
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医学博士 遠藤 仁郎
「妊娠中なんですが、青汁をのんでも差支ありませんか?」
「ありません。」
「奇形ができるおそれはありませんか?」
「安全良質な材料からつくったものであれば、絶対そういう心配はありません。奇形が問題になるのは、バランスのひどくみだれた不完全食のばあいと、奇形をおこすようなもの(催奇性物)に汚染されている食べもののばあいとです。良質ナッパやそれからつくった青汁は栄養のバランスのみだれをなおすもっとも有力な食べものですから、奇形を防ぐためにも必要なものなので、安全良質なものでさえあれば、差支ないばかりか、ぜひ飲まなければならないものです。
なお、他の食べものについても、同様、安全なものをえらぶべきで、農薬その他の生産用薬剤や、産業廃棄物に汚染されたり、汚染のうたがいのあるものや、何が添加されているかわからない加工・保存食品などはできるだけさけること。
医薬品その他の薬品やレントゲンなど放射線にも十分気をつけなければなりません。また、奇形がいちばんできやすいのは、胎児のからだのでき上る妊娠初期の2〜3ヶ月ごろです。ですから、これらにたいする注意は、妊娠する前からでなければ意味がないわけで、妊娠と気づいてから(3〜4ヶ月頃のことが多い)では、もうおそすぎます。」
(59・3)
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17. 子宝の秘けつ 砂糖のこわさ
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大阪歯科医師 Y.T.
私の診療所には、一風変わったジンクスがあります。
今まで子供ができなかった人が私のところへ来るようになると、子宝に恵まれるというものです。
たとえば、結婚して5年たっても子供ができない女性が、私の診療所の求人に応募してきたことがあります。
採用してすぐにやめられても困りますので念を押しましたら、子供のことはもうあきらめているので仕事がしたいということでした。
彼女は私の診療所で働くことになり、半年後には妊娠し、1年後に退職しました。
現在は二児の母です。
結婚後3年で来院したある患者さんの場合は、一度流産の経験があり、その後は妊娠しないということでした。
この人も数ヵ月後に妊娠し、約1年後にはお母さんになりました。
こうしたことが度重なって、こんなジンクスができたのですが、これが砂糖と関係があるのではないかと気がついたのはずっと後のこと。
砂糖が子宮の発育をおさえ、不妊や流・早産の原因にもなることが動物実験で立証されていることを知ったからです。
私の診療所では開院以来20年間、スタッフ全員の昼の給食を続けてきましたが、その間、砂糖は一切使わないで調理してきました。
はじめはだれでも多少のとまどいがあったようですが、味つけになれ、私の考えを理解できるようになると、次第に各自の家庭でも砂糖の使い方が少なくなっていったようです。
また、患者さんに対しては砂糖のとり過ぎについて、常に警告してきました。
前述の患者さんの場合は特に極端な砂糖のとり過ぎのため口の中の歯が全部虫歯になり、しかも急速に進行する状況のため、一切砂糖を口にしないと約束してもらったうえで、食生活全般とブラッシングについて指導し、1年後に虫歯の進行がストップしたら治療をはじめることにして経過観察中の妊娠でした。
出産のため治療は延期になりましたが、それでも虫歯の進行はストップしたまま、後日、治療をはじめることができました。
砂糖のとり過ぎによるカルシウム不足は、胃や歯だけでなく子宮にも強い影響力を持っていることを知ったうえで、子供をつくる準備をしてほしいものです。
(61・12・6 サンケイ)
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18. 妊娠しました
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医学博士 遠藤 仁郎
「毎日青汁のお世話になっているのものですが、妊娠しました。つづけて飲んでもよいでしょうか?」
「よいどころか、絶対飲まなきゃいけません。妊娠中こそ、青汁のいちばん必要な時です。どんどん飲み、少なくとも4〜5本(多いほどよろしい)。
ほかの食べものも、できるだけ安全なものにするよう気をつけることです。
妊娠もお産もらくで、乳の出もよろしい。赤坊にもなるべく早くから飲ますこと。
きっと丈夫で頭のよいこどもになりますよ。
(平成元・1)
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19. ケールとの再会
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岸和田市 S.M.
私とケールとの初めての出合いは今から26年も前のことです。
結婚して3年にもなるのに子供が出来なくて悩んでいる時、ある婦人雑誌に遠藤先生が「ケールは非常に体によい。」と書いておられるのを拝見しました。
そして遠藤先生の本を買って読み、ケールの種子をいただけるとのことですぐお願いしました。
一抹の望みを持ち家の庭に種子をまき20本程のケールを上手に育てることが出来ました。
その頃はジューサーもなく大きなすり鉢とすりこぎで一生懸命ケール葉を潰し布巾で絞る青汁作りは大変な苦労でした。休みながらでしたが、半年程続けることが出来た様に思います。
ケール葉もなくなりそれ以上続けることができなくなりましたが、うれしい事に半年程過ぎた頃妊娠したのです。
きっとケールが良かったのだと遠藤先生に大変感謝しました。
そのケールとの再会が昨年10月にできたのです。
茨木市にいるお友達から聞き早速堺市の遠藤青汁大阪研究所にお電話をしケール健人の会に入会させて頂きました。
ケール葉を送って頂いた時は、こんな事をして頂けるのかと、すごく感激しました。
それ以来、毎朝コップ2杯の青汁をジューサーで作り主人と二人で飲み続けております。
26年前のことを思いますと、本当に幸せなことだと思います。
私はコップ1杯の青汁のおかげで、一日一日が心身共に軽やかで元気に過ごさせていただき、風邪一つ引かなくなりました。
趣味の習字、ヨガも頑張ることが出来ます。
日本の食生活は今や色々な面で安心できるものではありませんが、私は遠藤青汁大阪研究所のケールこそ安心出来るものと思っております。
青汁大阪研究所、ケール健人の会の皆様のご苦労は大変なことと思いますが、私達が末長く、この健康の源「青汁」をいただけます様、今後共、よろしくお願いいたします。
(ケール畑平成1・2月号より)
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