<1982年3月15日発行 第307号> | ||||||||||
目次 | ||||||||||
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1. 健康相談室 心筋梗塞 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
暮の30日、徳島県の南谷さんからこういう手紙が来た。 「私ども二人とも心臓病で倒れてしまいました。私は、去る9月5日に、突然、夜中2時ごろ発作がおこり、救急車で運ばれました。あなたの心臓はノイローゼ(心臓神経症)で、心配はありません。 もともと神経質という下地のあるところへ、食べもののまちがいが手伝って、そうしたことになったのだと思います。うんとナッパを食べ、青汁をのみ、いらぬ取り越し苦労はしないことです。 しかし、ご主人の方はウッカリできません。いぜん、たしか十二指腸潰瘍で、熱心に青汁をやられたと記憶していますが、多分、いわゆる「のどもとすぎれば」というやつでしょう。 健康をとりもどし、好調がつづくと、つい自信過剰に陥りやすいもので、「青汁なんか」という気持になっていられたのでしょう。それが危いんです。青汁はもともと健康になるためのもので、いかに頑健なものでも、またそのため、とかく不養生をあえてしがちな人々にこそ、ころばぬさきの杖として必要なものなのです。 しかし、今さらそんなことをいってみてもはじまりません。頭をうってからでも、生命あるかぎり決して遅すぎることはありません。いちばんよくないといわれているタバコをやめられたことは結構です。 また、コレステロールを下げる薬もよいでしょう。けれども、この薬とてやはり薬。ともすると副作用があらわれます。それに、コレステロールの高いことだけが、唯一の原因でもありませんから、ただそれを下げるだけが能ではありません。 ともかく熱心に食養生につとめること。一旦いたんだ血管はもう治らんといわれているようですが、決してそういうものではありません。養生しだいでコレステロールも下ります。血管も若がえってきます。 もっとも大切なポイントは、少なくとも一日1キロ以上の良質ナッパを食べること。青汁は一日3〜4合(もとのナッパ750〜1000グラム)以上。できれば5合でも6合でものんでもらいたいものです。 そして、食全体をへらすこと。もしふとっていれば標準体重以下に下げる。 主食は、白米飯やパンはやめてイモに、蛋白食は、肉や魚・卵よりは大豆ものを主とし、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物を十分にそえる。つまり、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食に徹底する。 なお、調理は簡単に、味つけはうすく(塩分だけでなく、糖分・脂肪・香辛刺戟物も)。酒はやめ、間食には果物。菓子、ジュース類、コーヒー、コーラなどさけること。のみものには草茶、コンブ茶、生果汁。適度の運動や鍛錬、但し寒さには十分注意のこと。過労をさけ、便通、睡眠をよくし、心の安定をはかること。 こうしていれば、にごり、ねばっていた血がきれいになり(コレステロールがへり、コレステロールをとかす成分がふえて)、流れがよくなるから、発作もしだいにおこらなくなるでしょう。 決してなまやさしいことではありませんが、あなたのいわれるとおり、こうするほかに方法はないのですから、ここで一大決心をかため、熱心に、そしていつまでも油断せず精進されるよう祈っています。 (56・1)
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2. 人間しょせん動物(7)―食養生に大切な心得 | ||||||||||
前回参照 | ||||||||||
友成 左近
この他いろいろありますが、それとは少し意味あいのちがったことで、序に言い添えておきたいのは、栄養剤についてです。 ところで、人々ふつうの毎日の食事で不足している栄養分は、既知未知にわたって数多いのですが、栄養剤は、その既知のうちの、ごく一部についてです。 従って、どんなに優れた綜合栄養剤を処方しても、不足している栄養分を、すべてうまく補足することはできません。そのうえ、その多くは化学的に合成したものであって、その構造式は本物と同様であっても、それは人知の及ぶ範囲のことで、あるいは本物と同様の効能はないかも知れません。 また栄養剤は、ひとつひとつは無害有効であっても、体内の栄養では、多種にわたる無機質やビタミンが相互に関連して作用しているので、もしある種のものだけを過剰にとるなど、使い方をあやまると副作用を引き起こすことがあります。 それに、意外と多額の費用がかかることは、いうまでもありません。 そこで、不足している栄養分は、毎日の食事を改めて補足することが大切なのであって、栄養剤は、緊急に栄養分を補給しなければならない場合や、なにか特別な薬効を期待する場合に、一時利用するのは、それ相応の意義はあるのですが、それ以外で利用するものではありません。 そして、この毎日の食事を改めるのに、動物の食べ方も手がかりすることが大切なのですが、そこで蛇足ながら付け加えておきたいのは、こうです。
従って食料には、この法則通りに栄養分をとるのに適当なものを生産し、そこに科学技術を活用することが大切なのであって、成分や安全などは二のつぎにして、ただ広く人々の好みにあうようなもの、あるいは、ただ炊事の手数が省けるようなもの、さらには、ただ儲けさえすればよいようなものの生産に使って、人間が開発したもので、人間をいためつけるようなことをしてはなりません。 もうひとつ、めいめい生きた体に必要な栄養分には侵すことのできない法則があるのに対し、人々生来の食習慣は、たとえどんなに執着しているようであっても、それを基礎づけている知識も、着色している好き嫌いの感情も、これまでと変わってきているのであり、これからも変わっていくものである、ということをシカと分別することが大切です。 そして、人生なにより大切な健康をはかるためには、変えることのできない法則通りに栄養分がとれるように、変えることのできる食習慣を変え改めていくように、たゆまず努めることが大切なのであって、これを怠れば、病苦に泣くようになると、シカと心にとめておかねばなりません。 (おわり)
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3. ききすぎる薬 | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
78才の老婦人が、 「一月ほどまえにカゼをひき、薬局で、よくきくというアメリカ製の薬をもらった。なるほど、セキはすぐとまったが、それから口がかわくやら、便秘するやら、からだの調子はかえって、よけいくるってきた。気分は悪くはない。京都まで出かけて花見をし、保津川下りもたのしんできたが、べつに疲れもしなかった。しかし相変らずセキが出る。」 といってみえた。 カゼをひいたあと、気管支が過敏になっているためで、心配はいらない。気候がよくなれば自然になおるだろう。薬をのむなら、つかいなれている緩和なもの(民間薬といった)の方がよかろう。 いまの新薬、ことに文明国の薬はききすぎる。現代人はからだが悪くなっているから、昔流の薬はききにくい。 そこで新しい強力な薬が次々に開発される。むかしの人は体質がよかったから、ききめのトロいものでも結構きいた。というより、からだにそなわっている自然の力、健康力、生命力が強かったので、よわい薬でもおし切ることができた。 いまは、強い薬の支えがなければ抵抗できなくなっており、文明が進むほどその傾向ははなはだしくなってゆくので、文明国の薬ほどよくきく。 しかし、それだけ副作用もつよい。文明人のからだの悪くなったのは、あまりにも不自然・不合理になった日常生活、ことに食のまちがい――うまいものばかり食べてナッパを食べなくなってしまったところにある。 粗食・菜食家には薬はいらないか、弱いものでもよいが、美食家、肉食化ほどきつい薬が必要になっている。 昔の川柳に、「安薬のきく木食」とあるが、いまは、「高貴薬もてこずる贅食」とでもいうか。それはともかく、新薬ことに文明国のものは、若い人にはよろこばれようが、昔人間にはききすぎる、というわけで、新薬のことはまるで知らず、昔の薬しかつかわない(いや、ようつかわない)私の薬がよいというオールドファンがあるのも、そのためだろう。 (56・4)
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4. 秋田支部学習会 | ||||||||||
秋田支部第2回目の学習会が、東京の田辺弘先生をお迎えして、寒空の中、中央公民館で11月23日午後1時より4時まで行なわれました。参加者は、遠く県北より和田さん、大潟村より久能さんご夫妻。 (秋田支部 嵯峨征男記)
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5. 健康のための食生活 | ||||||||||
日本人の食生活は現在すでに満足すべき水準にある― (56・4・17 山陽)
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6. 腎炎の方の食べ物 | ||||||||||
東 S.T.
お弁当にもお八つにも。ジャガ芋を卸し金ですり卸し、油を引いたフライパンに卵を焼く様にうすくのばして入れ、その上にシラス、青汁粉又は青汁顆粒等をふりかけ、火を細くしてゆっくりとやき上げます。 | ||||||||||
7. ますますのご活躍を | ||||||||||
神戸市 K.T.
「健康と青汁」、いつも興味ぶかく読ませていただいております。特に医学面での事例や報告は、私の唯一の情報材料で、とても興味のあるところです。 | ||||||||||
8. 効果におどろく | ||||||||||
山梨県 T.N.
青汁新聞を拝読しております。その効果に驚いたり、ありがたく思っており、多くの人にすすめております。 | ||||||||||
9. 新春だより | ||||||||||
大分県 S.O.
青汁歴19年になりました。体調きわめて順調です。今年の4月には70才になります。おかげさまと感謝いたしています。 奈良県 N.M.
青汁をはじめて3年。 三重県 A.E. 十数年拝読している「健康と青汁」のおかげで、頗る元気で傘寿をむかえました。こうした恩恵をうけている者は全国に何百何千といると思います。どうもありがとうございます。 倉敷市 H.M. いま、食生活の危機が叫ばれるとき、その使命は重大なことと自覚いたしおります。自分のこともふまえ、万人の幸福の泉となりますよう! 岡山県 S.A. 青汁をはじめてから、ちょうど29年目でございます。妻子なく無財よせくる老の波何を恐れん一発水爆(一路青汁)奈良市 M.T. 地球と人の心の荒廃を思うにつけ、ご主張が評価されるときが必ず来ると思います。 熊本市 T.I. 「健康と青汁」紙、毎号感激に堪えません。 | ||||||||||
10. 教壇に倒れた民辻先生より(田辺) | ||||||||||
いつも大変お世話になりまして有難うございます。 | ||||||||||
11. しだいによい | ||||||||||
東京都 H.N.
腰痛、下肢痛、水虫、足の冷え、胃炎、アレルギー性鼻炎等々の症状があります。 | ||||||||||
12. 質問箱 | ||||||||||
問 (遠藤)
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コラム紹介 | ||||||||||
怒れば気上り、 素問
むかしの人の行いが正しかったのは、 自然のおきてにすなおであったからだ。 医家は厭くまでも 精神肉体を兼ね司る一元論者として 患者に臨視せざるべからず。 苟くも精神状態を知らずして 完全に肉体を治療せんとするが如きは 到底不可能事たるを免れず。 (噫医弊)
聖業であるべき筈の医業が企業視され、 また、事実、企業化されていることは不幸なことだ。 | ||||||||||
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