<1987年8月15日発行 第372号>
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目次
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1. 更年期の不定症状
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医学博士 遠藤 仁郎
45才の女性。
「このところ、いつも頭痛がし、首や肩がこり、横になると背中がいたむ。吐気、嘔吐があり、動悸する。からだ中がだるく、元気がない。疲れやすい。これらの症状は、朝いちばんつよく、後、少しうすれるが、夕方またひどくなる。
また、頭のまん中に、昔やった火傷のあとがあり、いつもジクジクして痒い。夜、無意識にひっかいている。薬をつけてもなかなか治らない。
整形では、変型性胸鎮筋炎のための頚肩症候群。
眼底の検査では動脈硬化があるといわれている。祖父や父が脳出血や脳血栓でたおれているので、それも心配だ。脳外科では血管検査をしようとのことだが、こわいのでやめている。元来心配性だし、10年まえ夫にわかれ、その後の生活にずいぶん苦労した。
そのつかれのせいだろうが、更年期のためだろうともいわれている」
とのこと。
- 多分そういう(更年期の不定症状)ところだろうが、眼底の動脈に変化があるというから、脳にも多少変化がきているのかも知れない。
血圧は120/80。月経は不順。便秘がち。食欲はよく、甘いものが大好き。ご飯もよく食べる。肉や魚は少ない。つとめて野菜くだものを食べるようにはしている。
こういう食事だと、血が酸性にかたむき、カルシウムが不足してくる。
それをいちばんはっきりあらわしているのは、頭のふるい火傷のあとがいつまでもなおらずにいることで、これは血のにごりのために、からだが炎症をおこしやすくなっていること(炎症体質)をしめすものだ。
また、この食事では、ビタミンが不足し、代謝がうまくゆかないことでも、また、便秘のためにも血がにごり、体調をくずし、頭痛その他の痛みや疲れやすいこと、また動脈硬化の原因にもなっているだろう。だから、ともかく、血をきれいにするよう、やってみてはどうか。
それには、便秘と痒みと頭痛を目安にし、まず、甘いものを極力へらすこと。野菜とくに良質ナッパ類をうんとふやし、青汁にしてもしっかり飲む(少なくとも正味2〜3合。多いほどよろしい)。
そして、主食のご飯をへらしてイモにするか、多くする。
また、食べものはすべてなるべく安全なものにし、インスタントものなど出来合いものはさけること。このようにして、毎日気もちよく通じるようにしていると、おそらく頭の痒みがへり傷もよくなり、頭の調子、だるさ、疲れもしだいにへり、元気もでてくるだろう。
なお、頚や肩や背中は、せいぜい動かし、またはもんだり、叩いたりなど、血のめぐりをよくし、コリをほぐすようつとめることだ。
(59・1)
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2. むかし話(初期の旧稿から)いつからでも遅くない
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前回参照 |
医学博士 遠藤 仁郎
84才という元気のよいお爺さんがみえて、まだ生きられるだろうか。どういう養生法をしたらよいか――これはむしろこちらからお伺いしたいことなのだが――ときかれた。
お爺さんの話では、商売をやっていたので若い時はずいぶん道楽をした。ご馳走も食ったし、煙草も酒もよく飲んだ。居つづけでもせんことにはよいおかげも受けられんので、夜通しやることも度々だった。
が、50才頃になって血圧がたかいと注意され、それっきり道楽はやめ、酒も煙草もよした。食事は今でもとてもおいしいが軽く2杯。おさいは野菜ばかりで、なま物をよく食べ、肉や魚は一切やらぬ。
頑丈なつくりで、血色よく、艶々とした顔色はとても80いくつとは見えない。
血圧は220あまりあったが、これはもうかなりながいことだそうだ。「若い時分にゃ飲めるくらいでなけりゃあ」とお爺さんのいわれる通り。
もともと頑健だったればこそ、この年までこの元気で生きられたのでもあろう。
けれど、一旦故障があらわれたと気づくや、翻然としてその生活態度をあらためた強固な意志と、それをあくまで守りぬいた不断の努力こそ、その実あらしめた最大因でなければならぬ。
大いに以て範としなければならぬことがらである。
養生ははやく始めるにこしたことはないであろう。しかし、若いものがいやに年寄くさく振舞うのも味気ない話だ。飲めるときにはのむもよし。あそべる時には遊ぶもよかろう。
ただ度をわきまえ、時を失うな。あやまちを知り誤りとさとったならば、躊躇なく改めさえすればよい、ということをこのお爺さんはおしえてくれる。
お互に健康でいたい、長生きもしたいと願わぬものはなかろうが、果してそれだけの精進がなされているか。「見てもろうたお医者さんは次々に死なれた」というお爺さんの言葉はまことに痛い。
そして84まで生きた今日も、なお新しきをもとめてやまぬ態度には、全く頭が下がるではないか。養生はいつからはじめても決しておそすぎはしない。
今からすぐ、知った時からすぐさま実行しよう。そして、すこしでも多くこのお爺さんにあやかりたいものである。
(25・7)
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次回参照 |
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3. 高齢化時代を豊かに生きる(2)
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前回参照 |
元(365地区)セ・ソウルロータリークラブ会長
金 時必(数え 77歳)
(へ)若い夫婦の大悟。
昔のような大家族制の生活から狭いコンクリートのアパートに移行し、若い夫婦単位の生活といういわゆる核家族化のテンポの早いのには目を見張るようになった。
これが今日の社会の大きな風潮であることは否定出来ない。
たとえ手足が不自由になっても、やっぱり自分の家で、そしてできるなら身近な人に面倒をみてもらって余生を送りたいのが人情である。
やはり私達人間にとって一番幸福な場所は家庭である。
そして困っている場合は、助け合って、お互いが社会に育っていくという姿が何よりの幸いである。従い施設に入っているということと、或いは施設に入れざるを得ないということはやはり悲しいことである。
今の若い夫婦単位の生活者もやがては老人になることであるから、大悟徹底、老人を排斥せず喜んで迎えるべきである。
これが人倫の正道である。科学がいくら発達し、また物質文明がいくら華やかであっても孝は社会生活の基本であることを銘すべきである。この見地から今の若い夫婦の反省を望む。
もっとも若い夫婦が老人と同居する場合でも、老人が健康であるということは有利な条件となる。
最近の報道に依れば、核家族制度が普遍化し、常識化されている米国でさえ、大家族制度への逆風が吹いて、病院又は養老院にて淋しく生活していた老父母を家庭に迎えて、一緒に生活するようになった家庭が増えていると、老父母を社会福祉施設にまかせておくことは間違っているとの新しい義務感が米国人の意識の中に膨大して来た。
若い夫婦単位の核家族も、自身達も老人になったときの立場(環境)を連想して、老父母扶養に対する強い責任と意欲を持つようになった。
老父母扶養家庭が1960年代より約40万家庭が増加していると。この現象は日本の核家族生活者への一大警鐘である。先進国と言われている米国でのこのような新しい生活態度は我等も大いに学ぶべきである。
(つづく)
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次回参照 |
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4. パアキンソン病
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医学博士 遠藤 仁郎
「37才の娘ですが、パアキンソン病といわれ、手がふるえています。青汁はどうですか?」
と父ごらしい人からの電話。
「よいと思います。」
「病院でもらっている薬といっしょに飲んで差支ありませんか?」
「ありません。青汁は不足している食べものを補うもので、薬ではありませんから、少しも差支ありません。」
「これはどういう病気なんですか?」
「脳にフルエをとめる中枢がありますが、そこがいたんでおこる病気です。」
「原因はわからないんですか?」
「ハイ。で、対症療法だけで、根治の方法は今のところありません。しかし、おそらく血がにごっていたり、動脈硬化といった血管の変化があって、その中枢の血のめぐりが悪くなり、はたらきがそこなわれるのが原因ではないでしょうか。
もし、そうだとすれば、動脈硬化もやはり血のにごりから来るものですから、ともかく血をきれいにすればよくなる筈だ、と私はかんがえ、青汁を中心とする食養生をすすめています。」
「今までも1合くらいは飲んでいたのですが・・・・・・」
「それでは少なすぎます。少なくとも一日4〜5合(もとのケール1キロ)以上はほしいと思います。そのうえ、青汁の効力をたかめるために、白米飯をひかえてイモ類を多くし、肉や魚の代りには大豆ものを多く。それにナッパを主とする野・山菜、海藻を十分に。
調理は簡単に、味つけはうすく。菓子・ジュースなど甘いものも出来るだけひかえること。また、食べものはすべてなるべく危険な農薬など生産用薬品や添加物に汚染されていない、安全なものにすること。
こうして、栄養を完全にし、安全にすれば、血はおのずときれいになり、血の流れもよくなり、からだ中のはたらきがよくなります。したがって、フルエの中枢のはたらきも少しづつは回復してくるでしょう。じじつそのようにして、かなりひどかったフルエがおさまった実例もあります。ともかく、熱心にやってみてほしいものです。」
(61・2)
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5. TVゲーム、心にも影響?! 「無気力」や「反抗的」な傾向
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6. 健康で過ごすための10か条
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(ワシントン) American JJournal of Public Health に報告されている調査によると、1040人の医師が挙げた「健康に過ごすための10か条」は次のようなものである。
- たばこをやめる
- 有害物質に対しては防御装具や防御衣類を着用する
- カロリーを取り過ぎない
- バランスのとれた食事をする
- シートベルトを着用する
- 処方箋薬の成分を知る
- 不必要なX線は避ける
- 飽和脂肪の多い食物は避ける
- 酒はほどほどにする
- 葉巻をやめる
葉巻についてはJAMAに報告されている関連の研究で、ミネソタ大学公衆衛生学部の研究者らが、たばこをパイプや葉巻きに変えても心臓あるいは肺の疾患のリスクは低くならないようだ、と述べている。
(Medical Tribune 1986.3.6)
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7. ボケを考える
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8. 便秘バンザイ
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立川市 N.K.
私は野菜ぎらいで、コレステロール値が高く、中性脂肪も多く便秘ぎみで、風邪をひくとセキがひどく、直るまで何か月もかかっていました。
昨年十月から友人のすすめで青汁顆粒を飲んでいます。現在コレステロール値は279とのことで、病院で薬を飲んでいます。風邪は去年はひかず、今年に入ってひきましたが、10日間で直りました。便秘の方は、これは思わずバンザイ!!と云いたくなる程です。ありがとうございました。
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9. 弱いながら
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10. 家族の健康管理に欠かせぬ
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袋井市 K.Y.
40年近いつとめを終えて、只今では、専業主婦として毎日過しております。
家庭に入りましたからには、家族の健康に意をつくすのが第一と考えまして、3年ほど青汁を作り、主人や他の家族に飲んでもらっております。
92才になります老親の健康管理、65才になります夫の健康、息子夫婦、そして私の健康のために野菜ジュースは欠くことのできない大切なものなのです。
しかし、専門的な知識もないままに、野菜を使っておりますので、不安感があります。過日、息子夫婦が本屋さんから「青汁は効く」という先生のご著書を購入してきてくれました。早速拝読させていただき、青汁に自信をもちました。
でも、私の使用しております野菜類が、生でいただくのに適しているか、一度、先生にお教えいただきたいと思いまして。使っておりますものは、パセリ、ニラ、大根の葉、ターサイ、ザーサイ(中国野菜といわれておりますもの)、小松菜、三つ葉、インゲンマメなどでございます。特にターサイやザーサイなどは美しい緑ジュースになりますので、殆んど毎日使用しております。
主人は成人病の検査の折、血圧が高い、糖尿病の境界線上だとか、緑内障だとか、前立腺肥大だとかの結果をいただいてきます。
しかし、野菜ジュースを飲むようになりましてからは、血圧もやや下がりましたし、糖尿のことも言わなくなりました。私も、よく下痢をする方でしたが、正常な便に変わりました。
私の実家の弟が、昨年54才で、夏、脳梗塞で入院したんですが、退院後ずっと野菜ジュースをのませております加減か、今のところ再発もなく一年余りが過ぎ、勤務しております。
このように、効果をみんなが認めてくれるようになりましたので、更に自信をもって続けたいと思っております。
- パセリ、小松菜、三つ葉はよろしい。ニラ、大根の葉はカラいので刺激になります。カラくない程度にして下さい。
ターサイ、ザーサイは、どういうものか存じませんので、何とも申し上げかねます。インゲンマメは葉ですか?マメ、サヤですか?葉なら結構ですが、マメやサヤは不向きです。
ケールに越したものはありません。種子をさし上げますから、これを年中切らさないようつくって、大いに皆さんで飲んで下さい。
(61・12)(遠藤)
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11. 不養生を反省
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宮崎県 A.H.
「52才の男性です。今年の8月人間ドックの検査で、血液γGTP262、LAP294,中性脂肪627。尿検査で蛋白+2、糖+2。血圧157/107、等の結果がでました。
また、4年前、左大腿骨頚部骨折で手術をうけ、癒合しましたが、9月に悪化し、人工骨頭置換の再手術をうけました。現在、自宅療養中ですが、筋力低下や筋肉痛が、まだ回復いたしません。
そのようなことで、食生活の改善を思い立ち書店で手にしたのが先生の「青汁は効く」でした。読みすすむにつれ、過去の不養生が反省させられ、いろいろ勉強になりました。
幸い家庭菜園も少々ありますので、ケールを栽培し青汁を飲用したいと存じます。」
(61・12)
○この書面だけでも、肝臓、腎臓、糖尿、動脈硬化、そして骨や筋肉にも、一口にいって、からだ全体の老化で、かなりガタが来ていることがうかがわれます。
おそらく、ご自分でも気づかれているように、これまでの生活ことに食生活に無理があり、すっかり血がにごっているからにそういありません。
まだお若いんですから、今からでも決しておそくはありません。ともかくうんとナッパを食べ、しっかり青汁をのんで血をきれいにし、若がえらせることが何より大切です。
(遠藤)
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12. タバコ好き
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仙台市 K.O.
悩みが一つあります。息子がタバコ好きで、毎日1箱以上すいます。
ガンになるのではと思うと心配でなりません。顆粒を2袋づつ飲んではいますが。どうしても、タバコだけはやめられない、と申しますので困ってしまいます。
○青汁である程度はタバコの毒も消えますが、二袋くらいではダメ。少なくとも一日5〜10袋は必要でしょう。
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13. げんきで86才
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14. 質問箱 腎炎……
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コラム紹介
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総会前夜所懐
遠近の同志相集い卓を囲んで盃を挙ぐ
君は現在の苦衷を語り
あるべき未来を夢みたまえ
吾は空しかりし過去を恥じつつも
なお余生に若干の潤いを添えんとす
人生再び来らず
春宵の一刻また得がたし
(62・5・15)
自然にそむき遠ざかるほど
厄介な病気がふえる
青年たちが死んでゆくのは、
あたかも多量の水をもって
火炎の力が鎮められるやうなものであり、
之に反して老人らが死んでゆくのは
あたかも自発的になんの無理をも加へらるることなく
燃えつくして火が消えうせるやうなものである
キケロ 老境について
これを思い思いてやまざれば
天これをたすく
古語
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