<1978年5月15日発行 第261号> | ||||||||||
目次 | ||||||||||
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1. 猿真似はやめよう | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
在米日系人の一世には、日本人と同様、胃癌が多く、大腸癌や乳癌は少ないのに、二世・三世には胃癌は少なくなり、大腸癌や乳癌がふえている。また、糖尿病や心筋梗塞も、一世には少ないが、二〜三世には、ずっと多くなっている。これらの事実は、いずれも、日系人の罹病傾向が欧米人型になっていること、つまり、日系人の体質が日本人より欧米人に近づいていることをしめすものだ。欧米の反省 ところが、さいきんの欧米では、かれらに多い病気が、200年来の肉・脂肪ことに飽和脂肪(乳や乳製品)・砂糖・精製穀(白パン)食のためであると反省され(環境の悪化・運動の不足・生存競争の激化などの影響ももちろんあろうが)、こうした食品をへらし、全穀パン、ジャガイモ、大豆、野菜、クダモノなどを多くとろう。そして、このことは、とくにこどもたちにとって大切だ、という声や運動がおきている。 わが国では その時、わが国では、相も変らず、国をあげて、もっと肉を、もっと乳を乳製品を、もっと砂糖をと、食の欧米化がすすめられ、しかも、発育ざかりのこどもたちには、とくに、その必要性が強調されているのだが、これは、また、なんとしたことだろう。 なるほど、食の欧米化によって、こどもたちは大きくなった。しかし、それとて、ただヒョロ長くなっただけで、けっして均斉のとれたのび方とはいえないし、体力・精神力はかえって低下していること、不健康児・病弱児がふえ、いろいろ厄介な病気が多くなっていることは、よく知られているとおりだ。 冠状動脈硬化のきざし 欧米で、今、もっとも問題になっているのは、心筋梗塞などの心臓の冠状動脈の硬化による病気の激増であり、しかも、その下地が、すでに幼時にはじまっているということだ。しかし、なんと、わが国でも、もう、そのきざしが出かかっている ――わが国の4〜5才児の冠状動脈にも、どうやら動脈硬化の前触れと思われる変化がみとめられる―― というのだから、少しも安閑とはしていられない。 日本人の体質 これまで、欧米人と日本人との間に体質のちがいがあるのは、人種的のものであろうとされていたのだが、そうでなかったことは、日系二〜三世や、わが国の青少年層の体質が、このように、生活様式ことに食生活の欧米化によって変ってきていることからも、よく理解できよう。日本人の体質も、罹病傾向も、つまりは、わが国古来の伝統的日常生活、ことに質素な食生活の結果にほかならないわけだ。 合理化すればよい さりとて、ここまで向上(実は堕落)した食生活。いまさら、肉を食うな、砂糖を食うなといっても、とても受け入れられよう筈はあるまい。また、われらとて、そういう野暮なことをいうつもりはない。ましてや、世界の経済大国。貿易収支の黒字べらしのためには、うんと輸入をふやし、うまいものもどんどん食わねばならぬ、というものでもあろう。 けれども、そのために、ながい間につちかわれた、めぐまれた体質、すぐれた健康を、ムザムザ犠牲にしたり、大切なこどもたちまで、その巻添えにしてはつまらんではないか。いや、申訳けないではないか、というまで。 要は合理化。当の欧米人さえ、その非を悟っているのだ。かれらの反省を鏡として合理化につとめよう。あやまりをなおすことは少しも恥ではない。あらためないことこそ誤り。もっとも恥ずべきことだ。いわんや、欧米人のすることは、なんでも真似たがるお国柄。こういうことこそ、大いに、すすんで真似なければなるまい。 甚しい欠陥食 欧米食の間違いは何か。栄養豊富で文化的な高級食と、一般にかんがえられている欧米食は、その実、まことに不完全であり、安全性にも問題の少なくない欠陥食なのだ。すなわち、動物食品(肉類・卵・乳製品)・精製穀・脂・糖にかたより、野菜ことに良質ナッパに乏しいこと。高度に加工(精製・調理)され、濃厚に調味(糖・塩・脂・香辛料・化学調味料)されていること。 菓子・酒・コーヒー、コーラ(タバコも)などの嗜好品が乱用されていること。などのため、熱量・蛋白質ばかりが多く(栄養食といわれる所以)、これに釣りあうべきミネラル(ことにアルカリ、カルシウム)・ビタミン(繊維も)は不足、という不完全食となっている。また、貯蔵食品、既成食品、インスタント食品が多いため、安全性にも不安が少なくない。なお、生産方法の不自然不合理化のため、食品自体すでに劣質化し、有害有毒化されてさえいる。 安全化・完全化 そこで、これを合理化するには、まず、
つまり、食の合理化には、食品の安全化と、肉食・穀食・糖・食塩をひかえ、良質ナッパを主体とする野菜・クダモノ類を十分に、ということになる。 緑葉食・青汁 これが実行には、安全良質食品の円滑な供給が先決条件であるこというまでもないが、その必ずしも容易でない現在において可能なのは、われわれの多年強調している食の自然化、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁といった食。あるいは、せめて、青汁だけでもうんと飲むことであろう。 それは、十分のナッパ・青汁によって、単に、栄養が完全になるだけでなく(緑葉食・青汁では400〜500グラム、青汁にして2合、イモ・マメ・ナッパ食では200〜250。青汁1合で、完全にバランスがとれる)、それ以上にとって、ミネラル・ビタミンに余裕をもたすようにすると、安全性と摂取量(完全食の範囲内)にさえ気をつければ、安心して何を食べてもよい、 つまり、うまいもの(とかく栄養的にかたよったものが多いのだが)を食いながら、その害を防ぐことができる。したがって、欧米食の欠陥は除かれ、しだいに多くなりつつあるわが国の欧米文明病を防ぐことにも役立つだろう。 また、こどもたちは必ずや、均斉のとれた頑健な体躯、すぐれた頭脳をめぐまれることであろう、とかんがえられるからだ。それはともかく、いつまでも無批判な欧米模倣の猿真似に終始せず、このあたりで、じっくりわが国古来のよさを見なおし、かみしめてみるべきではあるまいか。(52・11) | ||||||||||
2. 日本人と日系人の癌 | ||||||||||
わが国の男性に多い癌は胃・肝・肺・食道・直腸の順。 | ||||||||||
3. 爪の変化 | ||||||||||
病気するか、なにか健康に異常があると爪に変化が出る。 | ||||||||||
4. 運動によるカロリーの消費 | ||||||||||
歩行 1時間4.8キロあるくと、約300カロリー消費する。 | ||||||||||
5. うまいものにはナッパをうんと | ||||||||||
食糧が豊富になり、ふところぐあいがよくなると、うまいものの食べ方がふえる。 | ||||||||||
6. 医療自明の前提要件(2) | ||||||||||
前回参照 | ||||||||||
友成 左近
前記のように医療は、そこに必要な養生に、当の患者がみずからつとめることを自明の前提要件にしています。が、当節、医者もさることながら、とくに患者が、とかく医療を過信して、この養生を怠り、ために予期した通りに治ってこないばかりか、ますます進行もし余病も併発して、つい不信をいだくようになっている場合が少なくないのが実状です。そして、この主な事由になっているのが、最近新たに開発された治療薬です。 | ||||||||||
次回参照 | ||||||||||
7. ワラビの発癌性 | ||||||||||
ワラビの発癌性は、シダになったものより、ふつう食べる巻いたワラビの方が強い。 (岐大 広野巌 癌の臨床61集、昭51・1)
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8. リョウブ(令法) | ||||||||||
山地にはえる小喬木。3〜7メートルになる。
京都にも、飢歳にはうる。 また、貧民は平時も煮て飯の上におき、 蒸して飯にまぜて食す。味よし。 わか葉をゆがき、さらし、油塩で食ったり、煮つけ、ひたしものにし、蒸して乾かし茶代りにもする。 粉にしてもよかろう。癪を治し、熱を去り、虫を下す効がある。が、多食すると下すことがある。もちろん、青汁の材料として利用もできる。 | ||||||||||
9. 夏バテ | ||||||||||
夏にバテるのは、平素の不完全(欠陥)栄養のためだ。つねから、ナッパ・青汁を中心とした完全食(緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食)をとっていること。せめて、4〜5月ごろからでも、青汁をうんと、1日2〜3合(もとのナッパ500〜750グラム)のむことだ。 | ||||||||||
10. 食の原点 | ||||||||||
北海道 S.O.
本年1月に、先生の「青汁と健康」を拝見、これこそ、私どもが、日頃、忘れていた食生活の原点と、理解できました。 | ||||||||||
11. 高血圧を克服して | ||||||||||
倉敷市 S.S.
銀行員として奉職した青年時代から、酒席による話上手に加えて社交々々、退職後某会社の重役となり、酒豪がいつしか酒害者となりました。 | ||||||||||
12. どうすればよいのかまよっている | ||||||||||
富山県 H.T.
小さい時から虚弱体質で悩んでいます。現在も十二指腸潰瘍で、薬と注射で治療していますが、この病気になって4年になります。すぐに再発してしまい現在にいたっています。ある雑誌に、生ジュースなどがよいと書いてあったので、書店でさがし、一通り読みましたが、種類がたくさんあるので、どの方法をとればよいのか、まよってしまいます。胃腸がよわい。食べすぎるとすぐお腹をこわす。カゼをひきやすい。便秘症、冷え性、神経質、すぐ疲れる。肩がこる等々です。ご指導ください。 | ||||||||||
13. 熱が出なくなった | ||||||||||
石川県 Y.S.
家のこども二人は、小さい時から、扁桃腺炎で何度熱を出したか知れません。ことしの春、青汁のことを知り、せまい庭でケールをつくって飲ませましたところ、カゼをひいても軽くすみ、熱を出さなくなり、子供も私もたいへんよろこんでいます。春・夏は、とてもよくそだちましたが、涼しくなってからあまりとれなく、心細く思っております。 | ||||||||||
14. かけがえのない大切なもの | ||||||||||
船橋市 M.H.
ケールを、9月には、庭に育ててみたいと思います。青汁の効果はすばらしく無農薬の野菜づくりは、私にとってかけがえのない大切なものとなっております。 | ||||||||||
15. 質問箱 | ||||||||||
愛知 K.
問 | ||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||
養寿の道は但之を傷ふこと莫きのみ 彭祖
蘇東坡粗食三益説 一日三度の食事をば一度は粥にして食ふべし。 さすれば一椀の糧よく二椀の用をなし、我身上の費を薄くす。 是れ一の益なり。 一椀の食の米を延ばして国家入用を軽くし国恩に酬ひ奉る。 是れ二の益なり。 食を軽くして脾胃を養ひ病を防ぎ寿命を保つ。 是れ三の益なり 第一次世界大戦で、各国とも食量を減じ、質は低下した。肉類酒類が減じた。 その結果、多数の疾患の数と症状の軽減がもたらされた。 甲状腺機能亢進、通風、脂胖症、胆石、糖尿病等。 死亡率減少、老人の死亡がへった。 1915−16は儲け盛りで、好景気の祝杯があげられた時で、 老人のためには死因をなしたが、 1917からの制食は寿命をのばすことに、 非常に力があった。 ヒンドヘーデ
その行、堅賢行ふ所の如きを得て、 以て医の最良の行とす フーフェランド
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