<1988年11月15日発行 第387号> | ||||||||||
目次 | ||||||||||
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1. 六〇ヒザ | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
62歳のお寺さん。 最初は満40才の時。これらの関節や筋肉の異常は、いずれも老化によるものであることはいうまでもありませんが、10年毎に出ているところからみると、どうも、加令によって周期的に、自然におこる一時的の変調によるもの、いうならば、一種の生理的現象ではないか、とひとりぎめしています。 それはともあれ、できるだけ血をきれいにすることは大切とかんがえられますから、イモ・マメ・ナッパ・青汁食といった、青汁を中心とする食の合理化をおすすめしたいと思います。 食べものはなるべく安全なものをえらび、調理は簡単に、味つけはうすくすること。アルコール・糖分はできるだけひかえること。 そして青汁は少なくともコップ4〜5杯(もとのナッパ1キロ)以上。多いほどよろしい。 患部はなるべく温かくし冷やさないこと、軽い運動(自動・他動)、マッサージの励行も大切です。 「なお、試みに、もっとも徹底した青汁食である青汁絶食をやってごらんになってはいかがでしょう。1日でも2〜3日でも、ほかの食事は一切せず、青汁を飲めるだけのみます。5合でも6合でもらくにのめます。それがきっかけになって症状が軽快することがありますし、少なくとも一時的にもかなりの効果が出るものです」 と申し上げておいたが、さっそくやられたらしい。 数日後のおたよりに、 「早々、2日間絶食をして、青汁(顆粒)12〜3袋(生の4〜5合相当)づつ服用いたしました。通常の勤行と法儀を修めましたので、空腹でいささか難儀しましたが、おかげさまで、今日は少し調子がよいようで、足の運動が軽快にできるようになりました」 とあった。 (62・12)
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2. むかし話(初期の旧稿から) 五十肩と緑葉食 | ||||||||||
前回参照 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
三木威勇治教授の著書によれば、 「五十肩というのは疼痛性肩関節制動症で、その病変は老人性変化または外傷、炎症性変化などである。そして組織が老人性となることがその素因をつくる。大体、老人性の変化を起した組織は外界の刺戟に対する反応が弱く鈍いので、急性の軽い運動痛や放散痛は乏しくて、後に残る関節攣縮が目立ち、不注意な運動で痛むものである。手当として、初期の放散痛や運動痛には安静固定、温熱応用その他が行われ、後の筋性攣縮には温熱、マッサージ、自動運動などによる寛解に重きをおく」、といわれている。 しかし、老人性変化が根本である以上、これら局所処置とともに、一般若返り法を講ずべきはいうまでもないことで、正しい栄養を主とした日常生活の合理化が大切であろう。 同書には、栄養についての具体的記載がないが、菜食ことに緑葉生食がよいようである。私は以前軍隊にいた頃、兵食によって肩の痛を覚え菜食で速かに去るのを経験しているが、今年の初ごろから(丁度50才なんだが)ちょいちょい肩が痛んだ。 それはきまって悪食のつづいた後であり、緑葉食にし青汁を飲んでいると間も無く忘れてしまう。 大言海には、俚言要覧をひいて、 「五十腕、凡そ人50歳ばかりの時手腕骨節の痛むことあり。程過ぐれば薬せずして癒ゆるものなり。俗にこれを五十腕とも五十肩ともいふ。又、長命病ともいふ」とあるごとく自然にも治るものだが、こうした注意によって治りをはやめることが出来、また防ぐこともできるようである。 (25・1)
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3. 脚腰の痛み | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
72才の老女。 「いぜん、ケールを栽培して飲み、大変調子がよかったんですが、その後、やめていました。さいきんになって、脚腰が痛みだしましたので、また飲んでいますが、“ケールはアルカリが強いので、それだけよりも、他の野菜やくだものを混ぜた方がよろしい”という人があり、迷っています。」「とんでもありません。そのアルカリが、ことに、その中のカルシウムが、痛みによいのです。ほかの野菜やくだものもアルカリ性ではありますが、肝腎のカルシウムが少ないので、それだけ効果が落ちます。迷わずにケールを、少なくとも4〜500g、もっと多く7〜800gから1キロを(汁にして2合から3〜4合)おのみなさい。もっと多ければなお結構です。 なんでしたら、1日でも2日でも、ほかのものは何も食べず、青汁だけを飲んでごらんになってはいかがです。青汁絶食というやつで、5〜6合以上でもラクに飲め、それっきりよくなることがあります。 反対に、よくないものの筆頭は糖分。 お菓子やジュース、味つけの砂糖などがすぎると、痛が出たり、強くなります。次が白いご飯やお餅。そして肉や魚の類。これらは、みな、酸性の強いもので、これらがすぎると血が酸性にかたむき、カルシウムの力がよわって痛みが出たり、強くなります。 その酸を中和するのがアルカリ。そしてカルシウムには神経の感じをおさえ鎮める作用があるからで、アルカリ性が強くカルシウムの多いケールがよい所以です。 なお、脚腰の痛みには、その部の血のめぐりをよくすることが大切ですから、少々痛くても、軽い運動をしたり、もんだり、たたいたり、お風呂や温泉であたためること。また、真綿やモグサを入れた腰まき、パンツ、懐炉などで冷さないよう気をつけることです。 (62・11)
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4. ネフローゼ | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
「ネフローゼのこどもです。青汁を飲ませたいのですが、尿量が400〜500くらいしかありません。どうすればよいでしょうか?」 (62・10)
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5. 生活の知恵は大切 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
ことわざに詳しい安達隆一・神戸市外国語大教授(国語学)の話「旬のものを食べると、75日寿命が延びるという『初物七五日』のことわざを実証したもので、とても面白い研究だ。 (62・10・27 夕刊読売)
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6. ダイコン | ||||||||||
ビタミンCの貴重な供給源 (啓介)
ダイコンのほのかな甘みはブドウ糖が主体、ショ糖が補佐役である。 合計で3%内外含まれる。ビタミンCが多いことはよく知られているが、根に15ミリグラム、葉に70ミリグラムと、葉に圧倒的に多い。 根におけるCの分布は均一ではなく、葉のつけ根に近い上部、成長著しい先端部、皮部などの、どちらかというと破棄されやすい部位に多い。 また、若どりのダイコンにはCが多く、収穫が遅れるほど減少していく。 ビタミンC不足は歯ぐきからの出血や内出血の治療を遅らせる。 生体内における油脂の過酸化物の生成を防ぐ抗酸化作用、魚の焼け焦げに含まれる発がん物質の抑制、抗高脂血症やストレスへの抵抗力の増強などビタミンCの効果は多彩である。 Cの不足しやすい冬場には、ダイコンは貴重な供給源となる。 「ダイコンどきの医者いらず」といわれるように、ダイコンは消化を助け、いくら食べても飽きない。ご承知のように、ダイコンにはもちやご飯のでんぷんを消化するアミラーゼという消化酵素が含まれている。皮部に多く、冬よりも夏のダイコンに多い。 辛みの母体はイソチオシアネート。ダイコンの代謝が活発な生育初期に多く、成長とともに減少し、根の先端部に近づくほど含量が増してくる。ダイコンおろしの辛みを敬遠したい人は根の上部を選び、先端部を避けるとよい。おろしたものに酢やみそを加えたり、わずかに熱したり、しばらく放置しておけば辛みは減少する。 ダイコンとニンジンを一緒に混ぜおろすもみじおろしは、せっかくのCをニンジンが酸化してしまう。30分でCが3分の1に減ってしまうので注意したい。 この場合でも、酢、しょうゆ、食塩などを加えておけばCの分解は遅れる。 ダイコンは形が整っており、根が真っすぐな雪白のものがよい。根が曲がったり、裂けたり、二股のもの、ひげ根が発達しているものはよくない。 加熱すると首部が黒く変色し、コルク状になったり、裂け目ができる。肉質は多汁でしかもち密なものが望ましい。鬆(す)が入ったり、水気が少ないものは食味が悪いだけでなく、栄養価値も低い。 (悦子)
(啓介氏は国立栄養研究所の栄養資源開発研究室長、
悦子さんは病態栄養研究室長) (62・11・18 サンケイ) | ||||||||||
7. ネフローゼ順調 | ||||||||||
富士見市 H.S.
病人は18才で、病名は真性ネフローゼ。発症は5才。 (61・12)
青汁食をすすめて、病院内でも腎臓食になるべく近づける事にした。 [田辺]
青汁を頂きましてから早や1ヶ月近くになります。 お蔭様でネフローゼも順調に回復しており、昨年暮、廿六日に半月程で退院いたしました。プレドニンも現在隔日12錠ですが、22日で完全に中止することになりました。 今後も青汁を続けていきたいと存じます。 (62・1)
プレドニン中止、青汁食にして 青汁続けて飲用しておりますが湿疹は大分治って参りました。ネフローゼはプレドニンはよく効きますが、中止した後、風邪(嘔吐)を引き再発してしまいました。 今まで一度プレドニンを使うと少なくとも1、2年は再発せず、前回は4年間無事だったのですが、今回は運悪く悪性の風邪だったのでしょう。現在隔日12錠服用しております。 (62・2)
青汁を飲みはじめてから早や3ヶ月になります。今のところ、身体の調子は順調のようですが、顔や頭に吹出物(しっしん)が出たり、指先のひょうそうが次々と出来て困っております。 (62・3)
○プレドニンのせいではありませんか。青汁をもっとふやしてみて下さい。 (遠藤)
(Medical Tribune 85・10・17)
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8. ケールと私 | ||||||||||
高石市 I.M
伊藤さん牧村さんにすすめられてケールを飲み始めて約1年半経った。 (ケール健人会報より)
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9. よろこばしいこと | ||||||||||
仙台市 K.O.
最近、たいへん気候がよくなり、ケールもそだってきました。お客さまにも種子をさしあげ、よくそだっているとのことで、顆粒はあまりでなくなりましたが、みなさんが難病をなおしていらっしゃるので、よろこばしいことと思っております。 | ||||||||||
10. 体験から得た健康道(2) | ||||||||||
前回参照 | ||||||||||
自然食実践家
さて、私の毎日の食生活の内容を率直に披瀝する。 特色としては 健康は人生の全部ではない。しかし健康なくしては人生を円満に送る事は出来ない。私の食生活が一見煩雑に見えるかも知れないが、慣れてしまえば何でもない。 至極簡単であり、合理的である。平素の努力により病気(殊に成人病)に罹らないのが賢明である。 成人病に罹れば病院や薬の力ではなかなか完治するものではない。 家庭に病人が出たらその家庭は憂うつである。その時はお金があっても、社会的地位が高くても役にたたぬ。 身外無物!先ず健康!これが私の社会生活に於ける唯一の指標である。 (88・7)
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11. 質問箱 | ||||||||||
問 | ||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||
天皇陛下も青汁を飲んでほしい(ほしかった)と (63・10)
心のたのしみは良薬なり 霊魂のうれいは骨を枯らす 旧約箴言一七
人間の基礎は物質にあらず 精神にあり エマーソン
病める肉体病める精神 独諺
病身は病心をなす 英諺
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