<1986年3月15日発行 第355号>
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目次
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1. カブレ疹
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医学博士 遠藤 仁郎
34才の農家の主婦。2〜3年まえから口のまわりに発疹が出る。専門の皮膚科にかかっているが、多少よくなっただけで、なかなか治りきらない。どこか内臓に原因があるのではないか、とのこと。
診たところ、特別の異常はないようだが、いぜんから2〜3日に1回(それも十分には出ない)いう便秘がある。その食習は、ほとんどの便秘の人がそうであるように、主食は白米飯、よくたべる。おかずには肉や魚や卵が多く、野菜はごく少量。味つけは濃い方。インスタントものなど、出来あいのものをよく食べ、菓子やジュースなど甘いものは大好き。
血が酸性にかたむく
こういう酸性食品の多い食事だと、どうしても、血が酸性にかたむいてくる(血のにごり)。そのため、体の抵抗力がよわり、また、ものごとに感じやすく、カブレやすくなる(アレルギー性)。
代謝が不完全
また、ビタミンが十分でないため、主食や蛋白食品の代謝がうまくゆかず、有害なものがいろいろできる(血のにごり)。そのうえ、便秘があると、腸内でも有害なものができる。インスタントもの、出来あいものには有害な添加物がいろいろあり、カブレの原因になるものも少なくない。これらの毒を消すのは肝臓だが、便秘があると、それが完全でなくなるおそれもある。このようにして、カブレやすい(アレルギー)体質になっているところへカブレの原因になるものが、絶えずとりこまれているので、いつまでもくりかえしてでき、また、治りにくくもなっているのでないか。
どうすればよいか
そこですすめたいことは、体質をかえてカブレにくくすることと、なるべくカブレの原因になるものをとりこまないよう気をつけることだ。そのためには、
- 食べものは、すべて安全な自然食品にし、農薬や添加物などで汚染されたものはさけること。
- 主食や肉穀卵などはひかえめとし、それに化学肥料や農薬をつかわず、昔流の堆肥、厩肥、石灰、油粕、鶏糞などの有機質肥料でつくった良質ナッパをうんと(主食、蛋白食品の2〜3倍)そえ、なるべく多くを生で食べ、青汁にもしてのむ。
- 味つけはうすく。
- 間食の菓子、ジュース類はやめて、くだもの(農薬のかかっていない)にする。
- その他、なるべく繊維の多いもの、野菜・山菜、海藻などをしっかり食べること(繊維は便通をよくするだけでなく、カブレのもとになる有害物を除く効果もある)。
薬だけではダメだということは、これまでの経過でハッキリしているのだから、ともかく気ながにやってみるべきだ。こういうやり方で、10年以上もの頑固な皮膚病でも治っている。野菜つくりはお手のものだから、ひとつ、これでがんばってみてほしい。
(55・3)
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2. 痰とかゆがり
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医学博士 遠藤 仁郎
「主人ですが、もうかなり以前から、毎日咳もないのに痰が出ます。しらべても胸部に何も異常はありません。」
「痰の分量は?」
「少しだけ。そしてもう一つ。同じ頃から頭と頚から胸、背中にかけてかゆがります。別に何も出ないんですが。痰と関係があるんでしょうか。」
「痰は気管支からですし、かゆがりは皮膚のもので、その間に直接関係があるようには思えません。が、共通の、たとえばアレルギーといったもの、があり、気管支が、気管支炎というほどではないにしても、感じやすくなっており、タバコやよごれた空気などに刺戟されて分泌物があり、痰として時折出てくる。かゆがりはカブレの一種で、おそらく、自律神経が過敏になっており、何かの刺戟にカブれて、発疹するほどではないが、かゆく感ずる、といったものではないでしょうか。こうした過敏症の下地(素質)のもとは食べもののまちがいと関係がふかい、と私は思うのですが、ご主人の食習慣はどうですか。」
「肉食がちで、野菜が少なく、酒はのまないが、甘いものが好き。タバコは20本程度。」
「だとすると、カロリーにたいしミネラル・ビタミンが不足しており、どうしても血がにごり、神経が不安定になり感じやずく、アレルギー性になってきますから、多分それが原因でしょう。それをなおすには、すぎている糖分や肉類をへらし、不足しているミネラル・ビタミンの最良給源である良質ナッパをうんと摂るべきですが、安全なナッパはありませんから、青汁でもうんとのみ、食品はなるべく安全な自然食品にし、農薬や添加物に汚染されたものはできるだけさけるよう心がけることです。なお、初めに1〜2日の青汁絶食(ほかには何も食べず青汁だけのむ)をやってごらんになってはどうでしょう。もし、これで痰やかゆがりがとれるか、へるようだと、ナッパ・青汁にたいする理解ができやすく、食改善にとり組みやすくなるかも知れません。(59・1)
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3. アトピー性皮膚炎
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医学博士 遠藤 仁郎
42才のOL。57年の秋、「口紅一本で過ごしましょう。日本女性の素肌は何も塗らなくても美しいのですから」という奥様新聞をみて、素肌美容センターを訪ねました。
素肌は内からと外から、というので、深海鮫のエキスからつくったスクアレーンの錠剤を、毎朝1錠づつのみました。のみだして1年半くらいして、手の指の関節、肩、腋の下、そのうち全身の関節がかゆく、眠れない日々がつづきました。
皮膚科ではアトピー性皮膚炎といわれ、塗り薬と飲み薬をもらい、飲んでいる間はおさまっているが、やめると、また、ひどく痒くなります。これではいけない。根本的に治さなければと、多くの人の意見をきいたり、いいという薬もみなためしましたが、はっきりしません。
59年4月からは赤外線療法をはじめました。毎日20分くらい、サウナのような箱にはいって汗を出す治療でした。これも香しくなく、アトピーには青汁しかない、ときいて、毎日4〜5合のみ、今は1.5合にしています。それで、いぜんのようにリンパ液が出たり、痒くてねむれないということはなくなりました。
しかし、まだ、手、首、腋の下、足の関節のうらなどがかゆい。また、いぜんは肩こりで困っていましたが、いまはかなり楽になっています。
本当にケールで治りますか?
分量はどれくらいがよろしいか?
ほかにどんなことに注意すべきですか?
アトピーには適確な治療法はまだないようですが、熱心にやれば青汁で治ります。今までのところでも、かなり効いているようですから、もっと徹底してやればなおよいでしょう。それには、少なくとも1日4〜5合以上。多いほどよろしい。ほかの食べものも、なるべくミネラル・ビタミンにとんだもの、たとえばイモ・マメ・ナッパ食にすること。そして砂糖、アルコール、白米飯、切り身の肉魚など、いわゆるエンプティ(からっぽ)カロリー食品はさけるかへらすこと。また、食べものはすべて出来るだけ安全なものをえらび、農薬その他生産用の薬剤や有害な添加物の危険のあるインスタントものはじめ、加工・保存食品もさけるかへらすこと。なお、鮫エキスでこりごりでしょうが、インチキ薬や療法にはくれぐれもご注意のこと。(60・2)
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4. 青汁の会 憩の家
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既報のように、大阪の山田喜一郎さんらにより、南紀湯の峰温泉に憩の家の準備がすすめられているが、その構想についてこう語られている。
第一段階は憩の家
憩の家では、朝5〜6時(季節によってちがうが)に起床。
近くの山道を約1時間ワラジで歩く。快い汗をしてかえり、まずむし風呂、水かぶり。次で温泉に入り、全身のストレッチ運動(手、足、肩、背、腹、腰など思う存分のばし、縮める)10〜20回。上ってケールの青汁コップ1杯をのみ朝食(イモ・マメ・ナッパ食)。
夕方、同様むし風呂。温泉の中でストレッチ運動。青汁。夕食。
こういうコースをやりたい。初めは各自でやってもらう(運動方法は図解や写真を掲示しておく)が、やがて、月に1週間くらい出かけ、直接ヨーガによる心身のリラックス法を指導する。また、研修会や反省会もやりたい。このめぐまれた大自然の中で自然にちかい生活をすることによって、必ずや、よごれきっている血も洗いきよめられ、すこやかな心身がよみがえり、ほんとうのやすらぎが得られるにそういないと思う。
第二、第三段階として、県下全体にケールの栽培をすすめ、会の支部を結成。さらに、然るべきところに健康センター、青汁スタンドもつくりたい。(山田さんは紀州田辺市出身。大阪で、輸入服地、雑貨卸のロン・ポアン商会を経営、かたわらヨーガの指導をされている。住所、東住吉区田辺5‐9‐8)。
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5. おかげさまで
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青森県 M.S.
おかげ様で健康で暮しております。職場の人達も大切にのんでおり、便秘になやまされていた同僚たちも毎日快便。不眠からも解消され感謝されております。私の息子も、ケール(顆粒)をのんでから3年になりますが、糖もでなくなり、学生相撲でがんばっております。これもひとえに先生のお蔭とよろこんでおります。
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6. “アル中”の増加に対策を 公衆衛生審が厚相に意見書
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いわゆるアルコール中毒等の問題を、59年7月より検討してきた公衆衛生審議会は10月9日、「アルコール関連問題対策に関する意見」をまとめ、増岡厚相に提出した。
わが国のアルコール飲料は、近年のアルコール消費量の増加により、国民一人当り(20歳以上)年間消費量は昭和40年当時に比べ約1.6倍に達し、これに伴いアルコール依存症者数も、昭和40年の約90万人に比べその2倍以上の約190万人を上回ると推計されている。
アルコール依存に基づく大量飲酒は身体的健康障害を引き起こすにとどまらず、アルコール関連問題としての交通事故、犯罪、家庭崩壊、非行等広範かつ深刻な社会問題をもたらし、特に最近は、未成年者飲酒、イッキ飲み現象、キッチンドリンカー等が新たな問題となってきている。
意見書は、このような現状を十分踏まえ、この問題に対する適切な総合対策を講じなければならないとし、そのためには、従来のアルコール関連問題の対策は、主としてアルコール精神病の医療に焦点を合わせて施策を進めてきたが、今後は医療のみならず、予防、社会復帰を含めた包括的対策を確立すべきである、と指摘している。基本的な施策としては、
- )予防対策は他の対策に優先して行われるべき施策であり、特に未成年者に重点をおいて行われるべきである。
- )医療対策は、従来までほとんど省みられなかったアルコール専門外来を拡大、充実させ、生活の中で患者が治療を受けることができる体制の整備を行うべきである。また、著しく不足しているアルコール専門病棟などの施設の整備(当面は人口万対1.5床の病床確保が望ましい)をはじめ、医療施設、精神衛生センター、保健所等との有機的連携を図って行く必要がある。
- )社会復帰対策については、回復途上にあるアルコール依存症者等が地域社会の中で断酒を継続することが可能となる体制の整備を行う必要がある。の3つを挙げ、今後の取組むべき基本方策としている。
(日医ニュース60・11・5)
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7. 日光カブレ
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ながらく、陽にあたるとかぶれ、困りはてていた。色々の手当てをうけたがダメ。青汁も2〜3合はのんでいたが効果がない うんとふやしてみろといわれ、昨年(58年)4月から7〜8合にしたら、6月からすっかりかぶれなくなった。その後4〜5合をつづけているが、今ではいくら日にあたってもかぶれなくなった。(59・12)
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8. アメリカだより
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在米 H.H.
「青汁とともに36年」一気に読みました。
貝原先生の今までに体験なさった青汁についての実証。
また、多くの人々の具体的な青汁食の効果について、いろいろ教えられ、よい勉強になりました。私ども、まだ青汁15年で、とても遠藤先生、貝原先生の足許にも及びませんが、この貴重なみなさま方の体験談をよく見習い、青汁、イモ・マメ・ナッパ食にはげみたいと思います。
青汁の歌も、本当に青汁あっての歌、ケールとともに生きるの歌となっていますね。この歌のように、うまくは表現できませんが、日々健康にされていること、生かされていることを、よろこびとしています。
青汁を讃えて、青汁を歌っておられる皆様も、青汁によって健康になり、青汁食で喜んで日常生活をおくられていることを、心より嬉しく思います。
豊前市、尾家藤蔵さんのこの句、私もクリスチャンとして実感です。今後とも青汁によって弱いからだの血を清められ、心身を健康にと、家族一同神の恵みに感謝して、青汁食によって、これからの人生を歩みたいと思います。(85・9・4)
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9. 子供の野菜ぎらいなくそう
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吉沢料理教室 K.Y.
最近、野菜ぎらいの子供がふえているようだ。野菜はビタミンやミネラルを多く含み、たんぱく質、脂質、糖質などがエネルギーになるのを助け、体の各部を調整し、体を円滑に動かす潤滑油の役目をしている。その野菜が不足すると便秘、風邪、高血圧、むし歯などの原因となる。
そこでまず食べさせる工夫であるが、すりおろしてカレーの中に加えて煮込んだり、ひき肉料理に、みじん切りにして入れる。だんだん食べられるようになったら、千切りにしてサラダや汁物、いため物へと進め、やがて煮物、あえ物、揚げ物にと使用する。
これによって季節感が盛り込め、食事のバランスも取れて好ましい。本来、野菜は美しい色彩と、ほんのり甘味を持ち合わせているので、それを失わないために、塩少々を入れて色良くゆでたり、うす味で調味するなどを心がけるとよい。
1〜2度与えて食べないから、嫌いときめつけずに、根気よく、あせらず繰り返すことが必要だ。短時間で食事の用意をする主婦が多くなったが、時には母子でゆっくりと料理を作ってみるのも楽しいものである。自分で苦労して作ったものはたとえ好きでない物でも残さず食べるようになり手先もだんだんと器用になって皮むきや鉛筆けずりも上手にこなし、一石二鳥となることうけ合いである。
(60・2・22 サンケイ)
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10. 苦しみぬいたネフローゼ
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岩手県 A.K.
青汁の会員になって今年で10年目を迎えました。難病だった長男、ネフローゼの子供がおかげ様で今では元気になり家業を手伝って居る今日このごろです。
今からちょうど20年前昭和39年4月(当時4才8ヶ月でした)顔にむくみが来てネフローゼと診断され私はただおろおろするばかりでした。
総合病院に7年、養護学校に6年、そして普通高校(2年おくれました)となんとか皆様のおかげ様を持ちまして卒業する事が出来ました。
当時頼りになる薬と云えばリンデロンの様でした。大量にのむと体に毛がはえブクブク太って、おばけの様になり視力低下の副作用の毎日の様でした。私には日夜、神仏にリンデロンをたちきる物がないかと祈りました。
ちょうど子供が中学3年生の時ケールを進められ、半信半疑ではありましたが信じてやって見ようと思い、ケールを畑に栽培し始めました。今では家族皆んなで飲んでおります。
寒い岩手県ですので4月末頃種子をまき、翌年2月頃までしか保存が出来ない様です。毎月1回発行の健康と青汁の新聞を心まちに待っております。又、苦しんで居る方々を見ると自分の体験を通し皆さんに分けている今日このごろです。今こうして子供が元気にならせていただいたのも遠藤先生をはじめ諸先生方のおかげさまと深く感謝致しております。
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11. 青汁によだれたらす孫
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うちの孫子(8ヶ月)に3ヶ月位前からケールのグリーンジュースを飲ませはじめました。初めは少し変な顔をしていましたが、今ではペチャペチャ、ゴクンゴクンと口のまわりをグリーン一色にして飲むようになっています。
食卓でジューサーを廻しはじめると、じっと眺めている口もとからヨダレをたらしはじめます。赤ちゃんは、生後間もない時期は食物の味をはっきり知らないため、少々にがいものでも要するに何でも食べます。大人が好き嫌いするのはうまいものの味を知ってしまったために、ケールをまずいと感じます。赤ちゃんがケールをおいしそうに飲むのはそこから来ているわけで、赤ちゃんのうちから飲ませると、大人になってもケールをウマイと感じ、飲み続けることができます。ケールは、幼児のうちから飲ませるようにしたいものです。(60・4・15 ケール健人の会会報)
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12. 術後の経過がよい
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焼津市 K.N.
本年7月15日に乳腺の手術を、焼津市立病院の外科でうけました。術後1ヵ月頃より乾燥青汁を飲み始めて1ヵ月になります。3〜4袋が限度なのですが、便通が良くなった事、きず口がきれいであること、血液検査の結果も良好である(医師の診断で)ということなど効果は出て来ている様です。
母が、食事の内容等についてくわしく話してくれました。私は、術前まで、栄養士の仕事をしていましたので内容的に理解出来、自分としては、仕事柄注意はしていましたが、なおいっそう、主食のとり方、高ビタミン・高ミネラルになるようつとめています。
退院(8月27日)近くなり、主治医の院長先生より放射線治療が取り止めになり、抗ガン剤、ホルモン剤の投与で治療することになりました。その点、身体の回復も順調で、今後の再発防止のためにも青汁を続けたいと思います。
飲み方は、100%オレンヂジュース(他のジュースではまずい)と牛乳で(酸の働きでドロドロになり)そこに青汁をとかすと沈まないで大変のみやすいのでこの方法で1日3回お腹のすく時期にのむようにしています。
現在2袋を1回に飲めたらと、ためしている所です。体重の方も1kg減(術前53kg)現在52kg(身長155cm)49〜50kgにしたいと思っています。骨太なので、多分49〜50kgが限度ではないかと思いますが。(60・10)
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13. 未開人の食
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未開人が、自然のままに食物をとることは、文明人が色々の食物をとることより、はるかに好ましいことである。未開人は不充分な食糧の供給によって、絶えず飢餓の危険にさらされてはいるが、かれらが、その自然の環境からうる食物は、ビタミンにとみ、ミネラルや蛋白質にも比較的恵まれている。未開人は、動物を食べるとき、ビタミンやミネラルにとむ腸や肝などの内臓を丸ごと食べるよい習慣をもっている。カタツムリ、ネズミ、昆虫をも食べるが、いずれも極めて著しい栄養価のものである。(Wilder & Keys.JAMA 昭23)
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14. すっかり元気
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長崎県 M.N.
先生のご指導による青汁ですっかり元気になり、たのしく暮しております。
神戸 M.M.
毎月の青汁新聞がとどくたびに励まされ食養生しております。
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15. 質問箱
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コラム紹介
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