健康と青汁タイトル小 <1982年7月15日発行 第311号>
 目次




1. 敗血症と白血病の重患に著効

     医学博士 遠藤 仁郎 

     八幡の松本さんから、「松本市にいられる大恩人(終戦後5人の子供をつれて満州から引揚げていらい、主人がシベリア抑留からかえるまで、いろいろな面で大変お世話になった方)が、敗血症と白血病で危篤の状態ときき、何とかも一度元気になっていただきたく青汁をすすめたいと思いますが………」との電話。

     「絶対必要です。ぜひすすめて下さい。少なくとも毎日4〜5合以上。のめなければ注腸でもしてあげて下さい。注腸は、ながくは続けられませんが、1週間か10日ぐらいはやれます。そして、のめるようになれば、できるだけ多くのんでもらうことです。白血病はともかく、敗血症には少なくともよい筈です」、と答えておいた。

     それからまもない6月末の手紙。
     「先日はお電話でいろいろありがとうございました。ただ今では、おかげさまで日々快方に向っております様子で、少し明るい希望がもてるようになりました。
     あの日の夜行で、ケールの葉とスリ鉢をもってかけつけました。敗血症が白血病とかさなり、抜歯後1ヶ月も出血がつづき、血をかためる注射をされたそうですが、それでも止らず、悪寒したり、発汗したり、39度前後の熱がつづき、口の中の傷も全然治らず、ひどくあれていました。食欲はまったくなく、輸血と点滴と酸素吸入。すっかり衰弱。どうみても、もうここまで来ては今日明日といった重態で、とうてい助かることはないと奇蹟を願うばかりでした。せめて注腸だけでもと思いましたが、先方さまは、何分はじめてのこととてご不審の様子に見うけましたので、これは見合せました。
     そして、先生が青汁で敗血症でも治ることがあると申されたことを話し、さっそくコップ1/3くらいのませました。主治医の先生がケールの葉を見られて、「なんでもよいと思うことはしてよいから」といって下さいましたので、安心してのますことができましたのは幸でした。
     その後、青汁をつづけているうちに、少しづつよい徴候がみえだし、3日めくらいから口の中の傷が治りそうになり、一進一退していた熱も少しづつ下りはじめ、全然なかった食欲が出、オモユから全粥とすすみ、昨今では普通食が少量ではありますがとれるようになりました。ここ10日ばかりは平熱がつづき、輸血はしばらく中止して様子をみようということで、お医者さんも不思議がっていられるようです。」

     とあり、こんなエピソードが書きそえてあった。
     「最初、ケールの葉をもってかけつけた時のことですが、スーパーに立ちより、レジ係から、青汁ですかと聞かれ、私もケールを少しばかり植えてのんでいますのよ、とのことでしたので、この附近にケールをつくっていられる方を知りませんかとたずねましたところ、病院まえの酒屋さんのお爺さんが植えていられるということで、さっそく訪ねてみました。ちょうどミキサーでジュースをつくっておられるところでした。いろいろ事情を話して、ケールの葉をわけていただけないかと相談しましたところ、ケールで命が助かるのだったら、自分は飲まんでもよいからみなあげる、といって下さいました。八幡に帰ってすぐケールの苗と種子をおくりましたが、病人の分も植えて下さり、根づいて葉がのびたら、青汁にして病院まで届けて下さるそうです。これで救われたという気がいたしました。知らない土地にいって、病院のすぐ近くの方にめぐり合い、病人にとって一番有難い青汁をはこんで下さるなんて、神様のお使いのような気がし、思わず合掌しました。」

    その後の経過

      7月4日
       しだいに快方に向い、輸血による肝炎さえおきなければ大丈夫というところまでになりました。ケールの葉が足りないときはコンフリーを混ぜてのましているそうです。
       
      8月20日
       その後、日々回復にむかい、抜歯後の傷もすっかり治り、平熱。食欲よく、いまでは何でもおいしくいただけ、肝炎も出ず、経過順調。主治医から歩くようといわれ、トイレまで壁をつたいながら歩けるようになったと、たいへん喜んだ便りがございました。青汁は現在もずっとつづけてのんでいられます。今月の青汁新聞に、青汁の制癌効果の記事がありましたが、やはり、青汁のおかげだと思いました。いろいろどうもありがとうございました。」

     この方は、白血病に敗血症を合併した、常識的にはまず見込のない状態だったとかんがえられるが、その重患にこれだけの効果がみられたのは、まさに、松本さんの熱意、主治医の理解、酒屋のお爺さんの好意のたまものにほかならないが、また、ケールの結ぶ不思議な縁ともいうべきまことに心あたたまる話ではないか。
    (56・8)

    追記
     なお、この1月いただいた、年賀状にはこう書いてあった。
     「暮に長野まで行ってきました。敗血症、白血病と体中の血液が出てしまい、輸血、点滴滋養注射で生きていたのが、2ヶ月も輸血をつづけたのに肝炎も出ず、また床ずれもできず回復されました。ケールの青汁の効果をあらたに認識しました。まだ少し痩せてはおられますが、庭木の剪定など、木に登ってできるようになり、畑にはケールを沢山植えて見事にさかえており、冬の寒さからまもるために、ビニールハウスにしたいと話されておりました云々」
    (57・1)

    コンフリーについてのご注意



2. こわばりかけた関節(慢性リウマチ)

     医学博士 遠藤 仁郎 

     43才の菓子商の主婦。10年まえから関節リウマチ。右ヒジは曲ったまま固定し、ほとんど動かない。手術をすすめられている。左ヒジも動かすと痛む。指の関節は、両手とも、みな、腫れており、動かすと痛む。なお、こどもが弱く、よくカゼをひく。主人は特別の病気はないが、つかれやすい。食養生をおしえてほしいと来院。
     
     あなたのリウマチも、こどもさんが弱いのも、ご主人が疲れやすいというのも、おそらく、原因は一つ。あやまった食事にある。

    食のまちがい
     多分、肉食にかたむき、野菜が少ないのだろう。商売がら、糖分(菓子、ジュース。味つけの砂糖も)がすぎており、いそがしさのためもあって、インスタントものや出来あい食品が多いのであろう。(すべて、その通りだとのこと)
     とすると、カロリーや蛋白質は十分〜むしろ多すぎるほどだが、アルカリその他のミネラルやビタミンが不足している。アルカリが少ないと、血が酸性にかたむき(血のにごりの一つ)、カルシウムの不足に陥り、抵抗力をよわめ、ものごとに感じやすくなる(アレルギー状態)。ビタミン不足のためや、有害有毒食品(インスタントものや出来あい食品など)によっても血がにごり、からだ中のはたらきがそこなわれ、体力・健康力・生命力がよわめられる。そして、あなたはリウマチ、こどもはカゼひき、ご主人は疲れやすくなっているのだろう。

    まちがいをなおす
     そこで正しい食養が大切になるわけだが、このまちがいをなおすには、

    1. まず、気をつけなければならないのは砂糖。菓子、ジュースはやめ、味つけはうすくすること。
    2. 食べものは、なるべく安全な自然食品とし、加工・貯蔵食品、ことにインスタントもの、出来あいものは、極力、さけること。
    3. 栄養のバランスをよくするためには、良質ナッパを主とする野・山菜、海藻類を多くし、青汁は少なくとも一日3〜4合(もとのナッパ750〜1キロ)以上のむこと。多ければ多いほどよい。
    4. 主食品、蛋白食品はなるべくミネラル・ビタミンにとんだもの。すなわち主食品には白米や白パンよりは、玄米麦、雑穀(全粒)、豆、イモにする。イモは特によい。蛋白食品は、肉・魚の切り身より全体食べられる小魚、卵、乳、大豆にする。大豆は特によい。
    5. 調理は簡単、自然のままか、なるべく自然にちかいかたちで食べることだ。

    関節の運動
     痛みのため動かさないと右ヒジのように曲ったままかたまってしまい、全然動かなくなり、手術が必要になる。そして、たとえ手術はうまくいっても、同じ状態がつづいていれば、また悪くなるから、つとめて動かすことが大切だ。といっても痛みがあってはそれもむつかしい。で、いろいろの方法で痛みをおさえ、ともかく動かす。

    痛みをおさえるには
     温める。温罨法、温浴(温泉最適)。
     按摩、マッサージ、鍼、灸もよい。
     薬、なるべくつかいたくないが、やむを得ないばあいもあろう。
     食べもの、かなり関係する。
     酸性の食べもの(糖分、精製穀、肉、魚、卵、脂肪、アルコールなど)では痛みが強くなり、アルカリ性のもの(野・山菜、海藻、くだもの、乳など)では軽くなる。だから、ナッパを主とする野・山菜、海藻、くだもの類、ことに青汁を熱心にやることだ。
     また、時々、青汁だけのんでほかには何も食べない日(青汁絶食日)、あるいは、野菜(青汁も)と果物ばかりの日(野菜果物日)をこころみるとよい。
     こうした方法で痛みをしずめ、できるだけ関節を動かす。固定してしまっている右ヒジも、まだ多少は動くようだから、辛棒づよくやっていれば、時間はかかろうが、しだいに少しづつは動くようにもなるだろう。ともあれ、今のあなたには、こういう正しい食事と関節の運動が、何より必要だ。また、同じ食事で、こどもさんは丈夫になるだろうし、ご主人もかならずや疲れ知らぬ健康体を回復されるにちがいないと思う。
    (56・6)


3. 日曜百姓をやってでも

     医学博士 遠藤 仁郎 

    加古川の社宅住いの主婦の方からの手紙。

     「一年くらい前から、大阪青汁センターの粉末を、朝、食事まえに、二人の子供にのませています。上の子は6年生の男の子。アレルギー性鼻炎で、朝夕鼻水を出しています。また扁桃腺がわるく、年に2回くらい熱を出します。漢方薬を飲ましてみましたがよくなりません。朝、タオルで体をゴシゴシやっていましたが、今はタワシでこすっています。体操をやり、近くのグランドで走ったりもしています。下の女の子は2年生。生れつき右肺の働きが悪く、5才までは元気でしたが、6才頃から、時々、右肺の痛みをいうようになりました。子供病院の検査では、手術は無理とのことでした。この子も、朝、鼻水が沢山出ます。カゼひいていないときでも塵籠にティッシュの山(上の子と2人でかむので)。
     できることは、カゼをひかさないよう気をつけてやることだけですが、粉末一袋では足りないのでしょうか。生の青汁の方がよいのでしょうか。でも、近くに青汁センターはないし、どうしたらよいかと思っているところです。
     私も顔、ほほと目の囲りに、化粧かぶれでしょうか、赤くなり痒みがあります。皮膚科の薬でもなかなか治りません。やはり、血がにごっているからでしょうか。畑があったら、無農薬のケールを作りたいのですが、それもできません。「健康と青汁」、毎月読んでいますが、2合か3合のんでいられるようですね。安全良質のナッパ、農薬汚染のない果物をとれともありますが、私たち、近くの市場から買うほかありません。手にした果物、野菜、どこから来たものなのか(虫がついてないナッパ、ピカピカにみがいた果物)、また、いろんな添加物が入っているものばかり。ですが食べないわけにはゆきません(悪い悪いと思いながら)。本当にこまってしまいます。」
     まったく困ったことです。2人の子たちも、あなたご自身も、からだがアレルギー性になり、カブれやすくなっているためで、その原因の主なものは、やはり食事のあやまり――白米飯・肉・魚・糖・脂にかたより、野菜ことに良質ナッパの不足による栄養バランスとみだれと、生産用薬剤(農・畜・水産用、また加工・貯蔵用薬剤など)による汚染。そこで、これをあらためるには、良質ナッパをとり、栄養のバランスをよくすることと、できるだけ安全な食品をえらぶことです。しかし、安全食品の入手の困難なことはあなたの仰言るとおりですから、せめて安全なナッパからつくった青汁によって、栄養のバランスだけでもなおそうというのです。しかしそのためには相当の量が必要で、子たちでも一日200〜400グラム(青汁にして1〜2合、粉末では2〜4袋)以上。あなたはもっと多く。少なくとも700〜800グラム(青汁にして3合、粉末6袋)以上。

    生の方がよい
     生の青汁が利用できればそれにこしたことはありません。しかし加古川にはその便宜がありません。けれども、となりの姫路には、駅ちかくにありますから、そこに行けばいくらでももとめられましょう。また、ケールの葉もあるいは融通してもらえるかも知れません。2〜3日分まとめてもち帰り冷蔵庫に入れておけば、いつでも好きな時にのめるし、コストの点でも助かりましょう。

    葉のとりよせ
     三重県の亀山市のケール農園(朝倉氏)からとりよせることもできましょう。もっとも季節により輸送中にいたむおそれはさけられないでしょうが。も一つは信頼できる農家、あるいはあなたかご主人の実家に栽培を委托すること。

    自給
     それもダメなら何とか自給のみちをかんがえる。ケールの栽培はいたって簡単で、ズブの素人でもらくにやれます。社宅では無理でしょうが、どこか近くに空地か休耕田はありませんか。もしなければ、そして、車にのられるなら、少しはなれたところを探されてはどうでしょう。
     20〜30坪でも借りて、日曜百姓をやり、ケールだけでなく一般野菜もつくることです。私も、いぜん、家から2キロあまりの丘(歩いて30分くらいのところ)の上に100坪の土地をもとめ、それをやりましたが、土曜の午後と日曜だけで(それも雨の日や、やむない用事で差支えることもありましたが)、結構りっぱにつくれます。
     その際大事なことは、化学肥料も農薬もつかわず、昔流儀の堆肥、石灰、油粕、鶏糞など有機肥料によること(自然健康農法)。そうすると、病害虫害に強い、味のよい健康なナッパができます。それをもりもり食べ、青汁にしてのめば、二人の子たちもしだいに丈夫になり、鼻や気管支のアレルギーもおちつき、鼻水も出なくなり、カゼもひかず、扁桃腺で熱を出すこともなくなりましょう。肺のはたらきも、いくらかづつでもよくなって行くかも知れません。
     あなたの顔のあれもひとりでに治ってしまうでしょう。こどもが弱いことほど不憫でもあり、悲しい、不幸なことはありません。しかも、その解決法はただひとつ。自らの努力によって、日曜百姓をやってでも、あまりにも不自然・不合理になっている日常生活、ことに食生活の建直しをはかることしかありません。ただ、いたずらに、腕をこまねいて、みだれた世相を悲しみ恨らみ嘆いているだけでは、いつまでたっても埒はあきません。
    (56・6)


4. エンプティー・カロリー(5)
前回参照

     医学博士 遠藤 仁郎 

    弁当くらべ

    日の丸弁当
     むかしよく食べた日の丸弁当。
     白米飯300グラムに、梅干1ヶ 10グラム。

    日の丸弁当



    ソバ、ウドン
     ユデソバ、ウドン、いずれも300グラム。
     臭味として葉ネギ10グラム。(グラフはソバ、ウドンは省略)


    寿司
    アナゴとマグロの寿司、各5ヶ。
    一箇分の飯は大体25グラム、魚は約10グラムのようだから、全体で飯250グラム、魚100グラム。
    寿司



    サンドウィッチ
    新幹線の日本食道のサンドウィッチ。
    1ケースに6ヶはいっていて、1ヶの目方20グラム。
    うち、パン15〜6グラム、ハム5グラムだったから、全体でパン100グラム、ハム30グラムというところ。
    サンドウィッチ

     その栄養価は表やグラフのようで、日の丸弁当はもとより、ソバ、ウドンでは、殆んど原料穀そのものの養価にすぎない。寿司、サンドウィッチでは魚や肉の養分だけふえている。しかし、そのいずれにしてもカラッポ食品であることに変りはない。

    イマナ弁当
     それにひきかえ、いつも総会の昼食に出るイマナ弁当――ジャガイモ、サツマイモ各100グラム、大豆30グラム、ケール、コマツナ、チシャ各50グラムという組合せだが――がいかにうまくバランスがとれており、カルシウムにもビタミンにも十分余裕のあるか、とくに注目されたい。
    イマナ弁当

    (57・5)

     日の丸
    弁当
    ソバウドン寿司サンド
    ウィッチ
    イマナ弁当 
    熱量436353350497354353カロリー
    蛋白質6.310.08.028.913.617.3グラム
    カルシウム1536.521.58513.4312ミリグラム
    ビタミンA0333326003200国際単位
       B10.070.190.130.130.240.56ミリグラム
       B20.040.100.040.090.050.41ミリグラム
        C03300260ミリグラム


5. 全身の静脈瘤

     医学博士 遠藤 仁郎 

    「47年(9年まえ)ごろから、からだ中、手も足も胸も腹も、いたるところがすじばり、かたくなって、痛みだし、ついには、足を踏みつけることも、歩くことも出来ず、夜、臥ると、背中がいたむ、という有様だった。原因はかいもくわからず困りはてていたが、岡山大学で、全身の静脈瘤と診断され、体質的のもので、有効な薬も、その他特別な治療法もない、治りにくい病気だ、といわれた。
     6年まえ、成羽の田辺氏から、体質をかえるには青汁しかないときき、ケールを植え、熱心に実行した。
     4年めから効果が出はじめ、6年めの今日では、静脈瘤による苦痛は全然なくなり、ふつうの生活ができるようになった。青汁はいまでも3〜4合はのんでいる。また、ひどい貧血があり、日赤検査センターの調べで、70〜50%の血しかないとのことだったが、これも青汁でよくなった。といってみえた。
     現在でも、いくぶん貧血気味ではあるが、静脈瘤らしいところはどこにも残っておらず、腕も脚も胸も腹もやわらかくて、おさえても、つまんでも、少しも痛みはない。
     静脈瘤が青汁でなおることは他にも実例がある。なぜよいのか。理由はもひとつはっきりしないが、この人が、いぜん、肉食家で、味は濃厚。菓子は大好物というひどい偏食をしていたこと。そして、徹底した青汁食でよくなったことから考えて、おそらく、甚しい偏食のため血がにごり、ねばって、血の流れがよどみがちとなり、血管の弾力がゆるんでふくれ、静脈瘤になり、中がつまったり、炎症(静脈炎)がおこって、かたくなったり、はれ、痛んでいたのだろう。
     それが青汁によって、栄養が正しくなり、血がきれいになるとともに、ねばりがとれ、血の流れがよくなり、静脈の弾力、抵抗力が強くなり、静脈のふくれも炎症もとれて、しだいに回復してきたのであろう。

    (56・5)



6. 薬づけ医療

    患者自身も反省を
     過剰診療や薬づけ医療に対する批判や非難の声が、年ごとに高まっているように思うが、受診者自身にも、反省すべき点が数多くあるのではなかろうか。国民の薬や注射に対する期待過剰や過信が、必要以上に薬の消費量の増大に拍車をかけているのではないかと思う。
     人間だれしも病気になれば弱気となり、わらをもつかむ気持ちになりやすいのは事実である。が、しかし人間の体には自然に治癒する力があり、むやみやたらに薬を飲めば治るといったものでは決してない。とりわけ近年は、テレビや新聞の誇大とも思えるような薬の宣伝につられて、国民の薬の服用は着実に伸び続けているようであるが、恐ろしいのは薬の副作用である。
     厚生省が先日発表した、薬害の実態をまとめた55年度の医薬品副作用モニター報告が、昨今の薬づけ医療の問題点を浮き彫りにしているのではないかと思う。身近な人々の中にも、多種多様な錠剤を間食におやつでも食べるような調子で、いとも簡単に口に入れている姿を見受けるが、薬害が大きく取り沙汰されるようになってきただけに、空恐ろしいことのようにも思われる。ともあれ、健康の維持増進は薬によるべきではないことを、もっと啓発すべきだと思う。

    (56・10・21 サンケイ)


7. 健康相談室 青汁養生とケール

    岡山県 M.H. 

     たヾいま数え70才ですが、63才から田舎へ帰って野菜つくりを楽しんでおります。世界救世教ほどの徹底した自然農法はできませんが、3年間米つくりもしましたので、その時は、近所の信者さんに助けられて、堆肥つくりをして、他の肥料を施さずに消毒等も全然しないで、夏中、水の中で草とりしました。一般の人のように草枯らしの薬をしませんので、草がどんどん大きくなり、明けても暮れても、八畝ばかりの田甫で格闘して、尊い体験をしました。
     秋になったとき、自然農法田の稲の色の美しさに驚きました。
     くっきりと色あざやかな黄金色で、あまりの違いにたヾたヾあきれるばかりでした。けれども体力の限界をかんがえなくてはと、残念ながら2年だけでやめました。
     農薬、化学肥料、機械でする百姓は大変楽ではありますけれども、自滅の道を歩いているのではと思えてハッとすることすらあります。われわれの年代はもう心配ありませんが、将来が思いやられる現状をどうしたらよろしいのでしょう?
     農薬を使用しない野菜つくりは害虫との戦いに苦労します。いろんな野菜をかなり沢山つくって、子や孫におくるのを楽しみにして頑張っています。



8. 成人病の“原因”を買わぬように 出費ロスをはぶき栄養のバランスを
  食事の洋風化で成人病が・・・

     わが国の死亡率の順位はトップが脳血管疾患、つぎがガンなどの悪性新生物、三番目が心臓疾患といわれています。このうち、一番目と三番目は、どちらも動脈硬化が大きくかかわっています。動脈硬化の原因には肥満、高血圧、糖尿病、血液のなかにコレステロールや中性脂肪が多い場合などがあげられていますが、これらの症状は、日ごろの食事が大きく影響しているわけです。
     食生活が次第に洋風化しているのと並行して、欧米人に多かった病気が、日本人の間にも“成人病”という名で、幅をきかせてきているのです。厚生省の「国民栄養調査」からみましても、米や野菜のとり方が減って、肉や卵類、油脂類、乳・乳製品のとり方が激増しています。この20年間で肉類は5.3倍、卵類は4.6倍、油脂が4.4倍、乳・乳製品が8.5倍になっています。
     これは、戦後の貧しかった食生活が、所得の上昇によってレベルアップしたと喜ぶべき現象のはずですのに、高いおカネを出してまで病気を買っているとは皮肉としかいいようがありません。日本人の食生活では、タンパク質をとるのに高いおカネを払わなければなりません。やっとヨーロッパ並みの賃金に追いつき、栄養を確保できるようになったというのに、それがマイナス効果になるというのではまったくの無駄です。

    つけあわせの野菜を残さないように
     食べ方が下手なのではないでしょうか?たとえば、デパートの食堂やレストランで、肉や魚を残す人はいないけれど、つけあわせの野菜の大かたは残す人をよくみかけます。あれは、アクセサリーでついているのではないのです。タンパク質をとったからには、ビタミン類やカロチンなど、どうしてもバランスとして必要な栄養(十分ではないにしても)として、添えられているのです。
     これを、食べ残すなら、料金の半分は捨てているようなものです。また一方では、ラーメンライスを注文しているかと思うと、昼食ぬきでケーキとみつ豆とチョコレートパフェを食べている人もいます。「食べる」ことを楽しんでいるのだから―といわれればそれまでですが、「魚や肉さえ、しっかり食べていれば安心」とか「好きなものを好きなだけ食べるのが、体に一番いい」などという、まちがった食生活の姿勢が、やがてヌキサシならない病気となって、かえってくるのです。おカネを出した分だけ、身につき、明日への活力になってこそ、初めて食費が有効利用されたといえるのに、これでは無駄をしたうえに医者代まで、余計な出費をしいられてしまいます。それほど“ぜいたく”をする余裕が、私たちの家計にあるでしょうか。

    バランスのとれた食事
     最近の食費をみると、嗜好品が多すぎたり、副食費がかかりすぎるのが目につきます。たとえば、A家の夕食は100グラム300円の牛肉を家族一人当り150グラムは食べさせたいといっています。つけあわせに紫キャベツやパセリ少々、一人当たりしめておよそ480円となります。一方、B家はこの肉を一人100グラム焼肉に、ジャガイモ、ニンジンのソテー、キャベツ、キュウリ、タマネギのサラダ、ワカメのみそあえをそえる献立で、一人当たり約380円。A家とB家をくらべると、一人当たり100円、4人で400円、1ヶ月12000円の差(毎日この種の食事として)です。この12000円が何を意味するかというと、A家はこれだけ多くのおカネをロスしており、成人病の“原因”を買っているのです。

    (生活経済評論家)
    (53・5・10 サンケイ)



9. 総会だより

     「遠藤青汁の会」総会が大原美術館の南隣の保育園「若竹の園」において、快晴のもと5月23日(日)午前10時より開会された。出席者は遠く東北の秋田、山形、福島の21名をはじめ、関東、中部、近畿、中四国等県外より60名の遠来の客を含め約180名参加のもとに、盛会裡に行われた。
     日程の概要は、参加者全員に当日発行の先生著「たべものあれこれ」を進呈。
     先生のご挨拶に続いて56年度事業経過、決算報告、57年度事業計画、予算案の審議が異議なく議決された。
     一旦休けいし出席者一同青汁を飲用後、本田園長さんの歓迎のご挨拶に続いて先生のお話、参会者の体験、質問の応答。この間倉敷青汁教室の人達の奉仕によるイモ・マメ・ナッパ昼食を賞味、午後2時30分、来年も健康で再会をと約し、先生と会場ご提供の本田先生に感謝の拍手を捧げて閉会した。


     ご参考までに当日の要旨を・・・・・・。
     先生のお話。度々青汁講演の依頼をうけるが老人が主、日本の将来を思う時、若い母親に勉強してもらって充分子供をしつけてほしいものだ。幸に、昨年は秋田支部が誕生。また現在兵庫県知事さんのお力添えで、淡路島五色町に健康道場が完成し、青汁をとりあげられることになった。岡山県の佐伯町では青汁飲用による町長以下町民全体の健康づくりが発足した。

     青汁学校給食の機運が京都市の保育園や、高知市の小学校に、部活動に青汁をとり上げようとしている茨城の高校、青汁友の会の結成が九州、沖縄、四国、和歌山に計画されつつある。又京大泌尿科の吉田教授が、青汁の制癌効果についていよいよ本年度の癌学会で発表される予定であること。最後に青汁を飲んで健康に長生きしよう。
     100才までも生きよう。今日本の食生活はカロリー、蛋白偏重で、ミネラル、ビタミンが著しく不足している。カロリー、蛋白が完全燃焼のためには、大量のミネラル、ビタミンが必要である。現在の食生活では体が酸性化し、新陳代謝の異状物質もできる。更に薬品等添加物の害も考えると、少なくとも4〜500グラム以上のナッパが必要である。こうして体をアルカリ性に保たねばならないと、ナッパ、青汁の大量飲用の必要を強調された。

     次に体験発表の主なものを列記すると、大病院で見放された悪性腎炎が4合以上の飲用で奇蹟的に治癒した。膀胱癌、肩こり、冷え性に著効がある。直腸癌が全治した。また直腸癌手術と血清肝炎が現在2年3ヵ月で血液検査は普通以上、術後の癌も快調。再生不良性貧血が全治(2名)膠原病が毎日5合以上の飲用で治癒した。肝炎、十二指腸潰瘍が青汁でいつのまにか治った。交通事故で数十針も縫合した顔面の外傷が、短期間に傷あとが解らないように治癒した。子供に飲まして病気知らず、持久力がつきスポーツの選手になった。精神が安定して反抗期がなかった。肝臓病治癒、喘息発作がなくなった。関節炎が数日の飲用で水がたまらなくなった、などなど――。
     これらの難病、奇病いずれも青汁の大量飲用と、農薬、添加物により汚染された市販の危険食品を出来るだけさけて、手づくりの安全食品にするといった食生活の改善が必要であるということが共通した体験者の声であった。


10. パセリのジュースと声

    東京都 S.M. 

     我々がパセリをミキサーにかけ、ジュースみたいにして飲み始めたのは、もう10年も前くらいからであろうか。1964年に日本を発ってドイツに行っていらい、ずっと青汁の粉は送ってもらい、飲みつづけてはいたが、日本語の読み物に飢えていたこともあって、青汁の本や新聞を何回も読みかえして読んだもので、パセリ、大根、シソの葉などが大変いいことも知り、一つケタはずれなことをしてみようと思い、俗に牛馬のごとく食うというが、シソや大根の葉は飲みづらいこともあって、パセリは市場で沢山買えたので、牛馬のごとく飲み始めたのがはじまりで、それも、たしか、日本から青汁の粉が着くまでの、粉を欠いていた時だったように思う。
     のみすぎたり、食べすぎたり、何となく気分が悪い時、5合から1升も飲めば、全身の熱っぽい感じがいつの間にかすうっとおさまって気分がよくなる。歌を専門にやろうと志してからそろそろ25年くらいになるが、いわゆるテクニックとかノドでは歌を歌わず、全身でやれるようになったのは、やっとこの7、8年来で(もちろんもっとよくなりたいとは常に思い、努力はしているが)、そうなると、パセリのジュースが声にいいかどうかはわからないが、今の僕にとって全身の調子がいいことは、歌が歌えることにつながるので。よくマスコミを、病院や医者が患者を薬づけにすることでにぎわしているが、青汁づけにすればよかろうと思うが、こんないい秘訣、本当は誰れにも教えたくない。僕一人、たっぷり青汁につかって、青くさーい歌を歌いつづけたいと思っている。何かをバッチリ生涯かけてやろうと思う人は、その前に、まず青汁について身体で知ってからはじめると、いい結果が得られるということがいえる。これを僕は確信している。

    (声楽家)



11. 低血圧

    高槻市 K. 

     低血圧のため、以前はよく、今日はもうとても起きられそうもない、と思いましたが、この頃はノロノロながら起き、しばらくすると身体が大変軽く、時には小走りに出かけたり致します。やはり青汁顆粒のおかげと感謝しております。



12. 大麦青汁に“若返り作用” がん化DNAの修復促進
  久保田・堀田両教授、学会で発表

    東久留米市 T.T. 

     大麦の生育期の若葉から抽出した青汁の中に、これまでわかっていた胃かいようを治す作用のほか炎症を抑えたり痛み止めの強い効き目があることを、久保田和彦東京理科大教授(薬理学)が突きとめ、4日、大阪で開かれている日本薬科学会で発表した。
     また、同じ青汁成分に、放射線や発がん物質で損傷を受けたDNA(デオキシリボ核酸)の修復作用を促進する効果があることを堀田康雄カリフォルニア大教授(生物学)が発表。両教授は「青汁成分は副作用もなく、リューマチや炎症の特効薬になるだけでなく、細胞を若返らせる機能がありそう」といっている。

     久保田教授は、青汁を粉末にしたP4D1と呼ばれる糖たん白質を含む溶液を、ラットの片足に体重1キログラム当たり0.1ミリグラム注射、30分後、ラットにカラゲーニンという炎症を起こす物質を注射した。その結果、P4D1を打たなかった足は体積が5割もふくれ真っ赤な浮腫(しゅ)ができたのに、P4D1を打った足はほとんど変化がなかった。
     標準的な抗炎症剤(フェニールブタゾン)に比べると、P4D1は500分の1の量で炎症を抑えられることがわかった。次に、痛みを起こす酢酸をマウスの腹に注射したところ、5分間に16回も痛みで体をよじるのに、前もってP4D1を注射しておくと5分間にわずか3回しかよじらず、鎮痛作用があることを確かめた。
     また、堀田教授は人間の細胞に、がんの引き金となるDNAの損傷を修復する力があることに着目。人間の線維芽細胞と肺の細胞に4NQOという発癌物質を投与したところ、P4D1を投与した細胞はそうでない細胞より3倍も速いテンポで修復することを確かめた。



13. 21年前に死んでいた私

     医学博士 遠藤 仁郎 

     さる4月20日、岡山の「食品の安全を守る会」の勉強会に招かれて、食品の安全を守るだけでなく、ナッパ・青汁で栄養のバランスを完全にしなければ、本当に食べものの安全は守れないことを話した。
     この席で、津山から来られた方が「倉敷中央病院の遠藤博士は36年(21年まえ)に61才で亡くなったと、ある新聞に報道されたので、青汁も大したことはあるまいと思っていた。その博士が講義をされると聞いて、本人かどうか確かめに来た」と話された。
     いぜんアメリカのある人から、「先生がアメリカに来られて講演されたという噂ですが」というしらせをもらって面喰ったことがある(ハワイには行ったがアメリカ本土には行ったことはない)が、死んだ話は今日が初めて。しかし幽霊でない証拠に足がありますよと笑ったが、世の中にはずいぶんひどいデマも流れるものとつくづく感じ入ったしだい。

    (57・4)


14. 不摂生と青汁

    倉敷市 H.T. 

     昭和30年頃の話ですが、私の友人で毎日焼酎をコップでがぶ飲みする酒豪がいた。彼は焼酎を飲んでは胃が悪い、ご飯が不味と訴え、顔色は悪く、生気なくアル中状態であった。その後一年ほど音信が跡絶えていたが、31年5月頃、大阪でバッタリ出合った。
     その時の彼は顔色もよく、生気はつらつとして見違えるほど元気になっていた。焼酎を止めたのかと聞くと、いやますます快調に飲む、ご飯も美味と言う。一体その原因は何かと聞くと、1年ほど前から毎日青汁を飲むおかげだと青汁の効用をとうとうと述べ、彼いわく君も毎日午前様と聞くが、不摂生するなら是非青汁を飲め、必ず体質が変る、おれがその体験者だとあたかも不摂生の妙薬のようにPRする。
     私も半信半疑ながら、その帰途、本屋で元倉敷中央病院長遠藤博士の青汁読本を購入し、その本を読んだ。以後すっかり青汁党になり、以来25年間不摂生を繰返しつつ青汁を続けている。先日も青汁の元祖遠藤先生を訪問し、お礼を述べたところ、大変喜んでいただくと同時に、不摂生者は青汁を飲めと言われますます意を強くした。



15. カブれなくなっていた

     医学博士 遠藤 仁郎 

     児島の岡さんは年末から新年にかけて、15〜6日間のハワイ旅行を終え、さきごろ帰国された。かねて血圧が高く、出発まえにも190/100はあった。しかし、かなり精神的の面もあるらしいし、熱心なイモ・マメ・ナッパ・青汁食家なので、ハワイは気候のよいところだから、気分転換にもなってよろしかろう、と賛成はしたものの、内心いささか気がかりではあった。
     そのみやげ話。
     「まる20年間ずっと血圧の薬をのんでいましたが、少しもよくならず、近年は、顔といわず、手足といわず、陽にあたるとかならずカブれ、からだ中に発疹が出、痒くてたまりませんでした。昨年の夏から青汁をのみはじめ(一日2〜3合)、イモ・マメ・ナッパ食にし、血圧の薬はすっかり止めています。血圧はあまりかわりませんが、体調はたいへんよくなっていました。そして、こんどの旅行では、ハワイのあの強い日光に、これほど日焼けするほど当りましたが、少しもカブれず、発疹も出なければ、痒みも全然ありません。これには本当におどろきました」と、
     元気のいい小麦色の頬をかがやかせていられた。

    (57・1)


16. 皮つきのままがよい

    山形県 K.H. 

     何年来、玄米食にしておりますが、ことし、小豆をいっしょに炊いてみたら、味もよく、やわらかく、玄米単独の場合より、ずっと食べよいことを知りました。大豆や青豆も試みましたが、小豆が一番たべやすいようです。後で気付いてみると、玄米がよいというのは、皮の部分にビタミンやミネラルが多いからで、小豆や大豆も、みな皮付のままでありますから、結果的には健康にもよいのだ、と思いました。


17. 山にこもって肺結核を治した話

     医学博士 遠藤 仁郎 

     いまは昔のもの語りだが、いぜん、若いものにとってもっとも恐ろしかったのは肺結核。どれだけ多くの英才や美女が、このため、あたら若い貴いいのちを奪われたか知れない。そして、肺尖カタル、肺浸潤という医者の言葉は死の宣告のようなひびきさえもっていた。
     今のようによくきく薬はなく、ただ、きれいな空気明るい日光にめぐまれたよい環境の中でひたすら安静をまもり、十分の栄養をとることだけ。薬といえば消化薬かせいぜいカルシウムの注射くらい。それでも、たいていはむつかしかった業病の結核。
     そのころ、こうした治療法を尻目に、不便な山中にこもり、自然の生活をやって完全に治したという話を聞き、そんな無茶なこと、あまりにも無謀。まるで自殺行為ではないかと思い、また、その可能性を疑ったものだ。それが今になって、お恥しいことながら、ようやく、いやいや、それこそが本当の治し方だったのだとわかってきた。
     住いは山小屋か、山畑の番小屋だったろうか。きれいな空気、明るい日光もあつらいむき。俗世の雑事から開放された心の安らぎ。必ず治る。いや、必ず治してみせるというかたい信念も、精神的に大いに役立ったろう。が、さらに大きい力になったのは山の自然の食べものだったろう。自ら耕してつくったものあるいは近くの里人の協力もあったろう。陸稲、麦、キビ、アワ、ヒエ、トウモロコシ。ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、大豆、落花生、アズキ、エンドウ、ソラマメ。鶏、山羊を飼って卵や乳。谷川の小魚やカニも食ったろう。山野自生の木の実、草の実・根、栗、クルミ、榧の実、山羊、百合根、キノコも利用しただろう。
     それにナッパを主とする野菜、山菜、野草、木の葉など利用しうるものはなんでも食べただろうが、いずれもすばらしい天与の滋味ばかり。それを生でも食べたろうし、調理するにしてもごく簡単であり、味つけも同じであったろう。そして、乏しくもあり粗末でもあったが、栄養的には完全か完全にちかいものになっていただろう。また、食糧をもとめるためにも、つくるにも、かなりからだを動かさなければならなかったろうが、それは、ちょうど適度の運動になっていただろう。こうした自然の生活、天理にかなった簡易生活によって、血はきよめられ、からだ中のすべてのはたらきがさかんになり、体力・健康力・生命力はたくましくもり上ってきたであろうから、さすがの業病がついに克服されたのも至極当然のことであり、少しも不思議でもなんでもないわけだ。

    (56・7)


18. 爽快の極致

    ソウル T.K. 

     尊賢のご高説であります次の内容を自ら実践しており、機会ある毎に唱えております。

      白米よりも玄米
      玄米よりも雑穀
      雑穀よりもマメ

     最近、いも類の量が多くなりました。夕飯は玄雑穀といもが主食となりました。ご飯の味が一品であります。世間の人達が、かように栄養にとみ健康によい食事をしないものかと、憐憫の情を禁じ得ません。今後、一人でも多くの人が、かような食事を実践するよう、啓蒙・普及に努めることが一つの使命であると存じます。
     最近の快便は、それこそ爽快の極致ともいうべき境地にいたりました。太くて長い棒状が一本出てくるのには、自分ながら驚いています。ここ1週間内、年下の同窓二人が、一人は腸ガン、一人は永年の糖尿病にて他界しました。成人病は現代の医学では早期快癒は困難であることが痛感されます。病人がどうしてかように多勢いるのか慨嘆してやみません。


19. 安心して生活

    香川県 H.K. 

     いつも青汁をのんで、安心して生活しております。この冬は大変寒かったせいかケールが全部ダメになり、ピロサンでしのいでおります。ことしは、家よりだいぶ遠いのですが、田舎のよく太陽のあたる土地にうえようと思います。種子をおねがい申し上げます。


20. 質問箱 


     青汁にはビタミンAが大変豊富とのことですが過剰症の心配はありませんか。


     ビタミンAそのものは過剰症をおこす恐れがあります。しかし青汁のビタミンAは、ビタミンAそのものではなく、体内でAになる、前段階のもの(プロビタミンA)で、これでは過剰症はおこりません。幼い児でも心配はありません


 コラム紹介

    カフェインぬきコーヒーは膵臓癌との関係がいわれている。
    いぜんカフェインをぬくのにトリクロールエチレンが用いられた。

    (Lin ら JAMA−日本語版.1981.5月号)



    青汁は健康のきめて



    この上もなく富める者が同時にこの上もなく貧しい者であるかの如く
    パンのかけらを集めるということは神々しいことである
    (キエルケコールの日記より)



    自然は最良の教師
    ドイツ俚



    食事療法はもっとも自然的な治し方だが、
    それでもずいぶん不自然なことがまかり通っている



    人は自ら軽蔑を学ばざる間は
    他より軽蔑されず
    セネカ



    上古之人、其知道者、法於陰陽、和於術数、食飲有節、
    起居有常、不妄作労、
    故能形与神倶、而尽終其天年、
    度百才乃者、
    今時之人不然也、以酒為奬、以妄為常、酔以入房、
    以欲竭其精、以耗散其真、
    不知持満、不時御神、務快其心、逆於生薬、起居無節、
    故半百而衰也
    素問



    己に如かざる者を友とすることなかれ
    論語







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