健康と青汁タイトル小 <1986年10月15日発行 第362号>
 目次




1. アマチョロイことではダメ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「主人(39才)は昨年6月に早期ガンの手術をしました。胃ガンは食生活に問題があるといわれて、先生の“青汁は効く”を読み、青汁スタンドでケールの種子をいただき、9月にまき、10月に移植し、11月よりジュースを飲んでいます。ケールだけでは飲みづらいので、リンゴかミカンをベースにして、人参、セロリ、春菊、ピーマン等をジュースにしています。主人は30才すぎから人間ドックに入り検査をうけておりましたし、全く自覚症がありませんので、信じられぬ思いでした。先生から、あと半年おそかったらといわれた時は、背筋がぞっとしました。
     胃の2/3を切除しましたが、経過は順調で、24日間の入院、1ヵ月あまりの自宅療養で、会社にもどり、いまは元気に働いております。結婚して12年になりますが、主人の実家では野菜をつくり、よく食べ、主人も肉・魚よりは豆・芋類が好きですが、結婚後は野菜が少なかったようです。なにかアドバイスいただければと思いまして……」
     という東京の主婦の方からの手紙。
     青汁、まことに結構です。しかし、そんなアマチョロイやり方ではダメ。
     果物やナッパ以外の野菜がはいると、それだけうすめられます。リンゴやニンジンと一緒にジュースにするとビタミンCがこわれます。また、これら市販のくだものや野菜には農薬のかかっていないものはありません。それもマイナスです。
     ぜひケール一本の純粋の青汁にしてください。
     もっとも、それだけ大量の材料が必要です。東京での栽培は大変だし、とても十分のことはできません。ご主人の実家にたのんでうんとつくっておもらいなさい。ほかの野菜とちがい、ケールは日もちしますから、かなりの所から送ることができます(現にここ岡山から東京へおくっています)そして毎日少なくとも4合(もとのケール1キロ)以上のんで下さい。もっと多ければなおよろしい)。
     早期ガンは手術で完全に治るとはいわれていますし、何の自覚症もなく、元気に働いていられるのですから、おそらくご主人も、そんな必要はないといわれるかも知れません。しかし、油断は禁物です。それは、ガンが出たということ、それ自体、ただごとではないからです。そういう(ガンになりやすい)からだになっていたそのもとは、日常生活のあやまり、ことに食のまちがいが大いに関係しています(生れつき遺伝関係ということもないではありませんが)。
     これまでの食生活のあやまりのために血がにごり、健康力・生命力がよわめられ、発ガンに抵抗できなくなっていたわけですから、たとえ手術がうまく行き、その後の経過はよいようでも、いぜんと同じ条件がいづくかぎり、いつまた頭をもたげて来ないがものでもありません。
     おそろしいことです。
     ともかく、まず、食のまちがいをあらため、血をきれいにして、抵抗力をもり上げるようつとめなければなりません。
     実家では野菜が主だったそうですし、ご主人は肉や魚よりは豆や芋がお好きだとのことですから、結婚後いちばん不足していたのは野菜とくに良質ナッパ類だったのでしょう。
     そこで、カロリー・蛋白質は十分だが、それらが体内でうまく始末されるために必要なミネラル・ビタミンが不足し、血がにごり、知らず知らずのあいだに抵抗力がよわっていた。そこへ発ガン物(空気にも水にも食べものにもいっぱいある)がはたらいて、ついに発病するにいたった、とかんがえるべきでしょう。
     ですから、再発を防ぐためには、もっとも不足していたナッパを十分補って、栄養のバランスをとり、血をきれいにすべきです。しかも、このナッパにはガンを予防するといわれているミネラルやビタミンA・C・Eもすべてそろっています。
     その、もっとも効果的な利用法が青汁ですが、その4合というのは純粋の青汁のことで、くだものや、ナッパ以外の野菜がはいれば、飲みよくはなるでしょうが、同じ4合でもネウチは大ちがいです。
     ミキサーでつくるばあいも同じで、水がはいるだけうすめられますから、同じ4合でも、純粋のものに比べ、ずっと内容は少なくなっています。これでは、とても、十分の効果はのぞめません。そんなアマチョロイことではダメだ、といったのはこのことです。
     味は悪くても純粋のもの。それだけ量が少なくてすみ、かえって飲みよいわけです。
     青汁は、決してジュースやコーラなどのような嗜好飲料ではありません。
     味わうためのものではなくて、健康のため、病気を防ぐためのもの。したがって、いのちをかけて飲むべきものです。飲みづらいことは確かですが、多少の味なおしをすれば、飲めなくはないし、すぐになれます。
     大切な生命をまもるためにはアマエは禁物です。
     まだお若いのです。ながい人生のために、真剣にとり組まれるよう、お祈りします。
    (60・3)



2. 脂肪肝

     「脂肪肝で入院しています。肝臓には青汁がよいそうですが、どうでしょうか?」
     「よいと思います。脂肪肝にもいろいろ原因があるようですが、何か特別な病気でも?」
     「いや、なにも。」
     「じゃあ、お酒ですか?」
     「あまり飲みません。」
     「甘いもので?」
     「かも知れません。好物で、よく食べます。」
     「肥っていますか?」
     「175センチで85キロ。」
     「相当なもんですナア。」
     「……」
     「ふとっているだけでも脂肪はたまりますが、それだけだと“脂肪化”といって“脂肪肝”とはいいません。つまり、脂肪肝となると、やはり肝臓になにがしか“コト”があるとかんがえなければなりません。そして、ながくつづいていると肝硬変になる可能性もないではありませんから、この際、十分に治されることですよ。それには、すべての食品をできるだけ安全なものにすることと、青汁をしっかり飲むことですが、それだけではダメ。
     まず、だいいちは痩せること。理想的には、標準体重からもう1割方少ないくらい、50〜60キロの境い目まで。食全体をへらすこと。とくに糖分。菓子やジュース類には、添加物の害も加わります。そして、つとめて運動すること。」
     「青汁はどれくらい?」
     「少なくとも一日4〜5合、もとのナッパ1キロ以上。多いほどよろしい。
     目的は、不足がちなミネラル・ビタミンを十分に補うことですから、ほかの食べものもなるべくミネラル・ビタミンの多いものにする。
     たとえば、主食には白米よりは玄米、麦、雑穀(玄穀の粉食)、イモ類。
     蛋白食品では、切り身の肉や魚より小魚、大豆を多くし、それに、ナッパを主とする野・山菜・海藻などを十分そえること。
     調理は簡単に、味はうすく。それをよくかんで食べることですが、最初に青汁、次に野菜類を食べ、主食や蛋白食品はその後で箸をつけるようにすること。そうすると、相当満腹しても、比較的減食になっているので、痩せるのに都合がよろしい。
     肝腎なことは、これを熱心につづけることです。しかし、なんしろ食べもののこと。しかも、あまりうまくないものばかりなので、その実行にはかなりの抵抗がありましょうし、それをつづけるには努力を要します。
     けれども、時期を失してはなりません。大したことのまだおこっていない今こそ適期。さきで後悔しないよう、真剣にとり組んでほしいものです。」

    (60・12)


3. 見逃されている低体温症 高齢者の悪寒反応障害に注意

     (ニューヨーク)今年の冬、米国では穏やかな気温のところが多かったが、それでも高齢者は低体温症になるリスクが少なくなかった。
     もっとも、寒さのためにどれだけの人命が失われたか数字は出ていないし、最終的に正確な統計が得られるかどうか疑わしい、と専門家たちはいう。
     寒気のストレスによる冬季の死亡(その80%は65歳以上の人たちに起こる)が3万5000例に達するには何年もかかったが、この数は低めのものだという。

    “危険”が大きく
     荒野の探検家、高い山の登山家として知られている W.Moulton Avery氏は「偶発的な低体温症が冬季、老齢者にとって危険であることは20年以上前から認識されているが、この問題は最近著しく大きなものになった」という。
     専門家たちが予防可能だと感じている状態による死亡の増加を抑えるため、医師や薬剤師が低体温症を認識する方法を学び、体を暖かく保つ力に悪影響を与える薬物について患者に警告するよう強調している。
     高齢者に低体温症を生じやすくする主要な原因の一つは、寒さに対する悪寒反応に障害があることだ、という。身体が、外部に失われていく熱のペースにうまく合わせられないと、次第に見当識を失い、錯乱し、運動失調を生じ、やがては心停止が起こる。

    ある種の薬剤が一因に
     ある種の薬剤は、低体温症を起こしやすくすることがある。最もよく知られているのはphenothiazine。
     また、chlorpromazineの影響が顕著なのは、悪寒を抑制するからである。
     Amitriptylineその他の三環系抗うつ薬、心血管系薬剤、それに特にアルコールも高齢者では注意が必要だという。

    (Medical Tribune 86.4.10)


4. ケンペル日本紀行

     日本人はよく勤勉し、またよく艱難に習へり。
     鮮少を得て足れりとし、賎者は諸草、諸根、海草を以て生を養へり。
     裸頭跣足にて歩行し、水を以て常の飲とし、襯衣を着することなし。
     頭を置くに柔かなる長枕なく、平面に寝て長枕の代りに
     木の小片または木箱の中微く窪める上にその頭を置き、
     またよく終夜眠ること少くして、あらゆる艱難に堪ふ

    (元禄初年に来航したドイツ医師)


5. 私の食事

     医学博士 遠藤 仁郎 

     ひとのあまりやらないことをいったり書いたりするものだから、それじゃあおまえは一体どういう風にやっているのか。実際のところが知りたい。献立でもあったらおしえてほしい、とよくいわれる。
     そのたびに私はドギマギしてしまう。というのは、私のいっていることは原則であって、実際にこれこれでなければならぬという、きまったものはなく、まして、献立などという七面倒くさいものは何もない。
     ただ、ナッパさえ十分に食べ、なるべく安全なものをとるよう心がけていれば、それでいいんだ、というまことにズボラなものだからだ。
     つまり、ナッパさえ十分ならば、もちろん量しだいだが、何を食べてもバランスがとれ、完全な食事にすることができるから、あとはせいぜい安全なものをとるようにしていればよい、というのだ。
     なお、安全なものの殆んどない現在の食糧事情下では、どんなに気をつけても、完全に安全な食べものにすることは、まず不可能だ。しかし、ナッパには、ある程度それらの毒を消す力があるようだから、その意味からも、ともかくうんと、むしろ多すぎるくらい食べるべきだ、とかんがえられる。
     こういったかんがえから出発している食べ方だから、あまり参考にはならないかも知れないが、ともかく、私の食事のあらましを書いてみよう。

    ナッパの分量
     だいたい4〜500gのナッパで釣り合いのとれるような食事にして、実際には1キロ以上(1キロ2〜300g)のナッパを食べるようにしている。つまり、カロリーにたいし、それをはるかにオーバーするミネラル・ビタミンということで、ミネラル・ビタミンはうんと余裕をもたしている。
     この超過分(すなわちナッパの貯金)が不時の需要をみたしてくれるだろうと期待しているわけだ。
     このナッパの大部分、700〜800〜1000gは青汁にしてのみ(約3〜4合)、残り2〜300gは適宜調理して食べる。さらに、ナッパ・青汁の効をたすける意味で、ほかの食べもの(主食品・蛋白食品)も、なるべくミネラル・ビタミンにとんでいるもの。すなわち、主食にはイモ、蛋白食品には大豆ものを多くし、それにナッパを主とする野・山菜、海藻を十分そえる(イモ・マメ・ナッパ食)。
     調理はなるべく簡単に。味つけはうすく。それをよくかんで食べる。
     これが、私の食事の大すじの原則になっている。

    主食
     もっとも多く食べるのはイモ類、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ヤマノイモなど。
     次に全穀パン(懇意なお菓子屋さんで焼いている無添加グラハムパン)めん類。雑穀、ソバ、キビ(全粒粉)。


     主に玄米、時に白米。なるべく控え目にし、それも芋・豆・野菜など混炊することが多い。
     これらをどのように食べるかは全くデタラメ、食べられるものを食べる。
     サツマ、ジャガ、サト芋は自給しているので、サツマイモがとれだせば毎日サツマイモ、ジャガイモの時はジャガイモ、サトイモの時はサトイモばかり。イモではないが、カボチャの時期には、これも飯代りになる。ソバ、キビはある時だけ。パン、めん類、米飯も適宜、気のむいた時。どういう割合になるか。くわしく記録していないので、はっきりしたことはわからないが、週21食のうち10食内外がイモ。残り10食のうち6〜7食がパン、3〜4食が米飯といったところだろうか。

    蛋白食品

      獣肉
       牛・豚肉は宴会のばあい以外食べない。鶏肉もほんのたまさか。魚も高級魚や刺身など殆んど食べず、イワシ、サンマ、イカナゴ、ワカサギなど小魚が主で、せいぜいサバ。週3〜4回程度。

       なるべく有精卵。
      牛乳
       いぜんはよく飲んだが最近は殆んど飲まない。
      大豆
       キナコ、納豆はよく食べる。豆腐はたまに(純粋のものがないので)。豆乳も市販のものは買ったことがない。

    ゴマ
     よく食べる。毎朝のイモナ汁に50gくらい入れて。

    野菜類
     緑の濃いナッパ類、ケール、ミズナ、コマツナ、大根、蕪の葉。夏にはシソ葉、バイアム、エンサイ、サツマイモの葉、食用アオイの葉。年中食べられるようにつくっているが端境期には、たとえば春さきだとヨモギ、ヨメナ、ハコベ、ノカンゾウ、夏枯れ時にはスベリヒユといった雑草もよく利用する。

    海藻
     ワカメ、コンブ、アラメなど。いずれも、やはり出鱈目に、あるもの、食べられるものを適宜に食べる。

    調味料
     甘味には粗糖。味噌、醤油、酢、なるべく安全なものにするよう心がけている。

    ダシ
     コジャコ、カツオ、コンブ、シイタケ。


     主に植物油、パンにはバター。サラダ用にはキナコ、すりゴマなど。

    食事時間
     きまっていないが大体、朝食 夏6〜7時、冬8〜9時。昼食 夏12時、冬1〜2時。夕食 夏7時、冬5〜6時ごろ。夜食はしない。

    朝食
     いぜんはナッパや雑草木の葉のグリーンサラダを毎日食べた。
     が、いまはイモナ汁。汁とはいうが、実の多い、というより、実ばかりの汁。
     イモとナッパほぼ同量をコジャコの出しでたいたもの。
     卵、納豆、キナコ、ゴマなど入れる。味つけなしでも食べられるが、味噌を少しそえるとおいしく食べられる。
     このナッパ、年中のことだから、季節季節のものなんでも入れ、無ければ雑草木の葉もつかう。
     それに主食としてパン、米飯などの少量。

    昼食
     イモ、パン、飯適当量に、魚や野菜の煮物。残っていれば朝のイモナ汁も。

    夕食
     ほとんど同じ。

    食べる順序
     初めに青汁。次に野菜類のオカズ。その後から主食・蛋白食品。

    咀嚼
     それらをよくかんで食べる。若いころ胃下垂で悩み、よくかむことをおしえられ、それでよくなって以来、ずっとよくかむクセがついた。そのため、かたいものをかみしめて、大切な奥歯をかみ破ったことが何度かある。それほどよくかむ。1回の所要時間だいたい30分。

    食べる分量
     腹八分といわれ、次の食事までに腹のすくように、といわれているが、さほど気にもとめず、食べられるだけ食べており、時にはかなり食べすぎたと思うこともある。
     だが、野菜ばかりみたいなオカズが多いので、実際にはあまり食べすぎにはなっていないらしく、体重はいつも同じ。徴兵検査の時から殆んど変らず52〜3キロ(身長169センチ)あたりを上下している。

    間食
     なるべくしないことにはしているが、主にクダモノ。
     好物なので、いぜんはずいぶんメチャ食いをやったが、いまは、安全なものがないので、お上品に少しだけにするよう心がけている。

    菓子
     昔はよく食べた。現役のころは、おいしい菓子をよくもらい、始末にこまって風呂たきにしたこともある。それが評判になって、あまりもらわなくなった。
     それに、今は、そう食べたいとは思わなくなっており、せいぜい甘味の少ないカンパンやクラッカーなどにしている。しかしあれば、つい手が出る。干柿・干ブドウまた同様。

    ジュース類、コーラなど
     飲まない。

    コーヒー・紅茶
     いぜんはよく飲んだ。いまは宴会などの時だけ。
     砂糖は軽く一杯入れ、かきまぜないで飲む。
     最後の一口がとてもうまい。しかし、めったに飲まないので、うっかりすると夜眠れなくなるので、午後ことに夕方ちかくからは飲まないことにしている。
     上茶また同じ。

    番茶
     いぜんは主に番茶にしていたが、これも農薬汚染がいやで、今では飲まない。日ごろは自家栽培のカワラケツメイやアルファルファなどの草茶にしている。ちょっと焙じると結構おいしい。来客にも割と評判がいい。


     いぜんはよく飲んだ。きつい洋酒で足をとられたこともあり、夜通し飲み明したようなこともあった。今はビール1〜2杯程度。それも、宴会の時だけで晩酌はやらない。

    外食
     めったに外食することはない。招宴の時など、よく“先生はお食事がむつかしいと聞いていますが”とことわられるが。“いや何でもいただきます。毒のあるものでも結構です。十分毒消しの貯金がしておりますから”と、出されたものは何でも食べる。分量には気をつけているが。旅行にはいつも乾燥青汁を携行し、十分にのむようにしている。

     以上が私の食事のあらましで、ふつうとちがうところは、ただ、ナッパをうんと食べ青汁をのむということだけ。あとは、少しもちがっていはいない。
     それは、ナッパさえ十分いとっていれば、時たまハメをはずしても、結構埋めあわせがつき、帳消しできると確信しており、したがって、毎日の食事には少しも窮屈さや不自由さを感じることもない(融通無碍)わけで、この、きまったむつかしい規則めいたもののないのが、規則といえば規則かも知れない。
     もっとも、これでいつまでもつか、さきのことはわからないが少なくとも今までのところ、別にこれという大したさしさわりはなかったから、これでよいのではないかと思っている。
    (60・12)


6. 頸骨軟骨症

     医学博士 遠藤 仁郎 

     この7月末、神戸の青汁教室で、50前後のご婦人から、頚骨軟骨症の痛みが青汁でよくなった、という報告があった。聞きなれない病名なのでしらべてみた。

    頚骨軟骨症
     くわしくは頚部脊椎軟骨症。本態は、頚部脊椎骨の変形性脊椎症で、病変が椎骨と椎間軟骨の両方にまたがっているので骨・軟骨症という名が出たもの。変形性脊椎炎ともいわれているが、病変は炎症ではなくて、消耗性、退行変性が主。
     ある程度年令的の変化で年とともに進行する。つまり、老化現象によるもの。頚部・腕部や、脊部の痛みを原因する。
     痛みの特長は、朝おきたて痛くて動きづらいが、動いているうちに楽になり、夕方疲れてくると、またあらわれる。ぬくめたり、マッサージでよくなる。
     コルセットなどで安静にしても鎮まるが、あまり動かないでいると、かえってよくない。この痛みは、椎骨の変形で神経が刺激されるためではなく、どのようにしておこるのか、はっきりしたことはわかっていない、
     ということだ。
     どうやら老人性の脚・腰の痛み同様、筋肉性のもの、つまり、血行不全のための筋肉のコワバリが原因のような気がする(本紙353(61年1月)号、「老人の脚腰のいたみ」参照)。
     しかも、脊椎骨や軟骨の変化にしても、筋肉のコワバリにしても、結局は血のにごりによる。それは食べもののまちがい(精製穀、肉魚の切り身、糖、脂などご馳走の食べすぎ)によるわけだし、青汁がよいのは、それによって、骨や軟骨の病変が、そう簡単になおる筈がないから、やはり、血がきれいになり、血の流れがよくなることで、筋肉のコワバリがやわらげられるためであり、あたためたり、軽い運動やマッサージのよいのも、血のめぐりがよくなるからであろう。
     だから、痛みをしずめるためにも、病変の進行を防ぐためにも、青汁中心の正しい食事にあらため、つとめて運動することが大切であろう。
    (60・8)


7. むかし話(初期の旧稿から)

     医学博士 遠藤 仁郎 

     これは、さきの大戦さ中の昭和19年の秋、当時つとめていた大阪女子医専の学生にしゃべったもの。全くのむかし話だが、こどもの保健についての私のかんがえは少しも変っていない。

    (遠藤)

    疎開児童の保健指導(1)
     聞く所によると、あるいは諸君が疎開児童の冬季の保健指導に行くかも知れぬということである。これに就いて少しく感じている所を述べて参考に供したい。
     かねがねこんな悪口をついている。
     「医者に相談すると医者の悦ぶようなものにしかならない。」
     兎角医者のやることは消極的すぎる。
     元来、医学の理想は無病長寿の天国の創造にあるのであるが、従来は主として治療の面のみに限られたかの観があり、相手が病人であったため、医者の知識は病弱者を規準とされており、従って医学そのものが多分の消極性をもっていた上に医療を業とする者として次第に控目になるのは無理からぬ保身法でもあるのである。

     あまり物を識らず経験も浅い成りたての医者は、盲蛇におじずの譬の通り、仲々勇敢であるが、長い間に色々と苦しいにがい経験を重ねるにしたがい、次第に慎重退嬰的となるのが常である。
     そして、保健指導、すなわち養生法さえもその手で行くもんだから、それを金科玉条と心得て遵奉すると、飛んでもない結果となり、いつまで経っても医者の手から離れることの出来ない脾弱い身体になってしまう。
     小児の養育の場合に特によくみられることで、田舎の老人でもいる家で、温順しい嫁御は兎も角、なまじっか学問した鼻息の荒いのや、いたずらに毛唐かぶれした連中の子供に屡々みられる所である。

     彼等物識り連の奉ずる衛生は、婦人雑誌や所謂文化叢書の妊娠育児の巻であって、その多くが今の控目医学に生れた、しかも経験の浅い新知識であるからたまったものでない。
     昔流に腹をしっかり縛って粗食し、運動は大いにやって、小さくても堅く強くそだて、楽々と安産すればよいものを、妊娠した、医者にかけろ。動いちゃいけない。ご馳走を食え。腹帯は緩うしろ、まるで病人扱いする。
     だから、胎児は伸び放題に大きくなる。さあ、そこで、お産となると、また大変。子供は大きい。伸び切った子宮で、筋肉は衰えており、陣痛は弱い。やれ難産、やれ産褥と、大騒ぎになる。
     こう苦労して産んだ児をどう育てるかというと、また非道い、せっかく出ようとする母乳を止めて―吸わさんもんだから、用事はないのかと、乳房の方で仕事をやめてしまう―牛乳にし、煉乳にし、粉乳を与えて、わざわざ大きく産んだ児を小さく弱くそだてるという有様である。

     元来、子供が生れ育つということは、人類の生存する以上、極めて自然のことで、何もむつかしいことではない。若し、今のように、妊娠やお産で苦しまねばならなかったり、育児がむつかしいものであったら、とっくの昔に人類は亡んでいた筈である。
     妊娠や分娩は自然の生理的現象であって、決して病気ではない。子供のそだつのもまた同様、あたりまえのことである。
     それに、産科医者が必要であったり、そだて方がわからぬというのは、その事自体がすでにおかしなことである。
     甚しきに至っては、痛むのは厭。そだてるのは大儀と、無痛分娩の、育児院の、とほざき出す。

     それ程まで嫌なものなら一層のこと、初めから子供をつくろうなどと考えぬ方が余っ程ましだ。田舎のお百姓の女房衆をみるがいい。妊娠したとも言わねば、お産とも言わぬ。平素の通り働いて楽々と産み落し、またすぐに働きに出て何ともありゃしない。これが本当に自然なのだ。当りまえなんだ。
     子供のそだて方についても彼等は何も知らぬ。知る必要もない。乳は呑むだけのませるから赤坊は腹の空くまではすやすやねむっている。乳の時間とも分量とも言いはしない。それで丸々と肥って病気もせぬ。
     母性愛護も育児指導もあったものじゃない。妊婦は休養させなきゃいけない。産婦を大切にしろ。乳児の栄養をどうのこうのと言ふ。まことに結構なことかも知れない。しかし、何故そんなことを喧しく言わねばならないのか。あるいは言わねばならなくなったのか。

     その由来に就いて、一体、真剣に考えられているだろうか。確かにかかる事がらが必要になっていることは認めねばならない。それと同時に、その由来に関する検討また決してゆるがせにすべきではあるまい。出て来た結果だけを捉えて騒ぐよりも、その淵源に溯ってこれを塞ぐべきではないか。その由来する所、それは、結局、控目指導にあるのだ。それに禍いされた結果に他ならん。
     間違った指導で病人をこさえていると言われても致し方がない。婦人科の言うことをきくから婦人科と縁が切れん。小児科医者に相談したら小児科医者の悦ぶような子供にしかなりはせぬ。内科でも同様だが、今日は小児が対象だから、悪口はこれ位にしておく。

    学童の保健指導
     さて、本論の学童の保健指導だが、保健ということは実に現下の最も重大課題である。児童は次の時代を担う国の宝。その体力はすなわち次の時代の日本の国力である。それを預る諸君の責任は真に重い。諸君の指導が国を動かす。衰えるか栄えるかは諸君の指導の如何にある。
     元来、保健法は――治病でも同様だが――その骨子となるものは庇護と鍛錬との巧な組合せにある。治病法も健康法も結局は原則的に異ったことではない。
     この意味で、健康法を心得ぬ医者には真の治療は出来ないし、治病法に応用できぬ健康法は真の健康法とは言えない。ただ、医療は消極的なところが多く、健康法は積極的な面が多いだけの違いである。
     これさえ会得しておれば決して保健指導に誤ることはない。

    己を知り彼を知る
     勿論、強い児もあれば弱い児もある。まずこれを知らねばならぬ。孫子の兵法に「己を知り彼れ知れは百戦殆うからず」という言葉がある。
     まことに至言である。もともと医療あるいは健康法はともに兵法と同じものである。
     兵法は国家の敵に対するものであるし、医療、健康法は人体の敵に対するものである。
     だから、兵法の教えは直ちにこれを人体にあてはめることが出来る。己を知るは自分の――ここでは児童各自の心身の状況を知ること。
     彼を知るは環境・気候・風土・病原体等旧方の所謂外邪、あるいは鍛錬・休養・食養・精神的刺激等(旧方の内傷)に関する知識であって、これさえ心得ておれば如何なる児童、如何なる状況に対しても少しも驚くことはない。
     どしどしこれに対応する方策が生れ、これに処する健康法が講じられる筈で、正に百戦殆うからずである。

    健康法・強健法
     健康法・強健法としては特別の奇方霊術があるわけではない。要するに上述の外邪・内傷と同一のつまり、量が過ぎれば害となる如き諸多刺戟を、その個体の忍容度の範囲内に応用し、これに慣熟せしめ、如何なる刺戟に対しても抵抗し得る状態をかちとることである。
     健康とはあらゆる刺戟に無反応となることである。

    寒さにきたえる
     これから寒さに向う。よい鍛錬の時である。紀行・天候に左右されないことは健康の第一要件である。殊に寒さに鍛えること。寒稽古の有益なことは昔からよく知られている。子供は風の子。出来るだけ戸外に出し寒風にさらし、日光に当らせるがいい。
     「マスク」など以ての外だ。病人は止むを得ぬが、その他は多人数集合する場所、または病人に接する時のみに用うべきで、外気の中で鼻を覆う程馬鹿気たことはない。

    疎開先の家
     暖房の事が今問題になっているようだが、これまた実に馬鹿気た話である。今こそ都会の脾弱い根性をたたき直す時だ。家はあばら家ほど結構。大人の、しかも都会暮しの変性した半老人の感覚から子供を律すること程不自然不合理なことはない。現に電車に乗ってみるがいい。都会の児でもすぐ窓をあけたがる。閉めるのは大人に決っている。それも老人なら我慢も出来るが、いい若い衆が寒がる。情無いことの限りだ。この頭で子供を考えてはいけない。生理的にも彼等は血が多いし、血行器は健全だ。五体は暖い。あばら家でふるえていれば決して風邪は引くものじゃない。
     T抹のヒントへーデは、「結核になりたくなければ隙間だらけの家に住め」と言うている。あの北の国でさえもこうだ。いくら寒いといっても日本はまだ暖い。これ位の冬の寒さにめげるような子供にとても次の時代を担えはしない。寒ければ走ればよい。今学童たちは毎朝半裸体で走っている。あれでよいのだ。暖房なんて要るものか。

    衣類
     衣類またなるべく薄衣たるべきこと。もっとも腹部は常に温暖ならしむべきで、殊に上級女児では上腿部をも覆い温保すべきである。

    冷水摩擦、冷水鼻飲
     朝起きたら冷水摩擦をやる。始めは乾布でよい。そして冷水鼻飲をやらせる。鼻から冷水を吸い込む。それで鼻風邪を引かなくなる。

    扁桃腺マッサージ
     扁桃腺の弱い児には、矢張り洗面時に、扁桃腺の指按(マッサージ)をやらせる。ゲーゲー云うだろう。これは同時に胃の鍛錬になる。これ程よい胃の健康法はない。胃の自働運動は嘔吐運動だけだ。これを毎日励行すればいい加減な胃病は治ってしまう。大体、扁桃腺の大きいような児は胃腸も弱いものが多い。是非これをやらせたい。

    歯みがき
     歯を磨くことは、今ではやらねばならぬことの如く考えられているようだが、これは再考の余地がある。少なくとも、磨粉の必要はない。固い刷子でゴシゴシやるだけでよろしい。つけるなら塩だ。粉はいたずらに歯を磨滅せしめるのみ。殊に、殺菌作用ある高価剤配合の磨粉などは全く無用の長物である。大体、健康な口腔内には殺菌力がある。少々の傷は舐っておけば薬をつけたよりもよく治るものだ。殺菌剤の必要はない。また食養の合理化さえ出来れば口中は常に爽かで刷子使用の要さえなくなる。

    歯の鍛錬
     昔の人は歯の健康法として歯を叩くということをやっている。これの方が余程気が利いている。歯を叩くとは歯をかみ合わすことであるが、文字通りに外から叩いてもよい。また固い食物を噛む。煎豆・勝栗を食い、昆布・鯣をしがむ等はまことによい歯の強健法である。昔の歯固めはこれである。口腔の健康法として含嗽が行われるが結構なことである。冷水がよい。硼酸水・過酸化水素水・塩剥水・「カメレオン」水などが好まれるが、その要はない。水でたより無いなら番茶でよい。味よし効果も馬鹿にならぬ。

    髪すき
     「髪は多く櫛けずるによし」と言われている。女児の頭髪は毎日すき櫛をかけることだ。怠ってはならぬ。髪の成長、頭部の清潔、殊に集団生活で最も困る問題の一つである虱の駆除・予防には、これほどいい方法はない。

    入浴
     疲労恢復、身体清潔のため大切であるが、燃料並に石鹸不足の折柄、つとめて摩擦による清潔をはかるべきであろう。

    便通
     便所設備の関係等から不規則乃至不充分排泄に傾くおそれがある。一日一行快通の習慣をつけること。

    運動
     子供たちは元気がよい。動きたがる。あばれたがる。大いに野外をかけずりまわらすことだ。上級児童には然るべき勤労作業を課す。ただ度を過せば必ず害がある。ことに運動・勤労に不慣れの都会児童ではその点に慎重注意を払い、漸次慣熟せしめること。過労は厳にさけねばならぬ。なお運動の偏倚を除くため体操を励行すべきで、起床後・食前・就寝前などに軽く行わせる。

    睡眠
     睡眠は充分なること。充分の標準は児童によって異る。大体虚弱児には長いのが為である。寝室は能うれば開放する。通風をよくし併せて寒冷気に対する鍛錬法である。腹部をよく包むは勿論、肩を冷さぬこと。
    (つづく)

次回参照

8. ケールの調子が悪い

    瀬戸市 K.I. 

     はじめ娘が種子をお願いしてから、もう十何年。ずっと栽培しつづけ、皆さまにもおすすめして、よろこんでいただいています。家では、おかげさまで、これという病気もせずなので、あまりいつもは飲んでおりませんが、今年からは、転ばぬ先の杖と、娘とともに、いっぱい育てていっぱい飲みたいと思っております。
     一昨年でしたか、名古屋のビューテーさんで、思いかけず先生にお目にかかれて、本当に嬉しうございました。毎月の「健康と青汁」を楽しみに読ませていただき、先生にあやかって元気に年をとりたいと思っております。
     同じ場所で、同じ種子でつくったためか、原因はよく分らないのですが、去年の夏から、どうも調子が悪く(成育)、秋にまいた苗には、葉脈の赤いのが多いのですが、何か原因がわかりますでしょうか。また、使っても心配はないでしょうか。それと、野鳥が多くなって食べられるのか、虫とも思われないのに、新芽からなくなってしまいます。
     何かいい工夫でもあればお教えいただきたいのですが・・・・・・・・・。

    (61・3)

    1. 成育が悪くなったのは“土”がやせてきたためでしょう。しっかり堆肥を入れて、よく耕してみて下さい。
    2. 葉脈の赤くなったのも同じと思います。つかって少しも差支はありません。
    3. 野鳥が荒しているんでしょう。ずいぶんひどくやられます。農協に防鳥網というカスミ網がありますから、ためしてみてください。こわがって寄りつかなくなります。


9. スリランカ便り

     山田 守之亮 

     当地園芸家の努力により、ケール無農薬の葉がやっと育ち、ウチワ大の葉が毎日手に入るようになりました。
     大変やわらかく、ジクにいたるまで使えて、材料の無駄がほとんどありません。
     今まで育たなかったのは水はけが悪かったのと、堆肥不足が原因だった、と思います。
     私の健康には大変適当して、喘息、ジンマシンはほとんどおこらず、最高の転地療養先になっています。

    (86・8)


10. 高蛋白食は母乳の“敵”? 内分泌にストレス

     日本女性の母乳分泌能力が低下しているのは、多種類のたん白質を食べすぎる食生活の変化が原因ではないか―共立女子大家政学部の泉谷希光教授らのグループがユニークな視点での研究を展開しています。
     南米や北米の女性に比べると、日本女性の母乳分泌能力は約4分の1ですが、この差には食生活が大きく影響しているという分析。母乳分泌抑制因子の解明に、栄養生態学からアプローチしたものとして、注目を集めています。
     この研究の発端は「過去30年間に日本の母乳哺育率が90%から30%へ、極端に低下したこと」でした。
     最近の厚生省調査では出産後3週間の母乳哺育率が全国平均で34%。
     さらに、同教授らが東京、山梨、山形などの母親1800人を調査した結果では、出産3ヵ月後の時点で哺育率は20%を割っています。しかも「約70%の人は母乳保育を望みながら分泌が十分でなく、実際には断念している」のが実情とか。
     各国との比較は1976年から79年にかけて米国・西海岸、南米のメキシコとグアテマラで行いましたが、ロサンゼルスで70%、グアテマラ、メキシコは100%近い数字が出て、実に日本女性の分泌能力の4〜5倍という結果に―。
     この差はどうして生まれるのか―同教授らは徹底的に食生活を分析しました。その結果、多種類のたん白質を食べるほど分泌率が低下するという関連が浮び上がりました。

     細かく調べると、日本女性(東京)は産後3日間で約50種の食品を食べるのに対し、米国(ロサンゼルス)では30種、年米のグアテマラでは20種。特に、6000年来の食生活が続いているメキシコ中央部のインディオの村では2300人の母親を対象にしましたが、3日間の摂取食品数は約10種。それなのに母乳分泌に異常があったのは一人だけ。
     90%以上の母親が12ヵ月間母乳で育てており、哺育期間の平均は18ヵ月(1年半)。食べ物はトウモロコシと豆が主ですが、日本のように3ヵ月もすれば母乳が止まるというのは皆無でした」  
     と泉谷教授。
     同時に興味深かったのは、再生産(出産)能力の高さです。40歳以上の男女501人対象の調査では、子供なしと答えたのは2人。「(不妊率は)日本では10%を超えるといわれるから、これにもびっくりしました」。
     母乳分泌能力の低下には各種ストレスが影響するというのが医学界の“常識”ですが、泉谷教授は「植物性たん白質を中心とした食生活に適応していた母親が妊娠を機に“栄養をつけなくては”と急に高たん白中心の食生活に変えることで、内分泌系に何らかのストレスを与えるのではないか」と分析。
     急激に変わりすぎた食環境が母乳分泌能力はもとより、再生産能力についても影響を及ぼしているのでは…と問題提起しています。

    「おっぱいつうしん」を発行、
    母乳を勧めている京都の江口ミリアムさんの話

     母乳分泌と食べ物の関係は研究され始めたばかりで、玄米食や自然食を勧める動きも出ています。私たちは一応、過食しないこと、食べたいものを食べたい時にとアドバイスしています。母乳分泌を促進するのは何より本人の意思とリラックスした暮らしぶりですので、食についても栄養をつけなくちゃあ…といった構えを捨て、リラックスするのが大切なようですね。

    (60・10・4 サンケイ)



11. 橋本病好調

    神戸市 H.K. 

     3番目の子供を出産し、引越し、年末の雑用、と忙しい毎日がつづいたある日、病院で橋本病(甲状腺ホルモン低下症)と診断されました。
     この病気の自覚症状は、全身の倦怠感、頭痛、イライラ、冬の寒さを異常に感ずるなど、いろいろあるらしいのですが、私自身、自覚症状は全くなく、首すじのはれでこの病気がわかったのです。
     (この病気と診断される5年くらい前から青汁を毎日2合欠かさず飲んでおりました)精密検査の結果、指数が異常に高く、よりくわしい検査の為2週間の入院が必要との事で、即日入院しました。その後、1年間程ホルモン剤を飲みつづけましたが、大変まれなケースで、薬を必要としなくなり、3年前から6ヶ月に一度検査はうけておりますが、薬は全然飲んでおりません。
     体調もよく、毎日快調な日々をすごしております。青汁の中に甲状腺ホルモンの分泌をおさえる働きがあるなどといわれていますが、私の場合、そのことより、青汁を飲みつづける事により、栄養のバランスがとれ、体調がよくなる事で、マイナスの面は十分カバーされていると思います。今後共しっかりと青汁を飲みつづけようと思っております。



12. 美肌、低血圧、アイクチ(口角炎)

    岡山市 T.K. 

     最近青汁に関する話がちょいちょい出て来ましたので、お伝えし度いと思います。

    (61・6)

    1. 30才位の独身婦人。私のすすめで青汁を始めました。
      当初配達の一本100C.C.でしたが、半年位経過して、お母さんから、「お前此の頃肌が綺麗になった様だ」と云われ、翌日から「私これからは2本飲むわ。」と早速増配を連絡しました。

    2. 水島の方面の50才前後のやや肥満した婦人。
      「私、平素血圧が低く100位しかないのですが、一寸測って見て下さい。」
      「はいはい。」
      測って見ると最大140最小80位。
      「奥さんいい血圧ではないですか。何か血圧の上る努力をされましたか?」
      「はい、私青汁を一日4合、1年余り続けて来ました。」

    3. 30才位の独身婦人。
       約1年以上も“あい口”(口角炎)が出たり引込んだり。私の知る限りでは年中膿色をしたかさぶたのついた両方の口角を何時も気にしながら見ていましたが、遂に止むに止まれず、青汁を飲んでみたら、と勧め、彼女飲み始めて4日目にかさぶた(痂)が脱落し、一週間目に白い痕跡を遺して綺麗になってしまいました。
       一月後には皮膚が美しくなって一層の美人になり、二月くらいして少しふっくらとして来ました。



13. 青汁のんで元気になりましょう

    西宮市 I.T. 

     月日の経つのは早いもので、私が青汁と出会ってから約20年になります。
     20年前の女医会の日のことでした。左膝関節が痛くて、正座しなければならない会場で足を伸していました。
     その時は股関節疾患の後遺症で階段を上る時も一足ずつ休みながら上っていました。
     この有様をご覧になった先輩の鈴木幸子先生が「その痛みには遠藤先生の青汁が効くので一度やってみなさい」とおすすめくださいました。
     有難い貴縁を得て、それ以来休まずに今日まで飲み続けています。のみ始めて半年位で関節の痛みがとれて動けるようになっていました。何も考えることなく、ただひたすら飲み続けているうちに、今まで抱えていたさまざまの成人病(高血圧症を始め、慢性気管支炎、慢性胃腸炎、腰痛症、膝関節炎等十に余る疾患)がなくなっているのに気がつきました。
     ふと気がついた時には病が消えていたということです。
     しかし体重の増加(標準体重より9キロ上昇)だけは如何ともし難く、これを何とかしなければと思って、今から6年前体操を習い始めました。習い始めて半年近くで9キロの減量に成功しました。その頃には身体が軽くなり、膝関節への体重の負担が軽減されて、快適な日常生活を送れるようになりました。
     青汁も体操も同じことですが、何時効いたか分らぬ間にじわじわと効いているのです。青汁で病気が治ったというより、青汁を飲んだお蔭で、本来人間に平素にあたえられていた生命力が蘇ってきたような気がいたしました。
     青汁は薬ではありませんので、今日から治ったとか、今病が消えたというような現われ方をしませんが、現在、私の身体からすっかり病は消えて、日々さわやかに過させていただいております。
     これはまさに遠藤先生の青汁のお蔭と思い、青汁をのむ度に感謝しています。
     もう一つ、青汁をのんだお蔭で素晴しいおそえ物をいただきました。それは、いきいきした肌です。
     老年に入って乾からびて来たと思っていましたが、私の肌を見て人々は生き生きとしていると言ってくださるのです。
     これは自分では意識していませんが、人が評価して下さり、有難いことと、素直に喜んでおります。
     私は最近体力テストを受けましたが、60代ですが、10代の人と同じ体力を持っておりました。
     青汁のお蔭で真の健康と若さをいただき60代に入ってからは、いよいよ体に自信がつき、身も心もさわやかになり、充実した日々を送っております。
     この喜びを一人でも多くの方に味っていただきたいと思う気持でいっぱいで、口を開けば、つい青汁のことを話してしまいます。病気のある方はもとより、ただいま元気な方も、みんなみんな毎日青汁を飲んで元気になりましょう。
     遠藤先生のご長寿を祝し、心からお礼申しあげます。先生有難うございました。
     見遥かす阿蘇の雪路のとけそめて日毎にからだ柔らぎにけり
     生き生きと肌輝くと人に言われ青汁知りしえにしよろこぶ

    (60・12 惜陰会の誌から)



14. 韓国だより

    ソウル T.K. 

     お陰にて無事消光しております。いも類を愛食するようになりましたことについては、貴顕のご指導の賜物であります。私は勿論実行しておりますが、機会ある毎に強調しております。一般にいも類については無関心のようです。日曜日などいも類と粉乳にヒマワリの種子の食事は理想的であり、美味一品です。私の周囲の知人より、7〜8年前とあまり変わっていないと評判されております。顔の色とつやは結構よいほうです。貴顕よりは弱輩でありますが、今尚意慾と希望、好奇心を失っておりません。青春のような意慾と希望に充ちて努力しております。永遠の青年になりたいのです。

    (86・5・23)



15. 家内中元気に

    広島 K.M. 

     秋の気配も日々に深まり大変好季節になりました。きびしい今年の夏も、青汁のお蔭で元気に過ごすことが出来嬉しく存じております。



16. この度、……

     この度、大阪の山田喜一郎氏より青汁の乾燥粉末「みどり」が発売になりました。
     (ケール100%、無農薬、無添加、無着色)
     製造発売元 遠藤青汁普及会
     〒542 大阪市南区南船場3−8−11元村ビル3階
      TEL. 06−251−1248

    (遠藤青汁の会)



17. 質問箱


     低血圧です。なおす方法をおしえてください。


     気にしないこと。適度の運動をすること。青汁中心の正しい食事をとること。



 コラム紹介

    危険を冒すべき時に貴顕を冒さざれば
    冒すべき危険よりも危険なことがある

    三宅雄二郎



    日中すれば則ちかたむき
    月盈つれば則ちかく
    易経



    淡白簡易なる屋外生活は
    形体にとりても
    有害なるものにあらず
    エピクタテス



    それ百病の始生するところ、
    必ず燥湿、寒暑、風雨、陰陽、喜怒、飲食、居処、に起る
    霊枢



    膳に向ひて食するとき、最初には暖かなる飯汁。
    次に焼きもし、煮もしたるものを食して、冷へたるもの。
    さしみなどいふ物どもの類、酸物をば、末に食ふたるがよし。
    酸は渋斂とて、しぶらせちぢむる性あり。
    先づ和かなる、
    脾胃に苦しからざる物を食して、
    酸を後に食すれば、
    脾胃ををさむる心持にて、よし。
    五味過傷とて、何れも、一味を好みて食したる事、
    かたおちて用ふれば、傷みをうくるなり。
    沢庵和尚、結縄集



    学を絶てば憂なし
    老子








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