<1987年12月15日発行 第376号> | ||||||||||
目次 | ||||||||||
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1. クローン病 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
「36才の会社員。右下腹に、圧えると痛むカタマリがあり、検便で血液反応(+)。手術してしらべたらクローン病だった。術後は絶食(レントゲンで潰瘍が見つかったので、食事するとその治りが悪いから)、点滴栄養を二週間やって経過を見よう、ということだった。しかし、二週間たってもよくならないので、そのまま、絶食・点滴注射をつづけている。 点滴栄養 いわれるように、今ではよほど進歩してはいる。けれども、はたして本当に完全かどうか。それは、科学された栄養分については、たしかに完全にそういないだろう。けれども、からだに必要な栄養分には、まだわかっていないもの、しかも、生命力・健康力を維持するために大切なものが、まだいくらあるかわからない(科学されていない、いわゆる未知成分)。その全部、わかっているものと、わかっていないもの、そのすべてがそろってはじめて本当に完全な栄養といえるわけだが、少なくとも現在の点滴栄養でもそれは望めない――現時点の科学からは完全であっても、自然の食べものからいえば、決してまだ本当に完全無欠とはいえないだろうからだ。 したがって、術後の疲労、食欲不振など、体調不良の一時期のツナギとしては結構だろう。二週間やってみてといわれるのも、それくらいたてば効果が出る筈だからだろう。が、長期にわたることは問題。効果がなければなおさらだ。だいたい栄養療法なるものは、いろいろあるが、そのいずれにしても、それをやってみて効果(元気が出、力づき、局所症状がよくなるなど)がある筈のもの。もしそれがなければ、いかに立派な方法であっても、どこか欠陥がある。点滴とて同じ。本当に体力がつき、傷の治りがよくなるならよろしい。でなければ、何か足らないものがある、とかんがえなければならない。その足りないもの(それが何であるかわからないが)があるのは、もともとすべての栄養分の完全にそろった自然食品しかないわけだが、それは良質ナッパ。ナッパには、一般の緑葉が草食獣の唯一の食料であることからわかるように、かれらが元気に生きるために必要なものは、すべてそろっている。そのもっとも効果的な利用法は青汁だから、これをぜひやってみるべきだ。それも、できるだけ十分に。そして体調なり傷の状態を注意ぶかくみてほしい。おそらく、ドクターたちを驚かすほどの効果があらわれるにそういないと思う。 一般注意 この病気は1932年にアメリカの医師Crohnが発表したもので、主に小腸(回腸部)の末端に限局した炎症性の病変(限局性回腸炎、回腸末端炎、終末回腸炎)で、腸の常在細菌によるといわれている。つまり、腸に共棲していて、ふつうには何の害もしない筈のバイキンにやられるのだから、結局、からだの抵抗力が衰えており、感じやすく(アレルギー性)になっていることが原因だ。しかし、なぜそうなるのかわかっていないので、原因不明ということになっているのだろう。 そういうワケのわからない病気のばあい、私はいつも日常生活の、ことに食のあやまりをかんがえる。この方は独身で寮生活。かなりの激務らしく、寮に帰るのは夜半すぎ。もう食事するところもないので牛乳とパンくらいですましている、とのこと。朝は寮の食事だろうが、昼食その他すべて外食。つとめて元気をつけようと、いわゆる栄養食、スタミナ食にかたむきがち。しかも出来あいものが主であろう。 そこで、バランスはひどくみだれているうえ有害有毒食品ばかりになっていただろう。ために血はすっかりにごってしまい、からだ中のはたらきが狂い、抵抗力をよわめ、またアレルギー性ともなり、無害の筈のバイキンにもやられるようになっていた、とみるべきであろう。 だから、たとえ今度はうまく治っても、同じ条件がつづいているかぎり、いつまたやられないともいえない。そこで、この病気を治すにも、再発を防ぐにも大切なことは食改善。緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食といった、バランスの完全にとれた食事にすること。二、有害食品は極力さけること、につとむべきだ。」 と答えておいた。これはこの1月の青汁教室(毎月第3金曜日)のこと。手術は昨年の11月だったそうだから、術後2ヶ月余り後のことだった。そして3月の教室では、「あれから熱心に実行。2月下旬には退院でき、お見合さえされているそうだ」という嬉しいしらせがあった。 (62・3)
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2. 尿道括約筋の老化 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
45才の商家の主婦 これで治るかどうか、それは何ともいえません。しかし、ほかにこれという方法もないのですから、ともかく根気よくやってごらんになってはどうでしょう。」 (61・11)
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3. むかし話(初期の旧稿から) 梅と蛔虫 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
勝木司馬之助氏が「診療の実際」誌に書かれた所によると、胃内蛔虫症に1%塩酸液100竓(ミリリットル)を頓服させると、蛔虫の腸に下って行くのがレントゲンで証明できる、ということだ。蛔虫は、元来、酸性の所は嫌いなので、普通にはアルカリ性の腸内にいるのだが、胃酸のない人(少なくない)では、兎もすると上って来て、色々のワザをする。塩酸をのめば奴等は少なくとも胃からは退散する筈だ。 (26・3)
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次回参照 | ||||||||||
4. ワカメとコレステロール | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
太り過ぎとコレステロールが気になるあなた、コレステロール退治にはワカメが有効です。 (62・2・1 サンケイ)
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5. 女性の方が骨がもろくなる | ||||||||||
「うちのおばあちゃん、もうじき75歳になるんですが、この間、私の目の前で畳のへりにつまずいてころんだんです。そうしたら、足が痛くて動けないといって脂汗(あぶらあせ)を流しているんです。すぐに救急車で病院へつれていったんですが、大腿骨骨折だったんです。ちょっところんだだけなんですよ。年をとってくると骨が脆(もろ)くなるって本当ですねえ」たしかに年をとってくると骨は脆くなってくる。それも女性の骨のほうが脆くなりやすい。これにはいろいろなことが原因になっていると思われるが、なかでも更年期ごろからの女性ホルモンのバランスの崩れが、骨を脆くしている元凶の一つとされている。そのほか、男性に比べて運動する機会が少ないので骨があまり鍛えられていないこと。また、食事で取られるカルシウムの量が少ないこと、なども骨の脆さに関係していると思われる。その上、妊娠・出産で子供にカルシウムを持っていかれているので、女性は若い時代からカルシウム不足になっている。 骨を強くするには、日頃からからだを小まめに動かして、骨を鍛えることはもちろん、カルシウムを十分に取ることである。カルシウムを上手に取るには、乳製品を適度に取ること、魚介類を一日1回食べること、大豆製品を一日1、2品取ること、また緑色野菜や海藻を一日1、2品取ること、などを心掛ける。“骨折り損のカルシウム不足”。骨、おだいじに。 (杏林大学医学部教授・内科=石川恭三)
(62・4・12 サンケイ) | ||||||||||
6. 難聴にはどうか | ||||||||||
徳島市 H.T.
私は73才になります。体は健康ですが、難聴気味で、便秘勝でした。血圧は80−130。糖尿の気が少々あります。先生の「青汁は効く」を拝見して、食物のかたよりを痛感し、青汁で幾分でも難聴が回復するのではと、2ヶ月位前より無農薬の大根葉、コンフリー、小松菜、春菊、ブロッコリー、タンポポ、ノビル、クコ菜等を、スズキ式ミンチでしぼり、粕共一日5〜600グラム食べています。大地の血の青汁へ畑の肉キナコをたっぷりかけて食べています。其の後、便秘もよくなり、体も力がついてきて、くたびれもありません。有難たいことです。一生続けたいと思います。 (62・2)
ずっと以前、あるご老人が、「よく聞えるようになった」といわれたことがありますが、そのほかにはありません。実は私自身、昨年の10月、板をパンパン叩いたあと急に聴えにくくなり、精出して飲んでる最中ですが、何しろ87年もつかい古した耳、4ヶ月たっても、まだ目立った効果は見られません。ひとつお互い、頑張って競争してみようではありませんか。コンフリーのご利用について (遠藤)
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7. アレルギー性鼻炎 | ||||||||||
東京 M.K.
私の孫、当年満6才4ヶ月(幼稚園児)。この夏手花火の煙を吸い込みましてから、一寸と、ぜん息気味となり、すぐ医療によりよくはなりましたが、その后、鼻と咽喉のあたり(へん桃腺は大きいのです)が赤く、このところ1ヶ月くらい、くんくんといいましょうか、ぶうぶうというか、絶えずのどと鼻を気にし、食事の時も、話しをする時も鳴して、苦しそうなので、親も、祖母の私も何とかして癒してやりたいと心配しております。 (61・10)
しっかり飲ましてください。コップ2杯でも3杯でも、多いほど結構です。そして、甘いもの(お菓子・ジュース類、味つけの砂糖)をできるだけへらすことと、インスタントものなど出来あい食品をさけることが大切です。 | ||||||||||
8. B型慢性肝炎に起った奇蹟 | ||||||||||
堺 S.I.
私は昭和57年2月、高熱を出し2週間後急性肝炎と言われ3ヶ月の入院で点滴・薬でまんまるく太りました。退院後も家事をするのがやっと、時には何も出来ず会社から帰った主人に夜、洗濯、長男に買物、長女に調理という日もしばしばでした。 | ||||||||||
9. 歩行困難と喘息 | ||||||||||
秋田県 K.N.
昨年6月から青汁のお世話になって一年経ちました。杖をついて足を引きずって歩いていた私が、本年からは普通に歩行出来る様になり、その上季節的に発する喘息が本年は忘れていたので、知らずに過す結果となり、今更おどろいて居ります。もう青汁とのおつき合いはこの先も永く続けたいと思っております。(61・7) | ||||||||||
10.質問箱 | ||||||||||
横浜市 R.Y.
問 | ||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||
山中の敵を破るは易く 王陽明
気上る人は足の大指をしきりに多く動かすべし 養生訓
文子云、 太上養神、其次養形、神清意平、百節皆寧、養生之本也、 肥肌膚、充腹腸、関嗜欲、養生之末也 医心方
心の憂は洗はざる衣の如し 詩経
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