<1984年2月15日発行 第330号>
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目次
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1. 健康相談室 全身の痛みと衰弱
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医学博士 遠藤 仁郎
藤枝市の福井うめさんから、こういうお手紙をいただいた。
「長年青汁を飲用して健康に過しておる者でございます。さいきん知人にすすめております。その人は、58才の男性で、これまで重い荷物をかついだり、フォークリフトの運転をしたりして、体を酷使してきました。ずっと健康でしたが、数年前、肩の神経痛になったことがあるといいます。最近は目がとても悪くなりました。食事が穀・糖・肉にかたより、毎日緑茶はふんだんに飲んでいますが、野菜をあまり食べませんので、青汁をすすめたのです。1日おきに1合づつのんで5ヶ月になります。
のみはじめて翌日に下痢し、2〜3日つづきました。その後、腰にはじまり、背中、くび、肩、歯、頭と順に痛くなり、頭痛は一時ガンガン鳴り、脳溢血にでもなりそうだといったこともありました。いまは、大分おさまっているようです。
肩についで、ひじ、手首(まわしたり、ひねったりする時に猛烈にいたむので、仕事に差支えて大変困っているとのことです)。さらに、ひざ、足首、指などと、全身が痛くなって苦しんでいます。そして、1〜2ヶ月たった頃より胃が痛くなり、胸やけがする。市販の胃薬(キャベジン)をのんだりしています。(いぜんから胃はぐあいが悪かったそうです)
五ヶ月の間に、体はすっかりやせ、頭髪もどっとぬけてうすくなり、歯がグラグラして2本抜けました。こんな状態なので、自分には青汁はあっていないと飲用をいやがります。私にはこういうことはなかったので、何といっていいかわかりません。こういう例はほかにもあるのでしょうか。このまま飲用をやめてしまったらどういうことになるのでしょうか。このような場合には、どのようにしたらよいのでしょうか。」
こういう例は経験していません。が、この方の症状のすべてが青汁のためではなく、この方のからだが、そうなるようになっていたところへ、たまたま青汁がカチ合っただけのことだ、と私は思います。
そして、そうなる原因は、あなたがお考えになっているように、これまでの日常生活のあやまり、すなわち、あまりにも偏りすぎた食事(穀・糖・肉)と、からだの酷使によって、血が甚しくにごり、その結果として、老化現象が早く、かつ強く出てきたためにそういありません。
したがって、青汁を中心とする食の合理化(完全化・安全化)は絶対必要であり、それも少々の分量ではおっつきません。少なくとも、毎日4合(もとのナッパ1キロ)以上を根気よくつづけ、体質を根本的にかえなければなりません。また、主食の白米をやめるかへらしてイモを多くすること。肉類をひかえて大豆ものを多くし、ナッパを主とする野菜・海藻類を十分にそえること。つまり、イモ・マメ・ナッパ食に徹底することです。とくに痛みのためによくない糖分(菓子、ジュース、味つけの砂糖)を極力へらすこと。そうすれば、少なくとも痛みだけはしだいによくなってくる筈です(もちろん早急というわけにはゆかないでしょうが)。
しかし、今までの経過から、なかなか理解してもらえそうもないようですし、どうやら、ご本人は、青汁のために悪くなった、痛みがよくならないばかりか、食事までもとれなくなり、衰弱して来た、と思い込んでいられるようですから、これを説得するのは容易ではないでしょう。それにしても、1日や2日おきに1合といった程度では全く焼石に水、なんの効果ものぞめないでしょう。なお、全身の衰弱、髪や歯がぬけ、視力も衰えたというのは、いわゆる栄養失調でしょう。
それは、今までのあやまった食べ方、栄養分の釣り合いのとれていない不完全食では、釣りあいのよくとれた完全食のばあいに比べ、ずっと大量が必要なので、食量がへるだけでもひどくこたえるわけです。これも、食事をなおせば回復してくる筈です。けれども、どうも、それだけではなく、ほかに何か重大な原因がかくれているような気がしてならないので、確かなことは申し上げかねます。
機会をみて、ぜひ、しかるべきところで精密検査をうけてもらってください。なお、からだが冷えると痛みが強くなります。衣類を厚くし、懐炉を入れ、温浴、温泉などでからだをあたため、冷やさないよう気をつけること。また、按摩、マッサージ、軽運動などで血のめぐりをよくするようつとめることも大切です。灸や鍼をやってみてもよいでしょう。(58・3)
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2. それでも食べすぎだ
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医学博士 遠藤 仁郎
5〜6年まえ、市民会館で青汁のお話を聞き、いらいのんでおりましたが、ここしばらくやめていました。その理由は、ご飯がおいしく、お茶わんで1杯しか食べないのに、よく肥ります。それは青汁を飲むまえからで、体質的な面もあると思います。
さいきん更年期障害か、よく肩がこりますので、のみはじめました。18才の次男は自閉症といわれていますが、私に似てよく肥っています。情操不安があり、ふさぎこんだり、興奮することもあり、青汁をのませてみたところ、嫌がらず飲みます。でも、肥るのでやめました。青汁がよいことは親子の体験からわかりますが、このようなばあい、どんな種類の青汁を、どのようにして飲めばよいでしょうか。
あなたも、ご子息も青汁は絶対必要です。青汁は安全良質のナッパからつくったものであればよろしい。ともかくうんとのむことです。青汁を始めると確かに食事がすすみ、油断していると肥ります。体質的の面もあるでしょう。しかし、ふとるのは、やはり食べすぎからです。ご飯は1ぱいとのことですが茶碗の大きさにもよります。それに間食はどうでしょう。菓子 オカキ、ジュース 味つけの砂糖などすぎていませんか。それらはみなご飯と同じカロリー食品。すぎるとふとります。おかずのイモ類また同じ。肉類はどちらかというとふとりにくいのですが、それでも過ぎれば、やはりふとります。そのうえ、これらはすべてアルカリことにカルシウムやビタミンが不足していて、血をにごらせます。肩がこるのも、おそらくそのためでしょう。ですから、おかずには、ナッパを主とする野菜・山菜・海藻を多くし、味をうすく、間食にはクダモノ。そして食事のとき、まず青汁をのみ(少なくとも毎日1〜2合)、野菜類や果物を食べ、かなり満腹してからご飯にする。ご飯も白米や白パンでなく、イモや豆など素炊きにして食べる。そうすれば、ほんの僅かだけで腹は十分満足するので、実際にはかなり減食になっている。こうして食べものをへらす一方、つとめて運動する。朝はやくおきて、仕事まえに1時間くらいあるく。それもブラブラではなく、サッサといそぎ足にあるき汗をかく。新陳代謝がさかんになり、やせ、血がきれいになるから、体調は必ずよくなり、ご子息の神経症にもきっとよいにそういないと思う。(58・5)
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3. 日本食品成分表
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次回参照 |
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4. “荒れる少年”食生活も原因に
朝食抜き加糖飲料がぶ飲み 精神が不安定に
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こどもたちが荒れるのは、乱れた食事にも原因が―
大沢博岩手大学教授(教育心理学)がこのほど、非行と食生活のつながりについて少年院に入っている中学生を面接調査して、こんな結果をまとめた。朝食抜きで、肉好き、野菜ぎらい、そして清涼飲料をガブ飲み―こんな食生活ではカルシウムやビタミンB1が不足し、精神状態が不安定になるという。非行や校内暴力はこれまで家庭のしつけ、教育面から論じられることが多かったが、ちょっと視点を変えたこの研究に、心あたりのお母さんも多いのでは…。
岩手大教授が警告
大沢教授が少年の非行と食生活の問題に関心を持ったのは、少年院の面接委員、鑑別所の技官を延べ11年もした体験から。「少年非行はとかく教育や心の面から論じられがちだが、神経生理学的な問題もあるのでは」と昨年10月、東北地方のある少年院の協力で、男子中学生11人に面接した。暴行、傷害、恐喝、窃盗などの事件で収容された生徒で、いずれも警察庁が先月まとめた少年非行の概要で非行率が最高とされた14歳。
カルシウムやB1不足
入院直前の家庭での食生活について詳しく話を聞いたが、その結果、全員にほぼ共通していたのは
- 清涼飲料など加糖飲料をガブ飲みし、甘い菓子やチップス好き
- 朝食抜き
- 間食が多く、菓子パンやインスタントラーメンを多食
- 副食では肉、肉加工品好きで、野菜は嫌い―
などだった。
例えばA君の場合―。
朝食はなし。空腹時は学校近くの食堂でハンバーグ定食。炭酸飲料やキャラメルの時も。昼は弁当、夜は肉が好きで、週2回ほどはステーキ3人前。間食に清涼飲料1.5P、キャラメル2‐5箱、チョコアイス3個、アイスクリーム。
他の10人も似た傾向で、大沢教授は「こんな食生活では、カルシウムが欠乏するだけでなく、やはり神経に影響するビタミンB1が不足する。さらに糖分の取り過ぎはB1を消耗してしまう。これらが不足すると、精神が不安定になり、狂暴になるという動物実験があるが、人間にも当てはまるのでは…。子供の食事を預かる母親や教育関係者は、健やかな心は日ごろの食生活からもはぐくまれることに関心を持ってほしい」と話している。
(58・8・20 サンケイ)
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5. 低脂肪食で血圧有意に低下
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医学博士 遠藤 仁郎
フィンランド・ノースカレリアで57組の健康な夫婦について行なった研究で、低脂肪(エネルギーの23%)の食事を6週間取った人たちでは、収縮期圧が138.5mmHgから129mmHgへ、拡張期圧が88.9mmHgから81.3mmHgへ低下した。この統計学的に有意な血圧低下は、1日の塩摂取量を減じたもの、通常の食事を続けたものなど他の被験者では見られなかった。低脂肪食を取った人たちの血圧は、低脂肪食を中止するとテスト前の値に戻った。血圧がやや高い者は正常血圧の者よりも大きな血圧低下を示した。この研究は、ヘルシンキのフィンランド公衆衛生協会と共同で行なったものだが、米国とヨーロッパの双方でもっと小規模の研究を5回行ない、同様の成果を挙げているという。
(Medical Tribune 83・9・8より)
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6. アメリカだより
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在 H.H.
今日読みました週刊文春のヘルスアンテナのところに(83年3月10日号)、
「ニワトリの餌しだい。卵は良質のタンパク食品だが、コレステロールが多いのが玉にキズ。ところが米国農務省のL・マクノートン博士の研究によると、ニワトリに高繊維食をあたえるとこの欠点は解消されることがわかった。ニワトリに野菜など食物繊維を食べさせると、卵黄のコレステロールが9%減り、米くずなど粗繊維食だと15%も減るという。将来卵を買う時にはコレステロール量によってえらぶことになるかも知れない」、
と書いてありましたが、卵一つにしても、昔のように、自然の中をはしり廻って、自然にそだってうむ卵をおいしく食べた時代と異り、いまの箱づめにされ、ライトを照らされ、つくられた餌を食べさせられ、産卵させられ売られている卵など、「いまの卵は生では食べたことがない」という人もあるほどで、安心して食べられませんね。
私、料理するときは、野菜一つでも、特に買った食品は、これは身体にどうかとかんがえるようなことです。店の目あたらしい、おいしい食品を買って食べると私などすぐ身体が悪くなるので、青汁で毒消しするようなしまつです。いまごろの食品は、どれで身体を汚され、弱らされるかわからないので、私の体験から、食物は身体にとって大事だと思います。
私の家に飼っている猫テミーは9歳(人間で72才くらい)ですが、とても野菜好きで、レタス、ケール、コンフリー、キャベジ、モヤシなど何でもよろこんで食べますので、白人などびっくりなさいます(写真)。時には果物のキャンロップ・アッポーなども食べるので私共もびっくりです。とても元気で、いぜん飼っていた猫は2〜3年で死んだのに、まだまだ元気にかけまわっています。
(83・10)
コンフリーについてのご注意
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7. 不思議な縁で青汁を知る
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鳥取大学医学部付属病院 M.Y.
私たちはおもしろい縁でお手紙をさしあげお願いすることになりました。
昨日は同じ病室の者同志「日本海新聞」という地方紙の7月6日に「青汁と癌」という一文が載り、ケールが放射線治療に見事な効果を現わしたと書いてあるのをめぐっていろいろ話した上で、共に放射線治療を受けておるのだから、このケールというものをさがそうという事で新聞社に電話したのです。
ところが担当者が留守でガッカリといって座ったところ「いや電話が終わるのを待っていたのです」といわれ、いろいろとお話をして下さった上「青汁は効く」(青汁友の会御案内)等を本日持って来て貸して下さったのです。なんと同じ病棟の隣室の中岡さんは、奥さんの治療でもうずっとやっておられ非常に効果を挙げておられたのであります。
そこで私ども一同早速団体病院用ダンボール箱入り青汁を申込むことに致しました。その気になればアッという間に道が開けたので不思議な縁だとたいへんよろこんでおる次第です。なおみなそれぞれ畑を持っておるものですから「ケールの種子」の欄を読み、これを頂いて元気になれば育てようということになりました。
5名ですのでよろしくお願いします。
3病棟3階入院患者 永江 勇 佐伯 幸三 増成 忠司
三島 昭雄 山口 正世司
続報 山口正世司
佐藤さんは次第に元気をとりもどされて来ましたし、
永江さんはコバルトを当てているうちに毛が生えて来ました。これには驚いております。たばこもやめて一生懸命です。今月27日には退院と決まり大よろこびです。
さて盧川和哉君が一家で飲んでみようかなと言われます。「青汁は効く」を読んでもらいました。彼も27日に退院です。私は30日位だろうと思います。有難うございました。
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8. 青汁一年半
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小田原市 S.K.
青汁一年半。高血圧のため始めました。今年、5名ほど苗をわけましたが、長続きするかどうか案じています。現在、青汁のしぼり方(ミキサー)を検討しています。クッキーにケールを入れて、子供や友人に食べさせていますが、結構な量を入れてもおいしく食べられるので、もっと入れて青クッキーにしようか、と話しています(栄養士)。
粉食やマッシュものにはどんどん入れるべきだと思います。(遠藤)
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9. 青汁のおかげ
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北海道 T.Y.
明治37年12月生れですが、現在たいへん健康で、電器店として、屋根にのぼったり、30メートル以上もの深い井戸にはいって、ポンプの取りつけ工事、あるいは修理などさせていただいて、たのしんでおります。まったく青汁のおかげだと有難く感謝しております。
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10. 血圧おちつく
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青森県 K.T.
55才の主婦です。こどもの頃急性腎炎にかかり、その後、何の治療もせずに過ごしていましたが、約20年くらい前、保険に加入するための検尿で、蛋白(+)で、ことわられました。そのとき、初めて血圧の高いことを知り、薬をのんでおりましたが、なかなか降らず困っていましたところ、青汁粉末のあることをおしえてもらい、2〜3年まえより、夏の間はキャベツにコンフリーの葉を入れてのんでおります。当地は1年の半分は雪の中の生活で、冬はキャベツのみで毎日のんでおります。さいきんになって、やっと血圧も140代に落つきました。これも青汁のおかげと感謝いたしております。
コンフリーについてのご注意
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11. コレステロールが正常に
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12. 毎日快便
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その後体の調子が良く、毎日快便(前は便秘がち)でとてもおなかの中がすっきりです。血圧はその後はかっていませんが、体重55kgから50kgにするのは相当むつかしく、毎日ヘルスメーターとにらめっこです。イモ・豆・ナッパの食事、誘惑もありますが頑張っています。来春はケールを栽培したく思っております。
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13. 腎臓の石にどうですか
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福岡県 S.S.
毎日、一日もかがさず青汁ピロサンをいただいており、毎日お通じがあって、失礼ですが、大きいので、拝んでおります。ごめんなさい。
長男が、腎臓に石があるとのことで困っております。病院に行っておりますので、なるべく手術はせぬ方がよいと青汁をすすめたいのですが、よいでしょうか お伺い申します。
手術はいつでもできます。ともかく熱心に飲んでもらってみてください。よくなった人も少なくありません。青汁をのみ、ナッパを食べ、ご馳走をへらすことで、なかにはとけて出ることもあります。
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14. 質問箱
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問
ほとんど年中といってよいほどよくカゼをひき扁桃腺をいためるこどもがいます。青汁はどれくらいのませればよろしいか。
答
少なくとも1日2合(もとのナッパ500)以上。多いほどよろしい。そして甘いものに気をつけ、菓子やジュースはやめ味つけをうすくすること。うす衣させて寒さにきたえること。冷い水で口や鼻のウガイをさすこと。
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コラム紹介
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夫れ能く要道を知る者は物に無欲にして世誉に狗はざるなり 抱朴子
歓楽を適宜になすは身体を健康にするの道なり、
然れども過度に之をなす時は必ず心を惑はし性を移すが如き大害を来すべし スマイルス
生を養うは、以て大事となすに足らず。ただ死を送る、以て大事となすべし。 孟子
生は生にまかせ死は死にまかすあるがままにまかせきる
青仲間 今日も新顔 つれてくる
青汁一口メモ
材料が少ないときは、しぼり汁をのむより、ミキサーでドロドロにつぶし(ミキサー粥)、そのまま全部を飲んでしまう方が無駄がなくてよい。
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