健康と青汁タイトル小 <1984年3月15日発行 第331号>
 目次




1. こどもの難聴

     医学博士 遠藤 仁郎 

     「10才のこどもです。2〜3年まえから、少しおかしいと思っていましたが、こんど学校から注意をうけて診てもらったところ、耳はなんともないから神経からの難聴だろうとのことです。青汁をすすめられていますが、どうでしょうか」との電話。
     「ぜひやってみるべきですが、何か病気でもしたんですか?」
     「水疱瘡をやりましたが耳が悪くなってから後のことです。」
     「ほかに思い当ること、たとえば妊娠中の服薬とか、農薬や家庭用殺虫剤の中毒などといったことは?」
     「特別ありません。」
     「そういう原因のわからない故障には、日常生活のまちがい、ことに食べもののあやまりのためにくる血のにごりを考えねばならないと思います。というのは、耳や耳の神経のどこかに、生れつきかその後にか、よわいところがあるかできていると、それが、血のにごりのためにいためられ、ながい間には故障をおこすだろうこと。そして、食べものを中心とする日常生活をなおして血をきれいにすれば、それがよくなってくるかも知れないからです。」
     「食べもののまちがいによる血のにごりについて、もっとくわしくおしえて下さい。」

    血のにごりのもと
    (1)  その一つは、栄養的にバランスがとれていない不完全食のばあい。白米飯・肉・卵・糖にかたより、野菜とくに良質ナッパが不足だと、血が酸性にかたむきます(血のにごり)。また、熱量源(蛋白質・脂肪・糖質)の代謝が不完全になるために生ずる有害物によっても血がにごります。
    (2)  次には有害有毒食品。農薬や畜・水産用の薬剤で汚染された食品。危険な添加物に汚染された加工・保存食品、インスタントものや出来あい食品などには、直接耳や耳の神経をいためるものがあるかも知れないし、少なくとも血をきたなくして、耳の神経に悪い影響をおよぼすことがないとはいえないでしょう。

    食べものをなおす
     そこで、まず、食べものはできるだけ安全なものにし、農薬その他生産用薬剤や有害な添加物などに汚染されたものは、極力さけること。つぎに、栄養のバランスを完全にすること。この点でこどものばあい、とくに問題になるのは砂糖。菓子をよく食べ、甘いジュースをのむ、味つけに砂糖をうんとつかうなどで砂糖がすぎると、その代謝がうまくゆかず、神経をいためるものができます。
     また菓子やジュース類など加工品には、添加物の害も加わります。で、甘いものは一切やめるか、できるだけへらす。次によくないのは白米飯の食べすぎ。これも砂糖と同じく神経に悪い影響があるから、せめて粗搗米か玄米。むしろ雑穀(全粒)や豆、もっとよいのはイモ類です。それを控えめに食べること。動物性食品はこどもの好くものですが安全なものをえらび、すぎないよう気をつけ、肉や魚の切り身よりは全体食べられる小魚や卵・乳。むしろ大豆ものを多くすること。

    安全良質ナッパ
     それに、安全良質ナッパを十分食べさすこと。それは、栄養のバランスをとるためには絶対必要であり、ほかにこれに代るほどのものはないからですし、それも少々ではダメ。少なくとも500グラム以上。しかも、なるべく生でよくかんで食べることですが、それは、なかなか大変なので青汁にしようということになります。
     500グラムのナッパの青汁は約2合ですから、少なくともそれ以上、多いほどよろしい。そして、それを根気よくつづけることです。それにしても随分大量がいるわけですから、畑があればケールその他のナッパ類を年中切らさないようお作りなさい。また、こどもの仕事にして鶏を飼わせ、安全な卵や肉を供給することもぜひおやらせなさい。
     そうして、できるだけ血をきれいにするようつとめていれば、早いことにはゆかないでしょうが、やがてしだいによくなってくるのではないかと思います。これという適確にきく薬や、手当法もないようですから、ともかく熱心にとり組み奇蹟をまとうではありませんか。
    (57・5)



2. 健康相談室 日光皮膚炎

     医学博士 遠藤 仁郎 

     50才の県南の港町の主婦。6〜7年前から、陽にあたると顔や手がかぶれる。いぜんにはそういうことは全然なかった。皮膚科にかかり、ぬり薬をつけるとすぐになおる。しかし、やめるとまたもと通りになってしまう。おそろしい副作用のある薬と聞いて、なるべくつかわないようにしている。何とかならないものか、との相談。両手は甲からさきにカサブタができ、顔では、唇が乾きひび割れ、口角から頬にかけて赤味がかり、乾燥しカサカサになっている。肌の色がさえず、つやがない。食事はふつう。よくねむれ、疲れやすいといったこともないが、便通は結しがち。

     日光皮膚炎だそうだが、6〜7年もまえからというのだから、おそらくその頃からからだの調子がかわり、かぶれやすくなった、そういう体質になったためにそういない。
     「そういう変化には、日常生活ことに食べものの影響が大きいものだが、なにか心あたりはないだろうか」
     「こどもが弱かったので青汁をのませ、私ものんでいた。それでこどもは大変丈夫になり、私も調子がよかったのと、青汁をのんでいるからといった安心感からか、いつの頃からかはっきり覚えてないが、甘いものをよく食べるようになっている。」
     「そこに原因がありそうだ。海辺のことだから、おかずには魚が多く野菜は少ないだろう。また、便利な出来あいの食べものが多いから、どうしてもそうしたものにかたよっているだろう。そこへ甘いものが好きとなると、食べもの全体として大変かたより、出来あい食品や便秘のせいもあって血がにごってしまう。
     それが、かぶれやすいからだになっている原因と思われるから、ただつけ薬だけでは一時おさえにはなっても根治することはちょっと望めない。何としても、食のまちがいをなおし、血をきれいにして、かぶれないようなからだに、体質をかえることが肝腎だ。
     それには、まず、甘いものや、便利な出来あいの食べものをやめること。主食には、ご飯をへらしてイモを、蛋白食品には、切り身の魚をへらして大豆ものを多くし、ナッパを主とする野菜・海藻をうんと添え、調理は簡単にし、味つけはうすくする。
     そして、青汁は少なくとも3〜4合(もとのナッパ7〜800から1キロ)のむ。
     5合でも6合でも、多いほどよろしい。こうして、20年以上ものながい間悩んでいた皮膚病でさえ治っている。だが、何分にも、うまいもの、便利なものをやめて、まずいもの、しかも手のかかるものにしようというのだから、それをやりぬくには、それだけの覚悟と努力が必要で、薬をつけたりのんだりするように簡単にはいかない。
     けれども、ほかにこれという方法もないのだから、ともかく根気よく熱心にこれに徹底してみてほしい。なお、青汁のしぼりかすをそのまま、あるいは少し油を加えて肌につけたり、しぼりかすやすりつぶしたナッパを入れた風呂にはいる(ナッパ浴)のもよいようだ。また、口唇の乾きや口角のあれにはバターなど刺戟性のない油をつけるのが無難だろう。
    (58・4)


3. 日本食品成分表 三訂(3)四訂(4)比較 その2
前回参照

    三訂四訂比較表2

次回参照

4. アタマジラミ、いまなお流行中

     米国で1970年ころから報告されだしたアタマジラミの大量発生は、わが国だけでなく、ヨーロッパ、アラブ・アフリカなどへとび火し、世界的な勢いとなっている。
     我々には、戦後の混乱期から復興期にかけ、身近であったシラミやノミも忘れ去られようとしていた昨今。1975年ころから報告がされはじめると、すでに全滅したと思われていただけに、一般紙面で“帰って来たアタマジラミ”“30年ぶりに復活”と大きく扱われた。
     確認されただけでも1976年には神奈川、静岡、群馬などで発生。1978年には全国各地で、「アタマジラミ」の声を耳にするようになったが、最近では聞くことも少ない。はたして、アタマジラミは減ったのだろうか。
     アタマジラミは、ケジラミなどとはちがい、感染した集団のなかのいく人かだけが来院するということのために、総感染者数を把握することはむずかしい。昨年から、厚生省に対策委員会が設置され、昭和56年の集計では約2万人(昨年分は現在集計中)となっている。東海大学皮膚科の大城戸宗男教授の感触では、「治療薬もやっとでき、それほど対策に苦慮することもなくなったため、騒ぐことは少なくなった。しかし、この大量発生は衰えておらず、まだ根絶にはほど遠いようだ」という。では、この大量発生がすでに7、8年も続いているのはどうしてなのか。
     その理由としてまずあげられるのは、DDT、BHCが禁止され、「ごく最近まで薬がなかったため」。これに対しては、

    1. 米国の場合、大量発生がはじまってから間もなく、虫体だけでなく虫卵も殺すlindane(γ−BHC誘導体)が使われだしたが、いまもって減る気配がない、
    2. ケジラミはアタマジラミよりやや先んじて大量発生しているが、コロモジラミやノミは復活しだしたとはいえ、流行にいたっていない、
    3. 発生地がそれぞれ拡散しており、ある地方に集中するといった傾向はみられない、

     などの点からしてもうなずきがたい。

    30年周期説が有力
     そこで米国のM.Orkinは、よく知られているネズミやイナゴと同様に、ある周期をもって自然大量発生しているのではないかと考えている。彼によると、流行期15年ほど、その前後それぞれ7〜8年の間をおいて、30年の周期で発生し現在は、1960年に終わった前回の発生につづく流行期にあたっているため、減らないのだろうと推測。大城戸氏も「動物学的追跡が必要だが、いまのところ有力といえる」と述べている。ほかに、「海外旅行者が絶えず輸入しているのでは」、「30年前の生き残り」との声もある。
    (Medical Tribune83.9.8)


5. クスリより“コトバ”の医者

     2歳のときに腸の一部が閉そく症状となる腸重積。それを皮切りに、肺炎、腸炎、急性胃炎、胸膜炎、黄だん、肝炎と、少年時代、病気を繰り返し、そのたびに町医者に助けられたという思い出をもつ男が医の道に入り、大学の先生になった。
     人生も半ばにさしかかって、やはり、医の本道は町医者」と、学者生活をやめた。額賀厚徳(ぬかが・あつのり)さん。4月まで15年間母校の東京慈恵医大にいて、内科医長などを勤めたが、折あるごとに思い出されたのは、かかりつけだった医師の姿。
     「先生は感冒大流行のとき、当時数本しか手に入れられなかったペニシリンを患者のために全部使い果たし、ご自分は肺炎にかかって、ペニシリンのないまま、亡くなったのです」
     額賀さんはこの夏、埼玉県川口市に医院を開いた。「なるべく薬を与えない」を原則とする。「糖尿病の人でも、多くは食事を制限し、運動を適度に行えば大丈夫なのです」。それが、診察の帰りに、薬をうんとこさもらわないと、どうも不安気な患者が多い。「病気を治すのは、自然の力と患者本人の努力。医師なんて、それをほんの少し、手助けするだけです」
     「病気とは、生活態度がもとなのです。患者さんの生活を変えないと、本当には治らない。薬より言葉ですが、これがなかなか…」だいいち、薬に比べ、言葉は金にならない。「でも大事なのは言葉」と、額賀さんはその考えを1冊の本にまとめた(自分でできる健康管理・日本労働協会刊)。「もう読んでくれた人から手紙をもらったりします」と、先生ははじめて、うれしそうな顔をした。45歳。

    (朝日新聞)


6. 3年生で2学位に挑戦

    在 H.H. 

     娘は夏期休暇もずっと大学に残り、朝夕2回サンマースクールに学び、暇な時は大学の仕事を働きながら、一生懸命勉強、9月の新学期も元気で努力しております。
     今年は3年生ですが、バチェラ(学士)とマスター(修士)の二つをとるのだと、また忙がしい1年になるそうです。マスターは、普通の人は4年で卒業し、もっと勉強して24〜5才でやっと取れる、むつかしいものだそうですが、この二つをねらい頑張れるのも智恵と健康の青汁・イモ・マメ・ナッパの賜もの。青汁先生様々と感謝しております。
     大学でバニー(兎ちゃん)といわれるくらい菜食ばかりで可哀そうなので、時々ハニークッキー、オートミールクッキーやレモンバー(レモン・フラワーエギ・ハニー)など、私の手づくり(ホームメードクッキー)を送ってやり、友だちにも上げ、よろこんで食べてもらうそうです。
     家に帰って来る日は、私は朝から、生野菜の色々のサラダや、煮しめ、煮豆、とくに青汁つくりにと大いそがしです。大学へ持って帰るお弁当には、玄米オムスビ、玄米オハギ、野菜テンプラ、煮しめと健康食にと心がけています。

    (83・10)


7. 豆乳ばやり

     いま、豆乳製品がブームになっている。大豆はたしかによい食べものだから、それからつくった豆乳が悪かろう筈はない。5〜60年前、私がまだ学生時代にも、一時、健康食品としてもてはやされたことがあった。しかし、それは本物の大豆からつくった純粋の豆乳だったが、いまブームになっている市販の豆乳や、豆乳入りの製品には、いささか問題がありそうだ。というのは、原料が、大豆そのものではなく、主に、製油工場で石油製品のヘキサン(発癌性がうたがわれている)で油をぬき出したあとの豆粕粉がつかわれていること。および、加工のさいの添加物も気がかりだからだ。

    (58・5)


8. 脳血栓、手術せずにすんだ

    兵庫県 S.Y. 

     70才の男の方。6月末に脳血栓で入院され、手術よりほかない、といわれたそうです。(右の頭のどこかに水もたまっているともいわれたそうです)。
     私は、血液の病気やったらと思いピロサンをすすめました。気休めに、「これを朝昼晩とのみはったら手術しなくてもよくなるかも」といってのんでもらいました。すると、10日くらいたった時、奥さんが先生によばれて、手術はしなくてもよい、退院しなさい、といわれたそうでとてもよろこんでこられました。いまでは、庭先の掃除をしたり、犬の散歩をさせたりしておられます。(いずみ会)


9. 湿疹、便秘よくなる

    大阪府 M.N. 

     ケールが次々と大きくなりましたので、毎日ではありませんが、服用しましたところ、シッシンが治り、便秘しなくなりました。冬に神経痛が出なければよいがと思っています。これからは寒くなり大へんですから、寒い間はピロサンをいただこうかと思っています。
    ケールがあれば生ものんで下さい。冷たすぎれば熱い牛乳でも入れて。


10. わたしのけんこう

    2年1組 S.K. 

     わたしは、はしるのがすきです。日曜日に、お父さんときょうだいでマラソンをします。このまえに、さなるこ1しゅうしたことがあります。(註 佐鳴湖 浜松市の南西部にある湖 周囲約8キロ)
     家ぞくぜんいんではしりました。と中でつかれたけどちゃんと1しゅうはしりました。まだかまだかと思いながらはしりました。おにいさんがせんとうをはしっていました。わたしがおにいさんの後をはしっていました。なんで大きい人ははしるのが早いのかなあと思いました。
     はしってとてもさっぱりしました。1時間ぐらいはしりました。かえる時にこんなにはしったのかあと思いました。はじめてこんなにはしったなあと思いました。いったいからだは、どうなっているのかなあと思います。わたしは2年生になってからびょう気になって学校を休んだことがありません。1年生の時は、1回びょう気になって休んだことがあります。あさマラソンをすると気もちがいいなと思います。
     あさマラソンをするとすっきりすると思います。元気でびょう気をしないように、マラソンをつづけるといいなと思います。わたしと、おにいさんと、お母さんは、びょう気をしないように、「グリーンジュース。」というものをまい日2回か1回のんでいます。「グリーンジュース」というものは、ビタミンAとビタミンCがいっぱい入っているはっぱのしるです。このごろ「グリーンジュース。」のおかげで風をひいたりびょう気になったりしません。びょう気をしないようにマラソンをつづけたいです。
     (これは、広沢小2年生のさわちゃんの作文で、学校で優秀作品にえらばれたもの)



11. 手を合わせたくなる

    日向市 T.U. 

     愛用させていただき、自分でつくれない施設内の生活なので、大変助かっています。毎日三回食後にのんでいますが、最近では、高かった血圧も110/70と、好調です。ここでは便秘になやまされている人が多いのですが、朝の便通の好調の時など、思わず手を合せたくなります。



12. 大変飲みづらいが

    長野県 M.B. 

     青汁の会に入会させていただき、毎日飲んでいます。たいへん飲みづらいのですが、体の調子が日増しによいようになり感謝申し上げています。一度先生におあいして話を聞いたりお礼申し上げたい気持でいっぱいです。毎月の「健康と青汁」、まち遠しいほどです。



13. 病人をみればすすめる

    北九州市 H.M. 

     姉もケールの青汁で健康をとりもどした一人です。娘が十数年まえ、子宮外妊娠で大出血したとき、医者は輸血しなければ死ぬといわれたが、肝炎を心配してせず、毎日バスで青汁を運び、顔に浮腫がきてホオが下るほど腫れていたのが、青汁だけで治ったそうで、いまも元気にしています。それ以後、休耕地にケールを沢山植えて、病人さんを見ればケールをすすめていましたが、今では、青汁で治った人が宣伝をしてくれるそうです。病人の回復ぶりを見た周囲の人達が、あの人がこんなに元気になったのだから、ケールの青汁がよいにちがいないと、苗をもらいにくる人が多くなったそうです。



14. 質問箱


     青汁は必ずしぼらなければなりませんか。


     しぼるのは大量のナッパをらくに摂るのが目的です。材料が少ないばあい、汁だけ飲んでカスを捨てるのは勿体ないですから、むしろ、ミキサーでドロドロにして(ミキサー粥)、全部のんでしまう方がよいでしょう。



 コラム紹介

    大名に薬なし
    大名の病は行斃同然



    気長く心穏にして万に倹約を用ゐて金を備ふべし。
    倹約の仕方は不自由なるを忍ぶにあり。
    此の世に客に来たと思へば何の苦もなし。
    朝夕の食事うまからずともほめて食ふべし。
    元来客の身なれば好嫌は申されまじ。

    伊達政宗



    食量は胃腸の機能の状により適宜とす。
    量を減じ質を精にする。
    極度の節食と極度の充盈を来す食物は
    いづれも有害
    ヒポクラテス



    自らを支配しうる者は最も強し
    セネカ








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