<1980年10月15日発行 第290号>
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目次
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1. 煤はらい
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医学博士 遠藤 仁郎
くれの13日には家中の煤はらいをする。1年中にたまった煤や埃をはらいおとして、すがすがしい新年をむかえようというのだが、家財道具類のいたみを防ぐためでもある。大事な道具や機械類は、それが精巧なものであるほど、度々、しかも丁寧に手入れされなければならないし、扱い方も慎重でなければならない。航空機はフライトごとの精密な点検整備、コンピュータの無塵装置といったぐあいだ。さて、精巧機器の最高のものは、何といっても、完全無欠にオートメ化されたわれわれのからだ。しかも、これは、生きている間じゅう働きつづけ、いっときたりとも運転をとめて手入れすることは、絶対にできない。それだけに、その扱い方がいかに大切であるかは、けだし、想像にあまりあるところだが、はたして、どうであろうか。
食べもの
動力源の食べものをかんがえてみよう。生活程度が高まり、食糧の豊かになった現在、だれもかれも、精製穀(白米飯・白パン)、肉(獣鳥魚介)・卵・乳製品にかたより、高度に加工(精製・調理)され、雑多な調味料(糖・塩・脂・香辛料・化学調味料)で濃厚に味つけされたご馳走ばかり。それに、どんな混ぜものがあるか知れない既成食品・インスタントものがしだいに多くなり、菓子・ジュース類、酒・タバコの消費もすごい。まさに欧米なみ、あるいはそれ以上の贅美食を、いつも腹いっぱい食べているという、まことにめぐまれた食生活だが、この食事、いかにも栄養満点の、レベルのたかい文化食のようにかんがえられてはいるが、その実、はなはだ不完全、かつ、安全性にも多くの問題をはらんだ欠陥食になっている。
アルカリの不足
からだのはたらきは、体液の反応が微アルカリ性のときもっともよいのだが、こういう食事では、酸性食品(穀・肉・卵・糖・脂・酒など)が多くて、アルカリ性食品(野菜・海草・果物類)が少ないため、また、添加物として多くの加工食品に入れられている燐酸塩のため、アルカリが不足している。
ビタミン・ミネラルの不足
つぎに、カロリー源(糖質・脂肪・蛋白質)にたいし、それらの体内処理に必要なビタミン・ミネラル類も不足している。そのため、それらの代謝がうまくゆかない。それは、ちょうど、燃料ばかり多くて、それを燃やすために必要な空気が不足し、不完全にしか燃えず、有害な煙を出しているカマドにたとえられる。つまり、こういう不完全食では、からだ中がけぶり、煤や埃(不完全燃焼で生ずる有害産物)だらけになる(血のにごり)。
食品の劣質・有害化
そのうえ、農・蓄・水産物とも、生産法の不自然化(肥料・飼料など)から、食品そのものの劣質化(ビタミン・ミネラルの不足、蛋白質の変質など)し、また有害化さえしており(危険な薬剤や添加物による汚染など)、これまた、血のにごりをつよめている。乱用されている菓子・酒・コーラ・タバコ、あるいは薬品類また同様。
そのほか、現代人の多くは、運動の不足、寒さ暑さにたいする鍛錬の不足、睡眠の不足、心労に陥りがちだが、環境のよごれ(大気の汚染、日光の不足)などとともに、いずれも、血のにごりをすすめている。このように、あまりにも不自然化した文明生活をおくっている現代人のからだは、煤まぶれ埃まぶれされながら、しかも酷使されつづけている。血がにごってくると、からだ中のすべてのはたらきが悪くなり、健康力(抵抗力、回復力)がおとろえ、体調をそこね、不健康となり、病気しやすく、治りにくくなり、老化しやすくもなる。これが、さいきんのめざましい医学の進歩にもかかわらず、不健康者がふえ(1億総半病人ともいわれる)、成人病をはじめ、難病奇病の多発している、根本の原因であろうと思われる。
これに対処するには
そこで、真に健康になり、病気を防ぎ、その治りをよくするためには、からだに煤や埃をためないよう心がけ、いつも血をきれいにしておくことだ。それには、できる煤や埃(有害な分解産物)をなるべく少なくすることと、できた煤や埃(老廃物)の排出をはかることだ。
煤や埃を少なくする
まず、食の安全化。すべての食品は、なるべく安全なものをえらび、有害有毒食品はできるだけさけること。そして完全化。煤や埃のもとになる燃料(糖質・脂肪・蛋白質)を過ぎないようにし(少食)、ビタミン・ミネラル(アルカリことにカルシウムその他)を十分〜十二分にとり入れる(完全化)。すなわち、主食・蛋白食、調味料(糖分・脂肪)、嗜好品(菓子・ジュース類・酒など)は必要最少限にとどめ、野菜・山菜・海草、果物類をできるだけ多くし、最良のビタミン・ミネラル源である良質ナッパを、少なくとも1日400〜500グラム、理想的には1キロくらい添えること。また、その利用を十分にするため、なるべく多くを生食し、青汁にもする。青汁1合は、ほぼナッパ250グラムにあたるから、青汁にして3合のめば、1キロのナッパを食べることは、決して困難ではない。
調理・調味
調理は簡単にし(手をかけるだけビタミン・ミネラルや繊維が失われる)、味つけはうすく。
適度の運動
運動の過・不足ともに血をよごす。適度の運動は、血行をさかんにし、代謝をすすめ、血をきれいにする。それは、カマドをあおぎ、または、フイゴで風をおくって、燃焼をよくすることにたとえられる。
休養と心の安定
心身の過労をさけ、十分の睡眠。活動と休養のバランスをとること。また、精神的の緊張をほぐし、安定をはかること。ともに血をきれいにする。
老廃物の排泄
便通をよくする
便通が悪いと、老廃物が腸内に停滞(再吸収もありうる)するだけでなく、食物残渣の異常分解によっていろいろな有害物ができ、血をよごす。毎日の快通は、これらを除き、血をきれいにする。カス(繊維)の多い完全食をとり、糖分(味つけの砂糖・菓子・ジュース)をへらすことと運動、とくに腹部の運動によって、毎日快通の習慣をつけ、なるべく薬にたよらないこと。
利尿をはかる
尿利をよくするにも完全食、ことにカリウムにとむ野菜・果物を十分とり、味つけをうすくする。砂糖(だけでなく、糖質が多くても)は、食塩とともに利尿を妨げる。呼吸をさかんにする 肺はただ酸素をとり、炭酸ガスを出すだけでなく、腎臓と同様老廃物を排泄している。深呼吸や運動できれいな空気を吸い、呼吸をさかんにすることで、血がきよめられる。
皮膚のはたらき
肺と同様、老廃物を排出する。汗をかく(運動、日光浴、沐浴など)、摩擦その他の刺戟で皮膚のはたらきをつよめる。
要するに、からだの煤や埃をはらい、血をきれいにするには、日常生活を自然化するということになろうか。こうして、つねに煤や埃のたまらないよう、血をきれいにしておくよう心がければ、からだ中のすべてのはたらきが正常に、円滑におこなわれ、健康力(抵抗力、回復力)すなわち生命力がもり上ってくるから、体調はいつも上々、健康状態はすぐれ、病魔におかされることもなく、存分に活動することができ、長いきすることもできる。これこそ無病長寿の秘訣というべきものであろう。ともあれ、かけがいのないこのからだ。大切な器物や機械類にもまして、大事にあつかい、煤はらいを怠らないよう気をつけよう。
(54・12)
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2. 健康相談室 膠原病
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医学博士 遠藤 仁郎
わかい女性からの電話。……
「潰瘍で胃の2/3切りとったのに、また傷ができているといわれました。青汁がよいと聞き、やりたいんですが、どれくらい飲めばよいのでしょうか。」
「そういう大きい手術だと再発はない筈なんですが。」
「術後食事がすすんで、何でも食べたためでしょうか。それに菓子が大好きなので。」
「それにしてもおかしいですナァ。何か変ったことをしているんですか。」
「実はプレドニンをのんでいるんです。」
「それは、また、どうして?」
「膠原病なんです。」
「じゃ、そのためです。そうだとナッパ・青汁はぜひ、それも、少々ではダメ。うんと大量が必要です。1日少なくとも1キロ(青汁にして4合)以上。多いほどよろしい。」
「乾燥したものがあるそうですが、それでもよろしいか。」
「よろしいが、ナマの方がなおよろしい。だいいち経費がたいへんです。青汁は薬ではなく、食べものの補いで、生涯つづけなければならんのですから、畑があればケールをおつくりなさい。そして、存分にのむことです。タネはいつでも差しあげます。もちろん、他の食べものにも十分気をつけ、できるだけ安全良質のものばかりにし、農畜水産用薬や添加物などに汚染されたもの、したがって加工食品、既成食品、インスタントものなど食べないようしなければなりません。そのように、たとえばイモ・マメ・ナッパ・青汁食、緑葉食・青汁に徹底して膠原病を治した人もあります。」
「ヘッ!治るんですか。治らないものと覚悟していたんですが。」
とハズんだ声で電話がきれた。
(54・11)
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3. クインケ浮腫
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医学博士 遠藤 仁郎
43年に脳炎の予防接種後、帯状ヘルペスをやっていらい、妙にヘンなことがある。同年末の忘年会では、少々ウイスキーがすぎたためではあったが、便所でブッ倒れる醜態を演じたし、翌44年には、さいきんひいたこともなかった風邪で、一月あまり咳がつづき、45年の風邪では38.5度の熱を出し、回復にかなり手間どった。そして暮れからは、まる1年間クインケ浮腫におびやかされた。
クインケ浮腫は、限局性浮腫といい、限局したところが一過性に腫れるもの。ジンマシン同様アレルギー性のものとされている。
45年11月ごろ、リンゴを食った後から、農薬のためか、臀部と太股に、豆粒〜指頭大の、まるくもり上ったジンマシン様の疹が出没していた。
12月は、はやばやと忘年会その他の宴会がつづき、いささか飲みすぎの傾向だったが、中旬のある夕方、ふと、上唇の左よりにコワバリが現われ、ブトにかまれたように腫れ上って来た。クインケだ。とんでもないことになった、とは思ったが、やがて退きはじめ、翌朝にはあとかたもなくなった。これが第1回。
数日後、夕食にトンカツを一切れ食った後、同様のコワバリが出、グングン強くなり、上唇の左半分から頬にかけて腫れ上った。翌朝、まだ多少残っていたが、夕方までには完全に消えた。
3回目 また数日後、病院のパーティーで、やはり豚肉を食った後、下唇の左よりがおかしくなった。あわてて帰宅。庭の生ナッパをバリバリ食い、青汁3合とカルシウム剤をのんで、まもなく消退。
4回目 年があけて1月の中ごろ。ソバ饅頭を食べてしばらくして、左上唇がかたくなり出した。土曜日だったし、前回のがあまりに簡単にひいたので、「ものはためし」と考えたのが甘すぎた。2回目以上の勢いで、上下唇全体と左頬まで腫れたもの凄い形相は、翌朝になっても退かない。カルシウム剤とプレドニン(副腎皮質ステロイド剤)をのんでみたが、夕方になってもスッキリせず、月曜日は1日マスクをかけどおし。完全にもどるには3〜4日かかった。
5回目 その後は、いつもマスクとプレドニンを携行。止むを得ぬ会食の以外はことわり、純菜食。だのに、1月下旬のある日、便所に行こうと部屋を出た途端、鼻の真下がコリだした。カルシウム、プレドニン。青汁をのみ、生ナッパを食べ、あたためた手でさすっているうち、2時間ばかりで消えた。
以来、ナッパ、青汁を十分にとり、朝・昼は経験済みの無難な食べものばかりとし、夕食には、恐る恐る、卵・魚・鶏、さらに獣肉と、1種類づつ加えて反応をみ、しだいに種類と分量をふやしていった。クインケの発作はなく、2月中まではまだ時折出ていた臀部と太股のジンマシン様の疹も、3月以来は出なくなっていた。
1月末にやった肝臓機能検査は、全然異常なし。
6回目 4月下旬、少々宴会がつづいたせいか(アルコールはつとめて控えていたが)、5月初め、バナナを食ったあと、前同様の臀部と太股の疹が、また出だした。そして、下旬のある夜半下唇に軽いコワバリが感じられ、頤にかけて鶏卵大に腫れた。生ナッパ、青汁、カルシウム、プレドニンと軽いマッサージで、しだいに退き、出勤時には正常にもどった。
6月と8月に1回づつ。6月のは、山の畑でトマト(無農薬栽培)を口にした途端にはじまり、シソの葉(よく繁ったのを2本裸にした)だけでひいた。
8月のは、原因らしいものは全然なく来たが、ごく僅かで、間もなく消えた。
その後は出ない。といったぐあいで、誘因には、豚肉、ソバ饅、トマト、あるいは寒さと思われることもあり、まるで思いあたるものがないこともあった。その上、ちょうどまる1年たった11月、またリンゴを食べたころからは、時折出ていた臀部と太股の疹も全然出なくなった。おそらく、予防接種やカゼひきなどで感作され、アレルギー性になって出ていたのが、ナッパ・青汁を中心とする食養などによって、しだいに脱感作されてなおったのだろう。
(47・12)
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4. どうすればよいか
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医学博士 遠藤 仁郎
どんな混ぜものがあるか知れないうまいものがいっぱいの現在。そういう便利な出来あいの食品、インスタントものが氾濫している現在。いや、そういうものしかない現在。自然の安全なものにしたくても、自分でつくるほか、どうしようもない現在。いったい、どうすればいいのか。それには、危険なものはなるべくさけるよう心がけるとともに、せめて質のよいナッパだけでもうんと食べ、栄養のバランスをとる、いや、十分余裕をもたして食べることだ。そうして、からだ中のはたらき、とくに肝臓(解毒の中心臓器)のはたらきをよくすれば、かなりの毒が始末されるだろうから、
また、ナッパに多い繊維によってもいくらかはとり除かれるだろうから、もちろん、それだけで絶対安全とはいえないまでも、そうでない場合にくらべ、ずっと安全であるにそういなかろう。したがって、この危険いっぱいの殺人食時代でも、なんとか切りぬけることもできるだろう。そして、1億総半病人の心配や、始末に困っている成人病をはじめとする多くの難病も、よほどへって来るだろう。
ただし、そのためには、少なくとも、1日400〜500グラム、理想的には1キロくらいのナッパが必要だ。しかも、そのナッパは良質であると同時に安全なものでなければならないから、栽培法が合理的、すなわち、現在のような化学肥料・農薬依存農法ではなく、昔ながらの堆肥を主体とする健康的自然農法でなければならない。
そして、年中切れることなく、十分の量がほしいから、周年栽培ができ、生産量の大きいものであることが望ましいわけだが、それにピッタリなのは、今のところケールしかないようだ。で、これをうんとつくりなるべく多くを生でたべ、青汁にもする。そうすればかなりの量もらくにとることができる。(55・1)
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5. 健康相談室 ベーチェット病
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医学博士 遠藤 仁郎
ベーチェット病で大学にかかっている。
大学では、何を食べてもよいといわれているが、
どう思うか、
との電話がかかった。
ベーチェット病は原因のわからない病気だから、何を食べてもよい、ということにはなっている。しかし、そういう原因のわからない、したがって、これという確実な治療法もないような病気は、おそらく、あやまった日常生活に原因がある。すなわち、現代文明社会の、あまりにも不自然・不合理化した日常生活のためまねかれた「血のにごり」によるものでないか。そして、その予防や治療には、ともかく、まず、日常生活諸般の、あるいは、せめて食のあり方だけでも自然化・合理化すべきであろう、と私はかんがえている。
安全化
食べものは、すべて、なるべく安全な自然食品とする。そして、有害有毒な生産用薬剤や産業廃棄物、あるいは危険な添加物などに汚染されているものはもとより、高度に加工(精製・調理)されたものは、つとめてさけること。
完全化
すべての栄養素がそろい、よく釣り合いのとれた完全食にすること。そのためには、安全良質のナッパが400〜500グラムもあればよい筈なのだが、こういう難病のばあいはもっと多く、少なくとも1日1キロ(青汁にして4合)以上、多ければ多いほどよいことを、私どもは経験から知っている。
こういう安全・完全食として、現在可能なのは、私どものすすめているイモ・マメ・ナッパ・青汁食だが、2年間消長をくりかえし、ついには緑内障を併発、失明をあやぶまれた葡萄膜炎(ベーチェット病と診断されたこともある)が、この食で(青汁は1日6合、もとの材料1.5キロ)、僅か2ヶ月で完治したのがある。そこで、ベーチェット病にも、現在一般の食べ方にしているよりは、こういう安全であり完全である食べ方の方がよいのではないかとかんがえているが、その後、実際よかったというしらせも2、3うけている。
(54・2)
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6. 顔のはれ
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医学博士 遠藤 仁郎
40才の婦人。おもに朝、顔がはれる。職業(調理士)がら塩分のとりすぎ――毎日、150人分くらい汁ものの味みをし、のみこんでしまう。また、おかずも塩ものが多く、一般に味が濃いものを好むなど――のためだろうか。主食は白米。おかずに肉や卵類が多く、野菜類は少ない、とのこと。ややふとり気味。脉や血圧は正常。
たヾ、わずかに甲状腺がはれている。甲状腺の腫れには2通りあり、
1つは、よく知られたバセドウ病。甲状腺の機能のたかまっているばあい。これでは、ふつうやせており、眼が突き出しているか、眼のひらきが大きく、ギラギラ輝いている。手や指がふるえる。脉が多い。血色、肌のつやがよく、汗ばんでいる。この方には、こういう徴候はない。
も1つは、機能の低まるばあい(粘液水腫)。ふとり気味。顔はうだ腫れ、貧血し、肌につやがなく、乾燥している。元気・精気に乏しく、便秘にかたむく、などの徴候がある。この方は、皮膚の色つやがさえないこと、便秘性といったところなど、これにあたるようだから、顔のはれも、あるいは、そのためかも知れない。しかし、この点あまりはっきりしたものでないので、一応、塩分のとりすぎ、つまり、ナトリウムの過剰と、野菜不足によるカリウムの不足とのアンバランスが主因であり、それに、甲状腺機能の低下もあずかっている。といったところであろうか。
そこで、くわしくは甲状腺の機能をしらべてからのことだが、とりあえずすすめたいことは、味見のさい、汁をのみこまないこと。主食は、米よりはカリウムの多いイモに、蛋白食には同様カリウムの多い大豆を主にすること。そして、良質ナッパを主とする野菜・山菜・海藻などカリウムにとむものを多くすること。味つけも、なるべくうすくすること。(55・4)
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7. 新しい甘味料ステビア
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8. 青汁の魔力!!下肢硬直発作 13才の女児
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こどもの頃、小児ゼンソクがあり、保育園はよく休んだ。小学校にあがってから、4年生の前半までは順調で、特別なことはなかった。4年生の秋、10月、右足首がはれたことがあったが、捻挫のためらしかった。ところが、11月になって、右下肢全体に、毎日のように、硬直発作がおきだし、しだいに亢じてきた。整形外科で受診。砂袋での訓練をうけた。冬休みになって、発作の回数が増したので、外科受診したが、原因不明。
あけて1月、脳外科病院で、レントゲン検査をうけた。異常は認められず。薬をもらったが、鼻血、ねむけなどの副作用があったのでやめた。1月下旬、また他の病院にゆき、レントゲンや筋電図の検査をうけた。ここでも異常は認められず。入院。入院後、一時、ややよいかにみえたがやがて、もと通りになり、2月中旬、退院。服薬をつづけていた。
5年生の7月中旬から、発作はいっそうはげしくなり、夏休み中くるしんだ。10月末から、再び、1ヶ月入院したが効果なく、結局、小児神経症と診断されて、退院。
東洋医学、その他、いろいろ試みたが、おなじ状態がつづいていた。
それが、この2月の中ごろ(6年生の3学期)からはじめた青汁――といって、適当な材料がなかったので粉末を1日6〜7袋、もとの葉で500〜600グラムというところだろう――を中心とする食の自然化・合理化で、急速によくなった。
もっとも初めの2〜3日は、一時的に、かえって発作が強く出るようだったが、4日目からは、めだって軽くなり、回数もへり、5日目からは、全く発作はおこらなくなり、1ヶ月後には完全に治ってしまった。それまでは、硬直発作のため、学校は休みがちだったし、体育の時間はたいてい休んでいた。それが、毎日、元気で登校し、発作はなく、歩行はもとより、自転車に乗ることもできだした。卒業旅行にも、粉末をもって参加、他の児童と同じ行動をとることができたし、3月23日の卒業式にも、無事、校長先生から証書をいただくこともできた。
本人はもとより、家族や先生がたのよろこびはいうまでもない。中でも目をみはったのはこの児の療養の指導にあたっていた養護の先生。この先生は、前任の学校で、ながい間、青汁給食の世話をされていた方だったが、実のところ、内心、青汁の効果について、かなり疑問をもっていられたそうだ。が、この児の、あまりにも素晴らしい効果をみて、はじめて、本当に納得がゆき、確信がもてるようになった、と述懐されている。それから1ヵ月半たった3月末。私の山の家を訪ねてくれ、麓から約1キロの坂道を歩いて来たそうだが、下肢よりは心臓の方が苦しかった、といっていた。2年半ものながい間、ほとんど運動していないのだから、それも無理なかろう。
一体何病か
さて、この病気、いったい何だろうか。治りさえすれば、それが何であろうとよいわけではあるが、一応、詮策してみたい。2、3の大病院で、入院までして詳しくしらべてあり、けっきょく、神経症と診断されたのだから、筋肉や骨、神経や脳などの特別な病気でないことは確かだろう。そして、青汁食でよくなったことからすれば、原因は、やはり、食事のまちがいにあったとしかかんがえられないわけだ。
ところで、この女児の平素の食事だが、母親によれば、ごはん(白米飯)はよく食べ、おかずは主に魚や卵。野菜はきらいで、箸でほうり出すという風で、ほとんど食べない。市販の既成食品、インスタントものが好き。味つけはふつうとのことだから、まあ濃い方だろう。間食の菓子やジュースも多い。というはなはだしい偏食児だった。
食事をかえてから、少しやせたそうだが、それでも、いくぶんふとり気味。太ももや下腿のシオヅトはややかたく感じ、つかむと痛む、といっていた。ちょうど、はげしい運動のあとのようで、どうやら、筋肉の疲労現象の慢性化したもの、あるいは、慢性の筋肉のコリ状態といった感じだ。おそらく、それは、食事がひどく酸性食品にかたよっているうえ、ビタミン不足のため、酸性代謝産物ができ、筋肉が酸性凝固状態になっており、刺戟にたいし敏感で、痙攣しやすくなっているのであろう。
また、よく食べるという既成食品、インスタントものなどの影響もあるだろう。(ラーメンで発作がおきたことがある、と話していた。)それが食べものを変えてよくなったのは、十分のアルカリ、カルシウムで、血液が正常(アルカリ)化されたこと、ビタミンの補給で筋肉代謝が正常化されたことなどによって、筋肉の酸性凝固がへったり、たかまっていた興奮性が鎮ったからであろう。
ともあれ、この児を丈夫にするには、根本的の食改善しかない。そして、その中心になるものは良質安全なナッパの十分な供給だ。広い畑があり、勿体ないことに、みな草ボウボウだという。運動にもなる。それを耕して、昔ながらの健康農法により、年中きらさないようナッパをつくり、もりもり食べ、青汁にもしてのむことだ。そうしていれば、やがて完全に治り、人一倍つよいからだにもなるだろう、と話し、わが家自慢のグリーンサラダとカロチン芋のナッパ汁を出してみたが、「あれほど嫌いだったのに」と同伴の母親や養護の先生をおどろかせたほどおいしそうに食べていた。5月の総会のときの話しでは、4月の新学期から中学に上り、毎日元気に通っている、とのことだった。
(55・7)
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9. 食料当面の間違いに対処するには(19)
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前回参照 |
友成 左近
洋風化の是正には
そこで、こうした肉の多食をはじめとする洋風化は早急に是正しなければならず、その要領は、これまでみてきたことでよく分かるでしょうが、念のため要約すると、こうです。
まず第一に、いわずもがなのことながら、洋風食が高級で文化的であると考えて、日々の食物を洋風化して、肉やバターなどを多食しても、それで別に文化的に向上するわけではないことを、シカと反省することが大切です。
そして第二に、肉をはじめ広く動物性食品の多食といっても、人によって事情はかなり異なりますが、別にそう多食はしていない場合はともかく、実状人並以上に多食している場合は、それ相当量減らすことが大切です。
それは一つには、牛肉その他の動物性食品の生産は、わが国の風土条件や農業の実状から、その飼料が輸入穀物に大きく依存しているので、これは食料の確保上、極めて重大な間違いであるからです。(なお参考まで、この道専門家の見解によれば、肉の消費量は最近1人1日当たり平均約70gであるが、これを25g程度に減らすのが適切であるとのことです。それは、この程度の肉であれば、わが国の風土条件から、飼料も含めて、ほぼ自給可能であり、また国民栄養上、これで実状十分であるからです。)
もうひとつは、健康上からであって、それはこういうしだいです。牛乳や牛肉をはじめとする動物性食品の多食につれて、世にいう栄養水準(すなわちエネルギー分と蛋白質の摂取量と、そのうち動物性食品による摂取の割合)が向上して、確かに身長や体重といった見た目の体格が著しく向上してきました。(その他にも食事全般をはじめ生活各面にいろいろ事由がありますが。)
けれども、この向上は、日本人の体質からみて(とくに臓器の発達上)一応限度に達しているのではないか、従って、栄養水準をこれ以上に引き上げると(その他にも栄養不調和や運動不足などいろいろ事由があって)、かえって健康に障害を招くのではないか、むしろ少し引き下げるくらいが適切なのではないか、そして、もっと栄養の調和に重点をおくことが大切である、というのが、この道専門家の最近の見解です。
ところで第三に、動物性食品を減らすといっても、その種類によって勘案することが大切であって、牛乳と鶏卵は減らすことなく、むしろ増やすほうが適切であり、動物性食品をそう多食はしていない場合は、とくにそうです。そして、その代わり最も多量に減らすことが大切なのが牛肉であり、これにつぐのが豚肉や鶏肉です。
というのは、牛乳と鶏卵は、これで主としてねらっている蛋白質の、アミノ酸組成と消化吸収の点で最も優れているからです。そのうえ、その他の成分、それも栄養摂取で実状著しく不足している各種のビタミンとミネラルが最も多く、それに栄養円価が最も安いからです。
もう一面、生産効率も、飼料からみた栄養効率も最も高いからです。そして、こうした点で最も劣っているのが牛肉であるからです。なお念のため、ハムやソーセージその他の加工品は、殆んどすべて、成分や味わいが劣っていることもさることながら、添加物などで程度の差こそあれ有害有毒化しているので、極力食べないこと、食べるにしても、よく吟味して、実状できるだけ安全度の高いものに限ることが大切です。
もうひとつ、主として蛋白質をねらっている食品には、こうした動物性食品以外に、魚や大豆などがあり、その蛋白質のアミノ酸組成の優劣は肉とほぼ同等であるので、この魚や大豆を、肉代わりに大いに活用することが大切です。とくに大豆は、これ以外に(消化吸収の点で少し劣っていますが)、各種のビタミンとミネラルが鶏卵についで多く、肉や魚よりはるかに多いのです。また、その脂肪が、動物性脂肪とは逆に、動脈硬化などの主要原因のひとつとみられている、コレステロールの沈着を防ぎます。そのうえ、動物性食品に比べて、栄養円価がはるかに安く、また生産効率がはるかに高いのです。それに、わが国では在来、これを主な蛋白質食品にしていたのであり、従って、この優れた利用法が数多く、また嗜好にも合っているので、成長期はともかく、とくに中年以後は、この大豆を主な蛋白質食品にすることが大切です。
ところで、洋風化の是正には、この他いろいろ大切なことがありますが、最後にもうひとつあげると、実はこれが、この是正で実情最も大切なのであって、それは、牛乳や鶏卵も(また大豆も)、ましてや肉(や魚)は、必ずそれ相当量の野菜とりわけ青野菜を添えて食べることです。それは、これまで度々みてきたことですが、重ねてくりかえすとこうです。
肉やその他の動物性食品の主成分は蛋白質と脂肪であって、これが体内で栄養に利用されるには各種のビタミンやミネラルが必要なのです。が、これが、牛乳や鶏卵はそれほどではないのですが、とくに肉には著しく少ないのです。そして、これを補なうには、そうした成分が格別豊富である青野菜が、それ相当量に必要不可欠なのです。たとえば、肉(や魚)100gには、コマツナやダイコン葉といった青野菜で約200g(鶏卵では50g、大豆では100g)必要なのであって、キャベツやハクサイといった白色野菜では、そうした成分が貧弱であるため、実状どんなに沢山食べても、とうてい十分補なえないのです。
従って、もし青野菜を必要なだけ十分添えて食べないと、せっかく肉などで摂った蛋白質も脂肪も、不十分な青野菜に見合う分しか栄養に利用されないので、それだけムダになり、そのうえ未利用分が栄養に障害を招くのです。
そこで、洋風化して肉などを多食する場合は、必ず青野菜を、それに見合うだけ十分添えなければならないのです。(と共に、その他の食物をほどよくひかえることも大切なのです。)そしてこうしたことは、欧風の伝統的な食構成について、まえにみたことからでもほぼ分かることです。
「西洋は肉食」といわれていますが、この肉と同様に重視しているのが牛乳であり、その食膳には、各種の野菜を、わが国の洋食の献立よりはるかに多量に添えています。そして、この肉などと共に主要食料にしているのが、わが国で広く主食にしている白米より、各種のビタミンやミネラルがはるかに多いジャガイモや小麦粉(それも精度を制限したもの)です。ところが洋風化にあたって、多くの場合こうした点を見落として、主として肉だけを多食して、その他の食物はいっこうに変え改めなかったのです。とくに野菜とりわけ青野菜は、下賎の食べる低級なものとして、なにほども食べなかったのであって、ここはトクと反省是正しなければならないことです。
(おわり)
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10. 現代人は栄養過多
守りたい長寿7つの条件
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「人類の長い歴史の中でいまほど“腹”が満たされている時代はない。豊富な食生活はともすれば“過剰摂取”につながり、成人病などを生むもとになっている」――。農林水産省食品総合研究所の西丸震哉室長は、このほど岡山市内で開かれた講演会で「現代の食生活とその影響」のテーマで講演。現代人のカロリーとりすぎ、美食ぶりを指摘し、「本来の健康を取り戻すためには“腹八分”が大切である」と強調した。以下はその講演要旨。
人々の最大の共通した願望はなんといっても“健康”であり“長寿”をまっとうしたい点にある。健康長寿を満たす条件とはいったいどんなものがあるのだろう。われわれの研究所が長寿村と短命村に共通した発生要因を調べたところ、長寿村は
- 生物にとって基本である空気と水が良好
- 気候はよすぎるのではなく、むしろ寒暖の差が適当にある
- 労働は日の出とともに働き、日没とともに休むというふうにかなりきつい
- 心理的なストレスは多くてはいけないが、ある程度の刺激がある
- 食生活は食べ過ぎるのではなく、ほどほどのカロリー
- タンパク質は厚生省基準(1人当たり1日75グラム)よりも不足気味
- 野菜はしっかり食べている
以上7つの条件を満たしていた。みなさんもこの7つの条件を実現するように努力すればおのずと健康・長寿が約束される。
好ましい条件に逆行
ところが、現代文明がもたらしたわれわれの生活環境は―。
- 都会ではより顕著にあらわれてくるが、空気と水の汚染はひどくなっている。
- また家庭やオフィスに冷暖房が普及し、膚で感じる気温はよすぎる。
- 労働は限りなくゼロに近づく“安楽追究型”で歩かずに車に乗り、エレベーターを利用するなど手段からして無労働化に拍車がかかっている。
- ストレスは不必要なイライラが増大し、
- “飢え”はご免とばかりに起きている限り食い続ける風潮が強まり、カロリーは過剰、
- 量が満たされれば質の向上とごちそうを食べるのでタンパク質摂取は増えている。
- しかも野菜は食べなくなっている。
このように健康長寿であるための条件にまるで逆行している。
対応出来ない肝臓
ではこうした生き方を維持していると健康長寿にどう影響を及ぼすのか。
人類の歴史は数百万年といわれているが、その生理機構は一朝一夕に出来たものではない。他の動物とのきびしい生存競争、外界の変化のなかで人類の諸機能、つまり消化酵素やホルモンはうまく適合出来るように作りあげられたものだ。本質的な能力は昔と変わらない。
現実はPCB、重金属、さまざまな合成化学物質…がはんらんしている。PCBは自然界にあったといっても量はごくわずか。合成化学物質は何万種類もつくられているが自然界にはもともとなかったもの。これらの物質が人体に入ると肝臓は懸命に分解、排除に努力するが、排除機能がないのだから対応は出来ない。現代文明は新物質を体内に取り込ませ、人の生理機構のズレを増大させている。わが国の平均寿命は男子73歳、女子78歳といわれるが、これは現在のゼロ歳児にはまるで関係はない。明治、大正、昭和の初期をたくましく生き抜いてきた年配者固有のものなのだ。
若い世代ほど短命
環境悪化は著しいし鍛えあげた人とそうでない人では生命力も異なるはず。私は総理府の国勢調査、厚生省の人口予測などを参考に現実の食生活、環境条件が各年代の人の生命にどうかかわるかを調査した。
その結果、
66歳の人が半分に減るのは10.3年後(寿命76.3歳)。
56歳の人は15.5年後( 71.5歳)、
46歳の人は19.8年後( 65.8歳)、
36歳の人は22.8年後( 58.8歳)、
26歳の人は24.5年後( 50.5歳)…。
残酷な数字かもしれないが若い世代ほど短命になっていく。
男女寿命差は食生活
男子73歳、女子78歳の寿命差はなぜ出てくるか。
これは男女の食生活の違いが大きな要因となっている。男性は外でごちそうを食べる機会が多くタンパク質を取り過ぎるのに野菜ぎらいが多い。体質的にも女性は焼きイモ、カボチャ、ヒジキなど好んで食べる。
7つの長寿条件のうちタンパク質と野菜の2つだけで5年の差が出ている。7つの条件を再点検してみると空気・水の汚染は個人の力ではどうにもならない、またストレスを減らすことも困難である。残りの5つは実行出来る。野菜についてはたっぷり食べればよい。レタスなどカサは張っているが押しつぶせば少量。少々食べたのではダメ。タンパク質過剰につながるごちそうは食べればよいがうまさは最初だけ。早めに切り上げ残りは折り詰めにして持ち帰ること。カロリーのとりすぎは暴飲暴食をやめしっかりかむこと。労働はやればよい。平素から歩いたりスポーツをしたり、身体を動かす習慣を身につけることも大切。気候はとりあえず冷暖房をやめる。夏の暑さ、冬の寒さを実感すれば春秋のありがたみがわかる。
適正な栄養摂取を
地球上の人口は現在、40数億人、今世紀末にはその数65億〜70億に膨張するといわれているが、人類の歩みを振り返り、いまほど満腹していた時期はかつてない。やや“飢え”を感じる状態の方が人間の生理機能をフルに働かせ得るものだ。むしろ、その方が正常な姿といえる。お互いの食生活をじっくり点検、食べ方も含め適正な栄養摂取に努めていただきたい。(54・10・16 山陽)
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11. アメリカだより
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ロス S.S.
1976年の夏、当所に入居しますまで青汁をのみつづけていました。
裏庭がひろく、ケールや人参、ビーツ、シソ、クコなどをつくり、セロリを入れて青汁にしていました。ただいま住んでいます此処は、62才以上の高令者の、政府のマンションのようで、庭はなく(各自小さいベランダに花をつくっています)、鉢にうえてもできないので困っています。
当地では、ケールは黒人しかつかわないので、日本人グローサリーでは全然見られません。ケールの代りにキャベジの外葉をつかっていますが、時間的にすれちがって、あまり得られず、昨今はアルファルファの錠剤を毎日2ヶづつ使用しております。まえの家の裏庭にあったクコを、こどもの裏庭に移植しましたところ、とてもよくでき、その新芽をとって乾かし、クコ茶をつくって、ハブ茶や玄米茶に混ぜています。
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12. アキレス腱切断
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市川市の島田さん(85才)は、昨年、交通事故でアキレス腱を切断、入院されたが、病院には同病者が多勢いた。島田老は、病院の給食を食べ、青汁をのんで、1ヶ月で退院できたので、みなおどろいていた。同病患者の多くは、病院の食餌をきらって、外部からうまいものをとりよせて食べていた。そういう連中は、年の若いのに、3〜4ヶ月かかってもうまく治らないばかりか、化膿してこまっているものも少なくなかった。(5月の総会での報告)
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13. 再発必至といわれた子宮癌
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Kさんは、7年まえ、子宮癌の手術をされた。4時間もかかり、輸血用の血液はふつうの倍の8本も必要という大手術だった。術後、主治医から、「病気はかなり進んでおり、転移もあり、程度でいえば二期の末期。半年以内に7割は再発するという状態になっていた。おそらく、再発はまぬかれまい」と宣告され、コバルト照射を30回うけて退院した。こんいな方からすすめられて、青汁を毎日5合(もとのケール1.2〜3キロ)以上のみつづけているが、経過は順調。現在にいたるまで何の障害もなく、たのしい毎日をおくっている。(5月の総会での報告)
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14. Laetrile
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Laetrileという薬は、杏仁からつくられたもので、癌にきくといわれている。アメリカでは、その使用が法律で認められている州もあり、毎年2〜5万人の患者がのんでいるそうだが、いままでに6名のシアン(青酸)化物の中毒例が報告されている、という。主成分はアミグダリンで、これからシアン化物がでるらしい。
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15. 半年はもつまいといわれていたが
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胃癌で手術したが、進行していて、手がつけられず、そのまま閉じた。そして、おそらく半年ももつまいから何でも好きなものを食べさせてあげなさい、といわれた。食はすすまず、ドンドン衰弱してゆく。この人に、青汁を中心の食べ方をすすめたところ、熱心に実行し、だんだん食べられだし、しだいに回復して来た。もう4〜5年まえのことだが、この人、いまだに元気にしている。(54・1)
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16. 高知の青汁
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高知センター 野村 嘉彦
私も“青汁の道”に入ってまだ少ししかなりませんが、それでも、青汁の歴史がそうであったように私自身の青汁の歩みも、周りのさまざまな環境条件のなかで、ゆれ動きながら、新しい、歴史をきざんでおります。しかし、この2年間の間に高知の青汁は、本来の主旨にもとずいてほんとうに普及しました。高知県の大部分の人々が青汁を知り、その恩恵に浴することができるようになったことは、ほんとに嬉しいことです。青汁を識れば識る程、終始一貫して、提唱きれてきた先生の偉大さを感じる次第であります。
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17. 皮膚が黄色くなった
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倉敷市 N.N.
おかげさまで、悪かった腎炎もさいきん調子がよく、家族皆で喜んでいます。ところが、前ごろから、主治医や友達からも、皮膚の色が黄色いといわれるようになり、悩んでいます。調べても、腎臓のほかは悪くないそうです。やはりケールのせいなのでしょうか。
答
そうです。ミカンを食べて黄色くなるのと同じ(柑皮症)で、ナッパの中のカロチン(ビタミンAになる成分)のためです。少しも心配ありません
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18. 質問箱
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コラム紹介
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人に憎まるる時は神に愛せられ、神に愛せらるる時は人に憎まる
内村鑑三
仏道をならふといふは、自己をならふなり。
自己をならふといふは、自己をわすれるなり。
正法眼蔵
我等が好んで吹きさらしに露出している身体の部分は、
いずれも、皆、それに堪えられるようになっている。
顔、足、手、脛、肩、頭顱いずれも習慣の命ずるがままになって平気ではないか。
まったく、我等の内に、弱くして、寒さをいとわねばならぬような部分があるとすれば、
それは、その中で消化が行われるところの胴体でなければならぬが、
我等の父祖はその部分をも露出していた。
モンテーニュ
わが盛りいたく降ちぬ雲に飛ぶ薬服むともまた変若めやも
万葉集
人に見えぬ心の中を悪くして、行ひを善くするは易かるべし。
人に見ゆる行ひはたとへ宜しからぬやうに思い傲され取傲さるるとも、
それにかまはで、我が心の中を善くせんとする、却って難きふしあるべし。
孝子と云はれんよりは、孝子と云はれずして孝を尽さん事、
難きもひとしほ難かるべけれど、めでたきも亦ひとしほめでたかるべし。
幸田露伴 洗心録
病なおりて医師忘る
病に主なし
病んで医を知る
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