<1988年1月15日発行 第377号> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
目次 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1. 書無きに如かず | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
四日市の中山さんから、 「最近ケールを配達してもらって、青汁を飲みだしましたが、青汁に関した知識を得たいと思って本屋をのぞいています。そのうちに、バーバラ寺岡さんの生野菜に関する本の中に、“アクは体によくないこと、毒として作用すること”。また、“キャベツ(ケール)にはベンツピレンとかいう発癌物質があって、生で食べない方がよいこと”、などが載っていました。このことについて簡単に説明していただけるなら幸いです。」という手紙がきた。 「大デタラメです。少しも心配ありません。」 と簡単に返事しておいたが、55年出版の拙著“生涯青汁”にのせている、これらに関する記事(アクについては169ページ、発癌性については170ページ)は次のようだ。 「アクのこと」 ケールに癌の危険はない さて、この硝酸塩の問題は実際にありうることだが、バーバラ先生のいわれるベンツピレンはどうだろう? ベンツピレンは、タバコの煙や焼魚、焼肉のコゲなどにある有力な発癌物質の一つだが、本当にキャベツやケールにあるのだろうか? 私にはどうも信じられない。また、たとえあるとしても、この発癌性が、ケールその他の生野菜汁で消えるという実験的証明のあることを、バーバラ先生ともあろうもの、ご存じない筈もなかろう。 だのに、“生で食べない方がよい”、といわれるにいたっては、まさに噴飯もの。大デタラメもいいところではなかろうか。それはともあれ、いかに言論自由の世の中とはいえ、こういう書物が堂々まかり通っていることは、まことに迷惑千万な話。全く、“悉く書を信ずれば書無きに如かず(孟子)”だ、とつくづく思う。 (62・5)
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2. 貧血にきかぬレバー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
病人の絶えない家なので、まえまえから青汁をすすめていたが、家の人たちの理解が得られず、いつも歯がゆい思いをされていた奥さんが、珍しくニコニコ顔でやってみえてのお話。 「一年まえおばあちゃんが子宮筋腫の手術をされましたが、貧血が残っていいたのでレバー(肝臓)を食べるよういわれました。私も、こどもたち二人も多少貧血気味なので、いっしょにレバーを毎日欠がさず食べていました。「それにしても、なぜ、レバーがきかなかったんでしょう?」 「レバーは貧血にはよい筈なんです。レバーは動物食品のうちでいちばんよいもので、蛋白質は肉よりすぐれているし、ミネラル・ビタミン、ことに血をつくる鉄分やビタミン類、にとんでいます。 だから、貧血をなおすにはもっともよい食べものなんです。 私も、いぜんは“肝臓緑葉食”といって、肉の代りに肝臓を食べることをすすめましたが、確かに効力がありました。が、しかし、今はすすめないどころか、むしろ、危険なものと思っています。」 「なぜですか?」 「肝臓は“からだの毒消し(解毒)工場”といったもので、体外から来るものも、体内でできるものも、およそからだのためによくないもの(有害有毒物)は、すべてここにあつめられ、処理されます。しかし、昔は、家畜にしても、野生の動物にしても、その餌は自然の安全なものばかりでしたから、少しも問題はありませんでした。 ところが、今はすっかり事情がかわり、飼料はすべて人工的に配合されたものばかりで、何がはいっているかわからない――農薬はじめ各種の生産用薬剤や産業廃棄物に汚染されたり、カビたものなど、食料に不適とされたものが飼料にまわされている。 そのうえ、肥肉薬や防疫用の薬も配合されています。それらが、みな、肝臓にあつまっている。魚介類とて同様。外洋ものも海水の汚れのため、昔ほど安全ではないし、養殖ものは家畜同様で、いうまでもありません。 そこで、昔はもっともすぐれた栄養食品であり、貧血をなおす力の強かった肝臓も、今では有害有毒物のタマリ場、つまりゴミダメで、むしろ危険な食品。貧血をなおすなんてとんでもない、といったシロモノになってしまっているわけだからです。 (62・3)
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3. 世界で一人だけかも(再発悪性リンパ腫快癒例) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
本紙359(昭和61・7月)号所載、ホジキン病の後段に、中学1年生の悪性リンパ腫の快癒例の記事が出ています。 「昭和62年10月20日の電話によると、その後も文吾君は高校に入学、益々元気ですよ、との報告がありました。母堂のお話しによると、横浜医大病院の主治医の先生からこの難病の再発では世界中で一人の生存者もいないのですよ、元気に成ってよかった、とほめられたそうです。」主治医の先生のお話のようだと、ひょっとしたら文吾君が世界中でたった一人だけかも知れません。 いずれにしてもおめでたいこと。これからも、油断することなく、青汁をつづけてほしいと思います。 (62・11)
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4. 10分間ヨーガ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
身体に活力をつける静かな動きで効力のあるヨーガを、青汁健康増進体操として、皆様に、毎日10分間、簡単で永つづきする様に御案内をしてゆきます。 1〜10迄を10分間で行える様になるまで少々時間がかかっても、毎日必ずつづけて下さい。気持ちのよい自分自身がかならず味わえます。 青汁の効果は身体にしみ込む様になった時味わえますので、内臓に気持ちよく吸収出来る身体になる様に進んで行って欲しいです。 最高のものを最高に受け入れる器にしなければもったいない。身体と同時に気持ちもこれはすばらしいものだと心底思って口にすると、効果は何倍にもなるでしょう。 どうか全ての人がこの気持ちになって、ケールを口にして欲しいのです。朝起床時、手足を息を吸いながらグーと伸ばし、息を止めて5〜7秒そのままで静止し、パーと息を呼いて力をぬく。2〜3回繰返す。次は、手首、足首を息を吸いながら起し、5秒間止める。息を呼きながら倒せるだけ倒す5秒間。手首は坐ってする。足首は両足をなげ出してする。 それから10分間ヨーガのポーズをして下さい。やさしいポーズを毎日つづけますと自然に自分のものになります。型よりも中身の効果が大切なのです。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
5. 頭痛もち | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「このごろ、なんとのうしんどく、疲れやすく、頭がいたんでしかたがありません。病院でくわしくしらべてもらいましたが、どこも悪いところはない。更年期のせいだろうか、とのことです。昨日あるところで、これを読んで、やってみなさいと、「青汁は効く」という本をすすめられました。方々に支部があるようですが、どこででも求められるんですか。」 (58・7)
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6. 食欲のないとき | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
食欲がないとき、食べものが不完全だと、栄養不足、栄養失調に陥りやすい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
7. むかし話(初期の旧稿から) 菜っ葉の功徳 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前回参照 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4月の初、秋の彼岸ごろから胃痛があり、一進一退していたが、2週間まえから全身が腫れて来た、という63才の老婦人の所へ行った。 貧血がつよく高度の全身浮腫。眼もあかず、下肢に神経痛があるのも手伝うて、寝返りも出来ない。腹の皮はうすく、油紙のようにキラキラしている。病気したら一層それが大切だということもよくうなづける。飲みづらいなどといわずにつづけるといっていた。親思いの子息が、毎日多忙の家業の暇をぬすんで野草を採集してくるしするので、熱心に実行した相である。 利尿剤もつかうにはつかったが、どんどん尿利がつき、一ヶ月あまり後に訪ねてみると、腫れはすっかりとれ、肌はだぶだぶではあるがいくらか血色もよくなっている。 胃部に腫瘤をふれ、やはり胃癌らしいから結局はいけないだろうが、ともかく本人は食事はすすむし気分はよい、とりわけ嬉しいのは随分悩まされた下肢の神経痛がなくなったことだと涙を流してよろこんでいた。 同じような話をK氏からも聞いた。 K氏の老人夫婦は店を当主に譲り、隠居して悠々と余生を送っていられた。 この楽隠居のところにも戦後の経済旋風は容赦なくふきまくり、田地はとりあげられ、財産税は何もかも根こそぎかっさらえて行った。殆んど無一物にちかい状態となり収入の途の絶えた老夫婦は、しかし、いともあっさりと生活の全面的きりかえを断行した。 すべての無駄をはぶき、贅沢をしめ出し、僅かばかり残された畑を自ら耕して、自給野菜と配給だけの簡易生活をはじめた。 あまりにきりつめた日常に、息子の方が心配しだしだが、老人たちは、反対に、かえって息子たちの旧態依然たるを不安がり案じていた。 ところがどうだろう。それから二年たった今年の春、正月早々当主の長男は尿毒症で死に、次男もひきつづき腎臓炎で病臥。驚いて検査すると主人公の尿にも蛋白が出ているという大変な騒ぎになったではないか。 しかも案じられた老夫妻はますます健康。 すでに70も半ばをすぎているというのに、60位にしか見えぬ若さで、毎日野菜づくりに壮者をしのぐ元気が出ているという。病児の毎日の青汁の材料はこのお祖父さんの丹誠によるものだ。 とその日も勢のよい大きなキャベツの青葉をみせてもらった (25・5)
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次回参照 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
8. 骨ぬきの話 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
わが国で、ビタミン類やカルシウムにも恵まれた動物食品といえば、内臓(カルシウムは少ないが)か全体食のできる小動物(小魚類)である。これらが自然界の多くの動物の食物であることからもわかるように、これを生きたままで食べれば申分のない完全食である。 (24・6)
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9. 早朝散歩と動脈のれん縮 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
秋田県 K.N.
「散歩は午前の方がいいのでしょうか。それとも午後の方がいいのでしょうか」。 (杏林大学教授・内科=石川恭三)(62・6・28 サンケイ)
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10. 大量の青汁が効く | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
堺 S.H.
「青汁を飲んだら」と奨められたのは5年位前であった。 (ケール健人会報より)
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11. 急性高血圧症 私の体験 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
越智 廓明
上記便宜上私の使った仮名の症状です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
12. 膠原病に著効 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
岡山県 A.H.
(福嶋さんのご主人=37才、会社員=は、膠原病で2年前から入退院をくりかえしていられたが、青汁の大量飲用で急速に回復された。その間の詳しい手記をいただいたので、大要を紹介したい。) (遠藤)
経過
そのいきさつ 「3月に入院した時、里の母より、近所の方が自家製の青汁で心臓病を治されたことを聞き、話に聞いた事のある先生の青汁を、失礼ながら半信半疑で飲み始めました。飲みにくく、1本がやっとでしたし、そんなに沢山飲まなければならないとは思っていませんでした。 ところが、偶然立ち寄った古本屋で、貝原先生の『青汁とともに36年』を発見。 この本と出会わなければ、一日1本だけで終わっていたでしょう。そして、青汁配達の橋本さんから新聞を頂き、総会に出席しましたお蔭で大量飲用に踏み切ることが出来ました。」 その後の経過
とあったが、9月7日、退院の挨拶にみえた(ご主人自ら車を運転して来られた)時の話では、「今は毎日21本のんでいる。シビレ感がいくらか残っているだけで、あとはすこぶる快調だ」とのことだった。 福嶋さんご自身の体験 普段から便秘がちで、気がついたら4、5日なかったなどということはざらでした。それが、入院の主人と共に、最初1本、現在4本飲用するようになってから、一日2回の快便。出産後痔で苦労しており、3人目を出産してからは脱肛から痔瘻に移行、一週間ほどで膿がたまり難儀しておりました。 それが、青汁を始めて一ヶ月ほど経った頃より膿がたまらなくなり、現在まで、全く痛みを感じることがなくなりました。 また、歯みがきの際、いつも少しの出血があったのですが、いつの頃からかそれもなくなりました。さらに、小学校6年の頃から近視になり、乱視を伴い、0.01あるかないかという状態だったのが、2週間ほど前メガネが合わない気がしてメガネ店に行ったところ、乱視が治り、視力も0.1まで回復しているとのこと。こんなに早く青汁の効果が着実に現われるなんて驚きと喜びの毎日でございます。 先生のご本や食養に関する本を読んで、つくづく食生活のまちがいを痛感致しました。 日頃、肉食に傾いてはいけないと思っていても、ついつい好物の肉、魚を主にした食事になっておりました。 この第一内科は肝臓病の方が殆んどですが、聞いてみると、やはり肉が大好き、甘いもの大好きの方が多い様です。美食の時代、飽食の時代と言われ、世の中全体がグルメグルメと騒いでいる中での食事療法には、確固たる信念と弛みない努力が必要であると思います。 と同時に、家族の理解と協力も継続していく上での必要条件だと思います。 先生のご著書の中に“生命をかけて飲む”というお言葉がございますが、まさにその通りだと、中途半端な気持ちでは継続できないと思います。“食は命なり““食は薬なり”ということに現代の医師は全く無関心。いつまでたっても対症療法の繰り返えし、患者は入退院をくり返えし、最後は、病室で淋しい死を遂げる。 本当にこの3ヶ月の間に何人見送ったことでしょう。中には青汁を飲み始め、すぐ主治医から取りあげられた方もありました。 「そんなモノを飲むんだったら、僕はもう責任を持ちませんよ!!」 と叱られたそうです。これから益々こんな医者がふえ続けるのでしょうか。もっと早く食のまちがいに気がついていればと悔やまれますが、人間勝手なもので、大病をしてみて初めて気づき、改めることが出来るのかも知れません。食欲があるうちに、まだ気力・体力が残っているうちに、先生とまた青汁と出会えたことに感謝する毎日でございます。 (7・7)
本当に健康に勝るものはありません。健康でなければ明るい生活は望めないと思います。家族のうちのだれが病んでも家庭の中は暗く、沈んでしまいます。健康をあずかる主婦として責任を感じ、深く反省している次第でございます。 重病人をかかえる大学病院の宿命でしょうが、ここのところ次々と親しくしていた方が亡くなりました。そのお一人は肝臓ガンでした。一生懸命青汁を飲もうとされていたのですが、すでに末期で食欲がなく、飲み続けることが出来ませんでした。 付添いの奥さんから“福嶋さんは私達の夢だから、必らず元気になって主人の分まで生きて下さい”と言われました。ここにいて愛する者を失う悲しみ、辛さ、嘆きをいやというほど見せられました。そして現代の医学の無力さ。一ヶ月前まで元気で歩いていた人が、日増しに弱っていき、最後には死を覚悟することも出来ず、無念さと絶望感、孤独と恐怖の中で息をひきとる。 家族もただ死を待つしか手はない。確かに医学技術は進み、精密機械で体内の細部まで検査が可能になりました。でも、治療法は相変わらず薬に頼るのみですから、薬害はさらに広がるでしょう。 もっと本当の意味の栄養。西洋から入ってきた栄養学ではなく、日本人の体質に合った日本人の為の栄養学を学ぶべきではないでしょうか。 大変、生意気なことを書きましたが、最近、切実に感ずるところを述べさせて頂きました。 幸いにも、我が主治医は理解があり、私達の訴えに耳を傾けて下さり、青汁の大量飲用を許可して頂いてます。この上は迷うことなく、一心にこの道をめざし、先生のお教えを実践して行きたいと思います。 そして、今後は、家族は元より友人知人にも「食養」の大切さを話し、食のまちがいを少しでも多くの方々に知ってもらいたいと思います。 (7・24)
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13. 難病を克服して | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
静岡県 M.N.
戦中戦後から胃腸が弱く、胃腸科へ通院しておりました。 (61・10)
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14.質問箱 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
問 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
くすしてふ名さへはづかし今はただ 吉益東洞
酒
胃を爛らし、 髄を潰え、 筋を蒸し、 神を傷け、 寿を損ず。 扁鵲
死は一回より来らず、 しかも人をして生の凡ての瞬間に之を懸念せしむ (古諺)
鰯 昔誰れも食はない顔で内々食べたさうだ。 和泉式部も御多聞に洩れず、 内々で食べた所を運悪くある人に見つけられた。 困ったけれども流石に、和泉式部 日本にはやらせ給ふいわし水 まいらぬ人はあらじとぞ思ふ とやったといふ伝説がある。 矢部善三 年中事物考
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